A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

小さいテレーズ/直江実樹/シベールの日曜日@江古田 Flying Teapot 2012.7.15 (sun)

2012年07月17日 00時27分52秒 | 素晴らしき変態音楽


「Le petit soleil dans l'eau」というイベント。
シベールの日曜日のTwitterで偶然知った。シベールを観るのは6ヶ月ぶりだし、先日吉祥寺Forth Floorでの演奏が良くて知り合いになった短波ラジオ奏者の直江氏、こちらも久々の小さいテレーズというナイスな組み合わせで、チャージが1000円というお得なイベント。フライング・ティーポットも久しぶりである。

今までになく多くのお客さんが来ている。この会場で二桁の動員を見るのは初めてだ。壁中にテレーズのアガサ森田氏の写真が飾ってあるので、何かと思ったら「Le petit soleil dans l'eau」とは女性写真家necome嬢が大好きなバンド、小さいテレーズのアガサ森田氏を被写体に撮影した写真とグラフィックの展示会のライヴ・イベントだった。受付の可愛らしい女性がnecome嬢だろう。観客も同世代の若者が多い。

最初に小さいテレーズが登場。アガサ森田氏(vo.g.b)、鈴木拓也氏(g)、小指嬢(ds)のトリオのへなへなサイケデリック・バンドであり、今まで何回も観たことがある。このイベントは照明代わりに壁面へプロジェクターでサイケな映像を投射し、独自の雰囲気を作り出している。アガサ氏のアームとディレイを多用した音程の定まらないグニャグニャしたギターと小指嬢の女性らしからぬ叩きまくりのドラムが面白い。何といってもアガサ氏のロングヘアーと眉を剃った妖怪チックなルックス、ベルボトム・ファッションが印象的である。演奏は他のどのバンドとも違ったヘタレ感(褒め言葉)があって個性的なのだが、ヴォーカルも一緒にヘタレているのはどうかと思い以前「ヴォーカルをなんとかしたい」と記事に書いたところ、アガサ氏本人から「どういう意味でしょうか」とコメントが入った。趣味の問題だと丁寧に答えたら「参考になります」との返事で、ちょっと不気味な見てくれにしては素直な青年だなと思った。この日の演奏はインストが多くヴォーカルが余りなかったが、映像と上手くシンクロしたユルい酩酊感が心地よかった。



次に直江実樹氏。ライヴ前に挨拶したら「今日は若者ふたつに挟まれて大変だ」と言っていたが、前回同様ソニーのヴィンテージ短波ラジオにディレイだけ繋いだだけでアンビエントな環境音からシンセ風の電子音、轟音ハーシュノイズまで多彩な音色を作り出すパフォーマンスは驚異的。大抵のノイジシャンが大量のエフェクターをテーブルに並べて演奏することを考えると、たった一台のラジオをココまで変幻自在な"楽器"にしてしまう直江氏の才能は素晴らしい。ブログを読めば判るが、7月はフライング・ティーポットだけで3回、計10回のライヴを行うという精力的な活動をしているので機会があればご覧いただきたい。



最期がシベールの日曜日。vo.gの坪内和夫氏以外メンバー・チェンジをしてサイケデリック・バンド愛のために死すのリズム・セクションが参加してから約1年になる。この日はアコースティック・セットの予定で坪内氏がアコギを持ってきたが、サウンドチェックで弦が切れるハプニングが発生。急遽アガサ氏のストラトを借りてエレクトリック・セットに変更。ただし会場的に爆音が出せないので音量はアコースティックに近いしっとりした演奏になった。まさに裸のラリーズの水谷氏のソロ音源集「MIZUTANI」を彷彿させる歌心溢れる世界を展開した。実際彼らのライヴは轟音ギターが唸りを上げる激しいモノだが2枚のCDはフォーキーな演奏で歌メロの良さを聴かせる内容なので、ライヴでCDを再現したとも言える。サイケな照明もピッタリでドリーミーな世界を堪能。



各出演者30分の演奏でずいぶん早く終わったなと思ったら、最後にセッションがあると言う。シベールの3人にアガサ氏、直江氏が加わったセッション。前半はアガサ氏がg.vo、坪内氏はカウベルを担当。へなへなギターにカウベルがカンカン響く微妙な世界。直江氏のノイズが空間を埋める。後半はギターを坪内氏に任せ、アガサ氏はヴォーカルに専念。これがとても良かった。ハンマービートにサイケなギターと飛び交う電子音、それに乗せて歌うアガサ氏はまるでダモ鈴木さん状態で吠える。テレーズでのへなちょこヴォーカルではない。アガサ氏の歌はヘタレじゃなかった!これは意外な発見。ドロドロの照明にラリった演奏、これは正にコズミック・ジョーカーズ(クラウトロックの猛者によるドラッグきめきめセッション)である。40分のフリークアウトは最高だった。



終演後坪内氏と話す。新作CD2枚組が完成間近だが、通常の小売店ルートとは違った販売方法を検討中とのこと。この不況下、インディー盤取扱店の取引条件がアーティスト側に不利になっていると言う。坪内氏は以前ディスクユニオンで働いていたので業界の内情に詳しい。近年アナログ・レコードが復活しており新作はアナログ盤も出したいと考えているそうだ。テレーズもアナログを出すらしい。

友人と夕食して別れ大江戸線のホームに行くと、丁度帰るところのアガサ氏たちに出会った。ドラムの小指嬢と仲良しのバンドねたのよいのメンバーも一緒だった。みんな高円寺方面だったので一緒に話した。セッションの歌が良かったと言ったら「テレーズだと恥ずかしくて大きな声が出ない。歌詞もないし」とのこと。自信を持って、とアドバイスした。ゆらゆら帝国の初期が大好きだと言う話、灰野さんの映画の話などをした。「ドキュメント灰野敬二」は初日に行ったそうだ。映画のオフィシャルTwitterで「そしてさらに感動したのはこちら、御客様が灰野さんに手作りクッキーを焼いてきてくださいました!灰野さんクッキー!感激ですっ 」と呟かれていたが、そのクッキーは何とアガサ氏が作ってプレゼントしたものだったことが判明!


また映画の中で灰野さんが「僕の夢はまた髪を腰まで伸ばすこと」と語っているのに感動して、髪をさらに伸ばすことに決めたとも言っていた。ねたのよいも長髪バンドだし、Bo Ningen、下山 Gezanなどアングラバンド界はプチ・ロングヘアー・ブームである。そのうち「長髪バンド特集」でもやろうかな~。

テレーズちゃん
へなへなサイケ
いいやんけ

小指嬢はテレーズのビデオ撮影担当だったが、2年前にメンバー脱退により急遽バンドに参加したそうだ。適当にドカドカやってればいいだろうとドラムを選んだと言う。このいい加減さが独特のユルい味を出しているんだな~と納得。

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百鬼夜行の回想録~80'sインディーズ特集 第5回「ナゴムレコード編」

2012年07月16日 01時38分04秒 | 素晴らしき変態音楽


嬉し恥ずかし80's特集も佳境を迎え、今回はちょっと赤面しつつナゴムレコードの思い出を。

ナゴムレコードは後にインディーズ御三家として活躍する有頂天のケラリーノ・サンドロヴィッチ(ケラ)氏主宰のレーベルだが、調べてみると名前を決めたのは岸野雄一氏と故・川勝正幸氏であり、先鋭的な活動をするからレーベル名くらいは「和む」がいいというのが、その理由だという。

最初に買ったのは1983年の有頂天の1stソノシート。当時ほぶらきんやK.D. & the Moonlight Band(後述)などコミカルで奇矯なバンドを好んでいたので、ゲルニカの作詞&ヴィジュアル担当の太田螢一氏によるあやとり姉弟のロゴを全面にあしらったジャケットと「おすもうさんの唄」「脳なしメガネ」「やくざなビリカメノコ」「せつくす」「ゲロ」という曲名に惹かれたのだ。内容はそれほど変態的ではなかったが「せつくす」は仲間内で大ウケで早速バンドでコピーした。



1stの豪華ピクチャーLP「土俵王子」を購入するが下世話なコミックソングばかりで特に魅力は感じなかった。その後暫く存在を忘れていたが、1985年に突如チューリップのヒット曲「心の旅」のカヴァーが話題に。ラフィン・ノーズの「ゲット・ザ・グローリー」と同じ頃ヒットし、インディーズ・ブームの幕開けとなった曲である。有線でもしばしば流れた。



その頃坂本龍一さんか佐藤薫さんのFM番組で自主制作音源を紹介するコーナーがあり、ナゴムの音源もよく紹介された。中でも印象的だったのが、ケラ氏がケラリーノ・サンドロヴィッチ名義でレコーディングしたソロ音源だった。無伴奏ソロ歌唱でメチャクチャな言葉を連発するセンスに仰天した。一般には販売されていない未発表音源とのことだった。1986年有頂天はメジャー・デビュー。同時期にラフィンやブルーハーツもメジャー・デビューしており、インディーズのメジャー進出の始まりだった。その頃私は大学を卒業し就職。取引先の女の子に熱烈な有頂天ファンがいて、宝島のカセットブックをダビングしてくれたり、ライヴやリリース情報を教えてもらったりしたのが懐かしい。ライヴは一度だけ埼玉の大学にパール兄弟との対バンを観に行ったことがある。メジャー2ndの「AISSLE」までは追っかけたが、それ以降は聴いていない。久々に聴いてみたらバブル直前の狂乱時代を象徴する馬鹿バカしいノリのロックで聴いてて恥ずかしくなってしまった。



特に意識した訳ではないが、大学の頃はナゴムの作品を良く聴いていた。ケラリーノ・サンドロヴィッチ氏がおおつきモヨ子(大槻ケンヂ)氏、ハヤブサのユウ(内田雄一郎)氏と組んだテクノ・ユニットが空手バカボン。普通の7インチ(17cm)よりひと回り大きい20cmソノシートでリリースされた「バカボンのススメ」には友人達と腹を抱えて笑った。彼らの曲も自分のバンドのレパートリーに加わった。そのバンドはサークルの合宿のお遊びバンド「まよねえず」で、フランク・ザッパ、レジデンツ、ほぶらきん、有頂天、空手バカボン、即興演奏から細川たかし、ディープ・パープル、泰葉などをレパートリーにしたふざけた傍迷惑バンドだった。空手バカボンは解散した訳ではなく、現在もイベントなどで活動しているらしい。



テクノ系では人生(ZIN-SAY!)というバンドもいた。メンバー表記が石野卓球、畳三郎(ピエール瀧)、おばば(EX分度器)、若王子耳夫、グリソン・キム、越一人、王選手とふざけており、ライヴではピエロやドラえもんのコスプレでコピコ・サウンド&ギャグ連発のイロもの丸出しで正にナゴム・カラーのど真ん中だった。電気グルーヴの前身バンドである。



ここまで紹介してきて恥ずかしいバンドばかりなのではっきり言って止めたくなってきたが頑張って続けよう。

他にもPicky Picnic、ミンカパノピカなどテクノ系はナゴムを象徴していた。一方でバンド系でもユニークなキャラクターを産み出す。以前特集したばちかぶりもそのひとつである。田口トモロヲ氏の強烈なパフォーマンスと前衛的なハードコア・サウンドに衝撃を受けた。CD化された全曲集「ばちかぶりナゴムコレクション」では1曲目の「only you(唯一人)」の次に12インチの曲が収録されているのに違和感を覚える。やはり、オリジナル通りの曲順で再発してもらいたかった。



ばちかぶりに続けとばかりに出てきた変態ロック・バンドが筋肉少女帯である。空手バカボンの大槻モヨコのパンク・バンドというだけで興味を惹かれた。デビュー・シングルが「高木ブー伝説」。何も出来ない情けなさをドリフに於ける高木ブーさんに喩えた歌詞にドリフターズ所属の事務所を名乗る者から苦情の電話が寄せられ(後に悪戯と判明)自主回収された問題作である。メジャー・デビューしてこの曲が「元祖高木ブー伝説」としてリリースされたとき事務所は反発したがブーさん自身が「若い奴がバカやって頑張ってるんだから許してあげようよ」とイケメンな対応でリリース可能になったという美談が残っている。



ナゴムで個人的に忘れられないバンドがオレンジチューブである。ケラ氏が「ナゴムで一番売れなかったレコード」と語った唯一の20cmEP「ORANGE TUBE」はFMで聴いた時からお気に入りだった。ナゴムにしてはマトモ過ぎるサウンドだったが、B級好きの私にはよく出来た曲作りとポップなメロディが印象的だった。彼らがEPをリリースした半年後に自分のバンドで渋谷屋根裏に出演した時、観にきていたオレンジチューブのヴォーカルの人から声を掛けられ「ハードロック・バンドをやりたいのだがギターを弾いてくれないか」と誘われたが、当時は"アンチ・ハードロックのニューウェイヴ派"とツッパっていたので断った思い出がある。セッションだけでもしてみれば良かったな~。さすがに彼らの音源はYouTubeにないだろうと思って探したら、何と2010年の再結成ライヴの動画がたくさん上がっていた。しかも客席は満員である。調べてみると、80年代初期千葉方面では爆風スランプの前身スーパースランプと並ぶ人気バンドだったらしい。



ナゴムで一番成功したのはやはりたまだろう。丁度「イカ天」でたまとマルコシアス・バンプが一騎打ちをしていた頃自分のバンドで「イカ天」に出演したのでとても印象に残っている。「さよなら人類」が大ヒットし紅白にも出演した彼らだが、90年代半ばにインディーズに戻ってからもユニークな活動を続けた。2003年の解散後もカルト的な人気を誇り、2010年末「たまの映画」が公開され現在も活動を続けるメンバーの姿がクローズアップされた。知久寿焼氏と石川浩司氏はアコースティックなごった煮バンド、パスカルズで活動中。



2000年に「ナゴムの話―トンガッチャッタ奴らへの宣戦布告」という単行本が発売された。それ以前からサブカル誌「クイック・ジャパン」にナゴムレコード所属バンドの異常に詳しい特集記事が連載されており、その集大成と思われる。amazonでは"1980年代、バンドブームよりもちょっと前、コケティッシュな集団が顔にペンキを塗り独特のスタイルでティーンの女の子達に人気を呼んだ。その異端ミュージシャン達の巣窟「ナゴムレコード」について語る。"と紹介されている通りの力作だが現在は絶版。その中で「ナゴムギャル」という一群の熱狂的な女性ファンの存在が度々語られ、90年代半ばに篠原ともえ嬢が出てきた時、皆がナゴムギャルの再来だ、と思ったとあるが、私はばちかぶりと有頂天しかライヴは行ったことがないので生のナゴムギャルは目にしていない。ただし「宝島」などには髪をお団子にして小学生のようにリュックを担いだ派手なファッションの少女のグラビアが毎回紹介されていたのであれがナゴムギャルだったのだろう。



ナゴムにはもうひとつガール・アーティストの流れがあるが、余り聴かなかったのでバンド名を挙げるに止める。ロシアバレエ団、ミン&クリナメン、クララサーカス、マサ子さんなど。皆ナゴムならではのユニークなサウンドを聴かせるので興味があれば動画検索して欲しい。

ナゴムではないが、それに近いバンドを紹介しよう。楽しい音楽というテクノ・ユニットが1983年に「やっぱり」というEPをリリースしている。当時吉祥寺ぎゃていで活動していた私のインプロ・ユニットOTHER ROOMにドラムで一時参加していた大学の同級生のM君のお気に入りで何度も聴かされた覚えがある。謎のユニットだったが、ググったところYAPOOSのキーボードで現在作曲家/プロデューサーとして活動する吉川洋一郎氏やあがた森魚さんが関わっていたらしいとの情報を見つけたが未確認。初期ナゴムと共通する"真面目にふざけた"空気感が名前通り楽しい。



もうひとつは殆ど誰も知らないであろうK.D. & the Moon Light Band。1983年頃高円寺のパンク・バーBOYで飲んでいた時、カウンターのお兄さんから「売り込みで貰ったんだけどウチじゃかけられないから」とアセテート盤を貰った。聴いてみるとギャグ満載のローテク・テクノで大いに気に入った。さっそく「まよねえず」のレパートリーに加えた。お兄さんから事務所の連絡先を教えてもらったが連絡せずに終わった。以来どこでも名前を聞かないところを見ると一般には発売されず、数枚のアセテート盤が存在するのみのある意味超レア盤なのではなかろうか。ググってみると唯一2チャンネルの【横浜】横浜ロックの歴史【神奈川】というトピに名前だけリストアップされているのを発見した。実在のバンドではあったようだ。

ナゴムギャル
きゃりーぱみゅぱみゅ
聴いてみな

「ナゴム」と聴くだけで恥ずかしい青春時代を思い出す方も多いだろう。

★読者限定特別付録:幻のK.D. & the Moon Light Bandの音源がココで聴けます。




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田名網敬一 個展~新作アニメーションとドローイング@NANZUKA 2012.7.13 (fri)

2012年07月14日 01時05分50秒 | アート!アート!アート!


日本を代表するサイケデリック・アートの巨匠、田名網敬一さんの新作個展が今年も渋谷のアート・ギャラリーNANZUKAで開催されている。今年の個展は、来週21日には76歳の誕生日を迎える高齢ながら、年々エスカレートしていく色彩と異形が"不可避的に爆発するプラスティック(The Exploding Plastic Inevitable by Andy Warhol & Velvet Underground)"状態で壁一面を覆い尽くしている。昨年は大きな金魚少女のオブジェがギャラリーの真ん中に鎮座していてそれに神経を集中することが出来たが、今年は田名網さんの脳内のジャングルに迷い込んだような圧倒的な脅迫空間にただ呆然とするしかない。どの絵が特別いいかではなく100枚近く貼り巡らされたドローイング全てが一体となって最新の田名網ワールドを形成しているのである。


奥の部屋では新作アニメーション「Red Colored Bridge」が上映されている。時間が早かったので一人きりで目くるめく映像美を堪能することが出来た。「この世とあの世を渡すクロスポイントとしての橋」は金魚と少女と並ぶ彼の長年のテーマであるがその複雑怪奇な世界は何度観ても迷宮巡りで飽きることがない。幻視者特有の狂気に満ちた眼差しは我々凡人には理解できない物事の本質の裏の裏を垣間見てしまった者だけに備わったものである。



会場では田名網さんの素晴らしい画集が数冊販売されているが、毎年買おうと思いつついつも諦めてしまう。日常生活に田名網さんの世界を持ち込むことで今の生活全般が大きく変質してしまうかもしれない、という懸念が頭から去らないのである。草間彌生さんの7歳年下であるが、どちらも日常を裏返す危険に満ちた芸術家である。"芸術は現実を映す鏡"と言われた時代からもはや100年以上経ち、シュールレアリズムもダダイズムもポップアートも歴史の1ページに収まってしまった現代に於けるアートの意味とは何なのか、そんなことをつらつら考えてしまう展覧会だった。

「私にとってドローイングすることは食べることと同じことかもしれない。色鮮やかな食卓をながめながら、空腹が満たされてゆく時のなんともいえない満足感と幸福感、ちっぽけな悩みなど一瞬にして消し飛んでしまう。筆から放たれた線描は、私の意志とは関係なく空間を自由自在に飛翔し、想像外の展開をみせるのである。目の前に散乱した多彩なドローイングをみていると、御馳走のならんだ食卓をみているような幸せな気分になる」。-----田名網敬一

田名網さん
脳裏のスクリーン
見せてケロ

田名網敬一 新作個展
日程 : 2012年7月7日(土) - 8月5日(日)
会場 : NANZUKA [ACCESS MAP]
営業時間 : 火曜日-日曜日 11:00 -19:00(月祝定休)

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アーバンギャルド vs でんぱ組.inc@渋谷 O-Crest 2012.7.11 (wed)

2012年07月13日 00時36分03秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


アーバンギャルドの病めるアイドル五番勝負!!!!!
第二話:キュンキュンキュン!でんぱ少女と水玉少女☆  
アーバンギャルド VS でんぱ組.inc

ニュー・シングル「病めるアイドル」で現在のアイドル・ブームの裏側を鋭く描いたアーバンギャルドが人気アイドル・グループ5組に果たし状を送り実現した異色対バン企画。音楽情報サイト、ナタリーのロング・インタビューでアイドル戦国時代への思い、それに対するバンドとしてのアーバンギャルドのスタンスを松永天馬氏とよこたんがじっくり語っているのでぜひお読みいただきたいが、インタビューの中で「(ライヴハウスに出入りするようになった)ヲタの人たちのノリが昔のパンクスのライブみたいになってきてる。ロックバンドのライブに来る人のほうがよっぽどおとなしい」と天馬氏が語るアイドルの現場にとても興味があった。以前ジェイソンマスクを被ったアイドル・グループ「アリス十番」の紹介をしたことがあるが、ステージ上のアイドルと客席のファンが一体となって作り上げる独特の世界を実際に経験してみたかった。

この日の対バンは秋葉原ディアステージ(ディアステ)を中心に「萌えキュンソングで世界に元気を発信♪」を合言葉に活躍する6人組でんぱ組.inc。チケットは早々にSold Out。会場を埋め尽くすファンはヲタ系男子とアーバンギャルが半々。それぞれ常連客ばかりでが開演を待つ間あちこちで会話に花が咲き賑やかだ。先がでんぱ組.incなので男子連中が中央に、アーバンギャルが左右に住み分けされている。私が石野真子ちゃんを追っかけていた1970年代はアイドルのコンサートには必ず揃いの制服に鉢巻きの親衛隊がいて、彼らが率先して掛け声や応援をして、一般のファンに一目置かれられてたものだが、今はライヴハウスなのでファン全員が親衛隊状態である。揃いの衣装こそ無いが物販のロゴTシャツをまといロゴタオルを首に巻いている。全員が手にしているのが蛍光ライト。

会場が暗転してSEが流れると一斉に手拍子が鳴り響く。でんぱ組.incの6人が登場。男子諸君はリズムに合わせて「Oi! Oi! Oi!」の大合唱。曲はビートを強調したエレクトロ・テクノだ。歌に乗せて両手を振りあげて合いの手を入れる。シンガロングではなく、サビや間奏に合わせて掛け声が決まっているようだ。仰天したのは6人がステージ前方に出てくるのに合わせファンが全員ステージ前に波のように押し寄せる様子だ。圧死するのではないかと心配になるような勢い。その時だけ客席後ろがガラ空きになる。しかし乱闘もモッシュもなくメンバーが踊り戻ると波は一斉に引く。曲によってはステージを観ずに円陣を組み手を重ねて気合いを入れている。とにかく連中は声がデカイ。そして宙を舞う色とりどりの蛍光ライトが眩しいほど。メンバーもファンの反応を熟知していて掛け声にハイトーンの挨拶や身振りで応える。この目茶苦茶な盛り上がりは正に80年代のハードコア・パンクのノリそのままだ。しかも他人に迷惑をかけたり危険な行為は一切ないのでアーバンギャル達も安心して楽しめる。秋葉原の劇場ではこれが毎晩繰り返されているのだろう。そう思うと自分の中のアイドルヲタの要素が刺激される。でんぱ組.incの新衣装がセーラー服をアレンジしたものだったから、アーバンギャルと妙にシンクロしていて面白い。1時間ででんぱ組.incのライヴは終了。ファンの男子が帰ってしまわないかと思ったが、上気した顔でアーバンギャルドを楽しみに待っている。

でんぱ組.inc「でんぱれーどJAPAN」Music Clip Short ver.


アーバンギャルドのステージ。今度はステージ前をセーラー服や水玉の女子が占め、でんぱファンは後ろに壁を作る。可愛らしい女の子のでんぱ組.incに比べアーバンのメンバーは一回り身体がデカイのに笑ってしまう。激しいビートの「堕天使ポップ」でスタート。いつも通り打ち振られる水玉フラッグ。打ち込みビートの後の生演奏がやけにリアルに聴こえる。恒例のコール&レスポンスにでんぱファンも大声で「大好きで~す!」と叫ぶ。ステージが進むにつれでんぱファンがタイミングを合わせた掛け声で盛り上げる。「よっこた~ん!」という野太い声が響き渡るアーバンのライヴでは今までに経験したことのない光景。キーボードの谷地村啓氏の誕生日だったので会場全体がお祭りムードに。天馬氏を始めアーバンのメンバーもいつになくハイテンションの激烈演奏を展開。こちらも1時間のステージだった。鳴りやまぬアンコールの歓声。でんぱファンの異常にデカイ声が目立つ。アンコールは打ち込みトラックに乗せて「病めるアイドル」を振り付きダンス・パフォーマンス。メンバー紹介にいちいちでんぱファンから掛け声が掛かる。そして待望のでんぱ組.incとの共演。よこたんも背が高いので巨人の群れに子猫たちが囲まれた状態。「秋葉原はオレの庭!」が決め台詞のギターの瀬々信氏はディアステ近くのドンキに出入りしているとのことで会話が盛り上がる。でんぱ組.incのメンバーの声は2オクターブ位高い。アキバ系のでんぱ組.incは実は渋谷系好き、とのことで共演曲はフリッパーズ・ギターの「恋とマシンガン」。両者の音楽性とはまた違ったオサレな選曲が面白い。

アーバンギャルド - 「病めるアイドル」本人だけど踊ってみた


ライヴ終了後はアイドルの基本の握手会。第一回はよこたんのビンタ大会だったとのことだが、この日はアイドルといえばコレ、ハイタッチ大会。ステージ上でアーバンギャルドのハイタッチ、客席後ろではでんぱ組.incの握手&プリクラ・プレゼント会。ほとんどのファンがどちらかに参加、中には両方に参加するしっかり者のファンも。ここまで最初から最後までファン・サービスに徹する姿勢が現在アイドル・ブームの秘密なのだと納得した。昔のように手の届かない存在ではなく実際に触れ合うことのできるアイドル。あと30歳若ければ自分も一緒に蛍光ライトを振ったのにな~。

▼アーバンギャルド浜崎容子さん×きゃりーぱみゅぱみゅ×ぱすぽ☆出演のフランスのテレビ番組!


でんぱ組
アーバンギャルドは
毒でんぱ組

でんぱ組.incのニュー・シングル「キラキラチューン」は来週7/18にリリース。9/16には恵比寿LIQUID ROOMでワンマン・ライヴが決定。

「アーバンギャルドの病めるアイドル五番勝負!!!!!」
7/16 第三話:長ねぎに死す~アーバンギャルド VS Negicco @渋谷CHELSEA HOTEL
7/17 第四話:北欧の風、心の風邪~アーバンギャルド VS バニラビーンズ @渋谷TAKE OFF 7
7/23 最終話:病めるアイドルは僕を好きになる~アーバンギャルド VS ぱすぽ☆ @恵比寿LIQUID ROOM
LIQUID ROOMのチケットはまだあるそうだから、この画期的なイベントを是非体験していただきたい。


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追悼。カンタベリー・ロック/フリー・インプロヴィゼーションの良心、ロル・コクスヒル様。

2012年07月11日 01時35分30秒 | 素晴らしき変態音楽


7月9日イギリスのベテラン・ソプラノ・サックス奏者ロル・コクスヒルが死去したとのニュースが入った。享年79歳。死因は明らかにされていないが数週間の深刻な闘病の末の最期だったという。

日本のファンには1983年の突然段ボールとの共演盤でよく知られているであろう。1980年にPASS RECORDSからシングル「ホワイトマン」でデビューし、1981年に1stアルバム「成り立つかな?」をリリース、腰砕けでシュールな世界を展開してフレッド・フリスを驚かせた突段の第2弾のアルバムだった。日英間で音源をやり取りして制作された、単なるセッションではなくきちんと曲として成り立ったサウンドは妙に人懐っこいユーモアとシリアスな実験性が同居しており、個人的には突段の1st以上に聴き狂った。アルバム・リリース後初来日し、ソロの他に突段との共演ライヴも行った。

当時ロルのことは名前しか知らなかったが、この共演の際に掲載された音楽誌の記事で1970年にケヴィン・エアーズ&ザ・ホール・ワールドのメンバーだったことを知った。マイク・オールドフィールドがベースで参加していたのでホール・ワールドの再発LPを持っていた。クレジットを見ると確かにロルの名前が載っていた。改めて聴くと彼のサックスがかなりフィーチャーされ、ケヴィン独特のバリトンに鮮やかな彩りを与えていた。



後にハットフィールド&ザ・ノース~ナショナル・ヘルスと渡り歩くカンタベリー・ロックの重要アーティスト、フィル・ミラー(g)とピップ・パイル(ds)や、フィルの兄弟でキャラヴァンに参加する実力派ピアニスト、スティーヴ・ミラーが在籍したブルース/プログレ・バンド、キャロル・グライムス&デリヴァリーの1970年の唯一のアルバム「フールズ・ミーティング」にもゲスト参加、フリーキーなサックスを聴かせてくれる。



ロルはその後マイク・オールドフィールド、ロバート・ワイアット、モーガン・フィッシャー、シャーリー・コリンズ、ヒュー・ホッパーなどの作品に客演する傍らソロ・アルバムを多数リリース、デレク・ベイリーのカンパニーに参加しフリーミュージックの世界で名を成して行く。1977年にはザ・ダムドの2ndアルバム「ミュージック・フォー・プレジャー」に参加しパンク/ニューウェイヴ・シーンともリンクした。そんなしなやかな感性と幅広い好奇心が遠く東洋の突段との共演に繋がった訳だろう。



1998年にも来日し15年ぶりに突段と共演しライヴ・アルバムを残している。その頃にはヨーロピアン・フリーミュージックの重鎮として勢力的に活動しており、ベイリーは勿論ジャンゴ・ベイツ、スティーヴ・ベレスフォード、トニー・コーなどの実験的ミュージシャンとセッションを繰り返す。しかし真骨頂はかつてのスティーヴ・レイシーを彷彿させるソプラノ・サックス・ソロに集約されている。魂の高みから息を吹き込み奏でられる余りに自由で創造力豊かな演奏はまさに"孤高"というしかない。



またひとり現代音楽界を象徴する隠れた名匠が黄泉の国へ旅立った。心より追悼の意を表したい。

ベイリー&
コクスヒル
live in Heaven

トニー・レヴィンと並ぶプログレ界の2大スキンヘッドとしても有名。

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No Smoking, No Alcohol, No Nukes~21世紀のロケンローの掟。

2012年07月10日 00時40分58秒 | 健康について


最初にタバコを吸ったのは中3の頃。タバコをくゆらせギターを弾くキース・リチャーズやエリック・クラプトン、トム・ウェイツなどの姿に憧れ真似してみた。初めてのタバコは思った程煙くなかったが吸った後頭がぼんやりして、大人ってこんな変な気分を楽しんでるんだ、と思った。エレキ・ギターを買って初めて組んだバンドの練習はドラマーの父親のやっていた不動産屋の2階の空き部屋でやっていた。一晩中酒やタバコをやりながら大騒ぎしていたのに近所から苦情が来なかったのは今思うと不思議である。

以来25年以上タバコを吸い続けていた。2000年のシドニー・オリンピックでマラソンの高橋尚子選手の活躍に感動しジョギングを始めた。実際に走っている方なら経験があると思うが、タバコを吸うと走るとすぐに息が苦しくなる。結構辛いなと思っていた頃、灰野さんのライヴに通い始めた。ご存知の通り灰野さんはタバコ嫌いなのでライヴ会場は全面禁煙である。はじめはそれと知らず屋外ならOKだろうと灰野さんのいる前で吸っていたら「ちょっとゴメン、僕は煙ダメなので」と注意されたこともある。

ジョギングと禁煙ライヴ通いを続けていたある日突然タバコを止めてみようかな、と思い立ちスパッと禁煙しそれ以来7年間吸っていない。禁煙のために薬に頼ったり医者に通う人も多いが、私の場合は何の苦もなく実行できた。私の好きなミュージシャンの多く、例えば坂田明さんや秋田昌美さんや早川義夫さんも嫌煙派である。昨今はレストランやライヴハウスも分煙のところが増えているし、タバコ代が倍近くなっても未だ吸う人の感覚が理解できない。だから喫煙可のライヴに行くと辛くて演奏を楽しむどころではない。歩きタバコをしているクズ共は全員極刑にして欲しいものだ。

最近はお酒も飲みたくなくなった。ライヴでは大抵シャンディガフを飲んでいたのだが、3年程前からお酒を飲むとライヴ中に眠ってしまうようになったのである。スタンディングのライヴでも立ったまま意識を失ってしまう。だから最近はライヴではもっぱらミネラルウォーター、家ではノンアルコール・ビールやノンアルコール・カクテルしか飲まない。飲み会の時はそれなりに飲むが、飲み過ぎると寝てしまうのでセーヴしている。酒ってのも時代遅れなのかも。21世紀のロケンローラーは禁煙&禁酒が主流である。SexとDrugはどうか知らないけどネ。

▼この人の世界にはタバコと酒は欠かせないが。。。。やはり昭和の象徴である。



ググっていたら面白い記事を発見した。禁煙したミュージシャンの一覧表である。蒼々たるアーティストが禁煙していることに驚くだろう。
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■禁煙したミュージシャン
ということで、今日は気休め・・・ではなく、先人に学ぶつもりで禁煙したという噂のミュージシャンをいろいろ調べてみました。
中には再び吸い始めている人も居るかも知れませんが、凄い面子ですね。

椎名林檎・・・禁煙セラピーを読んで止めたらしい。ハイライトを吸ってたそうです。
矢沢永吉・・・30歳になるかならないかで禁煙していたらしい。暴走族・不良少年の教祖的存在だったのに意外ですねぇ。この人が止めてるっていうのは励みになるなぁ。
さだまさし・・・満足の行く歌唱を目指して禁煙。で、1オクターブも高音が出るようになったとか。自分と動機が似てるなぁと思いました。
桑田佳祐・・・2000年より禁煙。勢いと周囲の状況で止めざるを得なくなったみたいですね。
吉田拓郎・・・2003年4月5日、肺ガン宣告を受ける。入院時からタバコを止めた。
TERU(GLAY)・・・2004年、禁煙セラピー組。あの歌い方だと声潰れてたでしょうし、正解だと思いますね。
美川憲一・・・随分前に禁煙するも、周りが吸ってると吸いたくなるそうです。
郷ひろみ・・・まずは3日、次は3週間、その次は30日・・・と、3に縁起を担いで禁煙に成功。わりと高度な方法ですよね。
安室奈美恵・・・2000年頃に禁煙。いいヴォーカリストですし、意識の高さも流石だなぁと思いますね。
aiko・・・意外でしたが、2001年7月のツアー中に声が出なくなって禁煙したそうです。
草野正宗(スピッツ)・・・20代で禁煙。あのハイトーンボイスも納得ですね。
佐野元春・・・突然煙草が受け付けなくなったらしい。やっぱ不思議な人ですねぇ。
the brilliant green・・・川瀬智子が体調を崩して禁煙し、それにメンバーが続いたらしいです。トミーに脅された?
スガシカオ・・・毎日50本は吸っていたほどのヘビースモーカーだったが、2002年春、ノドのため禁煙した。以来嗅覚や味覚が鋭くなり快調とか。さらに聴覚も鋭くなったそうです。動物か!?
福山雅治・・・2005年 5月23日に表彰されている。ラジオでキャスターマイルド吸ってるって言ってて、当時僕も同じの吸ってたなぁと思い出しました。
トータス松本・・・喫煙声かなぁと思ってたんですけど、わりと高くてエネルギーの要る声なんですよね。ストイックな姿勢を持った人っていうイメージなんで、禁煙は納得。
坂本龍一・・・禁煙セラピーで卒煙。海外ミュージシャン達と一緒に受講したそうです。
華原朋美・・・あの高音はやっぱり捨てがたいんでしょうねぇ。歳取って維持出来なくなってきたんでしょうか。
YUKI・・・ハイライト愛煙。というか、喫煙しながらジュディマリやってたっていうのが凄い!

このミュージシャン達を見習って、僕も禁煙続けようと改めて決意を固めるのでした。
(以上、Sing A Songさんのブログより無断転載)
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芸能人だとこういうリストもある→ココ

どうだろうか。タバコやめますか、それとも人間やめますか?

ノンスモと
ノンアルと
ノンケです

灰野さんは嫌煙家・ノンアル派・ヴィーガン(菜食主義者)の三拍子揃っているので、足繁くライヴに通うと悪癖から解放されます。人呼んで「灰野禁煙法」!?



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百鬼夜行の回想録~80'sインディーズ特集 第4回「ニューウェイヴ・ギャル編」

2012年07月09日 01時51分43秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


1970年代後半のパンク・ムーヴメントは女性ロッカーの台頭の時代でもあった。ニューヨークからはパティ・スミスやブロンディーやプラズマティックスが、ロンドンからはスージー・スーやレインコーツやスリッツが男性中心のロック・シーンに風穴を開け女性ならではのしなやかかつ残酷な感性でシーンを席巻した。その影響で日本のインディーズ・シーンにも様々なガールズ・バンド/アーティストが登場した。

小学生の頃からアイドル好きだったので海の向こうから登場したランナウェイズやゴーゴーズ、バングルスなどのギャルバンには目がなかった私が、ニューウェイヴの女性アーティストを愛聴したのは当然である。

最初に観たパンク系ギャルバンは1980年3月にPASS RECORDSから突然段ボール、PHEWと同時に7インチ・シングルでデビューしたBOYS BOYSだったと思う。池袋のSTUDIO 2000でミラーズと対バンで観た。後にゼルダを結成する小嶋さちほ嬢がベースで参加していた女性4人組で、弾けるジャングル・ビートに金切り声のヴォーカルが勢いよくてカッコ良かった。シングル1枚で解散してしまったのが残念。未発表音源の発掘を強く望む。



小嶋さちほ嬢が発行していたミニコミ「チェンジ2000」のメンバー募集を通じて結成されたのがゼルダ。1981年のソノシートを買った。後にメジャー・デビューし人気バンドとなるが、初期はかなり尖がったパンク・ロックを奏でていた。歌詞カードのデザインが印象的で自分の宅録カセットの解説カードに盗用した。メジャー・デビュー作はリザードのモモヨ氏のプロデュース。

ZELDA/密林伝説


オート・モッドのジュネ氏がその前にやっていたマリア023のベーシストのノンさんが結成した女性一人、男性二人によるユニットがノン・バンド。ベース、ヴァイオリン/クラリネット、ドラムというギターレスの編成で天真爛漫なノンさんの歌が印象的だった。当時ぎゃていの女性オーナーのギギさんがいつも「ノンちゃんバンド」と親しみを込めて呼んでいたのを思い出す。当時は25cm LPを一枚リリースしただけだがライヴは精力的にやっていた。解散後ノンさんは実家の弘前で主婦業をしていたが、2000年に音楽活動を再開、オリジナル・ノン・バンドの復活やいろんなアーティストとの共演を行う。灰野さんと共演した時に「灰野君、灰野君」と呼んでいたのが新鮮だった。今年、最新ライヴ盤「NON BAND LIVEN' 2009-2012」をリリースした。

NON BAND - DUNCAN DANCIN'


女性のパワーと情念を凝縮したバンドが水玉消防団。天鼓嬢とカムラ嬢のツイン・ヴォーカルを武器にテクニック以前にとにかく自己表現することを目的とした彼女達はその名も"筋肉美女レコード"から「乙女の祈りはダッ!ダッ!ダッ!」と「満天に赤い花びら」の2枚のアルバムをリリース。奇抜な化粧で目を見開き睨みつけるジャケットはちょっと怖いが所謂ロックの概念をぶち壊す自由度に満ちたサウンドは今聴いても新鮮。天鼓嬢とカムラ嬢のデュオ・ユニット、ハネムーンズではヴォイス・パフォーマンスに特化した実験的なサウンドを展開。天鼓嬢は1990~2000年代もヴォイス・パフォーマーとして活動、フレッド・フリス、ジョン・ゾーン、大友良英などと共演している。

Mizutama Shobodan - Travel Pack Vacuum


1980年に結成されたゲルニカは大正浪漫あふれるノスタルジックで近未来的なサウンドに乗せた強烈な個性の戸川純ちゃんの歌手デビューとなったが、純ちゃんに追随する"不思議ちゃん"キャラの女性アーティストが続々登場した。アリス・セイラー嬢率いるアマリリスやきどりっこ、泯比沙子&クリナメンなど。その路線で印象に残っているのは1984年頃渋谷屋根裏で対バンしたパパイアパラノイアである。派手な着物姿でバカテクの迫力ある演奏をするのには驚いた。すぐ注目されキャプテン・レコード経由でメジャー・デビューしアイドル的な人気を博した。

パパイヤ パラノイア / 好きよ!!キャプテンGIG


アイドルと言えば川喜多美子嬢率いるD-DAYも忘れがたい。ひらひらのリボンの付いた衣装で幻想的な歌を聴かせる彼女に胸ときめかせたパンク/ニューウェイヴ少年は多かった。ヒステリック・ギャルか不可思議少女揃いのインディーズ界において美子嬢のような清純で乙女チックな存在は悪く言えば場違い、良く言えば掃き溜めに鶴の感があった。当時のスタジオ音源とレア音源を集めた2枚組集大成CD「crossed fingers」が入手できる。



1981年に結成された当初は関西NO WAVEの次世代バンドとしてサブカル系メディアでもてはやされた少年ナイフは1980年代後半に海外でリリースされ、1990年代にソニック・ユースやニルヴァーナのフェイヴァリット・バンドとして世界で一番有名な日本のロック・バンドになった。現在でもデビュー当時の初期衝動とアマチュア精神を継承している希有な存在である。



女性版突然段ボールとして話題になったのがサボテンである。当時雑誌の紹介には「サティをロックにした音楽」「4拍子や3拍子といった決まったリズムから外れたテンポ感」と紹介されており興味を持って買ったのが「いつもある」という7インチ・シングルだった。そのヘタウマな世界が気に入りLP「SABOTEN」も購入したが、ジャケットが底割れしていて凹んだ覚えがある。バンドはその後も続き10年に1作という超マイペースな活動をしている。2002年の3rd「つづく夢」から10年経つが新作はリリースされるだろうか?



当時買ったソノシートの中でも全くもって謎なのがアケボノイズというバンドである。暫く前まで、戸川純ちゃんがゲスト参加した大阪ののいずんづりとゴッチャになっていた。安っぽい歌謡ロック風のサウンドに乗せて電波系女性ヴォーカルが奔放に歌う。YouTubeにソノシートの音源が上がっているのだが、その正体に触れたサイトは見つからなかった。



ここで紹介するのはかなり異色だが、工藤冬里さんと大村礼子さんのユニットNOISEの唯一のアルバム「天皇」は衝撃的だった。荘厳なオルガンのクラスターの上に礼子さんの天使の歌声が舞う、パンク/ニューウェイヴの早急さの対極にある幻想的な白昼夢の世界に底知れぬ狂気の閃きを感じ、灰野さんの「わたしだけ?」に匹敵する精神世界の地獄巡りを体験できる。その後ふたりはパートナーとしてマヘル・シャラル・ハシュ・バズでも一緒に活動するが、礼子さん名義でリリースされた数作のアルバムはいずれも儚さと強靭さの同居した唯一無二の世界を作っている。



女性には
とても勝てない
男たち

ギャルバン好きは未だに私の中の基本中の基本である。

★読者限定特別付録:ゲルニカの1982年のライヴ音源がココで聴けます。

★映画「ドキュメント灰野敬二」を観ようと思っている男性の方、本日月曜日はシアターN渋谷はメンズデーで1000円で観られるのでお得ですよ!

劇場限定でサウンドトラックCDを販売中。
本作品のためだけにレコーディングされた全3曲、計50分!!
灰野敬二入門にぴったりな内容です。
■アルバムタイトル
A document film of Keiji HAINO (品番:PURPLE TRAP 002)
■曲目
1.おまえ/不失者
2.暗号/不失者
3.ここ/灰野敬二
定価1500円(税込)
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ヘア・スタイリスティックス 無声映画LIVE「戦艦ポチョムキン」@吉祥寺 バウスシアター 2012.7.5 (thu)

2012年07月07日 00時41分40秒 | 素晴らしき変態音楽


昨年6月30日第4回爆音映画祭にてサイレント映画「極北の怪異」とコラボしたヘア・スタイリスティックスa.k.a.中原昌也氏が今年の第5回爆音映画祭では1925年に「第1次ロシア革命20周年記念」として製作・公開されたセルゲイ・エイゼンシュテイン監督によるソビエト連邦のサイレント映画「戦艦ポチョムキン」上映に合わせて生演奏をするライヴを実施。共演は前回同様キーボードの前田瑛未嬢。

21:30開演というレイト・ショーだったが100名以上の観客が集まりほぼ満席。普段のヘアスタのライヴではこんなに集まらないので、爆音映画祭人気のお蔭だろう。20~30代の若者中心。リハが押して開場が遅れ、暑い夜だったが皆不満も言わず大人しく待っていた。

ステージ右手に中原氏、左に前田嬢。観客が全員席に着くと中原氏がステージに上がり、そろそろ始めましょうか、と上映の合図をする。「戦艦ポチョムキン」は実際に起こった反乱事件を元に脚色された作品。戦前の日本では共産主義のプロパガンダ映画として上映が禁止されていたという。前半はポチョムキンでの兵士たちの生活を面白おかしく描く比較的和やかな内容。前田嬢が予め作曲してきたという物悲しいメロディをエレピで奏で、その上に中原氏の電子音が乗るというアンビエントな演奏。映像もメリハリに乏しく眠気が誘う。

しかし後半の「映画史上最も有名な6分間」と言われる「オデッサの階段」のシーンで演奏が一変。前田嬢の激しくスピード感のあるミニマル・ピアノに対峙する中原氏の轟音ノイズとこの日のために購入したというシンバルとタンバリンの連打、さらに久々に聴く絶叫が炸裂。兵士の容赦ない射撃に階段の市民が次々に殺されていくショッキングな映像と相まって衝撃的なエントロピーが放出される。さらに反乱軍のポチョムキンからの砲撃による市街の破壊シーンのカタストロフへと登り詰める。最高潮に盛り上がったところで突然映画・演奏が終了。余韻に浸る間もないエキサイティングな展開に観客も顔を高揚させて岐路につく。

正直言って前回の「極北の怪異」よりも数倍面白い映像との共演だった。次回の爆音映画祭ではヘアスタはどんな映画とコラボしてくれるのか楽しみである。

▼オデッサの階段のシーン/音楽:中原昌也+前田瑛未



落下する
乳母車
ポチョムキン

かなりの量のシンバル類を入手した中原氏、ますます移動が大変になるだろうな~。

★本日は待望の映画「ドキュメント灰野敬二」の公開日である。初日は白尾監督と灰野さんの舞台挨拶、先着ポストカード・プレゼントに劇場限定のサウンドトラックCD販売があるとのこと。残念ながら私はやむを得ぬ事情で初日には行けないが、行ける方は是非観に行っていただきたい。






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若き夜明けの口笛吹き~UKロック新世代をリードするサイケデリア、TOY。

2012年07月06日 01時01分28秒 | ロッケンロール万歳!


まだシングル2枚しかリリースしていないにも拘らず本国イギリスおよび世界中のUKロック・ファンの間で話題になっているバンドがいる。2010年ロンドンで結成されたTOYという5人組で、メンバーはTom Dougall (vo, g)、Dominic D'dair (g)、Maxim Barron (b,vo)、Charlie Salvidge (ds,vo)、紅一点でスペイン人のAlejandra Diez (synth,modulation) 。Tom、Dominic、Maximの3人は2007~9年に活動しレイザーライトと比較され人気を博したギター・ロック・バンドJoe Lean & the Jing Jang Jongのメンバーだった。またTomはガールズ・トリオ、ザ・ピペッツのローズ・ピペットの兄弟でもある。

2011年1月にロンドンのCave Clubでライヴ・デビュー。Field Dayなどサマー・フェスに出演し、秋にはザ・ホラーズのサポートとしてUKツアー。Heavenly Recordingsからデビュー12”「Left Myself Behind」をリリース、初回限定1000枚は一日でSold Out。2012年1月に再リリースされた。ガーディアン紙では「80年代末~90年代初頭にステレオラブとフェルトとパルプがジャム・セッションしたようなサウンド」と評価され、NMEの「今聴くべき100バンド」に選出され、ザ・ホラーズのリース・スパイダー・ウェッブが「昨年登場した最もエキサイティングなバンド」「2012年の自分のフェイバリット・バンド」と絶賛。英国メディアではTOYのスタイルは”クラウトロック、シューゲイズ、サイケデリック、コズミック、ポスト・パンク”などと表現されている。

「Left Myself Behind」のPVは幻惑的な照明に80’s風のシンプルなビート、引き摺るようなファズ・ギター、浮遊するシンセ、イアン・カーティスを想わせるダウナーなヴォーカルと強烈に60’s+80’sなサウンドが7分に亘って展開される。



2012年4月にセカンド・シングル「Motoring」をリリース。私はこのPVを最初に観たのだが、ノイ!直系のハンマービートに乗せてシューゲの基本ジャズ・マスターを手にシド・バレット時代のピンク・フロイドをスピードアップしたような演奏にノックアウトされてしまった。まるで70年代のドイツのTV番組「Beat Club」そのままのサイケな映像処理も素晴らしい。マイブラのリマスター+紙ジャケ・リリースで再燃するシューゲイザー・マイブームにピッタリとハマった。



そんなTOYが秋に予定されているデビュー・アルバム発表前にサマーソニック2012で来日する。東京の二日目8/19のRainbow Stageの一回のみだが、行かれる方は是非チェックして欲しい。フランツ・フェルディナンド、ザ・キルズ、CCS、M.I.A.などを手掛ける売れっ子プロデューサー、ダン・カーレイ・プロデュースのセルフ・タイトルのデビュー・アルバムは本国で9月10日リリース予定。Raugh Tradeではボーナス・ディスク「Live at BBC」付2枚組で販売される。そのRough Tradeのサイトでは「ハウス・オブ・ラヴ、マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン、ナゲッツ・ボックスセット、ノイ!の融合」と紹介されている。これで期待するなという方が無理であろう。日本でのブレイクも間違いなしのニューカマー、TOYに要注目!

ご用心
サイケな大人の
おもちゃだよ

せっかく来日するならサマソニ以外のイベントや単独公演をやって欲しいものだニャ~。
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グンジョーガクレヨン/園田游/ゴイゾンetc.@東高円寺 UFO CLUB 2012.7.3 (tue)

2012年07月05日 00時34分03秒 | 素晴らしき変態音楽


「FLASHBACK」というイベント。
このイベントを知ったのは、園田游さんにペンギンカメオーケストラの件で問い合わせのメールを送ったことがきっかけだった。ペンギンカメに園田さんが参加していた気がしたのだが間違いだと判明。ご無沙汰を詫びたメールに対して、園田さんから7/3にUFO CLUBに出演することをご連絡いただいたのである。UFO CLUBのスケジュールを確認すると、何とグンジョーガクレヨンの名前がある。先日組原正さんのCD紹介記事で”グンジョーガクレヨン再結成”と書いたら、組原さんにインタビューした評論家の松山晋也氏から「本人は再結成はしていないと断言していた」旨の情報が寄せられ????という感じだったのだが、オフィシャルHPにあるように間違いなくグンジョーガクレヨンとしての出演である。園田さんもグンジョーに参加するのかと尋ねたらそうではないとの返事。ますます疑問符が膨らむ一方だが、とにかくグンジョーと園田さんを観たくて小雨の中UFO CLUBへ向かった。

雨の平日ということを差し引いても動員は寂しい。イベントが終わる頃に分かったが正規のチケット代を払ったのは恐らく私ひとりだけである。最初のグンジョーの時10人位観客がいたのだが、それは他の出演者とゲスト入場した出演者の知り合いだったようだ。

ホールの入り口で異形人のニラ氏に会う。そうかゴイゾンも出るんだったね。異形人と園田さんの共演を望むと伝えておいた。

1番目がグンジョーガクレヨン。閉じた幕の後ろから轟音のギターが鳴り響く。幕が開くと「うわ~組原さんだ」と感動に浸る。30年前に観た通り、間違った場所に現れてしまったような不思議な存在感は変わっていない。オリジナル・メンバーのベースの前田隆さん、ドラムの宮川篤志さんとのトリオ。重量感のあるベースと非連続的なドラムのパルス・ビートに乗せて組原さんがギターを弾き奇声を上げる。その音はまるでメタル・パーカッションのようだ。トレードマークのディレイを効かせた硬質な音の塊がアンプから迸る。この音を生で聴くのは本当に30年ぶり。当時のオルガンの大森フミオさんとヴォイス/パフォーマンスの園田さんがいないのは寂しいが、逆に骨格だけのグンジョー・サウンドに打ちのめされる。27分の演奏が終わると組原さんは「新生グンジョーガクレヨンはこのトリオで活動していきます」とMC。松山氏に語った「再結成はしていない」発言の意図は何だったのだろうか。



ドリンク・バーの前に園田さんが座っていたので挨拶。新生グンジョーの感想を聞くと「何度か立ってノッてみようとしたけどダメだった。何にも変化していない」と手厳しい。組原さんと確執があるのかと思ったら、仲良さそうにドリンクを汲み交わしている。

2番目はアコースティック・トリオの殺生に絶望。アコギふたりにカホン、アコーディオン、笛、アコギのメンバーがひとり。3人とも若そうだがなかなかいい歌を聴かせる。ちょうどこの日が誕生日だった石川浩司さんの「たま」を思わせる。もちろんたまほどキャラは立っていないが、好感の持てる3人組だった。



3番目のもぬけものはギターとドラムのデュオ。アグレッシヴなギター・プレイは悪くないが、敢えてベースレスでやる意図は分からない。もう少し経験を積むか編成を再検討した方が良かろう。将来性はあると思うのだが。



4番目がキセル楽団。サックス、女性ドラマー、ジャンベのトリオだ。彼らの演奏に園田さんが舞踏でゲスト参加。両者は何度か共演経験があるそうだ。セッティング中に既に園田さんが白塗りに妖しい布を巻いた姿で客席の後ろからゆっくりとした動きで登場、パフォーマンスを始める。園田さんの舞踏は何度も観ているが、いつ観ても独自の妖しい感性に貫かれていて目を離すことが出来ない。演奏はトライバルなパーカッションにサックスが絡みつく祝祭的なものだった。鋭いサックスのプレイに心が躍るが、激しいインプロを期待すると単調なプレイに戻ってしまい少し欲求不満が溜まる。一番良かったのはジャンベだけの激しい打撃音が痙攣するような園田さんの動きを誘発した瞬間だった。25分のステージだったが園田さんの踊りがたっぷり観れて大満足。グンジョーの組原さんと前田さんもじっと観ていた。



トリはニラ氏率いる即興垂れ流しバンド、ゴイゾン。舞踏のレンカ嬢とのデュオ異形人では空間に絵を描くようなアンビエント感のあるプレイを見せるニラ氏が思い切り轟音ギターを聴かせる彼らはそこらのノイズ・バンドより1000倍ノイジーでサイケデリックである。前屈みになり床に届くほどの長髪を揺らしプレイに没入するニラ氏こそ本物のシューゲイザーといえるのでは?



帰りは園田さんに自動車で送ってもらう。”グンジョーガクレヨン”はオリジナルの5人が揃ってこその名前であり、組原さんが勝手に解散したり再結成したりし、グンジョーを名乗って活動しているのはおかしいとご不満の様子。きゃりーぱみゅぱみゅやペンギン・カフェや園田さんが気に入っているバンバンバンズというバンドの話、80年代のPHEWとの共演やフレッド・フリスとのセッションのことなど興味深い話が聞けて面白かった。またゆっくり飲みましょうと約束して別れた。

グンジョーに
特別な思い
持つ人たち

7/21の組原さんのレコ発ライヴも楽しみだ。
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