浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

今は静か

2016-01-21 21:39:14 | 日記
 今日の朝は、小鳥のさえずりを聞きながら起床した。一昨日、昨日の寒さも峠を越えたと思った。

 今日は、ボランティアの社会問題の講座。月一回だけやっている。テーマは、「アベノミクスの今」と「マイナンバー制度」の二つ。「アベノミクス」が始まってからの経済統計を示しながら、いかに日本の経済や、労働者の所得が減少したか、そしていかに富裕者が増加したか、消費税の増税は何をもたらすか、そうしたことを話し、マイナンバーについてはその危険性を指摘し、この制度の拡大を阻止することの重要性を話した。

 夕方、実家の隣家の生け垣の刈り込みをする。その頃、西からの冷たい強風が吹きまくった。遠州地方は、「からっ風」が強く、風がないとほっとするのだが、今日の夕方は吹きに吹きまくった。刈った枝が飛ばされていくのだ。これは長時間は無理だと判断し、1時間ほどでやめた。

 今は風はないようだ。

 静かに『現代思想』8月号の石原俊論文を読む。硫黄島の戦前戦後の歴史に言及しているが、小笠原諸島の住民は帰還できたが、硫黄島住民は戦後帰還を許されず、今も「難民」状態だ。「戦後」はまったく終わっていないことが指摘されている。
 こうした歴史的事実から「戦後」を照射することが求められている。

 『現代思想』を毎号買っているわけではないが、考えさせられる文が並ぶ。

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「法」なき時代

2016-01-21 08:07:56 | 社会
 社会生活が円滑に進むように、社会には法やルールがある。そうでなければ、権力者や力を持った者が自由に振る舞い、庶民や社会的弱者は彼らの下で呻吟することになる。
 それは、日本においては中世以前に戻ることを意味する。近世以降、もちろん大名などは例外とされたが、法などが整備され、一定の安定的な社会がつくられた。

 21世紀は、しかし、そうした安定性が消えていく時代のようだ。

 その一つは、昨年の「参戦法」の強行採決である。「参戦法」は、日本国憲法の精神を完璧に蹂躙するものである。アベ政権は、日本をアメリカに差し出したのだ。

 またもう一つは、権力者が、批判するメディアを葬り去ろうという策動が強まっていることだ。まさに民主主義が無化されようとしている。それについて、今日の『中日新聞』社説を掲げる。


キャスター降板 何が起きているのか  2016年1月21日

 NHKや民放のニュース番組で著名なキャスターらが相次いで降板すると報道されている。安全保障関連法案について厳しい立場だった人もいる。放送の世界でいったい何が起きているのだろうか。
 テレビ朝日「報道ステーション」のメーンキャスターを務める古舘伊知郎さんが降板する。同じ三月末にはTBSの「NEWS23」のアンカー岸井成格(しげただ)さんも…。NHKの「クローズアップ現代」のキャスター国谷裕子さんの降板も検討されている。
 相次ぐ降板報道が、さまざまな臆測を呼んでいる。政権に批判的だったからではという風評もある。確かに古舘さんは記者会見の場でも「キャスターは反権力の側面がある」と語った。岸井さんは安全保障関連法案に対して「廃案に向けて声を上げ続けるべきだ」と発言したこともある。国谷さんは集団的自衛権の問題で、菅義偉官房長官に鋭い質問を浴びせたことがある。まさか三人の降板が権力からの圧力や自制の結果ではないことを祈る。
 しかし、著名なキャスターの降板は、放送界が政治報道に萎縮しているのではないかという印象を与えることは間違いなかろう。
 そもそもNHK会長人事が「首相のお友達を据えた」と言われた。一昨年末の衆院選のときは、自民党が在京各局に「公平中立、公正の確保」を求める文書を出したし、昨年にも任意にせよテレビ朝日とNHKの幹部から事情聴取している。権力の動きもまた目立っているからだ。

 政治報道の番組はストレートなニュースが中心で、「解説や評論が減った」という声もある。「政治そのものが扱われなくなった」という声も聞かれる。事実ならば、自由闊達(かったつ)であるべき放送ジャーナリズムの衰退である。
 もし政権の意向を忖度(そんたく)したり、報道内容を自粛したりしているならば、放送による表現の自由を定めた放送法の理念にもとる。
 同法一条の「不偏不党」の言葉の意味は、言い換えれば「自立」か「独立」である。それを保障するのは公権力の側である。
 「政治的に公平」という言葉も、自由であるからこそ、自律的に公平さを保ってほしいという倫理規定にほかならない。権力から離れ、自らの掲げた理想を目指し、自らの理性に従って権力を監視するのである。
 テレビが政治的に元気でないと、この国の民主主義も元気に育たない。


 さて、食品廃棄物の横流し問題。廃棄物処理業者の「ダイコー」。どこからか廃棄物を処理すると契約して(つまりカネをもらって)、さらにそれを処分せずに「みのりフーズ」へ。「みのりフーズ」は、麺類製造業の許可しかもっていないそうだ。それが肉類はじめ、なんでも売っていた。
 そして静岡県の食品製造業者、まぐろスライスの廃棄を引き受けて自社では処分せず「ダイコー」へ。しかしその業者は廃棄物処理業の許可を得ていない。

 このように、法を無視して、勝手のし放題。法を蹴散らして、あくなきカネ儲けを追求する輩たち。
 彼らが21世紀の「主役」なのか。まあ、法を無視するのは、甘利大臣はじめ、政治家の大半もそうである。

 かくて、日本はどんどん「中世化」していく。戦国の動乱である。

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