A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

ビル・ラズウェル+近藤等則+山木秀夫+DJ Krush@渋谷WWW 2011.5.17(tue)

2011年05月19日 01時18分09秒 | 素晴らしき変態音楽

Bill Laswell presents Tokyo Rotation (Bill Laswell / 近藤等則 / DJ KRUSH / 山木秀夫) 「WWW presents #restart vol.2 東日本大震災復興支援ライブ」。当初通常の公演の予定だったが、ビル・ラズウェルの希望で投げ銭制チャリティ・ライヴに変更になった。友人のfykさん、野田さんと待ち合わせし、開場と同時に入場、最前列を確保する。観客は続々増えていき満員御礼。年配の人の姿もちらほらするが、意外に若い客層なのは渋谷という土地柄か。女性の姿も目立つ。ドリンク・コーナーでは東北産日本酒が特別販売されており、被災地への心遣いが伝わる。


ビル・ラズウェルというと1980年代初め元ヘンリー・カウのフレッド・フリス(g)、スクリッティ・ポリッティのフレッド・マー(ds)と結成した爆走アヴァンギャルド・トリオ、マサカーの印象が強烈に残っている。ニューヨークのノー・ウェイヴと西欧のレコメン系プログレが見事に融合した破天荒なサウンドにはド肝を抜かれた。三者三様に超絶テクニックに裏打ちされた超ハイ・テンションの即興を繰り広げる世界は、ビルが後にジョン・ゾーンと結成するペインキラーのグラインドコア・ジャズへ繋がっていく。その後ビルはハービー・ハンコック、ミック・ジャガー、ピーター・ゲイブリエル、ヨーコ・オノ、イギー・ポップなどの作品でプロデューサーとしてメジャー進出すると共に、ワールド・ミュージックやクラブ・サウンド、レゲエ/ダブへの接近を果たし、多様な音楽性を持ったプロジェクトを次々結成、世界のアンダーグラウンド・シーンの首領的存在として君臨する。その重厚でエフェクターを多用したベース・プレイは一聴して彼だとわかる特徴を持っている。

フリージャズからアンビエント・サウンドまで幅広い活動をするトランペッター近藤等則さんと、1970年代後半フュージョン・バンド、マライア(高校時代に観たことあり)でデビューし、渡辺香津美バンドや近藤等則IMAで活動、現在では井上陽水や福山雅治のバック・バンドで活躍する売れっ子実力派ドラマー、山木秀夫さん、日本で最初のターンテーブル奏者DJ Krush。このメンバーでのライヴは今まで数回実現しているが、それぞれ現在の音楽シーンをリードするベテラン揃い、素晴らしいライヴになることは間違いない。


アンビエント風のベースのハーモニクスで始まったステージは、うねるように表情を変え、ヘヴィーなビートにのって激しいトランペットのブロウと切れ味鋭いスクラッチ・プレイが炸裂、さらに怒涛のベース・ソロやドラムの連打が満員の会場に響き渡る。近藤さんのトランペットを生で聴くのは20数年ぶりだったが、当時のストイックなプレイに比べ多彩な音色が宙を舞う演奏が印象的だった。70分強のステージを見終わった若い観客が「凄かったね~」と語り合っているのがこの日のライヴの凄さを象徴してした。照明も効果的で豪華な一夜を過ごした。

震災に
負けるなラズウェル
ここにあり

この日の募金総額は618,485円だったそうだ。


コメント
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