A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

坂田明+坂田学@渋谷Bar Isshee 2012.2.23 (thu)

2012年02月25日 00時41分07秒 | 素晴らしき変態音楽


昨年8月以来の坂田親子ガチンコ対決。2日前の新宿ピットインでの坂田&芳垣バースデイ・ライヴにも学氏は出演したのだが、やはりデュオとなると雰囲気は相当違う。狭いBar Issheeには男性客ばかり10数人。学氏つながりで森山直太郎氏も観に来ていた。学氏は直太郎バンドのドラマーとして長い付き合いだそう。

私的な話を少し。私が学生の頃サックスをやっていたことは何度か書いた。大学のバンドでは山下達郎のコピー・バンドのヘルプとして、そして自分では吉祥寺ぎゃていを拠点にギターとのインプロ・デュオとして活動。そのころ従兄の結婚式に出席し、ちょうど山下バンドの練習のためにサックスを持っていた私に突然披露宴の余興で吹いてくれとの依頼が。アナーキーなパンクスを気取っていた私は「どうなっても知らないよ」と引き受けて、宴席を歩き回り目茶苦茶な即興演奏を披露した。披露宴の華やかなお祝い気分をぶち壊す余りにKYな演奏にほとんどの出席者は目が点になっていたが、新婦側の親戚の青年が「坂田明みたいですね」と声をかけてくれたのを覚えている。当時坂田さんがそれだけポピュラーな存在だったという証である。私は山下洋輔トリオでの坂田さんは勿論好きだったが、むしろ阿部薫さんやエリック・ドルフィー、アルバート・アイラーのような夭折した破滅的な天才プレイヤーに心酔していた。今となっては赤面モノの若気の至りである。

それから幾星霜を重ねた現在も洋輔さんや坂田さんが現役で、しかも前衛ジャズの先頭を走っているというのは驚異的なことだ。特に坂田さんの日本民謡や平家物語からジム・オルークや非常階段などのアヴァン・ロックまでジャンルに拘らない八面六臂の活動ぶりを見ると老成とか熟年という言葉が嘘のように思えてくる。昨年からそんな坂田さんに惚れ込んで追っかけている次第。

息子さんと自分の土俵であるフリージャズで共演できるというのは何と幸せなことだろう。数々のJ-POPアーティストと活動する学氏も父親とふたりの時は水を得た魚のように生き生きとしたプレイを展開する。全く何の遠慮もなくお互いの自我をぶつけ合える関係は正に理想の親子像である。

1曲目から坂田さんはフル・スロットルのドシャメシャ・ブロウ、学氏もドラムを叩きまくる。とてつもないパワーが狭い会場に充満する。お客も大興奮。坂田さんの激しいプレイに掛け声がかかる。第2部では平家物語やアルバート・アイラーの「ゴースト」も演奏してくれて感慨しきり。大人数のバースデイ・ライヴとは全く違う素顔の坂田親子の姿を堪能した夜だった。



3月19日には「坂田親子とジム・オルーク」と題されたライヴを下北沢で開催する。これまた楽しみだ。

坂田親子
今度はジムと
共演だ

いよいよ3月14日に昨年11月の坂田明&ちかもらち+ゲストの渋谷WWW公演のライヴ盤「ちかもらち 空を飛ぶ」が発売になる。ちなみに「ちかもらち」の名付け親は今年10歳になる学氏の娘さんだそう。






コメント (4)
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