遠州地方は、盆の行事が盛んである。昔、ボンボコセーと呼ばれていた遠州大念仏、太鼓と鉦、笛をバックに、人びとが太鼓を叩きながら踊る集団が、新盆の家をまわっていた。今でも続けられているが、そうした集団は減っている。
亡くなった人が盆の間、家に滞在するということから、松を炊く。盆の始めの日に家の外から松明を掲げて家に誘導し、盆の間松を炊く。そして盆が終わると、また松明を掲げて家の外まで誘導する。
新盆の家は盆飾りをする。地域の人びとは、黒服を着て新盆の家を「盆供」をもって(中には1000円)訪問する。「盆供」のお返しは、ペットボトルのお茶などである。
ところが、最近は新盆でも盆の行事をしない家庭が増えてきた。実はわが家も母が亡くなったので新盆なのだが、やらないことにした。100歳で亡くなった母の知り合いがすでに地域には残っていないこと、10年以上埼玉県に居住していたことなどからやめた。ただし、松を炊いたりお供え物を供えたりはしている。
地域の人が知らせてくれたのだが、わが家のような家庭が増えているという。ある聚落では、9軒亡くなった家があるが、新盆の行事をやるのは4軒だけだということだ。
いわゆる伝統的な行事がなくなっていく。そういう時期が到来している。
ウルトラ右翼政党=自由民主党や創価学会党が政治を行っている間に少子化は進み、そうした伝統行事を担う人びとが少なくなっていること、またグローバル資本主義のなか、海外に行っている人が多いこと、そして賃金が上がらず消費税はじめ負担が増加していることから人びとは貧しくなり、伝統的な行事を行う経済的余裕をなくしていること、これらが重なって、伝統が消されていくのだ。
自由民主党は「保守政党」と呼ばれるが、それは間違いである。現在の自由民主党はある種の革命政党である。日本の伝統を破壊し、そこに住む庶民の生活を維持できないようにしている。「保守」というのは、伝統を維持し、庶民の生活が大きく変化しないような政治を行う人たちのことをいう。自由民主党は、先祖から続く伝統的な生活を破壊する政策ばかり行っている。今では、アメリカの命令の下に、中国との戦争さえ企図している。戦争こそ、生活の破壊である。
そうした右翼革命政党の政治を、そろそろやめさせないと、日本の伝統は彼らによって破壊されてしまうだろう。