A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

第五列:JOJO広重+GESO@渋谷UPLINK 2013.5.15(wed)

2013年05月17日 00時25分56秒 | 素晴らしき変態音楽


第五列の復習<UPLINK編>

70年代後半から80年代半ばまで印刷物、カセットテープ、レコードを発表し続けていた集団『第五列』の音源集が、CD3枚(+DVD1枚)というボリュームでリリースされることとなった。これを記念して、今なお謎の多い第五列について当事者であるJOJO広重とGESOの両氏が語り、作品を紹介し、演奏を行うイベントを開催。聞き手にインキャパシタンツ美川俊治氏を迎えます。日本のアンダーグラウンド文化史の一端がひも解かれる夜!

ライブ&トーク出演:JOJO広重、GESO/聞き手:美川俊治


(写真・動画の撮影・掲載については出演者の許可を得ています。以下同)

昨年11月非常階段JOJO広重、T.美川らによるユニット阿部怪異の復活に絡めて第五列に関する記事を書いた。30年前にチラシの片隅で見た阿部怪異の名前を再び聞く(しかもライヴまで!)ことになるとは信じられなかったがその繋がりで第五列を再発見したのも驚きだった。ただし完全に忘却の中に埋もれていた阿部怪異に比べれば第五列は21世紀初頭にアルケミー・レコードから2作のCDがリリースされたので多少は知名度があるのではなかろうか?


インキャパシタンツ「アルケミー箱愚か」に始まったアルケミー/Youthによる怒涛のボックス・セット攻撃の中でついにこの謎だらけの集団に陽が当たることになった。その前に渡邉浩一郎追悼CD「まとめてアバヨを云わせてもらうぜ」、オムニバス「なまこじょしこおせえ」の2作の関連CDが再発された。1982年ピナコテカ・レコード最後のリリースの「なまこじょしこおせえ」は当時LPを手にした筈だがレジデンツっぽいという印象があるだけであまり覚えていない。CD再発に際してタイトルが複数存在し曲順不明の世紀の謎と謳われたが当時の自主制作盤は総じてそんな感じだったので不思議だとは思わなかった。70年代LAの伝説的アーティストの作品としてリリースされた「Anode/Cathode」は実は第五列制作音源だというし、ピナコテカのフリーペーパー「アマルガム」には大言壮語のマニュフェストや真偽不明の情報が数多く掲載されていた。贋作と捏造が罷り通っていたのがマイナー音楽シーンだったのである。


地下音楽の怨霊の巣吉祥寺マイナーを母体とするピナコテカと協働して30年前の音楽界を迷宮化した第五列関連作品のCD化により当時の謎が解明されるかと期待したが新たに加えられたライナーノーツは十年一日の言葉遊びと論理破綻が渦巻き晦渋極まりないモノ。明らかに意図的に創り出されたカオス状態。30年経っても腸捻転したままの意志の力に無条件降伏(幸福)。ここ数年吉祥寺マイナーや京都どらっぐすとぅあといった迷宮の探索が進んでいるが探れば探るほど無明の輪廻に絡み取られるのが現実。第五列の首謀者の一人GESOこと藤本和男を表舞台に担ぎ出しても謎の解明には至らない。一見真面目な文学者風だが話の節々に頑固一徹の闘争理念が滲み出る。迷宮出身者にしては珍しく単純明快な非常階段の二人も30年来不滅の非楽主義者のオーラに巻き込まれ的外れのトークに終始する。ラビリンスの奥深さを垣間見せたトークに続き34年ぶりのJOJO+GESOのデュオ・セッション。シモンズ「恋人もいないのに」~緑魔子「やさしいにっぽん人」(初音階段ヴァージョン)~インプロヴィゼーションと20分の演奏。マウスハープ、ミニギター、ガラクタを駆使してJOJOのノイズ・ギターに対抗するGESOの異能ぶりが際立った。



五列目は
ピットイン右三列目より
危険かも

謎の謎による謎のための非楽(Non-sic of the Enigma, by the Enigma, for the Enigma)。
コメント (2)
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