現代の日本社会は、みずから未来を閉ざす政策を推進していて、それを変えようともしない。
大企業が巣くう財界は国家(政府)と結託して、みずからの利益をとにかく生みだすことを目的に、補助金や減税、その他様々な優遇措置を駆使、「今だけ、カネだけ、自分だけ」の旗を振りながら業務を行っている。日本の国民や、日本の未来なんてこれっぽちも考えない。
そんなことばかりやっているので、日本の国際的な地位はひたすら下がり続け、円安は進み、物価はうなぎ登りに上昇し、少子化は進み、労働者の不足は深刻化するという断末魔へと進んでいる。
しかし岸田政権はやることなすこと、いっさいの思想も何もなく場当たり的な、口だけのかけ声を出すだけとなっている。現代日本社会の病巣をなんとかしようという気概なんかまったくない。
最近岸田の顔を新聞等で目にすると、その顔には「空虚」しかない。
しかしその「空虚」のなかでは、大企業と国家とが利権で結びついて、「我が世の春」を愉しんでいる。
人間の怒りはどこに行ったのだろうか、と思う。「空虚」に怒りをぶつけても何もならないというあきらめがある。
E・サイードはこう書いている。
あらゆる状況には、どれほど強力に支配されていようと、必ず別の道があるものです。確立されたもの や現状ではなく、別の道について考えるように努め、現在の状況が凍結したものだと思い込まないようにしなければなりません。
『ペンと剣』からの引用である。パレスチナの絶望的な状況の中で、何とかしようという希望を持ち続けたサイードならではのことばである。