午前7時の気温はプラス18度。今朝もデッキは濡れていて曇り空でござる。
室温は23度、湿度は76%もあって、ジメジメしております。
こんなことでは室内干しの洗濯モノが乾かないので、薪ストーブに火を入れました。
もう少し経てば室内は快適になるのでしょう。少し暑くなるかもしれませんが、ジメジメするよりは、よっぽどましなのでござる。
関東では、きょうは「真夏の暑さ」と天気予報が申しております。
真夏の本州、ストーブ焚いている北海道、エライ違いなのです。
気象予報士が北海道の9月の空模様について解説してましたけど、どうやら今月は雨が多いのだとか。
こんな天気で農作業は大丈夫か? 地元の基幹産業のひとつゆえ、なんだか心配なことなのです。
そんなきのう、ハニーさんと札幌へ行ってまいりました。
目的は、あれこれ買い物でござる。
我が家では、下着からなにから着ているものは、大体がノースフェースかモンベルといった、アウトドアメーカーのものばかり。
ユニクロもヒートテックなどは、多少ありますけどね。
この手のアウトドアウエアは、値段は高めですが耐久性が極めて高いし、汗をかいてもベタベタしないなど機能性も高い。
ようは長持ちするし、寒さにも暑さにもしっかり対応するので、結果としてお安いし、しかも山暮らし向きでござる。
そんなことで、夏物のバーゲン品など含め、秀岳荘や札幌ファクトリーでごっちゃり買い物してまいりました。
ついでながら、映画を観ることに…
時間がちょうどよかったのが、たまたま宮崎駿さんの「風立ちぬ」でござった。
きのうは9月1日、関東大震災が起きた日ってことで、防災の日でもあります。
この映画の冒頭部分は、びっくりの関東大震災でござった。
90年経った関東大震災の9月1日に、関東大震災で始まる映画を観たのでした。
でもって、帰宅途中には、宮崎駿さんが引退するとのニュースを聞いたのでした。
なんとも忘れられない日に「風立ちぬ」を観たものだと、夫婦して感心したものです。
映画はご存知のようにゼロ戦を開発した堀越二郎さんのお話です。
とはいえ、夫婦のお話は堀辰雄の「風立ちぬ」が基になっておる。
映画「風立ちぬ」は空に憧れた天才とその夫婦愛を描いておるのです。
映画の最後に「堀越二郎と堀辰雄に感謝」とスーパーがありました。
いずれにせよ、宮崎駿作品の中では「佳作」といった印象。
黒澤明でいえば「どですかでん」とか「まあだだよ」みたいなものでしょうかね。
ゼロ戦については8月にNHKで放送した全2回の「零戦~搭乗員たちが見つめた太平洋戦争~」がよかったです。
堀越二郎さんが開発したゼロ戦は、スピード、性能、航続距離で太平洋戦争の当初は、圧倒的な勝利をもたらす優秀な戦闘機でござった。
ところが、アリューシャン列島でほぼ無傷のまま墜落したゼロ戦を米軍が回収し、徹底的に解剖する。
ゼロ戦を丸裸にして、グラマンなどのパイロットに「ドッグファイトはするな」「ヒットアンドアウェーに徹しろ」と弱点を逆手にとってアドバイス。
これで、ゼロ戦はすっかり勝てなくなるのでした。
以前読んだ、文藝春秋の「日本の海軍」にありましたけど、米軍のグラマン戦闘機の操縦マニュアルは「マンガ」だったとか。
字が読めないアメリカ人にも簡単に操縦できるわけで、人もモノも大消耗する戦争では、まことに有利。
一方、ゼロ戦パイロットはエリートで優秀ですけど、消耗戦ですからどんどん死んでいなくなる。
加えて今回のNHK「零戦~」では、グラマン改良型は、巨大エンジンを積み、スピードはゼロ戦をはるかに凌いていく。さらに機体のジュラルミンもかなり厚いものにし、燃えない、墜落しない構造となる。
一方、ゼロ戦は弾が当たると、パッと火が着いて間もなく墜落。新エンジンの開発などできる物資も何もない。
しかも、新型グラマンのパイロットの座席の後ろは分厚い鉄板で覆ってあり、背後からの攻撃でもパイロットが死なないのだとか。
海軍の意向に沿って、性能ばかりを追求したゼロ戦には、パイロットの命を守るといった思想がそもそもなかったというのです。
こうした圧倒的な物量差で、制空権はアメリカにわたり、ゼロ戦は特攻隊へと変貌していくのでした。
風立ちぬのラストでも堀越二郎さんは「ゼロ戦は1機も帰ってこなかった」と独白しましたけど、実際たったの1機も戻って来ませんでしたね。
実際の戦争で使われたゼロ戦は、実に美しい形の戦闘機で、戦闘能力も当初は優れていましたけど、戦争遂行能力、物量が圧倒的に勝るアメリカには、結果、まるで太刀打ちできなかったのです。
我がニッポン国には資源も石油もない。だからそもそも人もモノも大消耗する戦争を遂行する能力なんぞ、今も昔も「まるでない」ことだけは間違いない、と申しておきましょう。