グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

「恐れと憧れ」

2014年12月04日 | ツアー
昨日からまた、室内引きこもりの資料作り生活が始まりました(笑)。
会議で外に出た他は、全然歩いていません。

…で、今日は、印象深かった5日前のツアーを報告します。

印象深かった理由の1つは、午後3時に船が到着してから2時間(移動時間を抜くと1時間半ぐらい)の社員旅行ツアーだったことです。9名という人数での夕方のツアーは、あまりない(もしかしたら初めて?)のパターンでした。

しかも、前日の天気予報では「雨」の予報が出ていました。

日没が午後4時30分前後の今日この頃…しかも「雨降り」となると周囲は、かなり暗くなります。雨でも楽しい樹海も、この時間では真っ暗です。

「どこに行ったら大島の魅力を伝えられるのだろう?」
…と、実は前日からずっと、アレコレ考えていました。

そして当日…
天気はどんどん回復し、船の到着の頃の空は…青空でした。(良かった!)

ツアーでは、西側海岸を回ることにしました。
西側なら、日が落ちるまで周囲が明るいので…。

まず、最初に立ち寄ったのは“赤禿”。
熱々マグマが降り積ると、どんな状態になるか紹介するために行きました。

既に日がかなり傾いて陰は暗くなっていましたが、日が当たるところは…

まぶしいほどの赤!

これこれ、この色を見ていただきたかったのです。

青い海や、海に流れた黒い溶岩を見下ろしながら、景色を堪能しました。

「この景色、いいね~。」という声も聞かれました。

「吹き上がった溶岩」を見た後は「流れて来た溶岩」を見に…。

土砂流の跡も観察しながら、様々な出来事が伊豆大島の大地を作って来たことを紹介しました。

そして「噴火の歴史」を見に…。

鮮やかな色では見えなかったけれど、迫力は伝わりました。

最後は…
まさに、ドンピシャリのタイミングでここへ!

太陽の赤い帯が、波が引くたびに黒砂の上に現れる水に映って、とてもとても奇麗でした。

もちろん泡立つ波の白と、砂の黒のコントラストにも見とれました。


みんなで…


水平線に沈む夕陽を、見届けました。

火山の島の魅力がギュッと詰まった、夕方のツアーでした。

そして、さらに印象的だったのが、お客様との会話でした。

移動の車の中で、隣の席のお客様と「ジオパークは面白い」「地球はスゴイ」「火山は魅力的」と意気投合しました。

火山の魅力についてお客様は「人は自分の力では太刀打ちできない大きな存在に出会うと、恐れと憧れを同時に持つんですよ。」という意味のことを語られていました。「恐れと憧れ」…本当にその通りです!

「2時間前に出会ったばかりの人と、“地球”について熱く語り合えるなんて、ジオツアーってなんて面白いんだろう!」と心の中で思っていたら、突然お客様が「多くの人が『この仕事で良いのかな?これは自分の本当の仕事なのかな?』と思いながら働いているんですから…」と言う意味のことをおっしゃいました。

「え?」

まるで私の心の中の言葉が、聞こえていたかのような言葉に、ちょっと驚きました。
で…「ええ、私は幸せだと思います。」と答えました。

時間の長さではないのかもしれません。

お客様と一緒に「地球の物語」を楽しんだ印象深いツアーでした。

(カナ)
コメント
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