A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

屹立ロケンロー&屹立エグジスタンス(存在)そろい踏み~Drop's/灰野敬二 2013.9.29(sun)

2013年10月01日 00時14分45秒 | 灰野敬二さんのこと


●Drop's


「NEW TOWER GENERATION 2013」
出演:Drop's / THE NAMPA BOYS / ドラマチックアラスカ / トレモノ
@CUTUP STUDIO(タワーレコード渋谷店B1)

タワーレコードおススメの新人バンドを紹介するライヴシリーズNew Tower Generation三大都市ツアーの最終日。出演バンドの最新CDを購入すれば無料で観られる。本年度上半期、あまちゃんよりもハマった札幌女子ブルースロックバンドDrop’sを初体験。7月のヴォーカルの中野ミホのアコースティック演奏は衝撃的だったが、フルメンバーで観るのは、憧れの学園のマドンナと非現実(非合法)的なデートをしているような感動に包まれる。

赤い水玉ワンピのミホの堂々とした歌やマラカスを振る姿に悶えもしたが、他のメンバーが心の底から楽しそうにパフォーマンスに陶酔する様子が実に新鮮だった。理想のロケンローを演るために全身で歌と演奏に打ち込む5人はエレキギタアを初めてアンプにつないで音が出た時の一瞬の感動をずっと保ち続けているに違いない。それは皆で一緒に音を出したときの興奮であり、オリジナル曲が見事にキマッた時の歓びでもある。よく言われる初期衝動とは微妙に違うような気がする。「初期」だけではなく「いつでも」ある(はずの)閃きと熱狂。それを感じられるのはひとつの才能である。一生感動しながら生きることが出来れば最高だろう。Drop’sのイノセントな感受性の曙光(Dawn)の前では、「盛り上げ・楽しませ・元気を与える」というJ-POP三大命題も退散せざるを得ない。

あまりに無垢な5つの魂は、指さしケチャ(指さしポーズの片腕を掲げて前後に振るノリ方)の似合うJ-Rockバンドに囲まれても全く動じることなく屹立していた。




●灰野敬二



「東京都初耳区」
サウンドインスタレーション: モノlith
ライブ: 鈴木昭男、イチオン、A.N.R.i.、電子海面、灰野敬二
@六本木 Super Deluxe

時代を切り開き続ける音楽家達と未だ見ぬ才能を秘めた新人達の表現が交差し、躍動する未知の一夜が実現!
この日「東京都初耳区」は新しい未来へと続く音楽の解放区として誕生します。



東京文化発信プロジェクト、サウンド・ライブ・トーキョー、東京クリエイティブ・ウィークスといくつかのキーワードを冠して開催中の一連のイベントのひとつ。サイトやフライヤーを見てもいまいち全体像およびイベントの相互関係が分からない。前売チケットは購入していなかったが、Drop’sが早く終わったので駆けつけた。入場時に配布されたフライヤーに不失者ワンマンの告知があり興奮する。スーデラは満員。シンセ・トリオがアンビエントな電子音を奏でている。

ミュージアムのようなクールでインテリジェントな雰囲気の中、ラストの灰野敬二がハーディーガーディーを抱えて登場。エフェクターを並べたテーブルの後ろに座り、照明が落ちると同時に黒い砲丸型ボディの端のハンドルを回す。仄かなギイィィという摩擦音が流れ出し、空間に拡散していく。DJの時と同様に灰野本人の激しいアクションがない代わりに、ミラーボールが無数の水玉で会場を彩る。光を目で追うとまたもや幽体離脱しそうになるが、今回は何時間も続くわけではないので、魂はかろうじて頭蓋に留まったまま。ホイルで弦をミュートさせる掟破り奏法も炸裂。一台の楽器からオーケストラを思わせる多重旋律が流れ出すさまは、やはりギターやエレクトロやDJと同じ灰野敬二の世界。最後は立ち上がってシンバルと銅鑼を持ってパーカッション&ダンス。暗闇で踊り跳ねる影は異界の降霊の儀式さながらだった。

灰野と同じくゲスト参加の鈴木昭雄を含め、他の出演者は観ていないが、終演後の会場のざわめきには、屹立する灰野の存在感に浄化されたような残響が漂っていた。






屹立は
STANDING TALL
TOWERING

ただし、「屹立」「孤高」のひとことで灰野敬二を語ることは、人間としての思考能力の放棄に他ならないので心してほしい。

●灰野敬二 Live Schedule
Peter Brötzmann & Keiji Haino
2013.10.07(Monday) Keiji Haino: SOLO@Barnevelder Movement/Arts Complex, Houston,TX
2013.10.09(Wednesday) Peter Brotzmann/Keiji Haino: DUO@Rice Media Center, Rice University,Houston,TX

FUSHITSUSHA
2013.10.26-27 Keiji Haino project@Skanu Mezs(Riga,Latvia)
2013.10.28(Monday) FUSHITSUSHA@Corsica Studios(Units 4/5, Elephant Road SE17 1LB London, UK)

2013.11.09(土) 静岡騒弦 「spin excitation」 出演 opening act 伊藤大樹 headliner 灰野敬二
2013.11.21(木) 六本木 Super Deluxe 不失者ワンマンライブ
2013.11.25(月) 新宿 PIT INN 『やんてらの企画Vol.10』 酒井俊vo 灰野敬二vo,g 瀬尾高志b
2013.12.05(木) 高知 カオティックノイズ "CHAOTIC NOISE" 七周年記念暴走夜 [WALK ON THE WILD SIDE!!] 灰野敬二
2013.12.13(金) 秋葉原 CLUB GOODMAN SANHEDOLIN:灰野敬二/ナスノミツル/吉田達也
コメント
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