IDOL PHILOSOPHY VOL.3
LINE UP:lyrical school/アップアップガールズ(仮)/寺嶋由芙/ハナエ/ふぇのたす/みきちゅ
渋谷duo MUISC EXCHANGE
全世界的にCD・DVDとデジタルの売り上げが逆転する中で、日本ではCD・DVDのセールスが音楽市場の80%を占める。アメリカは34%、イギリスは49%。CNNが現在でもCD人気に沸く日本の状況をリポート。値段は気にすることなく、特典に関心を寄せる日本人の性格が高い人気に結びついていると分析する。特典とはアイドルのDVD、写真集、握手会などのイベント券。日本のアイドル・ブームは世界的に注目すべき現象として報じられている。
アイドルのファン・サービスは過熱する一方で、男性週刊誌に特集されるほど。過激サービスはともかく、耳にしたところでは、音楽よりも握手会等で直接触れ合うことにハマり、月収の全てをアイドルのCD・DVD・グッズに費やし、破産寸前の猛者も少なくないようだ。因みにアイドル・ビジネス成功の秘訣は物販を充実させることだという。アイドルに好かれるための秘訣はコチラ。
その一方で、CDランキングが特定アーティストに寡占される状況を不安視する声も大きい。
いったい日本の音楽業界はどこへ向かおうというのだろうか?
その疑問を検証するために、本ブログ記者は「アイドル哲学」と題する謎のイベントに潜入した。
いくつかのライヴハウスが密集する円山町ホテル街入り口はV系ゴスロリ少女がたむろしているだけで閑散としている。しかし普段は大人向けのJ-POP中心のライヴハウスから異様なヲーラが漂ってくる。追い追い(オイオイ)と聴こえる追分風の掛け声。入り口でドリンク代を払う段になると、火照るような怪しい熱波が頬を舐める。仄かな異臭も感じるが、未だ処理班が出動するほど酷くはない。薄暗いホールの前方では赤青黄色の光を放つ棒が円を描いている。群衆の頭の間から露出度の高い衣装の少女が上下左右に走り回り、何やら節のある声色が聴こえてくるようだ。これは歌なのか?目の前のスキンヘッド男が視線を遮り、自分が何を観ようとしているのか訳が分からなくなった。
●みきちゅ
1993年1月26日仙台出身、在住のI☆SSW(アイドルシンガーソングライター)。16歳からライブ活動を開始。“アイドルの全ての音楽に愛を!”をモットーに全曲の作詞作曲を手がけている。七夕祭り等仙台のご当地イベントで活動しつつ、全国展開。2枚のシングルで熱心なファンを獲得。この日は5日間にわたる「I☆SWW」レコ発イベントの最終公演。「ここじゃぜったい終わらない。もっともっと大きくなります!」と感極まる発言に会場は暖かい愛の拍手に包まれた。
●寺島由芙
今年5月に「活動の悩みからくる体調不良」を理由にBiSを脱退した優等生担当、「古き良き時代から来ました。まじめなアイドル、まじめにアイドル!」=ゆっふぃーことテラシマユフのソロ・デビュー。バレエ仕込みの流れるような身体の動きは、音程不安定なゆる過ぎるヴォーカルを補って余りある。元BiSという看板がなくても、講談社主催のミスID2014受賞のこぼれるような笑顔と浜崎容子の妹風の姫カットに萌えキュン。ゆるキャラ好きでも有名。
●アップアップガールズ(仮)
赤坂BLITZのワンマンを行うまでに成長したハロプロ研究生落ちこぼれユニット。アイドルグループでありながらガチンコで、アイドルの枠を超えていろんなことに挑戦するのが特徴。いっぱいいっぱい上へ上へアップアップしたステージは徹頭徹尾アゲアゲ・ハイ・テンション。(仮)Tシャツのファンが一斉にジャンプするパワーを電力に変換できれば永遠に原発にオサラバできるだろう。ヲタ発電でノーベル賞を狙いたい。
●lyrical school
アイドルでは珍しいヒップホップ・グループ。2010年結成、当初tengal6を名乗っていたが昨年6月リリカルスクール通称リリスクに改名。個人的にヒップホップは得意じゃないが、江口寿史のイラストに釣られて購入したアナログ盤が予想外に良かった。「チェケラッ」じゃなくてアニメ声で畳み掛けるラップと、クラブ仕様のハウスビートが超新鮮。限りなく素顔に近いメイクも好印象。マイチャート急上昇中の6(SIX/SAX/SEX/SOX/SUX)人組。
●ハナエ
ハナエちゃんは愛どるぢゃないのでは?という突っ込みを入れるのはアイドル哲学の半可通。「IDOL」の森は奥深い。何でもアリがアイドルの合言葉である。この日のオープニングを飾ったロックバンドふぇのたすはゆっふぃーに曲を提供しているし、リリスクのアルバムにはtofubeatをはじめクラブ系オールスター総出演。エレクト(ロ)サウンドとキッチュなロリ声でリスナーをエレクトさせるハナエの魅力はアイドルヲタもトリコにする。
アンコールはハナエ+ゆっふぃー(+ちょうせい豆乳くん)の「変幻ジーザス」という豪華コラボでヲタ群、笑い死にせり。
むせ返るような汗の匂いに悶(萌)え死に寸前の断末魔に記者が残したひとことは「IDOL as No.1, JAPAN as No.2 & WOTAKU as No.3Eternally(アイドル一番、日本は二番、三時のヲタクは永遠に)」。混濁し切った意識の中でクマ人形のラインダンスの一幕を垣間見たに違いない。生命を賭けた報道の亡者として、歴史に残る金言を吐いたことに満足しきったようなデスマスクであった。
OF THE IDOL(アイドルの)
BY THE IDOL(アイドルによる)
FOR THE IDOL(アイドルのための)
JAPAN(日本)