
筋肉少女帯
LIVE DVD発売記念ツアー「四半世紀中」
vs アーバンギャルド

2006年に復活した筋肉少女帯の6月中野サンプラザでのワンマンライヴ「筋肉少女帯メジャーデビュー25周年記念“4半世紀”」を収録したDVDの発売記念ツアーが今回の「四半世紀中」。6公演中3公演が対バン形式で、同世代のすかんち、人間椅子に加えアーバンギャルドが唯一若手として出演。今までもヒカシュー、戸川純、ケラ&ザ・シンセサイザーズなど80'sニューウェイヴ・レジェンドと対バンしてきた前衛都市にとって筋少は一際重要な存在である。発表直後から大きな関心を呼びすぐにSold Out。この日KISSと安室奈美恵とLOUD PARKを蹴ってブリッツに集まった4・50代の往年の筋少ファンと1・20代のアーバンギャル&ギャルソンが入り交じり、短大の父兄同伴懇親会といった雰囲気。初対面の緊張を解す為のBGMのフランク・ザッパに籠められた主催者のお・も・て・な・し精神に反応したのは筆者だけだったかもしれない。
●アーバンギャルド


恋と革命とアーバンギャルド・ツアー以来約一ヶ月ぶりのライヴ。ステージセッティングが上手にキーボード、下手にギターと今までの逆に変更。金髪をおかっぱにカットした松永天馬、ソバージュヘアにグラマラスな化粧のギターの瀬々信、カラーヘアを黒髪に戻したドラムの鍵山喬一、初登場のサポート鍵盤奏者、と男性陣が小賢しくお色直しする中に、絶対的アイドル浜崎容子が揺るぎない神々しさで屹立する。前任者と違いスリムな体型のサポート君のモーグの電子音と派手なアクションが新鮮。選曲は挑戦的なまでにマニアックで、前衛都市のLEVEL 3の新局面を垣間見せた。血色水玉旗が乱舞する光景に、最近シ○キ隊の噂を聞かないなと邪念が頭をよぎる。しかし即座によこたんオーラがヨコシマな考えを吹き飛ばしてくれた。エンディングでサポート君がキーボードをぶん投げ破壊。何処かで観たことあるな、と思ったらザ・キャプテンズのケイ伯爵こと大久保敬だった。鍵山とのデュオでエアインチョコというユニットもやっていた。BURST CITY=爆裂(前衛)都市もいいんじゃない?
天馬は兄や姉の影響で幼少の頃から筋少に親しんだという。「高木ブー伝説」や「日本印度化計画」を歌う小学一年生のトラウマ。病めるアイドルツアーでNegiccoとの共演で筋少「日本の米」をカヴァーしたのは記憶に新しい。最近雑誌のコラムで大槻ケンジがNegiccoの「アイドルばかり聴かないで」を「バンドマンの心の叫び!」と褒めていたというから、四半世紀経った記念すべき日に両雄がステージを共にするのは定められた運命だったのかもしれない。
[10/22追記]
<アーバンギャルド Set List>
1:恋をしに行く
2:都会のアリス
3:傷だらけのマリア
4:ベビーブーム
5:スカート革命
朗読
6:コミック雑誌なんかILLかい
7:月へ行くつもりじゃなかった
MC
8:さよならサブカルチャー
9:四月戦争
●筋肉少女帯

休憩中に巨大なアンプの壁がセットされる。ドラム台の高さはアーバンの倍以上ある。エコ推進派から糾弾必至の資源の無駄使いの虚仮威し舞台セットはバブル期に青春を謳歌した中年バンドの性(さが)だろう。アラフィフのメンバーはアーバンギャル&ギャルソンの親父と同世代。フォーパパスと称してMCの殆どをオヤジネタで貫く元祖自虐ロッカー、オーケン節が炸裂。鉄壁のセトリに老若男女問わず会場全体がタテノリジャンプ大会。最近のライヴハウスは免震構造に違いないが、12月21日渋谷O-Eastの筋肉少女帯×JUN SKY WALKER(S)「25年目のバンドブーム!」の際は揺れ戻しと余震に気をつけた方が良かろう。
アンコールのJ-ボッサ演奏にナゴムギャルコスプレのよこたんがゲスト参加し、マイ再評価中の谷山浩子のパートを歌ったのも運命だろう。オーラスは筋少×アーバンによる「釈迦」大読経会。天馬がオーケンのパートを歌い本懐を遂げ、トラウマが新局面に突入した。
<筋肉少女帯 Set List>
SE God of Thunder/KISS
1. イワンのばか
2. 日本印度化計画
3. ワインライダー・フォーエヴァー
4. ロシアンルーレット・マイライフ
5. 中2病の神ドロシー
6. 蜘蛛の糸
7. 踊るダメ人間
8. ツアーファイナル
En1. 猫のおなかはバラでいっぱい(with浜崎容子)
En2. 釈迦(withアーバンギャルド)
★中野サンプラザ公演のライヴレポートはコチラ

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ネギとセーラー服とカレーが取り持つ二世代の絆。