グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

たぶんヤチグモ

2023年01月13日 | 
ちょっと前の話ですが、昨年12月、生物部の合宿で来島していた中学生(高校生かも?)が見つけたクモの巣らしきものが気になり、5日後の12月23日に、改めて観察に行ってきました。

場所は、島の北東部にある「笠松」という海岸です。

ゴツゴツした溶岩の壁に、いくつもの丸い穴が空いていました。

アップにするとこんな感じ。穴の周囲にクモの糸が。

穴の大きさは1〜5mmぐらい。

こんなオシャレな仕上がりのものも、ありました!


巣穴の周りをススキの茎で触ったら、粘りのある糸がくっついてきました。

好奇心に勝てず、そのままさらに周囲を探ってみたら、

筒状の巣が出てきましたが、クモの姿はありませんでした。
周囲を調べたら、3m×7mぐらいの範囲に20個以上の巣穴が見つかりました。

波打ち際に近いところも調べましたが、ここには巣穴はありませんでした。

(波がかかる場所にはいないかも?😅)

帰宅して調べてみたら、クモは「ヤチグモ」の仲間のようでした。
多くのクモは、幼い時にバルーニング(糸を風に乗せて飛行して分散する)を行うのに対し、ヤチグモの仲間は歩いて移動して分散していくため、地理的変異が多く、新種が見つかることも多いとか…。(日本には107種のヤチグモがいるのだそう)

伊豆大島では、この海岸(笠松)にしかいないのでしょうか?
何しろ伊豆大島は、全て噴火でできている島なので、似た環境はたくさんあります。
「きっと意識していないから、見過ごしているだけで他にもいるはず。いつか調べに行こう!」と思っていました。

で、今日、ここへ行ってきました。

海岸そばの噴火で積もった丘、「赤禿」です。


クモが巣穴を作るのに便利そうな(?)、小さな穴はたくさんあるのですが

クモの巣は、なかなか見つかりません💦
「ないなぁ〜」と思いながら、諦めずに探したところ…

「あった〜!!」

大小様々、4〜5個の巣穴が見つかりました!!


さらにオマケで、こんな生きものも!

溶岩の隙間にピッタリ張り付いたまま、微動だにしないナナフシ!
夜は葉の上に乗って食事をしていることが多いナナフシですが、昼間はこんな場所にいるのですね(驚)

ところでヤチグモは、真冬も活動するという冬型の生活史をもつ種が多いのだそうです。
今回は会えませんでしたが、いつか巣穴から出てきたヤチグモに会いたいです。

注意して観察したいと思います😊

(かな)
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