グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

食事の作法

2011年05月10日 | 
週末の島ガールツアーの下見も兼ねて、久しぶりに乳が崎を歩いてみました。

一見、花など咲いていなさそうな道ですが…

コゴメウツギの花が開き始めていました!

“小米”という名前がピッタリのサイズで、とても可愛いです!

ナワシロイチゴの花もあちらこちらで目につきました。

今年もたくさん食べられそうです(^^)v

頭上にはツルウメモドキの雄花。

野の花は小さくて、園芸種のような華やかさはないけれどその分、出会えた時の嬉しさは格別です。

葉っぱの上で、1mmぐらいのオレンジ色の三角が3個、ピコピコ揺れていました。
ピコピコ、ピコピコ…「一体何でしょ?」

肉眼では識別できず、デジカメ画像を大きくしたらこんな物が写っていました!

正体は調べきれませんでしたが、何だかキジラミっぽいです。
葉っぱの汁でも吸っていたのかもしれません。

「虫も一杯出てきたな~。」と思いつつ、足を止めては写真を撮っていたら、
ツルウメモドキの花が、虫達にとても人気があることに気がつきました。

ここにも、花に執着している虫が一匹。

どうやらハナムグリのようです。

ハナムグリは花粉を食べ、蜜を舐めるコガネムシの仲間です。
図鑑などに載っているものは体に白点がありますが、伊豆諸島のものは亜種とされていて、
白点が少ないそうで…これは緑一色でした。

しばらく観察していたら、ハナムグリが口から何かオレンジ色のものを出して、
花粉を舐めとっていることに気がつきました。

まるで人間の舌みたいで、ずいぶん器用に動かしながら、ベロベロ、ベロベロ、雄しべを舐めています。

あれ?昆虫に舌なんてありましたっけ??

調べてみたらハエなどは下唇の先端が広がって餌を舐めとる用途に使えるようになっている
みたいなので、ハナムグリも同じなのかもしれません。
私にはどう見ても舌に見えますけれど(^O^)

「ウメ~!」…という表情(に見える)の、ハナムグリ。

頭に黄色い花粉がついているようですけど…?

さてさて、5個の雄しべの花粉を丹念に舐めた後は…
ガバ~!

…と、毎回必ず、花に顔を突っ込んでいました。
どうやら蜜を舐めているようです。

食事の後は必ず甘いデザート?(^_^;)

ハナムグリはまるでそれが食事の作法でもあるかのように、
毎回この、ベロベロ、ガバ~を繰り返し、枝を渡り歩いては食事を続けていました。

ツルウメモドキはこうやって、デザート好きな虫達のおかげで毎年無事受粉をして、
鳥たちのご馳走になる華やかな実を、実らせることができるのですね。

自然の仕組みは、面白いですねぇ(^。^)

(カナ)
コメント
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