物価の上昇はとどまることを知らず、スーパーに食料品を買いに行くと、その値段を見て買い控えることがよくある。輸出企業や石油大手、電力会社など、政府の保護を受けている企業に勤務している方々の給与は大きく上昇しているようだが、しかしそれとて物価の上昇率に追いついていないという。
となると、日本の労働者がたくさん勤務している中小企業の労働者や年金生活者の暮らしは貧しくなるばかりだ。物価は上昇しているが、庶民の生活は苦しくなるばかりだ。
社会保険料もたくさん払い、税金も払い、可処分所得は下がるばかり。
そのうえ、自治体も、「受益者負担」をさらに押し付けようとしている。浜松市では下水道民営化の際に下水道料金をあげ、さらにごみ有料化を図ろうとしている。そして上水道料金の値上げ案も検討されている。
他方、浜松市を牛耳るスズキに対しては大盤振る舞いだ。スズキがテストコースを建設しようとしている近くに、浜松市はあたらしくごみ焼却場を建設し、そこに至る道はなかなか立派な道がつくられた。スズキのテストコースに行くには都合の良い道路となる。
またスズキには陸上競技部があり、スズキは浜松市内に立派な陸上競技場が欲しい。そこで、現在遠州鉄道西鹿島線上島駅から歩いていける四ツ池公園にある浜松球場、浜松陸上競技場のうち浜松球場をなくし、遠州灘の交通不便なところに静岡県に球場をつくらせようとしている。そして新たに立派な陸上競技場を整備しようとしている。
浜松市は、スズキのための、スズキによる、スズキの市政を展開してきた。ことほどさように、自治体は私企業のために汗を流し、市民のためには汗を流さない。市民は税金を払っているのに、さらに「受益者負担」を押しつけられる。
市政はどこを向いているか、多くの幹部自治体職員は、新自由主義にもとづく自治体「経営」論を学び、それを実践している。私企業がもうかれば、市民にもそのもうけがいきわたるというまやかしのトリクルダウン論である。
自治体職員は「出世」だけを夢見て仕事をしている。浜松市は「出世のまち」で売り出している。自治体職員はそれをみずから実践している。