A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

たそがれの10月・秋の女子バン祭り~Perfume/SCANDAL/tricot/でんぱ組/ひめキュン/バンもん

2013年10月04日 01時09分35秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


Octoberの語源ははラテン語で「第8の」という意味の "octo"に由来する。紀元前46年まで使われていたローマ暦では、現在の3月が年始であり、3月から数えて8番目という意味である。日本名は神無月。「神は存在しないGod is not exist」ではなく、神な月(かみなづき/神の月)、または雷無月(かみなしづき/雷のない月)が語源である。ネ申は毅然としてここにおられる。

●10月の国(October Country)


"October Country"はSFの叙情詩人レイ・ブラッドベリの代表的短編集。邦題は「10月はたそがれの国」。松尾由美が「束の間の明るさが闇の深さをきわだたせるような作品集」と評したように、E.A.ポーの影響の濃い怪異と幻想と夢魔の世界がなまなましく息づいている。特に「疑いはない。ぜったいにまちがいはない。十月というふしぎな生きものがやってきたのだ!」と始まる病弱な少年と忠犬を描いた『使者』は、読者をタイトル通り不可思議な黄昏の国に誘い込む。昨年92歳で亡くなったブラッドベリの世界を秋の夜長に堪能するのもいいだろう。



ブラッドベリにインスパイアされたのが、ロサンゼルス出身のサイケバンド、オクトーバー・カントリー。1968年の唯一の作品『October Country』は叙情的で繊細な旋律、甘酸っぱさと切なさを感じさせるメロディ、透明感があり瑞々しいコーラスに溢れた秀逸なソフトロック。仕掛け人はWest Coast Pop Art Experimental Bandのマイケル・ロイド。ロイドはSidewalk Productionという如何わしい制作プロダクションで幾つもの架空のバンドを手掛けており、このバンドも実質はスタジオ・ミュージシャンの覆面ユニット説が根強い。Sidewalkには全米ポップス界一のインチキ・プロデューサー、キム・フォーリーも所属していた。サイケ・ポップの名曲「October Country」はロイド&フォーリーによる別の架空プロジェクト、The Smokeのアルバムにも収録されている。聴き比べるとオケがほとんど同じなので、使いまわしかもしれない。




そんな怪奇と幻想の10月に相応しい女子バンドの新作を紹介しよう。

●Perfume


Perfumeがレコード会社移籍後初の2年ぶりの新作アルバム『LEVEL 3』をリリース。タイトルの意味は本人たちも説明できず、逆にサイトでタイトルの定義を募集するという後付のわけわからん作戦がPerfumeらしい。一説によればLEVEL 1=「リニアモーターガール」(2005年メジャーデビュー)、LEVEL 2=「Dream Fighter」(2008年武道館ワンマン)、そして本格海外進出を果たした現在がLEVEL 3だという。年末には初の東京・大阪での2大ドーム公演も控え、難易度3にチャレンジする3人の歩幅が1mmというのも謙虚でよい。
  
(初回限定盤/通常盤/US通常盤)



★最新インタビューはコチラ(YAHOO!ニュース)とコチラ(ナタリー)


●SCANDAL


テクノアイドルに対抗するのがギャルバン女番長、SCANDAL。アルバム・タイトルが『STANDARD(標準)』というのもライバル意識の表れか。日本武道館、大阪城ホールと大舞台でのLIVEを即日ソールドアウト、アジア圏を中心とした海外ツアーも成功させる勢いを「やっと世界水準に追いついた」と定義する彼女たちもPerfumeと同じお謙虚ギャル。一方で「ガールズバンド、世界代表」と謳う勇気はバンド系雑誌の表紙総ナメの自信ゆえ。ストレートな歌謡ロケンローを衒いなく突き詰める4人は最近はやりのサブカル系オルタナ女子を圧倒する。
   
(初回限定盤/通常盤/渋谷丸井メンズ館)



●tricot


サブカルオルタナ女子の代表が京都出身のtricot(トリコ)。中嶋イッキュウ(v)、キダ先輩(g)、ヒロミ・ヒロヒロ(b)、Dr komaki♂(ds)の女3+男1の四人組。「おもしろい事がしたい、ゆとり教育世代! ゆとり世代の音楽を聴いてください!爆裂したい盛りです!」と新世代宣言。変拍子が炸裂する耳から離れない中毒性の高いサウンドと、可憐で繊細なヴォーカルが融合したカオス感は同世代の共感を呼んでいる。よかったね、赤い公園さん!君たちは孤独じ
 
(初回限定盤/通常盤)



★インタビューはコチラ

●でんぱ組.inc


アイドル村発、でんぱ組.incの新曲は今年1月の6thシングル「W.W.D(ワールド・ワイド・でんぱ組)」の第2章「W.W.D II」。ここまで赤裸々に歌っていいのか?と思うほど分かり易い痛い歌詞が涙腺を直撃する問題作。前作「でんでんぱっしょん」の明快なカタルシスを期待すると見事に裏切られる。この曲ででんぱ組を知った人は、なんて自虐的なアイドル!と驚くかもしれない。初っ端の「よっしゃぁ、いけないぞぉぉぉ......(泣)」でメゲなければ、ハッピーエンドへと走り出すお!となる。ALL FOR ONE, ONE FOR ALL!!という呪文の唱和によりLEVEL 3へレベルアップできるかも。REMIX盤に収録のBO NIGEN REMIXはBiS階段以上の極悪ノイズ炸裂で必聴!
   
(初回限定盤A/初回限定盤B/初回限定REMIX盤/初回限定ナゾカラ盤) 





●ひめキュンフルーツ缶


愛媛のご当地アイドル、ひめキュンフルーツ缶は『情熱、エモーション。~REAL IDOROLL GIFT~』でメジャー・デビュー。2011年のデビュー以来、PASPOO☆と並ぶロッキン・アイドルと定評のあるエモコア・チューンに磨きをかけた暴走サウンド満載。当初たくさんいたメンバーが引退し5人組にシェイプアップ、フットワークも軽く全国区に参戦したみかん娘。の活躍に期待。
 
(初回限定盤/通常盤)





●バンドじゃないもん


新メンが加わった新生バンドじゃないもんの初音源は「UP↑ぷらいむ/タカトコタン-Forever-」(ライヴ/イベント会場限定)。リリース・イベントを続ける中、オリジナル・メンバーの"かっちゃん"こと金子沙織が卒業を表明、4人となってしまったバンもんの全国流通シングル「雪降る夜にキスして」は12月リリース。ドラム女子の面目躍如のドカドカ・ナンバーを期待したい。




10月の
茜空に
馬肥ゆる

10月の歌、お誕生日に。



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