DOMMUNELIVE PREMIUM "NEW TRACKS"
「my bloody valentine - World Premium Live with 相対性理論」
My Bloody Valentineが、バンド史上最も貴重な全席指定のホール公演を9月30日東京国際フォーラムホールAで行う!!!このワールドプレミアム・ライブを宇川直宏主催ファイナルメディア=DOMMNEが全面プロデュース!!!!!!! ケヴィン・シールズの要望に忠実に、DOMMUNEが独自のシューゲイザー・サウンドシステムをこの日の為に構築!!!!!!! ライヴ音響は、LIVE PAの草分けであり、日本最高峰サウンド・エンジニアの浅田泰が監修!!!!!!! My Bloody Valentineを存分に堪能するための完璧な環境作りで、一夜限りのプレミアムLIVEが現実のものとなる!!!!!!! また、NEW ALBUM「mbv」からの楽曲を中心に、新たにレコーディングを果たした未発表トラックの演奏も世界初パフォーマンス?!!!!!!! そして、日本からはNEW ALBUM「TOWN AGE」発売後、東京初ライブとなる相対性理論が、GUEST ACTとして新曲も盛り込んだライブを披露!!!!!!! この前代未聞のWワールドプレミアム"NEW TRACKS"は、未踏の音像世界を降臨させる為の"オルタナ儀式空間"になるだろう!!!!!!!
from DOMMUNE
ゴッド・オブ・シューゲの2月の単独ツアー、7月のフジロックに継いで、今年3度目の来日公演。最初に友人から聞いた時に幕張メッセと勘違いし、いくら何でも無茶!と思ったら国際フォーラムだった。それでもキャパ5000人。お客さん入るかなぁと余計な心配をしてしまった。蓋を開ければSOLD OUTでは無かったようだが、2階席後ろまできっちり入っていて、マイブラが人気ロック・バンドとして確実に認知されたことを実感。20年間の空白がバンドの地位向上に役立った稀な例である。
かく言う私は、オレ的再評価著しい相対性理論との対バンじゃなかったら行ったかどうか?宇川直宏が音響に拘った最高の環境を作ると言うのに期待を賭けるしかない。スタジオコーストでのホロコーストの衝動を再度味わいたくもある。JAPAN TIMESが今回の再来日の経緯を詳細に記事にしていて、次第に期待が募る。最後のラリーズ云々はともかくとして、宇川の心意気は大いに支持したい。不可能を可能にする時代に先鞭を切ったパイオニアの宣言である。
●相対性理論
初めて観たのが2008年10月8日だから、出会いから5年経って初めてやくしまるえっちゃんの魅力に気づいた奥手なオレにとっては、萌え体験後の初ライヴである。座席は1階席後ろから4列目なので、表情どころかステージ上で何が行われているのかも判別できない。えっちゃんはクロに身を包んでいる様子。他のメンバーを含め、演奏中は殆ど動かない。後半dimtaktを操作しOPTRONかサイリウムのような光の明滅でノイズを操る魔法少女えっちゃん。大友良英らとのセッションでの人間味は発揮しなかったが、声のヤヴァさに脳内神経が麻痺。しかし、躍動的なリズム隊には感心したが、平坦な顔ナシ楽曲に堪えきれず舟を漕ぐ。立体的な音響の素晴らしさが心地よい眠りに誘ってくれた。えっちゃんの「耳栓、交換しよ」とのMCで目を覚ます。ワンマン「幾何 I」に行くかどうか迷うところではある。
●相対性理論 Setlist
1. キッズ・ノーリターン
2. 上海an
3. YOU&IDOL
4. BATACO
5. 帝都モダン
6. ムーンライト銀河
7. たまたまニュータウン
●マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン
30分の休憩中に、映像投射用のスクリーンが用意される。驚くのはギターアンプの山。ざっと数えただけで100ワットのマーシャルが10台以上積まれている。最近はヘビメタでもない限りこんなアンプの山を見ることは無い。照明がついたままのステージに黒い人影が現れる。ゆっくり楽器を構え、ハローとひと言、ドラムのカウントで演奏開始。コースト同様ギターの音が大き過ぎてヴォーカルが聴き取れないが、PAは最高なので、これが彼らの意図通りなのだろう。スタジオコーストは満員電車並みの混雑だったので、ゆったり座って観れて贅沢な気分。
次第に音が整理され聴き易くなると同時にヴォリュームもアップする。徐々に絶頂へ導く巧みな愛撫に脱力。新曲中心の中間部は正直言って眠くなったが、「This is the last song」とのMCについに来たよ!という安堵と不安に入り交じった緊張が会場中に走る。疾走ガレージロック・チューンを二周りやったところでスイッチオン。ゴゴゴゴというストームが遠雷のように鳴り響く。最初はこの程度?という音量だが、雷が近づくように徐々に圧力が増し、厚いクッションのような音波に全身が包まれる。空気の重みを肌で感じるが耳栓は必要ない優しい轟音。ステージ上では4人がPAから出る音とは無関係な動きを繰り返している。夢の中で壊れかけのテレビの画面を眺めているような気がする。目を瞑り音の毛布に潜り込むと、途端にビートが浮き出て遠い昔に聴いた覚えのあるリフが始まる。トンネルを抜けたら、そこはロックだった。この至福体験は、レコードやCDやDVDでは体感不可能。文字通りライヴそのものの生命体験(LIFE EXPERIENCE)に「生きてて良かった」と思えた奇蹟の夜だった。
●My Bloody Valentine Setlist
1.Sometimes
2.I Only Said
3.When You Sleep
4.New You
5.You Never Should
6.Honey Power
7.Cigarette in Your Bed
8.Only Tomorrow
9.Come in Alone
10.Only Shallow
11.Thorn
12.Nothing Much to Lose
13.Who Sees You
14.To Here Knows When
15.Wonder 2
16.Soon
17.Feed Me With Your Kiss
18.You Made Me Realise
★マイブラのケヴィン・シールズ、もっと作品を作っておくべきだったと後悔してると語る→コチラ
生命は
無駄に使って
構わない
<JAPAN TIMES 9/25記事日本語訳>
DOMMUNEは、マイ·ブラッディ·ヴァレンタインのギグで新たな方向性を探る
文・ジェームス・ハドフィールド
ノイズ - 広大な、包み込むノイズ -が、 マイ·ブラッディ·ヴァレンタイン(以下MBV)の音楽の中核にある。「ユー・メイド・ミー・リアライズ」の途中で四人は単一コードの攻撃で、感覚を撹乱するディストーションの嵐に巻き込む。1988年録音のシングル・ヴァージョンでは、この「ホロコースト・セクション」はわずか40秒間だけだったが、ライヴでは30分に引き延ばし、音量は130デシベルにも到達することで知られている。
それは単に大音量でプレイするということだけではない。1988年から1991年の僅か3年間の短い全盛期にインディーロックを再構成してしまったMBVは、音響について執拗なまでに凝り性であることで知られる。1991年の傑作『ラヴレス』は、メロトロンや渦巻く大嵐のようなギターの音を作るために、非正統的な演奏テクニック、エフェクト・ペダル、サンプラーやスタジオ実験を駆使した作品だが、そのテクスチャーを再現しようと数十年を費やしてきたバンドは他にはいない。
再結成したバンドが2008年にフジロック・フェスティバルのヘッドライナーで出演したときは、サウンドッチェックに前夜遅くまで費やした。今年再度フェスで演奏したときは、きちんとした事前準備なしにステージに立ったため、彼らの強力なソニックが薄っぺらく弱々しい泣き声に減少され、酷いものになってしまった。「ニュー・ユー」のとりわけ情けない演奏のあとに、グループの事実上のリーダーのケヴィン·シールズは、ステージ上では沈黙を守るという慣習を破り、「今のヴァージョンは最低最悪だ」と述べた。
「他のバンドと一緒に出演するフェスティヴァルでは、望む通りの正確なセッティングを得ることはできない」と浅田泰は述べる。彼は1970年代初頭にサイケデリック・ロッカー、フラワー・トラヴェリン·バンドのレコーディングで忙しく高校を落第した経歴を持つベテランのサウンドマンで、MBVの今回の日本公演がもっと上手く行くようにすることを任務付けられている。 「8月中旬以降、このために準備してきた」と彼は認める。
今年3回目の来日となる今回のコンサートでは、 日本のメタ·ポップ·アクト、相対性理論をサポートに、9月30日東京国際フォーラムで5000人の着席の聴衆に向けて演奏する。『ラヴレス』の長時間経った次作である今年の『m b v』に収録されていない新曲の初披露を含む興味深いショーが予定されている。
浅田は、ギグに於ける自分の役割を船大工に喩えて説明する。 MBV側のエンジニアがショーの間にサウンドデスクに専念する一方で、浅田は8月中旬から、機材を調達し、スタッフを捜し、コンピュータ・シミュレーションを行い、 最適な動作環境が確実に得られるよう準備してきた。「現場ではMBVのエンジニアが実権を握るが、私はそれを操縦し易い簡単な船にしておきたい」と彼は言う。
公演は既存のプロモーターではなく、オンライン・ストリーミング・スタジオのDOMMUNEが主催する。平日夜放送のDOMMUNEは、政治的な議論から、国際的なDJによるゲスト・セットに至るまで、今、東京で起こっている最もエキサイティングなものの一つである。千葉の幕張メッセで募金のための無料オールナイト・イベントFreedommuneを二年に亘り開催してきたが、今回はDOMMUNEが主催する初の通常公演になる。
「Freedommuneからは収入を一切得ていない 。すべてを災害救援に使った」。 DOMMUNEの創設者であり、マルチメディア専門家の宇川直宏は言う。「それを続けていく限り、 DOMMUNEは一切お金を稼ぐことは出来ない。来年もフェスティヴァルを開催するには、ビジネスとしての行動を開始する必要がある。すなわち他のイベントをオーガナイズする、と言うことだ」。
宇川は、 7月にFreedommuneが行われた頃、MBVの公演に関してアプローチを受けた。他のプロモーターから断られたのである。「 ケヴィン·シールズは、日本で最適なサウンドが得られる場所でショーをしたかったが、今年3度目の来日公演なので、オーガナイズしようとするプロモーターを見つけられなかったんだ」と彼は言う。 「日本の音楽界は、既存のシステムが確立されており、新しく参入することは難しい。しかしDOMMUNEは、それが可能だということを証明した。二度のフリー・フェスティヴァルを成功させ、サウンドも良かったので、我々に話が来たんだ」。
宇川は、2006年に渋谷にMixroofficeという秘密クラブを設立して以来、サウンドマン浅田と共同作業してきた。 このPAの教祖はDOMMUNEの重厚なインハウス・サウンドシステムを応用し、テクノDJから、J-POPプロデューサー小室哲哉から、サイケデリック実験主義者のボアダムスと91人のドラマー による壮大な音響儀式(これは、当然のことながら、浅田にとって最大のチャレンジとなった)まで幅広い範囲の出演者のキャストによる二度のFreedommuneフェスでサウンドの総監督を務めた。
「典型的なDOMMUNE風にするために何ができるかを考えたとき、音に全てがあることに気づいた」と宇川は述べる。彼は今回、とても特別なことを約束する。「MBVのライヴでは、入場者に耳栓が配られる。ノイズが大き過ぎる場合にオーディエンスが使えるように。それは保険やシートベルトのようなものだ。しかし、今回は人々が耳栓の必要なしに、座ったまま轟音の中に耽溺できるショーにしたかった」。
宇川は、大きなノイズを表すふたつの日本語を区別する。爆発の音を意味する「爆音」と、あらゆる雷鳴を包括する「轟音」。彼はMBVのショーでは、後者を目指している。 「ジェットエンジンよりも大きな音だろうが、耳に心地良い音」と彼は言う。「 それをみんなに体験して欲しい」。
「もちろん、最後には耳鳴りがするだろう」と浅田はいたずらっぽく付け加える。決して最もヘヴィなバンドとは言えない相対性理論とMBVとの共通点は、と問われて、宇川の応えは「何もない」という率直なもの。1998年の『ラヴレス』再発盤と昨年の『EP's1988-1991』コンピのライナーノーツを書いた音楽ライター伊藤英嗣に同じ質問をしたら、ふたつのバンドは共に「パンクまたはポストパンクのアティテュード」を持っている、と答えた。「相対性理論の最初の(ミニ)アルバム『シフォン主義』は、パンク、ポストパンク、80'sインディー/オルタナティヴ・ミュージックの彼ら自身の解釈だと思う」と伊藤は言う。「それはMBVにも当てはまる」。
もちろん宇川は、少なくとも5000人キャパの会場をソールドアウトする助けになる、相対性理論の出演に満足しているが、もともと心の中では別のバンドを想定していたことを認める。「MBVが好きな人は間違いなく裸のラリーズを気に入るはず」。この長期間活動していない日本前衛ロック・バンドを、灰野敬二やハイライズ、ボリスなどのサイケデリック・アーティストの影響源として語る。「二つのバンドの雷を組み合わせたいと考えていた」。
裸のラリーズがは1996年以降プレイしていないし、リーダー水谷孝にはFAXでしか連絡がとれない(「FAXだよ!」信じられない、とばかり宇川が繰り返す)ことは気に留めず、次のコンサートは間違いなく彼らをフィーチャーする、と強調する。これを記事に書いてもいいか、と尋ねた。結果として、水谷が読むかもしれない。
「ああ、読んで欲しいね」と彼は言って笑った。