広瀬淳二(テナー・サックス)、伊東篤宏(オプトロン)、吉田達也(ドラム)/園田游(??)、BEM長嶌(アルト・サックス他)、 ヒゴヒロシ(ベース) 、SACHI-A(ドラム) というくせ者2組の対バン。
国分寺は久々だったのですっかり変わっていて別の街のようだ。だが雑多な中央線文化の香りはそこかしこに漂っている。モルガーナは勿論初めてだったが、ジャズ・クラブを想像していたらちゃんとPAもあるライヴハウスだった。1982年設立というからもう創業30年近い老舗だ。音響も雰囲気も良くていいハコだった。
入るとすぐのところで広瀬さん、吉田さん、伊東さんが談笑していた。挨拶をしてステージ真ん前の椅子に座る。楽屋では園田さんが化粧を済ませ衣装を着てスタンバイしていた。
最初が園田さんのカルテット。園田さんは白塗りに女性物のドレスを着て老婆のような佇まい。演奏は非常にストイックで緊張感のあるもので、園田さんはマイクの前でうなり声をあげたり、客席へ降りて来て奇妙なパフォーマンスを見せたりして観客の目を釘付けにする。私はヒゴさんを観るのはミラーズ以来実に30年ぶりで彼がステージに立っているだけで感動してしまった。
次が広瀬/伊東/吉田トリオ。それぞれ別のユニットで何度も観ている3人が一堂に会するとどんなことになるのかとても興味深かった。最初から爆音の全力疾走で飛ばしまくる。しかしそれが渾然一体の混沌状態になるのでは無く、各自のプレイがはっきり聴き取れるところがベテランならでは。オプトロン(蛍光灯)の明滅する光だけを照明として展開されるステージングは息つく間もないほどスリリング。伊東氏はエアシンセも操作、サウンドに花を添える。ニューヨークのノイズ・バンド、ボルビトマグース(先日美川さんの「酒とノイズ」で紹介された)を彷彿させるエネルギーを感じた。このままテクニカル激音即興ノイズを追求してもらいたい。
終演後園田さんが、あんなにユルい演奏で良かったのか、と言っていたが、そんなことはないとてもテンションの高いパフォーマンスでしたよ。
国分寺
学生時代の
想い出の街
ツイッターで知り合った方々とも実際にお会いできてとても有意義な一夜だった。