A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

ロックの未来を担う?新世代UKギターロック特集~TEMPLES/TOY/PALMA VIOLETS/PEACE etc.

2013年10月13日 02時00分46秒 | ロッケンロール万歳!


ストライプスのライヴ会場で久々に出会った知り合いが「ストライプスは絶対ロックの未来なんかじゃない」と力説し、現在の英米日のロックは凄く面白いけど日本では殆ど紹介されていない、と嘆いていた。因みにどんなバンドがおススメなのか尋ねると、「イギリスのTemplesがサイケでいいよ」とのこと。Ash Ra Tempel?それともAcid Mothers Temple?とボケておいたが後で気になりようつべで検索してみた。

●Temples


どひゃー!いきなり曼荼羅模様が渦巻く幻想庭園に浮かぶシド・バレットかロブ・タイナー(MC5)かミック・ファレン(デヴィアンツ)そっくりのカーリーヘアー。初期ピンク・フロイドやムーディ・ブルース、ストロベリー・アラーム・クロックを彷彿させるオルガン・サイケ。80'sサイケ・リバイバル期のマイ・フェイバリット・バンド、オーストラリアのTyrnaroundにクリソツ。ダンエレクトロのギターもいい。ドラマー君の童顔もええやん!さすが古い友人だけあり私の好みのど真ん中を推薦してくれたものだ。が、実はこの曲を聴いて思い出したのはBelling女子ハートだったりする。
テンプルズはイングランド中部ミッドランド出身の4人組で7"シングル2作リリース、ノエル・ギャラガーが絶賛し、今年のNME の「最優秀新人バンド」にノミネートされた。ニュー・シングルが英国でリリースされたばかり。11月末HOSTESS CLUB WEEKENDERで来日予定で、それに合わせて日本独自EPが発売される。




個人的にツボなのは確かだが、この古色蒼然としたサイケデリック・ロックのどこがロックの未来なのか?ストライプスとどう違うのか判然としない。でっかいクエスチョンマークがゆらゆらと浮かぶ迷宮帝国の中、テンプルズが所属するHeavenly Rec.のサイトへ飛ぶ。

●TOY


Heavenly Rec.には昨年のUK新人の中で特に気に入った5人組トイが所属する。彼らのサイケロックも心の琴線に触れまくり。昨年のデビュー・アルバム以来新作は出てないようだが、精力的にツアーを続け、Qマガジンの2013年最優秀新人バンドにノミネートされた。テンプルズのフラワーなアシッド感に対し、トーイはヴェルヴェッツのダークネスとジャーマンロックのミニマリズムとネオサイケのゴシック趣味の強い酩酊感溢れるサウンドが特長。特にヴォーカルの声色が、これも個人的好みのオーストラリアのネオサイケバンド、The Churchに似ていて堪えられない。




うーん、二組とも私的には「未来」よりも「郷愁」を感じるなぁ。もう少し現代ロックの勉強をしてみよう。

●Stealing Sheep


Heavenly Rec.でもうひとつ知っている名前がリバプール出身の女子トリオ、スティーリング・シープ。2010年結成の彼女たちを2年前にFMで聴いて気になり、ほしいものリストに入れたまま忘れていた。2011年の日本編集盤に続き、2012年正式デビュー・アルバムをリリースした。最初の印象はレインコーツ流れの脱力バンドだったが、2年経っても相変わらず感性のズレたふわふわロックを聴かせ本国では「甘くモダンな60'sサイケ」「限りなく美しいハーモニーに魅了される」などと評価されている。ヒッピー風ルックスを含め開放的でフラワーなイメージは日本のファンシー・ナム・ナムに通じるものがある。




Heavenly Rec. は創立24周年を迎える老舗インディ・レーベルで、エドウィン・コリンズ、セイント・エティエンヌ等のベテランが所属する。サイケとモンドの香りあるアーティストが多い。
さて、それではレーベルの枠を離れて現代UKギター・ロックの注目株を調べることにしよう。

●Palma Violets


1曲聴いただけでラフ・トレードが契約したというロンドン出身の4ピース、パーマ・ヴァイオレッツ。バンド名はヴィクトリア女王が大好きなキャンディの名前から。デビュー前にNMEの表紙を飾り、NMEアウォーズ2013にて最優秀新人賞を獲得するという熱の入れ方は、ブリットポップ時代を彷彿させる。今年2月HOSTESS CLUB WEEKENDER、8月サマソニと2度の来日を果たした。ザ・スミスやストロークス、リバティーンズ等を排出したラフ・トレードらしい労働者っぽいラフなギターロックはネオ・パンク/ニューウェイヴ・オブ・ニューウェイヴ風。グルーヴしないビートが21世紀的。




●Childhood


テンプルズと並んでプレスからアルバム・リリースを切望されるチャイルドフッド(子供時代)。2011年にノッティンガム大学の学生により結成された4人組。アラブ系のヴォーカリストのふわっとした歌はイアン・ブラウン(ストーン・ローゼズ)直系。フリースタイルのメロディにもおマンチェの影響が濃い。いかにも低予算ながら、サマー・オブ・ラヴのイメージがドッジーの「Melodies Haunt You」の続編風のPVもいい。




●Peace


バーミンガム出身の4人組ピース。平和を名乗るバンドのデビューアルバムが『IN LOVE(恋愛中)』とは冗談ぽいが至極真面目なバンドである。スウェードのブレット・アンダーソンをお手本にしたようなナルシスティックなヴォーカルが印象的。おマンチェの享楽的なビートとブリットポップの良質なメロディを共有した90年代センスが光る。彼らのドラマーもカワイイ顔をしている。サマソニと9月一夜限りの単独公演で今年2度来日。




●Wolf Alice


女子ロッカー愛好家ブログだもの女子ヴォーカルをもうひとつ。ウルフ・アリスという赤ずきんちゃんがウサギの穴へ落ちたようなバンド名(実際はイギリスの作家アンドレア・カーターの短編小説)の4人組。2010年ロンドンで女性ヴォーカリスト、エリー・ロズウェルのソロ・プロジェクトとしてスタートしたというから成り立ちはピロカルピンに近い。初期はフォークっぽかったが、メンバーが固まりロック色を強める。エラスティカやホールを引き合いに評価される。2作の7"シングルをリリース、11月にデビューEPをリリース予定。絵に描いたようなイギリス娘という風貌のエリーの奔放な歌は、「ダーティなセリーヌ・ディオン」を自称したカタトニアのケリスを思わせる。




こうして眺めると、ストライプスも含め、確かに英国のギターロックが復興しつつあるのは間違いない。どのバンドも90年代ロック=マンチェ/シューゲ/ブリットポップ/グランジを継承しているのが興味深い。現在20歳前後の世代にとっての90年代は、父親世代(40代)にとっての70年代と同じ感覚に違いない。今の40代がビートルズやストーンズやツェッペリンに憧れたように、彼らはストーン・ローゼズやマイブラやオアシスやニルヴァーナに憧憬の念を抱いている。とすれば、ブラーの『パークライフ』20周年の来年、ブリットポップが脚光を浴びる可能性は極めて高い。

話は変わるが、バンド名が皆シンプルで判り易いのがロックらしくていい。それに比べ日本の最近流行のバンド名はなんだ!そのことに触れた記事があるので参照いただきたい。⇒コチラ
ロックは「ひとこと&体言止め」。文章の細切れはロックじゃねぇっ!!!!

▼ロックじゃねぇバンドの皆様


ついでに指差しケチャも禁止!!!! お母さんから「人を指差しちゃいけません」と教えられなかったのか?

ついにくる
ブリットポップ
再評価

日本ではバンドブーム、特にBAKUの再評価を巻き起こしたい。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする