昨日はほとんど雨だった。最近たくさん咲き始めた夕顔も、早く咲いたものは雨に打たれて花弁が破られていた。夕顔は月の光を反射して咲くのがよい。
前線が通過した昨夜から、秋の風情である。庭の秋の虫たちの合奏がよく聞こえるようになった。
昨日、もと大学教授の文が掲載された雑誌が送られてきた。正直言って悪文である。むかしはきちんとした論文を書いていたのだが、近年のものは過去に書いたものが並べられ、さらに新しく書いた短い文がそれに挿入されるので、文としてまとまりがなく、ちぐはぐな内容になっている。私が編集者なら載せない。
幕末維新史の研究者、きわめて論理的かつ実証的な論文を書いていた原口清先生は、2016年11月に亡くなられたが、日頃語られていた歴史理論を本にしてほしいと何度かお願いしたが、書かれなかった。みずからの知力が、年齢によって衰えているのを自覚されていたのかも知れない。私は、亡くなる直前までそういう気配すら感じず、その明晰な知力にはいつも感嘆していた。
考えてみれば、高名な学者は、年齢を重ねた後出版するのは、過去に書いた本を復刊させたものがほとんどだ。
自分の知力が衰えてきたことを、どうやって知ることができるか。それを自覚できる人とそうでない人とがいる。私ははたしてどうなるか。
人生も秋を迎えている。
前線が通過した昨夜から、秋の風情である。庭の秋の虫たちの合奏がよく聞こえるようになった。
昨日、もと大学教授の文が掲載された雑誌が送られてきた。正直言って悪文である。むかしはきちんとした論文を書いていたのだが、近年のものは過去に書いたものが並べられ、さらに新しく書いた短い文がそれに挿入されるので、文としてまとまりがなく、ちぐはぐな内容になっている。私が編集者なら載せない。
幕末維新史の研究者、きわめて論理的かつ実証的な論文を書いていた原口清先生は、2016年11月に亡くなられたが、日頃語られていた歴史理論を本にしてほしいと何度かお願いしたが、書かれなかった。みずからの知力が、年齢によって衰えているのを自覚されていたのかも知れない。私は、亡くなる直前までそういう気配すら感じず、その明晰な知力にはいつも感嘆していた。
考えてみれば、高名な学者は、年齢を重ねた後出版するのは、過去に書いた本を復刊させたものがほとんどだ。
自分の知力が衰えてきたことを、どうやって知ることができるか。それを自覚できる人とそうでない人とがいる。私ははたしてどうなるか。
人生も秋を迎えている。