浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

『戦争と日本人から』(続)

2023-10-29 10:13:31 | 

 加藤は、「国家が誰を守るシステムをつくっていくか、そこは非常に戦略的なんだ」という。

 現在の日本政府が誰を守ろうとしているか、もちろん大企業である。それも自民党や公明党と利権関係にある大企業である。大企業でも、政府が守らないところもあるから、現在の日本政府は、利権つながりのある大企業を守るシステムをつくっているといえる。

 だから、日本政府は、国民を守らない、ということだ。私は日本政府には不信感しかない。と同時に、それと歩調をあわせる自治体にたいしても不信感しかない。

 にもかかわらず、「国家を自ら背負ってしまって、ものを言っているように思われてなりません」と加藤は言う。

 その通りだと思う。私たちは、日本国家を背負う必要はまったくない。takeだけでgiveのない日本政府には不信感だけを抱く。

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『戦争と日本人』から

2023-10-29 09:53:54 | 

 幸徳秋水は、「日本人は記憶が短い」と書いていたそうだ。戦争が終わって80年近くになる。私が「戦後」というとき、それはアジア太平洋戦争の「戦後」なのだが、若者たちにはその感覚がないのだという。そうかもしれない、これから「戦後」というとき、説明を加えなければならないということだ。

 さて『戦争と日本人』に掲載された『教訓Ⅰ』という歌の歌詞を掲げておく。しごくまっとうなことが記されている。今日は、航空自衛隊浜松基地がエアフェスタをやるということで、軍用機が空を飛び、凄い騒音だ。その騒音を、美しい音楽で消しながら書いている。

 

命はひとつ 人生は一回

だから命を 捨てないようにネ

あわてると ついフラフラと

御国のためなのと 言われるとネ

青くなってしりごみなさい

にげなさい かくれなさい

 

御国は 俺達死んだとて

ずっと後まで 残りますよネ

失礼しましたで 終わるだけ

命のスペアは ありませんよ

青くなって しりごみなさい

にげなさい かくれなさい

 

命をすてて男になれと

言われた時には ふるえましょうよネ

そうよあたしゃ 女で結構

女のくさったので かまいませんヨ

青くなってしりごみなさい

にげなさい かくれなさい

 

死んで神様と 言われるよりも

生きてバカだと 言われましょうよネ

きれいごと ならべられた時も

この命を すてないようにネ

青くなって しりごみなさい

にげなさい かくれなさい

 

もうひとつ、木村迪夫さんの「祖母のうた」

ふたりのこどもをくににあげ

のこりしかぞくはなきぐらし

よそのわかしゅうみるにつけ

うづのわかしゅういまごろは  ※「うづのわかしゅう」は「うちのわかしゅう」

さいのかわらでこいしつみ

 

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加藤陽子・佐高信『戦争と日本人』(角川学芸出版、新書)

2023-10-29 09:32:29 | 

 残されている人生はそんなに長くはないという自覚をもって本を読んでいかなければ、と思う。先日も書いたが、若い頃は本を読んだときその内容の概要は記憶に刻まれたのだが、近年は読んでも刻まれない(ただし、いつか書かなければならないと思いながらそれに関連した本を読んだときには、なぜか若干記憶に残る)。となると、書きながらメモをとって、確実に記憶に刻まなければならないと決意した。

 最初に取り組んだのがこの本である。メモをとると、加藤が語ったことが殆どであった。

 加藤は「「将来」ではなく、「今ここ」で面白いとわからせなければ」と言う。おそらく大学などでの講義について語っているのだろうが、これは普遍性がある。私も大人向けの歴史講座を毎年やっているが、こういう観点は大事だと思う。別の所でも、加藤は「今、ここでという感覚です。どう共感を引き出すか」。面白く、かつ共感を引き出せるような内容を、人びとに語っているか、と自問自答する。

 また彼女はこうも語る。「子どもたちに、歴史を学ぶモチベーションを与えられない時代というのは、よくよく考えてみれば、恐ろしい時代です」と。これも普遍的な言葉だ。大人であろうと、歴史を学ぶことはとても大切なことだからだ。

 アウトプットするためにはインプットしなければならない。近現代史の本を、真剣に読んでいこうと思う。

 

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さらに負担増

2023-10-29 06:48:33 | 社会

 物価の上昇はとどまることを知らず、スーパーに食料品を買いに行くと、その値段を見て買い控えることがよくある。輸出企業や石油大手、電力会社など、政府の保護を受けている企業に勤務している方々の給与は大きく上昇しているようだが、しかしそれとて物価の上昇率に追いついていないという。

 となると、日本の労働者がたくさん勤務している中小企業の労働者や年金生活者の暮らしは貧しくなるばかりだ。物価は上昇しているが、庶民の生活は苦しくなるばかりだ。

 社会保険料もたくさん払い、税金も払い、可処分所得は下がるばかり。

 そのうえ、自治体も、「受益者負担」をさらに押し付けようとしている。浜松市では下水道民営化の際に下水道料金をあげ、さらにごみ有料化を図ろうとしている。そして上水道料金の値上げ案も検討されている。

 他方、浜松市を牛耳るスズキに対しては大盤振る舞いだ。スズキがテストコースを建設しようとしている近くに、浜松市はあたらしくごみ焼却場を建設し、そこに至る道はなかなか立派な道がつくられた。スズキのテストコースに行くには都合の良い道路となる。

 またスズキには陸上競技部があり、スズキは浜松市内に立派な陸上競技場が欲しい。そこで、現在遠州鉄道西鹿島線上島駅から歩いていける四ツ池公園にある浜松球場、浜松陸上競技場のうち浜松球場をなくし、遠州灘の交通不便なところに静岡県に球場をつくらせようとしている。そして新たに立派な陸上競技場を整備しようとしている。

 浜松市は、スズキのための、スズキによる、スズキの市政を展開してきた。ことほどさように、自治体は私企業のために汗を流し、市民のためには汗を流さない。市民は税金を払っているのに、さらに「受益者負担」を押しつけられる。

 市政はどこを向いているか、多くの幹部自治体職員は、新自由主義にもとづく自治体「経営」論を学び、それを実践している。私企業がもうかれば、市民にもそのもうけがいきわたるというまやかしのトリクルダウン論である。

 自治体職員は「出世」だけを夢見て仕事をしている。浜松市は「出世のまち」で売り出している。自治体職員はそれをみずから実践している。

 

 

 

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