A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

DJ灰野敬二の幽体離脱体験&BiS階段のノイズ世界征服計画

2013年09月20日 00時15分13秒 | 灰野敬二さんのこと



●灰野敬二 -5HOURS LONGSET-@恵比寿BATICA 2013.9.18(wed)


Experimental Mixtureと呼ばれる灰野敬二のDJプレイは、所謂クラブDJではないし、ヒップホップのスクラッチとも全く異質である。当然踊りや癒しの効果がある訳ではない。録音された既成音源を用いて新しい音響世界を産み出すという意味では、クリスチャン・マークレーや大友良英のターンテーブル演奏に似ているように見えるが、マークレーたちがレコードに刻まれた音を本来の楽曲から切り離して提示するのに対して、灰野はあくまで楽曲そのものを聴かせる。Experimental Mixture=実験的融合とは些か気張った表現だが、複数の楽曲の多重再生から産まれる楽想のモワレが聴き手の耳核に第三のメロディーを喚起する方法論は、耳を圧する音の嵐が別の旋律を生じるギターやエレクトロと同質である。DJ灰野敬二とは、動きの無い不失者と言ってもよかろう。8時間以上に及ぶこともあった不失者や、年末オールナイト・ソロ同様に、DIプレイも長時間演奏に醍醐味がある。薄暗い部屋でミラーボールが僅かな光を反射する中、カーテンの後ろに蠢く影が、無数の楽音と非楽音を同時に耳を圧する大音量で響かせる。最初はメロディーを聴き取ろうとするが、すぐにその無意味な努力を放棄し、空気に充満する音々を無条件で受け入れる。四方八方から攻め寄せる波が頭蓋を混乱させ、脳内スクリーンに幻影が映し出される。心の最深部から泡のようにふわふわと浮かんでくる記憶の亡霊。ライヴ演奏と同様に時間と空間の感覚が消失する。立っていると気を失ってバランスを崩し倒れそうになるので、床に座り込む。五感が身体を抜け出してミラーボールの回転と同期してゆっくり輪を描いて脈動する。水面に浮かぶ木の葉の様にグルグル回っていると、突然引き裂くような悲鳴に神経が切断される。気が遠くなるような魂の彷徨の果てに、人間なんていう形を捨てて、魂っていう暗号になった。






★DJ灰野敬二:目撃証言その1はコチラ、その2はコチラ


●BiS「Fly/Hi」&BiS階段


苦行に似た時間旅行から帰宅すると、密林からBiSのニューシングルが届いていた。Shelter 7Daysで披露された新曲2曲はBiSらしい爽快なエモロック・チューン。ミッチェルことミチバヤシリオが脱退を表明したので、ジャケットにはゴキブリ姿の5人しか写っていない。メンバーチェンジはBiSお得意のお家騒動ネタである。



★ミッチェル脱退の真実を明かすインタビューはコチラ

初回特殊飛び出すミッチェル仕様。
Bellring女子ハート通称ベルハーは飛び出すCD仕様。


ブログ主がまたアイドルに走ったよ、と呆れるノイズ者よ、焦りは禁物。我々にとってのツボは、8月7日渋谷WWWでのBiS階段デビュー・ライヴ全曲収録DVD付きのBiS階段盤である。この凄まじいカオス映像がメジャーのエイベックスからリリースされる我が国は、イ○ンや北○鮮以上に狂った無法国家かもしれない。もし9月7日のIOC総会の前にリリースされていたら、我々の意向通りに東京オリンピック構想は粉砕されたに違いない。デタラメ理事長は250km離れているどころか都心ど真ん中でこのようなノイズ災害が起ったことに対しては言い訳できないだろうし、ペテン宰相もノイズ汚染が完全にブロックされていると大嘘つく訳にも行くまい。さらにIOC委員から灰野敬二が5時間に亘ってカオスを漏洩したことへの説明を求められたらどう弁明しただろう。

国家の威信を粉々に破壊する痛快な武装精力強壮剤、BiS階段が世界的にも類を見ない極悪ユニットであることは、英国の音楽雑誌ワイヤーの編集長クリス・ボンのコメントに証明されている:
「非常階段はBiSというとてつもない盟友を見出しBiS階段を結成した。
このBiS階段が持つ極度の破壊衝動は非常階段のそれを上回るものとなった。
BiSの持つ群がるハイエナのような存在感によって、ノイズを極めた非常階段が明らかに新たなエネルギーを手に入れているように感じる。 
BiSが放つ剥き出しの欲望と冷酷なポップアンビションが、日本のノイズシーンのキングである非常階段のアングラ界のカルト的な不動のステイタスと突如混ざり合い、BiS階段は危険極まりないロックカクテルを作り出した。
このロックカクテルは最後の一滴まで、1967年にケルヴォーンで行われたTHE KINKSのライブを彷彿とさせる程のヒステリカルで毒性が高い厄介な欲望が溢れ出す。」





エモきゅんノイズで世界を席巻!
★BiS階段の進化形、電撃BiS階段ライヴレポートはコチラ
★初音階段:JOJO広重&T.美川インタビューはコチラ

ノイズヲタ
階段登って
こんにちは

<BiS階段 LIVE SCHEDULE>
2013.9.28. at 大阪なんば・ベアーズ
出演:BiS階段、非常階段、BiS

2013.10.27. at 京都・KBSホール
『ボロフェスタ2013』
出演:BiS階段、非常階段、BiS、ソウルフラワーユニオン、でんぱ組.inc、にせんねんもんだい ほか



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

バニラビーンズ/ザ・コレクターズ@新宿ロフト 2013.9.17(tue)

2013年09月19日 00時15分00秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界

(このシーンの撮影・掲載はOKでした)

バニラビーンズ5周年記念対バン企画
『風は吹くのか!?Vol.5~タフに行こうぜ!~』


出演:バニラビーンズ/ザ・コレクターズ



バンドじゃないもん!、7!!、カジヒデキ、野宮真貴に続くバニビ対バン企画第5弾は日本が誇るモッズ番長、ザ・コレクターズが登場。「コレクターズさんは世界一好きなバンド」と言うりちゃこの熱烈アピールにより実現したという。高校時代からの憧れのアイドルと同じステージに立てるとは、アイドルやっててよかったね! 夢見ることを続けていれば、望みはいつか適うもの。マル非しかり、でんぱ組しかり、バニビしかり。キミも夢をあきらめたらダメだよ!

ザ・コレクターズ


27年の歴史を持つコレクターズはアラフィフ世代のベテランだが、同世代のバンドに比べて、フレッシュというか青いというか貫録がないとうか、とにかく永遠の若者のイメージがある。モッズのバイブル『さらば青春の光』でジミーが大人になるエンディング(オープニング)に反発して、去りゆく青春を永遠に追い続ける道を選んだのだろう。80年代半ばのネオGSブームで注目され、メジャー契約を獲得。他のGSバンドがブームの終焉と共に解体する中で、新宿JAM周辺にタムロするネオモッズ族の熱い支持があるコレクターズはしぶとく生き残り、現在に至るまでモッズマークを旗印に活動する。決して大ヒットはしないが、ロックシーンの北緯45度に常に座を占める。1986年に渋谷ライブ・インや六本木インクスティックで観た頃と殆ど同じく、歌詞がはっきり聴き取れる明朗な歌とギターのダウンストロークが、青春の光と影を彩るメロディーを奏でる。永遠アイドル=松田聖子/永遠少年=スピッツ/一生ノイズ=マル非に匹敵する永遠青春モッズの底力を堪能した。




バニラビーンズ


ステージ袖からずっと羨望の眼でコレクターズを観ていたりちゃこが弾けて、最初から飛ばしまくるバニビのR&Rショー。清楚な仮面を脱ぎ捨て、でんぱ組のえいたそに負けないハイテンションガールぶりを発揮、イノセントに観客を煽る煽る。今までのバニビライヴではなかったOi!Oi!コールも炸裂。10月リリースの新曲「プリーズミー・ダーリン」は3分間のネオアコロケンロー。最近の北欧の風はジャズ方面から吹く傾向があるが、アイドル地方の北欧の風が途轍もなく熱いことを思い出した。目の前にビデオカメラマンがいるので、レナ&りちゃこの目線がビシビシ飛んできて、火花で顔面大やけど状態。アンコールでコレクターズとコラボして、興奮の余りりちゃこが「撮影OK!」と言い放ち大混乱のうちに終演。モッズとアイドルの間に垣根がないことを実感した。



<Vanilla Beans Set List>
1 キラーキュイーン
2 チョコミントフレーバータイム
3 サブカルガールまどか
4 東京は夜の七時
5 ノンセクション
6 プリーズミー・ダーリン
7 エルスカディ
8 マスカット・スロープ・ラブ
9 Summer Vacation
アンコール1:Tough/ザ・コレクターズwithバニラビーンズ
アンコール2: プリーズミー・ダーリン



僕は
バニラビンズ
収集家

◆2013年10月12日(土)  タワーレコード渋谷店B1「CUTUP STUDIO」
バニラビーンズ 5周年対バン企画 「風は吹くのか!? 渋谷死闘編」
出演者:バニラビーンズ/掟ポルシェwithニコル(愛犬)/CRZKNY/EVIL/ふぇのたす

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

でんぱ組.inc@日比谷野外大音楽堂 2013.9.16(mon)

2013年09月18日 00時13分45秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


でんぱ組.inc 東西野音ツアー
「夏のパッション!」
~みんながいるし、仲間だもん!~


台風18号の接近で豪雨と強風が吹き荒れる敬老の日、殆どすべてのイベントが中止になる中、でんぱ組.incの野音ライヴはぎりぎりまで気を持たせたが、予定通り敢行された。東京地方は午後には台風一過の青空が広がったので、結果的には正解だったが、自然の猛威を目の当たりにしても、雨天決行の意志を崩さなかった萌えジャパンスタッフをあっぱれというべきか無謀というべきか?結果的には、ライヴに参戦しないフォロワーを含め多数の応援ツイートが寄せられ、TLはでんぱコメントで埋め尽くされることとなった。日本各地に被害を与えた台風ロリータ18号が東北地方を餌食にすべく北上を続ける状況下で、喉元過ぎたら熱さ忘れる的に盛り上がっていいのか、との戸惑いがなかった訳ではなくないが、暴風雨に刺激され異様な興奮状態に包まれた野音に足を踏み入れた途端、すべての煩悩は雲のように吹っ切れた。





今まで見た中でも野音最多の立ち見客の数に驚く。通路は規制されてトイレも封鎖。戦時下の食糧配給待ちのような物販の列。刑事ではないが、でんぱ事件はTLで起きてる んじゃない。現場で起きてるんだ!と心の中でRTする。今まででんぱ現場で経験したことのない女子率の高さに再び驚愕。昨夜のイベントとは対照的な客層である。地下音楽のカオス生まれのマル非がアイドルやボカロの力を借りてアキバに触手を伸ばす一方で、アキバ系地下アイドルの象徴のでんぱ組が一般層に勢力図を広げる事実は、人智を超えたバランス力学的エネルギーがこの世に存在することの証明である。人間が如何に威張ったところで仏の手のひらで遊んでいるに過ぎない。どうせちっぽけな存在なら思い切り大きな夢を見た方が人生は楽しかろう。どうせ迷うのなら積極的に主体性を以って迷った方が人生は面白かろう。そんな絶体真理を測定するスケールの両極端が非常階段(色即是空)とでんぱ組.inc(空即是色)なのである。陰と陽の両者が出会うことは自然の摂理に反することになり、神々の鉄槌が下るに違いない。JOJO広重がでんぱ組ではなくBiSとコラボしたことは、成り行き任せとはいえ、明らかに正しい選択だった。




【特別企画】でんぱ×マル非クイズ

ア) 犬が糞尿をした、これは綺麗か汚いか。

イ) ここにタンポポの花が咲き種ができた。一株から放出される種は1000個であるとする。
   この1000個の種から何本のタンポポが種を持つまで成長するでしょうか。

ウ) ここに試験管がある。 この試験管にに1分間に1回分裂する微生物を入れて培養していたところ
   30分経過すると試験管の半分まで満たすことになった。
   この試験管が満杯になるまであとどれくらいの時間を要するでしょう。



 
<Set List>
1. W.W.D
2. Sabotage
3. Future Diver
4. わっほい?お祭り.inc
5. 君も絶対に降参しないで前に進まなくちゃ!
6. くちづけキボンヌ
7. ノットボッチ…夏
8. キラキラチューン
9. 強い気持ち・強い愛
10. 少女アンドロイドA
11. W.W.D II
Encore
12. でんぱれーどJAPAN
13. ORANGE RIUM
Encore 2
14. でんでんぱっしょん



決定!
東西野音ツアー特別編
「夏のパッション!」台風で来れなかった方は全員ご招待!~みんな揃って、でんぱ組.incだよ!~

10月13日(日)TDCホール

萌えキュンソング
萌えキュンノイズ
萌えキュンタイフーン

水と油のマル非とでんぱ組が共に白魔術に魅せられていることが興味深い。




クイズの答え
ア)糞尿をしなければ生きているとは言えない。糞尿も含めての犬である。汚い綺麗以前の問題である。不垢不浄
イ)1本である。2本であるなら、10年で512本になる。何万年も続いた地球はタンポポだけで覆われていなければならない。不増不減
ウ)1分、倍になるのには1分あればよいから。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

非常階段/突然段ボール/初音階段/突然段ボロイド@秋葉原Club Goodman 2013.9.15(sun)

2013年09月17日 01時54分46秒 | 素晴らしき変態音楽

(写真・動画の撮影・掲載については出演者の許可を得ています。以下同)

非常階段&突然段ボール
~林直人&蔦木栄一・10回忌記念/初音階段ニューアルバム&アウシュビッツCDボックス発売記念~


【出演】非常階段/突然段ボール/初音階段/突然段ボロイド



1977年結成の突然段ボール、1979年結成の非常階段は今も現役で活躍する東西地下音楽の最古参として長い付き合いがある。今年は突段の蔦木栄一と関西NO WAVEシーンの仕掛人にしてJOJO広重の盟友、林直人の没後10年に当たり、突段・マル非それぞれボックスとボカロ共演盤をリリース、初音階段の新作『からっぽの世界』と林直人のアウシュビッツのボックスのレコ発も併せ、全部まとめて一緒にお祝いしようという出血大サービス企画が開催された。聖地アキバだけにボカロヲタで満員かと思ったら、いつもと変わりないノイズファン中心。女子率が異常に低いことだけはアキバっぽい。初音とマル非は何度も観ているが、突段は久しぶりなので期待が高まる。

●突然段ボロイド


チェックしなければ、と思いつつ聴かぬままだった突然段ボロイド初体験。CD音源をバックに蔦木俊二がギターを弾き、オカルトタレント愛葉るびがリアルボカロとして歌う。るびの衣装はコスプレではないが、表情がとても愛くるしくてセクシー。最前列で観て息がかかりそうなほど接近して胸がドキドキ。もしガーターベルトだったら即死だっただろう。おかげで九死に一生を得た。全曲突段のオリジナル曲なので、同じボカロコラボでも初音階段とは別モノ。打ち込み機械ボイスだと、一聴して突段と判る楽曲の個性が際立つ。蔦木の変態ギターも堪能。




●初音階段


歌謡曲、フォーク、ロックのカバーの新作『からっぽの世界』をリリースした初音階段。ライヴを精力的に行い、ライヴバンドとして完成型に近づいた。白波多カミンのコスプレも定着。最初に観たときの驚きが強烈だっただけに、それ以上の経験はあり得ないかと思ったが、パフォーマーとしての進化(変化)に新鮮な感動を覚えた。確信犯的に鳴らされる激烈ノイズは、単なる伴奏ではなく、楽曲と歌声を破壊する殺戮兵器。方法論は同じだが、精神性はスター階段からJAZZ非常階段に至る階段コラボとは根本的に異なる。これらのコラボはノイズと楽曲が並列に存在することで、新しいサウンドを産み出そうとする錬金術があった。しかし8月のBiS階段のデビューライヴでは、ノイズでアイドルソングを破壊する闘争本能が発揮され、会場を埋めたアイドル推しのオーディエンス(研究員)を刺激し、異常にテンションの高いライヴ空間を現出した。破壊と闘争で別次元を産み出す白魔術が今の初音階段の醍醐味である。




●非常階段


初音階段のラストナンバー「白い目覚め」でJUNKOと岡野太が登場してそのままマル非に雪崩れ込む流れは6月の「自家発電Vol.1」の時と同じ。カミンミクがそのままギターで演奏に加わるのも前回通り。勿論JUNKOは魅力的だが、性的な意味で色気の無いマル非にコスプレ美少女が加わることは、ライオンの群れに投げ込まれた無防備な子ウサギの映像を見るように、痛々しくもいつどのように喰われるか成り行きから目を離せない魔性の魅惑がある。人間の隠れた残虐性を暴き出すマル非の挑発行為である。




●突然段ボール


バンドとして観るのは3年半ぶり。前回観た時は、持ち前のスカスカ脱力サウンドが、音数の多いお祭りロックになっていて驚いたが、近作を聴いて予習の上で臨んだ今回は、バンドサウンドに突段らしい諧謔と実験の精神が漲っていることが実感できて改めて感銘を受けた。マル非に比べ語られることは少ないが、紛れもなく日本の音楽シーンを作り上げた功労者にして、一生実験精神を貫く真の創造者であることは間違いない。現在新作のレコーディング中だが、「つくづく酷い時代になった」と語る蔦木俊二がテン年代の新作にどんな意思を込めるのか、興味は尽きない。




三十年
やっと到着
ふりだしに

●ふたりボロイド






コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

松田聖子/KARA/ナオト・インティライミetc.@幕張メッセ 2013.9.14(sat)

2013年09月16日 00時55分43秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


UNIVERSAL SIGMA 10TH ANNIVERSARY
SIGMA FES. 2013
~U-EXPRESS LIVE AUTUMN~

[出演]松田聖子 / KARA / ナオト・インティライミ / キマグレン(Special Guest:吉川友) / A-JAX / ケラケラ / クリス・ハート / DJ KAORI "Special J-Mix Live" featuring Juliet / TEE / GOLD RUSH / Una / あっくん [オープニングアクト]Da-iCE



デビュー33年目にしてPRINCESS SEIKO初のフェス出演。所属レーベルの記念イベントとはいえ、歌番組とゲスト出演以外はワンマン&ディナーショーしか経験の無いSEIKOがアウェー環境で歌うことは、天皇の人間宣言に匹敵する大事件である。アマテラスの岩戸隠れ伝説のように、現人女神SEIKOが天上の扉を開け下界に降り立った。アマテラスのアマは海女ちゃんのあま。聖子ちゃんカットでアイドルをめざした天野春子が、20数年後に娘アキの事務所社長になる、という設定の元ネタがSEIKOであることは説明するまでも無かろう。あまちゃん放送終了のギリギリ一週間前にSEIKO本人が降臨したことで、仮想(Fiction)と現実(Reality)の境界面の歯車が一瞬にして合致した。





2013年度上半期を象徴する社会現象に楔を打つためには女帝降臨が不可欠だったが、NHKと宮藤官九郎の力を持ってしても、運命の気紛れがなければ実現しなかった。最後の最後に天国のキッスを手に入れるとは、クドカンこそ本年度最高のラッキーボーイに違いない。一方であまちゃんブームで注目度が急上昇中のSEIKOが一切それに触れることなく、所属レーベル及びレーベルメイトへの謝辞と激励を繰り返したことは、アイドル界の頂点に立つものとして、浮世の雑事に惑わされることなく、元祖ママドルのカリスマ母性の発露により、WHO KILLED IDOL?という理不尽極まりない命題的疑念に終止符を打つ、毅然とした霊魂の現れであった。このたびの下山は、旧体制派と見られていたSEIKOが、決して前時代的化石ではなく、時代の要求に呼応して変貌するタイムレスな回転体(Rolling Stone)であることを証明した。



あらゆる時代の全てのアイドル及びその予備軍たちよ、今こそ"一生アイドル"SEIKOの足元に跪き、福音の言葉に耳を傾け、頭を垂れるが良い。
その時、時代が動く。


ナオト・インティライミ


今年春、同じ会場で目撃したお祭り男の熱いステージ。どんなにアウェー状態でもまったくひるむことなく、体当たりのパフォーマンスで自分の世界に巻き込む強力な磁力に惚れ惚れする。盛り上げることがJ-POPの使命であるとはいえ、ナオトの屈託の無い笑顔には、反対派も否定派も微笑み返しするしかない。




KARA


少女時代に続くK-POP体験。歌と踊りの上手さと笑顔とスタイルの良さに放心。100%完璧だと恐れ多くて近寄り難いが、完全主義にひびを入れる辿々しい日本語が父性本能をチクチク刺激して心の門から静脈回路に忍び込む。




松田聖子


ダンスマニアもJ-POPファンもK-POPファンも、全ての聴衆を満足させることは無理だろうが、明日へ希望を繋ぐためには不可能性の演算計算が必要であろう。女帝SEIKOの精算書は決まり次第、公式Twitterアカウントで呟きます。



★ライヴレポートはコチラ


なんてったって
アイドルは
Kyon x 2じゃなく
SEIKOです

なんてったって
SEIKOは
大森じゃなく
マツダです

MATSUDA DESU!!
SEIKO GODDESS!!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アーバンギャルド@渋谷O-West 2013.9.12(thu)

2013年09月14日 02時39分49秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界






恋と革命とアーバンギャルドツアー~前衛都市、五年目の真実。
7月14日に横浜からスタートした前衛都市のレコ発ツアーのファイナル。30分で売り切れたプレミア公演のチケットを手に入れた幸運なアーバンギャル&ギャルソン及びその予備軍の熱気で冷房が効かないほど。2ヶ月間、夏フェスを含め21公演に亘る全国ツアーは、バンドにとって初のロングツアー。結成5年目にしてロックバンドの過酷さを実感したという。毎日顔をあわせて過ごしてメンバー間の軋轢も経験し、バンド運営の難しさを実感した。「リーダーとしての自覚が足りなかった。バンドを続けられるのかと思い、バンドの終わり方について考えた」と松永天馬。その結果明かされた五年目の真実とは、アーバンギャルドは「バンド」だった!!!、ということ。グルーヴ感溢れるバンドサウンドは、アーバンギャルドが新局面に突入したことを高らかに宣言していた。




(以上、ライヴ写真/映像はJAPAN EXPO 2013より)
★関連記事:アーティスト自身が感じる「クールジャパン」の問題点と課題とは?→コチラ


セックスなうで辿る恋と革命とアーバンギャルドツアー~前衛都市、五年目の真実。+αの記録
7月14日(日)新横浜NEW SIDE BEACH!
7月18日(木)千葉LOOK
7月20日(土)盛岡Club Change
7月21日(日)仙台Live House PARK SQUARE
7月23日(火)郡山CLUB #9
7月24日(水)八戸ROXX
7月27日(土)北海道 いわみざわ公園「JOIN ALIVE 2013」
7月30日(火)水戸ライトハウス
8月7日(水)東京 国立代々木競技場第一体育館「GIRLS’ FACTORY 13」
8月12日(月)広島ナミキジャンクション
8月13日(火)福岡DRUM SON
8月14日(水)熊本DRUM Be-9V2
8月16日(金)高松DIME
8月18日(日)滋賀県 豊郷小学校旧校舎群 講堂「聖地巡礼」
8月21日(水)新潟CLUB RIVERST
8月22日(木)金沢vanvan V4 
8月24日(土)勝山市民会館「DINOSONIC KATSUYAMA SUMMER FES 2013」   
8月30日(金)名古屋APOLLO THEATER
8月31日(土)難波ROCKETS
9月6日(金)札幌Sound Lab mole
9月12日(木)渋谷O-WEST





五年目の
浮気くらい
大目に見てよ

●追加公演決定!
恋と革命とアーバンギャルドツアー追加公演 ~ワンマンと吸血鬼と処女~
9月16日(祝・月) Shibuya O-EAST
出演:アーバンギャルド(ほぼワンマン) オープニングアクト:浜崎容子と女たち(浜崎容子新バンド)/オーラルヴァンパイア 
→詳細はコチラ

●東阪名!
前衛都市学園スクールカーストツアー
12/2(月) 梅田クラブクアトロ
12/3(火)名古屋クラブクアトロ
12/17(火)渋谷クラブクアトロ

★アーバンギャルド オフィシャルファンクラブ『前衛都市学園』開校!→コチラ
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ふぇのたす/THE ピンクトカレフ/藤岡みなみ&ザ・モローンズ@新代田FEVER 2013.9.11(wed)

2013年09月13日 00時19分56秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界




7月末に1stアルバム「2013ねん、なつ」をリリースしたふぇのたすの企画イベント。仲の良いガールズ・アーティストを対バンに迎えての女子フェ(のた)ス。My萌えChart赤丸急上昇中の大森靖子サマのバンド、THE ピンクトカレフがお目当てのバンドさんだと答える気満々だったのに、今回は訊かれなかった。トップの椎名琴音は観逃した。

藤岡みなみ&ザ・モローンズ


15年前テレ東の子供番組「おはスタ」で子役デビューし、現在はパンダ&カレー研究で知られるタレントの藤岡みなみ、通称フジミナ率いるロックバンド。昨年までパンダ繋がり音楽ユニットPANDA 1/2のメンバーだったフジミナが、2013年初頭に結成し日本のインド高円寺からデビュウしたのがザ・モローンズ。メンバーは藤岡みなみ(ボーカル&作詞担当)、ヒロヒロヤ(色んな楽器&作編曲宅録&漫画家担当)、ネロ(エレキギター&チェックシャツ&ロックンロール担当)の三人。ドラムはサポート。結成と同時に公式サイトで音源発表。4月にライヴ・デビュウし、南波志保、いずこねこ、BELLRING少女ハート、Swinging Popsicleなどと対バン。ふぇのたすとも6月に渋谷WWWで対バンしており、その縁で今回の出演が決まったのだろうか。フジミナの歌をきちんと聴くのは初めて。明快なポップチューンをルックス同様にスウィートな声で衒いなく歌う。特に個性的でも尖がってもいない、さりげない普段着のポップスだが、私の琴線にグサリと刺さった。マタタビのような声の魅力には全面降伏(幸福)。キュンキュンメロメロの腑抜け状態に陥り再起不能。普段着女子(実際はパジャマ)にからきし弱いアングラヲタの弱点を露呈した。密かにフジミナ画像蒐集ちう。




●THE ピンクトカレフ


フジミナの不意打ちに蕩けている場合ではない、次はMy女王Chart今月のNo.1のSEIKOサマ。気を取り直して前列へ突き進む。メンバーは、大森靖子(vo,g)、小森清貴(g/壊れかけのテープレコーダーズ)、大内ライダー(b/太平洋不知火楽団)、川畑 usi 智史(ds/エジプト文明ズ)、高野p介(g/うみのて)。現代ライヴハウス・シーンの個性派によるスーパーバンドである。壊れかけでお馴染みの激情派ギタリスト・コモリが別のバンドでプレイするだけでも感激だが、同じ激情派クイーンSEIKOサマとの共演とは卒倒もの。SEIKOサマを生バンドで観ること自体秒殺だから、卒倒×秒殺でヤヴァすぎ脳内酸欠・心臓停止必至。示し合わせたように黒シャツ揃いの野郎陣に花柄ワンピのSEIKOサマが眩しい。激情カオスアクションプレイなのに、サウンドは予想外の流麗ポップ。コモリ&p介のギターが虹の軌跡を描く。サウンドが降り注ぐクリアな空間にSEIKOサマの激情ヴォイスがアバれ捲り、ステージ上に四角いマットのジャングルが出現する。はしゃぎ過ぎのSEIKOサマが客席へダイヴ、というより場外乱闘。客は逃げ惑う訳もなく、SEIKOサマのお戯れをサポート。フランス革命のLiberté, Égalité, Fraternité(自由・平等・友愛)の理念は身近な小社会で簡単に実践可能なことを証明した。燃え尽きるより、萌え憑きたい!!!




ふぇのたす


ミコ(vo)、澤"sweets"ミキヒコ(el-perc)、ヤマモトショウ(g,syn)のトリオ、ふぇのたすは二回目。前に観た時は、相対性理論直系のエレクトロポップという印象だったが、フジミナ&SEIKOサマのFEVER熱に浮かれた状態で本質が見えた。無機的なハズのデジタルドラムビートが有機生命体の血肉を刻み、ギターとシンセの調味料をふりかけ、アンサンブルで料理し、給仕するのがヴォーカルの役目。すなわちPhenotasとは一軒のデリカテッセン、日本でいえば寿司屋なのである。ヘッドフォンやスピーカーでBGMを流す店内で、美味しいおすしが食べられると評判の、東京おしゃれタウンのお薦めスポット。キャッチフレーズは「たす+たすでありがたす」。振り付けはミコが言うほど簡単じゃないが、見よう見まねで一緒に踊ればはっぴーになること請け合いたす。聴くものみんな笑顔に変える魔法少女の電脳ポップスに幻惑されたす。




女子力は
三者三様
萌えつきぬ



ふぇのたすインストアライヴ情報
9月21日(土)18:00 タワーレコード秋葉原店
観覧無料 CD購入者に特典あり
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

若さゆえ苦悩する貴兄・貴姉に捧げるR&B~ザ・ストライプス『スナップショット』

2013年09月12日 00時15分50秒 | ロッケンロール万歳!


●近頃気になるもの。ティーンエイジャー・ロック残酷なる少年性、そして青春ブルース
「鏡よ鏡、鏡さん。三面鏡の真ん中に見えるのは何?」ーーー浜崎「見える、見えるわ。」松永「何が見えるのです?」浜「縞々模様が見えます。横断歩道のようにも、シマウマのようにも、渋谷系ファッションのようにも、山崎春美の服のようにも見えます。」全員「何いぃぃぃぃ!?」
その時聴こえてきたのは、激しくロールするリズム&ブルースの響き。16歳の紅毛碧眼の美少年4人組が鳴らす真っ青な憂歌。感性の貯蔵庫、アイルランドで熟成されたフレッシュな果実酒。その青春の叫びを聴いて「私はロックン・ロールの未来を観た。その名はザ・ストライプス!」と喝采するジョン・ランドーの子孫がいるかどうかは分からないが、日本盤CDの帯には「ロックの未来はここにある!」と謳われる。音の記憶はむしろ過去の墓場を掘り起こし、現在に蘇生するベクトルにあるが、それが未来に繋がるのも確か。何しろこの子たちは若いし、この先60年は生きられるのだから、人類の未来を担う希望の星である。



●やりたいことWanna DoとやるべきことShould Do
ザ・ストライプススピッツのように旅の手帖に物語を綴ることはしない。タイトル通りのスナップ写真・日常の寸描・感情の断片を刻むだけ。まだまだ人生の意味云々を吟味し咀嚼する理由も必要もない。阿部薫やシド・ヴィシャスやイアン・カーティスを気取って生き急ぐのは時代遅れの美学だから、瞬間瞬間の想いをツイートのように吐き散らして、今現在~Here&Now~を生きることが何より大切なのだ。足立ユイのように今やりたいことと今やるべきことを見極めるべき。ロケンローってのはそういうもんじゃないか? 誰の目も気にせず、自分のなりたい好きな形になればいい(by 甲本ヒロト)。



●ヘイ ボーイは不安定、ヘイ ガールはいつも元気
オトナの事情や柵の多い日本ではなく、自由を愛する田舎の國、愛蘭土(アイルランド)に育ったロス・ファレリー(vo,hca)、ジョシュ・マクローリー(g,vo)、ピート・オハンロン(b,hca)、エヴァン・ウォルシュ(ds)。ガキをつけあがらせると手に負えないという見本のふてぶてしい態度と子供の名残のあどけないルックスとが混在して、不安定ボーイの典型となる。同じティーンエイジ・ブルース・ロックバンドDrop’sのいつも元気ガールの母性溢れる包容力と比べれば、男子と女子の第二次性徴の差は歴然とする。いつの時代も女性上位万歳に変わりはない。



●来日ツアーはソールドアウト
牛田智大や谷口宗一の危うい少年性は愛の國育ちのアンファン・テリブルにも共有されている。牛田君がクラシックの世界で揉まれていくように、ザ・ストライプスもロケンローの荒波の洗礼を受けることだろう。もしかしたらR&Rカオスの誘惑もあるかもしれない。その行く末を想像するにつけ、若さっていいな!と思ったなら、『スナップショット』を聴きながら10月の来日ツアーを心待ちにしようじゃないか。



★ザ・ストライプス最新インタビューはコチラ

若さゆえ 苦しみ
若さゆえ 悩み
心のいたみにひとり泣く

~ロックン・ロールを奪還せよ!~ 「The Strypes presents 全国ロックン・ロール学園祭2013」開催!
我こそは!という悩めるテーンエイジャー諸君は応募してみては?
★詳細はコチラ
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

永久少年がめざす最果てへの旅路~スピッツ『小さな生き物』

2013年09月11日 00時28分24秒 | こんな音楽も聴くんです


●スマップとセックス・ピストルズとハイロウズとBJCとTMGEとスピッツの追想





朝のワイドショーでスマップがシングル50曲をメドレーで歌う映像をなにげ無く観ていた。決して交わりそうも無い筆者とスマップだが、実は馴染みの曲がある。「青いイナズマ」「SHAKE」「ダイナマイト」「セロリ」の4曲。何故か? 私のカラオケの十八番だったのである。

テレビで流れるようなJ-POPや歌謡ポップスには無縁の8/90年代を過ごしたので、カラオケには殆ど興味がなかった。付き合いやパーティ等でマイクが廻って来ると、GSかうろ覚えのフォークや演歌をガナッて、場をシラケさせるのが常だった。それが無類のカラオケ好きになったきっかけはセックス・ピストルズの来日公演だった。1996年11月武道館、10年ぶりに会った中学時代の悪友と一緒に観に行った。金儲けのためと明言した再結成ツアーは賛否両論だったが、やはり観ておいて良かったと思う。コンサートのあと、別れが名残惜しくて六本木のカラオケボックスに行った。初めて本格的な洋楽カラオケが導入され評判の店。それまでもオールディーズやビートルズや全米大ヒットのカラオケはあったが、その店ではハードロックやプログレやパンクのカラオケがあった。ふたりでピストルズやクラッシュやラモーンズ、クリムゾンやパープルやツェッペリンを歌いまくった。英語は怪しかったが、好きな曲を堂々と歌えるのがとにかく快感だった。

一度歓びを覚えて以来、カラオケに行くのが愉しみになった。丁度通信カラオケの全盛期で、楽曲数が一気に増え、それまで無かったマニアックな曲も歌えるようになった。しかし誰も知らないレア曲ばかりではシラケるので、ヒット曲を歌おうと覚えたのがスマップだった。他にはハイロウズやブランキー・ジェット・シティやミッシェルガン・エレファントが得意だったが、全曲アップテンポだと流石にキビシイ。そんな時にはスピッツが最適だった。草野マサムネのハイトーンは喉に負担がかかるが、酒を飲むと不思議に声が出た。連続で歌って声を潰し、さらに酔い潰れて沈没するのが常だった。



特別付録:筆者のカラオケ・ベスト5
・ハイロウズ「月光陽光」
・ブランキー・ジェット・シティ「赤いタンバリン」
・スピッツ「冷たい頬」
・スガシカオ「ぼくたちの日々」
・井上陽水「傘がない」(同時通訳付)


●スピッツ『小さな生き物』


スピッツの3年ぶりの14thアルバム『小さな生き物』がリリースされた。今までジャケットには女性を起用してきたが、珍しく男性モデルのアートワークである。『空の飛び方』よろしくハンググライダーで飛び立とうとする少年像は、長編映画引退を表明した宮崎駿監督の『風の谷のナウシカ』へのオマージュか? 筆者が大学入学当時、ハンググライダー部への入部を望んでいたという事実は知る由もなかろう。スピッツにとっての新たな旅立ちを示唆するのかもしれない。

しかし、先行シングルの「さらさら」でも明らかな通り、アルバム全体には特に新機軸への挑戦はない。昔ながらのマサムネ節が貫かれている。デビュー作『ヒバリのこころ』以来スピッツの歌には「空」「宇宙」「鳥」など「ハネモノ」に溢れている。夢占いでは「空を飛ぶ夢」のキーワードは、永遠の少年/自由な冒険心/性的欲求である。スピッツのシンボル・カラーは間違いなく「青」であり、それは「ブルース」に通じる。「ブルース=青春」であることは既に証明済み。そう考えるとスピッツとは青春を生きる少年の自由な空想力と欲求不満の苦悩を描き続けるバンドだと考えられる。草野マサムネのナイーヴな感性は永遠の少年そのものであり、それは45歳の中年になった今も変わることは無い。如何に変わっていないのかの証明に、1991年のデビュー曲「ヒバリのこころ」と22年後の最新シングル「さらさら」マッシュアップをご覧頂きたい。
→→コチラ(うるさかったら音声OFFにして下さい)



♪負けないよ 僕は生き物で 守りたい生き物に 出会えるって 思いもしなかった もう一度果てをめざす(小さな生き物)
♪あなたに会いたいから どれほど 遠くまででも 歩いていくよ 命が 灯ってる限り・・・ 人は皆もっと自由で いられるものだと(ランプ)
♪眠りにつくまで そばにいて欲しいだけさ 見てない時は自由でいい まだ続くと信じてる 朝が来るって信じてる 悲しみは忘れないまま(さらさら)
♪星空を 見るたびに思い出す さよならも 言えないままだった 少し苦く 少し甘く もらった言葉消さないもう二度と(スワン)
♪飛びたい 飛びたい 飛びたいな 飛びたい 飛びたい 飛びたいな(潮騒ちゃん)
♪僕はきっと旅に出る 今はまだ難しいけど 未知の歌や匂いや 不思議な景色探しに(僕はきっと旅に出る)

描かれた13篇のショート・ストーリーは旅立ちの予感に満ちている。刹那的な逃避行ではなく、自由で未知の世界でのあなたとの出会いを信じて最果てを目指す旅路。「けものたちは故郷をめざす」(1957/安部公房)、「青年は荒野をめざす」(1967/五木寛之)、「少年は荒野をめざす」(1987/吉野朔実)、「うたは自由をめざす!」(2003/SOUL FLOWER UNION)、「クローンは故郷をめざす」(2009/中嶋莞爾)。
さてスピッツの4人がめざす先はいずこ?(ねこ)



めざす先
小さな生き物(ねこ)
待っている

●参考
1991年デビューのアーティスト
2月10日 - ZARD/Good-bye My Loneliness
2月14日 - Mi-ke/想い出の九十九里浜
3月25日 - スピッツ/ヒバリのこころ
4月12日 - BLANKEY JET CITY/不良少年のうた(シングル)、Red Guitar And The Truth(アルバム)
4月21日 - フィッシュマンズ/ひこうき、LUNA SEA/LUNA SEA
5月21日 - the pillows/雨にうたえば
6月14日 - ORIGINAL LOVE/DEEP FRENCH KISS
7月10日 - T-BOLAN/悲しみが痛いよ
8月21日 - KIX-S/KIX-S
8月29日 - 黒夢/黒夢
9月9日 - SMAP/Can't Stop!! -LOVING-
9月21日 - CHARA/Heaven
10月9日 - 高橋洋子/おかえり
12月4日 - WANDS/寂しさは秋の色
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

きゃりーぱみゅぱみゅ@伊勢原市民文化会館 2013.9.7(sat)

2013年09月09日 00時17分45秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


なんだこれくしょんツアー
~ きゃりーぱみゅぱみゅの宇宙シアター ~

■ KANAGAWA(TICKETS SOLD OUT)
2013 9/7(土)神奈川 伊勢原市民文化会館(神奈川県伊勢原市田中348)
開場:15:30 / 開演:16:00(グッズ販売あり:会場外販売 13:00 開始)



きゃりーぱみゅぱみゅの2ndフルアルバム『なんだこれくしょん』リリースから2ヶ月半、全国21ヶ所23回公演ホールツアーの幕が開いた。朝イチの噛みTweetが、はやる心境を物語っていた。今や推しも押されぬ人気者のきゃりーを1000人規模のホールで観られる機会は滅多に無いので、東京は勿論、近郊にも参戦することに。ツアー初日は神奈川県伊勢原市。典型的な地方都市の公共ホールでは告知は掲示板のポスターのみ。お祭り気分はゼロに近いが、集まった1200人のファンは、きゃりーTシャツや大きなリボンやウサみみを身に付けザワザワしている。都内のライヴで見かける全身きゃりーコスプレは殆どいない代わりに、目立つのは幼児を連れたファミリー層。スタンディングのクラブには行き辛いお子様もホールならOK。キッズ市場にKPPブランドを浸透させたいきゃりー陣営にとっては絶好のシチュエーションである。







「私のライヴは遊園地」(2012年6,7月 ぱみゅぱみゅレボリューションツアー)、「武道館で飛び出す絵本」(2012年11月6日ドキドキワクワクぱみゅぱみゅレボリューションランド 2012 in キラキラ武道館)、「不思議の国のきゃりー」(2013年5月 100%KPP WORLD TOUR 2013 ZEPP TOUR)と、毎回違うテーマで楽しませるきゃりーのワンマン・ツアー、今回のテーマは「ミュージカル」。きゃりー本人が大のミュージカル好きであることに加え、盛り上がりにくい椅子席の会場でオーディエンスを楽しませようという意図である。初めて観る人やお子様連れも多いので、飽きないように寸劇を入れるわけだ。7,80年代のアイドルのコンサートは、歌謡ショーの合間に本人主役の演劇・ミュージカルを挟む演出が普通だったので、きゃりーの方法論は一種の先祖帰りといえるかも知れない。



狂言回しは宇宙侵略大臣:スーパークールとボディガード兼ペットのキューン、きゃりーは宇宙のプリンセスという役回し。プログラムにあらすじが載っているが、コンサートの流れとは余り関係がない。きゃりーはMCではJ-POPのお約束の3ワード=「楽(しんでる?)」「着(いてこい!)」「盛(りがっていこう!)」をあまり口にしないので、代わってふたりのキャラクターが盛り上げ役に徹する趣向。ショーの世界観を作り込み過ぎると観客が魅入ってしまうので、MCでは現実的なことを話し、フレンドリーに話しかけたり振付けを教えたりしてリラックスさせる。ワールドツアーを経験して、きゃりーはエンターテイナーとして大きく成長した。

何といっても「なんだこれくしょん」収録の新曲をライヴで観れたのが嬉しかった。J-WAVE LIVEで経験した「み」の破壊力は、イントロの手拍子を全員であわせて、ONE FOR ALL, ALL FOR ONE(ひとりはみんなのために、みんなは勝利のために)の精神統一による集団投射へと導く。その火に油を注ぐのが、「み」と並ぶ「きゃりーmeetsレジデンツ」ナンバーの「くらくら」と「のりことのりお」だった。特に夏フェスの熱狂を一気に凍りつかせたという「のりことのりお」のノリ切れない芋虫蛇行ビートにはスネークフィンガーのニョロニョロギターが相応しい。ネタバレになるので詳述は避けるが、これから参戦す予定の方は、この曲を何度も聴いて予習しておくことをお薦めする。



















前席の4歳くらいの女の子は頭にうさミミをつけて椅子の上でずっと踊っていた。そのままステージへ連れ去られてしまうのを心配したのか、途中から父親が抱き上げた。2歳くらいの弟は疲れて石のように眠ってしまった。外国帰りのきゃりーのハーメルンの笛吹き度数とゴルゴン度数の上昇を観測。既報の通り、KPP WORLD TOUR 2014と「とっても可愛い」(きゃりー談)7thシングル・リリースが発表され、熱狂の内に伊勢原に夜が訪れた。



きゃりーさん
またあいましょう
このへんで

きゃりーの意匠が目玉から口唇に蛹化していた。つくづく顔パーツ好きな娘である。







コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする