グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

なぜ森になった?

2020年04月09日 | 植物
4日前のブログに載せた下の写真を撮った時、実はとても気になったことがあります。

白い雲の下にある江戸時代にできた溶岩の丘のうち、左のものは黒いのに右のものは緑色だということです。

場所は「伊豆大島火山地質図」にY1LCと書かれた黄色い部分です。
(地質図を詳しく見たい方はこちら

同じ年代に同じようにしてできたはずなのに、何が違うのでしょうか?

その謎を説くべく、昨日またまた山へ行ってきました(昨日も、人間には1人も会いませんでした)

黒い丘と緑の丘の境目辺りを目指して進みます。


ちょっとした藪を抜けるとやや開けた場所に出ます。


足元の小石に地衣類が付いているということは、あまり風が当たらず小石たちが安定していられる場所なのでしょうか?


久しぶりに(数年ぶり)馴染みの岩に挨拶。

まだ健在で、ちょっと嬉しかったです😁

歩いてきた方向に振り返ると、こんな風景が見えました。

左手の緑の丘の、濃い緑の場所を目指します。

藪に突入。

オオバヤシャブシなどの冬に落葉する木が多いですが、私の顔よりも高い位置に葉があるので思ったより歩きやすいです。

藪に点在する黒い溶岩。


苔に覆われた縄模様。


これは…苔つき溶岩チューブ!


歩いていくうちに、周りに生えている木が、常緑のハチジョウイヌツゲやヒサカキに変わってきました。


地面の上には、大島の森で必ず見かけるオオシマカンスゲが、あちらこちらでモサモサ😁


足元に枯葉と苔と木漏れ日と溶岩が混在する環境を歩いて…


一番高いと思われる場所に出ました。

木に囲まれていて、眺めはあまり良くありません…。

しばらく同じ標高を移動すると、突然視界がひらけ、この風景が目の前に広がりました。


それまであちらこちらにあった、苔に覆われた溶岩チューブは…


いつも見慣れた、黒い溶岩チューブに変化していました。


縄状溶岩も苔は付いていませんでした。


私は木が生えて森になっている場所と、開けて溶岩が露出している場所では、なにか地面の様子が違うのではないかと思ったのですが、歩いた感じでは違いはわかりませんでした。

でも開けたところに出た途端、風の強さを感じたので、もしかしたらちょっとした風の当たり方の違いが、何年かの間に違いを生んだのかもしれません。

それとも風以外に何か他の要因もあるのかも…??

苔に覆われた溶岩の森から数mのところにある、この開けた景色。


なんでここは今も、このままなのか…?

あれこれ想像することはできるけれど、本当のところはわからない…これ実感です。

互いに関わりあい常に変化を続ける地球と生き物たちの物語…不思議がいっぱいで興味が尽きません。

ちなみに、GPSのデータを取ったら、丘の高さはだいたい7〜8mぐらいでした。

(かな)
コメント
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