私は芸能に関してはまったく関心を持っていない。Yahoo!ニュースのトップには、たくさんの芸能情報が並んでいて、庶民はそんなにも芸能に関心を持っているのかと思うほどだ。
もちろんジャニーズがどうのこうのというニュースもあまり関心を持たなかった。亡くなったジャニーズの親分が所属する多くの少年たちに凌辱を行ったことに関しては、なんとまあおぞましいことだと思っていた。
関心をあまり持たなかったその問題に関してなぜここに書くのかといえば、2日に行われた記者会見のことが気になったからだ。
昨日、その記者会見について、記者の中から、質問を受ける人、質問をさせない人を明確にするリストがあったことが報じられた。
私が劣化を思うのは、記者会見で、ジャニーズ側のリストを前提とした進行に関して、その進行に協力していた記者がいたということだ。ネットで一部を見てみたが、ジャニーズ側の発言に、参加した記者の中から拍手があったというそのことに、記者たちのもう底知れない劣化を感じてしまったのである。
このブログで、私はテレビメディアの劣化を何度も指摘し、テレビは見る価値はないと書いてきたが、記者という肩書で生きている者たちが、犯罪を犯した会社の肩を持つような言動を行ったこと、そこまで劣化というか、腐敗が浸透してしまっているのかと驚いた。
新聞やテレビなどは、「社会の公器」ともいわれるが、日本では、もうそういうべきではない。
「今だけ、カネだけ、自分だけ」という新自由主義的な風潮が全社会的に広まり、そういうものから距離を置くべき記者たちが、道義というかいうか、正義感というか、そういう判断基準を持つことなく情報を発信しているという状況に、日本社会の恐るべき劣化を感じてしまうのである。
[追記]
ジャニーズ会見で質問者「NGリスト」のスクープがNHKから発信された意味は途轍もなく大きい