A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

初音階段@タワーレコード渋谷店 B1F CUTUP STUDIO 2013.10.7(mon)

2013年10月09日 00時18分26秒 | 素晴らしき変態音楽


【タワレボ】初音階段「からっぽの世界」発売記念イベント
『生初音ミク降臨!?ボーカロイドとノイズの融合!』

出演:初音階段 (JOJO広重、T.美川、白波多カミン)
トーク司会:冨田明宏



今年は非常階段関連のリリースやライヴイベントが目白押しで、コラボプロジェクトも多岐に亘っているので、脳内時系列が混乱してしまうほど。JOJO広重の思いつきに任せた精力的な活動が人との出会いを介して次々実現に至っており、初音階段のデビュー・ライヴから始まった2013年はキング・オブ・ノイズの当り年。アイドル・コラボに続き、世界に誇るボカロ・カルチャーの象徴的ヒロインとの合体という話題性を武器に、日本ポップス界の再構築を目論む意欲作をドロップしたマル非の世界征服計画が進行中。





レコ発イベント兼タワレコ配信UST番組のトーク&ライヴ。1st『非常階段 starring 初音ミク/初音階段』が既成音源を素材としてミックスしたヴァーチャル共演だったのに対し、『からっぽの世界』はボカロの特性を理解したうえで、選曲・アレンジ・演奏・録音にこだわった、本当の意味でのコラボ作品である。忘れかけられた和ポップスの名曲をボカロとノイズの共演で蘇らすというコンセプトは、死体を継ぎ接ぎして醜悪な怪物を創造したフランケンシュタインに通じる歪(いびつ)さがある。人々を恐怖に陥れた怪物が紛れもなく美しい人間のこころと知性を備えていたという事実は、外見(醜)と内面(美)の不整合の現れだが、萌えキャラ(美)を纏ったコンピューターチップ(醜)に過ぎないミクは、その鏡像として世の真理を暴くアイコンといえる。世間一般に照らせば、抒情メロディー(美)と轟音ノイズ(醜)の対比であり、流行歌(美)とアングラ(醜)のコントラストにも倣っている。翻って地下生活者の視点に立てば、前二例の美醜は入れ替わるのも事実であり、真理はひとつではなく、「常識を変えたら、驚きが日常に」(にんじゃりばんばん)というきゃりーぱみゅぱみゅ理論の正当性を証明しているのである。「僕らは期待を裏切らないといけないし想像を絶するものをしなきゃいけない」と語るJOJO広重の思考回廊が時代の最先端とリンクして、世界中どこにもない新たな「驚き」を産み続けることは間違いない。

  

来年2月に予定されているロンドン公演に向けて初音階段の次作は洋楽カバー集を計画中。さらに年内に『VOICE & DESTROY』と題されたJUNKOのソロ・アルバムが70分超CD2枚組でテイチクからリリース予定。来年の結成35周年へ向けて、マル非の快進撃は留まるところを知らない。




初音では
合いの手と茶々で
ノイズする
(T.Mikawa)

▼親子以上、恋人未満

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