グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

ジオパーク再審査を終えて。

2014年12月25日 | 火山・ジオパーク
12月22日に、日本ジオパークの再審査結果が発表になりました。

(11月12日の再審査時の様子)

伊豆大島は「条件付き再認定」という結果になりました。以前はイエローカードといわれており、通常認定だと4年おきに審査がおこなわれるところ、2年間に短縮され、指摘事項の改善を求められるものです。(全国のジオパーク関係者からは「イエローという言葉は止めよう」という発言が次々に出ています)

今回の再認定の内容詳細については、後日発表があるようですが、私が個人的つながりを通して聞いた限りでは「伊豆大島ジオパークは、活動は素晴らしい。でも、事務局体制が弱く、今の体制で継続可能なのか?」ということのようです。

一番問題とされているのは持続可能性…。
このことについて、ここ数日、ずいぶん考えました。

伊豆大島は全国の日本ジオパークの中で、たぶん最も人的にも予算的にも小さなジオパークです。でも、その中で4年間、様々な人が、できる限りの活動を行って、伊豆大島ジオパークを支えてきました。

校長先生が主体となり、継続的な子ども達のジオ学習を、
小学校の先生も、子ども達の授業でのジオ学習や、教材での紹介を、
ガイドたちは、常時受け入れのジオツアーを、
気象庁や環境省・大島支庁・大島町の事務局・ガイドが、連携してフォーラムや勉強会を、
観光協会は、様々な助成金を活用しガイド講習やイベントを、
ジオパーク研究会のメンバーは、自主運営の勉強会を継続してきました。

私は、ジオパークの理念に共感し、自らの意思で楽しみながら継続的にジオパークを支えてくれている多くの人たちは、伊豆大島の宝物だと思っています。

もちろん、中心となってきたメンバーの全員が、これで充分だとは思っていません。もっと地域の人が皆で支えてくれる仕組みの確立や、商品開発や産業との連携などは今後の課題です。

では、ジオパークの持続可能性とは何なのでしょうか?
形の整った組織が存在することでしょうか?
それとも理念に共感して、自分の立場で活動を支える人の“思い”や“繋がり”でしょうか?

審査以降「ジオパークは人なの?組織なの?」という疑問に取り付かれ、疑問のメールを個人的に、ジオパーク関係のMLに投げかけてみたら、全国で日々悩みながら活動を続ける皆さんから、暖かい励ましのメールをいただきました。

こうやって全国で奮闘する仲間の存在は、ジオパークの素晴らしさだと改めて思いました。そして、このネットワークの仲間の存在を、伊豆大島の人たちにもっと知ってもらいたいとも思いました。

さらに、今回のストレス?で胃が痛くなり、ちょっと弱気になって、ふと気づいてみたら…
今の大島のジオパークの取り組みをどう続けていくかを、自ら考えて行動してくれている人が、たくさんいることに改めて気づきました。そういえば、「こんなことまで、考えてくれているんだ!」と嬉しくなったことも何度もありました。
そしてジオパークを正しく理解し、熱く語ってくれる人に見とれたことも、新たに複数の人から「一緒にやろうよ」と声をかけて嬉しく思ったことも、何度もあることを思い出しました。

私は、これらの人たちの存在が、伊豆大島ジオパークが今後も持続可能であることの証拠ではないかと感じました。きっとこの人のネットワークを持続可能な仕組みにすれば良いのだと思います。

顔の見える関係で人と人とがつながりあって、“自ら動ける人”同士が、みんなで伊豆大島ジオパークを作っていけるように…。胃も腰も相変わらず痛いのですが、みんなで活動を続けます。

(カナ)
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