グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

自然からの宿題

2010年05月06日 | 今日の大島
晴天続きの連休中、何組かの方を山へご案内しました。

山の中腹ではシマガマズミが純白の花を付けているので、毎回立ち寄って見ていただきました。

ガマズミは今が一番綺麗な時期かも知れません。

ところで今回も、いくつかの疑問にぶつかりました。
今日はその疑問を報告します。

疑問1
朝8時ごろ、林道を歩いていたら普段忙しそうに飛び回っているハチ達が、
まるで動かず固まっている(?)のを発見しました。

たとえばニホンヒゲナガハナバチは花の上に乗っかったまま微動だにせず…。

しかも、あちらこちらで同じ状態で花に乗っていました!

さらにコマルハナバチは、道の真ん中の草にしがみついて、なんとも頼りない姿。
ヨロヨロしながら草に這い上がろうとしていました。

寝ぼけていたのでしょうか?

手を伸ばしたら乗ってきて、何とコマルハナバチの手乗りに成功しました!

欲しかった縫いぐるみを手に入れたような気分で、ちょっとうれしかったです。(笑)

この時の状況に対して「明るくなって巣穴から張り切って出てきてみたら、予想外に寒くて(17度ぐらい)
動けなくなってしまった…。」という物語を想像してみましたが、皆さんはどう思われますか~?

疑問2
アカメガシワに薄い灰青色のイモムシを発見しました。

何かハバチの幼虫っぽいと思いながらも確証が得られず、
気になって今日見に行ってみたら、1.5倍ぐらいの大きさになり、色も白くなっていました。

枝につかまったまま動かないので、このまま蛹になるつもりなのかもしれません。

「う~ん、この白いイモムシならネットで探せそうな気がする…。」と思いながら歩いていたら、
私の目の前に変身前のイモムシと同じものが、糸をたらして降りてきました!

どうやら私の“正体調べ”に協力してくれているようです(笑)。
変身後のイモムシと同じ枝に乗せたら、さっそく新居の偵察を始めました。

ネット検索の結果、ハバチの幼虫ではなく、ニトベニエダシャクという蛾の幼虫が一番近いようでした。
顔が白いのとアカメガシワについていたのが気になりますが…。
どなたか詳しい方、違っていたら是非教えてください。

疑問3
ここ最近、お客様をご案内する度に楽しみにしていたのが、溶岩流の上に乗って石をめくることでした。
長さ1mm~2mmぐらいイタドリの瑞々しい緑色の新葉が、かならず見つかったからです。
岩の下でも頑張って芽を出し、葉を広げるその逞しさは、何度見ても感動的でした。

ところが、昨日は同じ場所でいくら石をめくっても、新葉が見つかりませんでした。
とても不思議だったので今日、林道の火口の上に沢山芽生えていたイタドリを見に行ってみました。

ここでも、数日前までの新緑の芽生えは、ほとんど見当たりませんでした。
そして残っていたいくつかの葉は、みんな赤い色になっていました!

新葉が赤いのは、紫外線から若い葉を守るためであるとされています。
連休中の毎日の晴天と急激な気温の上昇の中で、緑色の小さな葉達は生き続けることができず、
葉を厚く、赤く変化させることができたものだけが生き残ったのでしょうか?

無数ともいえるイタドリの種からの芽生え達には、高温、日照り、強風、雨、時には雪、という
様々な過酷な環境が待ち受けていて、成長できるものはごく僅かなのかもしれません。

そんなことを想像してみたら、目の前の小さな赤いイタドリの新葉に「頑張ったね~。」と声をかけたい気分になりました。

歩くたびに出てくる疑問。
その疑問の回答を探すたびに、自然の奥深さに触れることができるような気がします。

(カナ)






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