面白い本である。今まであまり研究されてこなかったことが、新しく発見された史料で綴られている。もちろん完璧に残されているわけではないから、体系的にはならないけれども、維新を迎えた東京の庶民がどう生きたか、どう生きようとしたか、が記されていて、とても興味深いものになっている。
最初の所で、「御用盗み」(私は「御用盗」=ごようとうと言ってきたが)についての記述がある。武力倒幕を企む薩摩藩が、幕府への挑発活動として、強盗、放火、殺人などのテロを、相楽総三などにやらせていたのだが、それを命令したのが西郷である。西郷を美化する動きがあるが、これだけで私は西郷評価に加われない。ちなみに江戸の豪商などから奪ったカネは、薩摩に送られたようだ。
横山は、東京の一角の居住者の変遷をもとに支配者の交替の有様を浮き彫りにし、旧幕臣、江戸町人、遊女、弾左衛門支配下の被差別民らが、新しい支配者のもとでどう生きたかを描くのだが、史料の状況もあり全面的にそれぞれを明らかにすることはできていないが、それでもそういった人々が明治維新という変革をどう迎え、どう生きようとしたかがわかるものとなっている。
もちろん維新が起きたからといって社会がすべて変革されるわけではない。したがって近世とのつながりがとても重要である。私は近世史に関わる本を近年読まなくなっていたが、最近の学説などの進化についても、新たな知見を得ることができた。もうあまり読んでもなあと思っていたが、やはり研究の動向は知っておいたほうがよいと思った次第である。
最初の所で、「御用盗み」(私は「御用盗」=ごようとうと言ってきたが)についての記述がある。武力倒幕を企む薩摩藩が、幕府への挑発活動として、強盗、放火、殺人などのテロを、相楽総三などにやらせていたのだが、それを命令したのが西郷である。西郷を美化する動きがあるが、これだけで私は西郷評価に加われない。ちなみに江戸の豪商などから奪ったカネは、薩摩に送られたようだ。
横山は、東京の一角の居住者の変遷をもとに支配者の交替の有様を浮き彫りにし、旧幕臣、江戸町人、遊女、弾左衛門支配下の被差別民らが、新しい支配者のもとでどう生きたかを描くのだが、史料の状況もあり全面的にそれぞれを明らかにすることはできていないが、それでもそういった人々が明治維新という変革をどう迎え、どう生きようとしたかがわかるものとなっている。
もちろん維新が起きたからといって社会がすべて変革されるわけではない。したがって近世とのつながりがとても重要である。私は近世史に関わる本を近年読まなくなっていたが、最近の学説などの進化についても、新たな知見を得ることができた。もうあまり読んでもなあと思っていたが、やはり研究の動向は知っておいたほうがよいと思った次第である。