2015年に現在の西油山(福岡市早良区)に移転されてから、なかなか福岡に行く機会自体がなかったのですが、3月4日、ついにその機会を得て「味処なか野 囲炉裏や」さんにお邪魔してきました。大将の中野英樹さんとは知り合って20年、このブログでも中洲時代のお店を2009年から数回にわたってご紹介しています。
実は現在のお店についても既にこのブログでご紹介しているのですが、それは福岡出身の友人が写真を送ってきてくれたためで、僕自身が実際に訪れるのは初めてになります。僕が福岡にいた頃にはまだなかった、福岡市営地下鉄七隈線に乗り、福岡大学がある野芥駅へ。駅まで迎えに来ていただいた大将の車に乗り、山を登ること約10分。
ご近所さんも外に薪を積み上げ、軒に大根をぶら下げてたくあんを作っているような古民家群の中にお店はありました。その名の通り、中央にはまだ使える囲炉裏や薪ストーブがあり、外には手造りの窯がありました。そこでピザを焼くそうです。
周囲は桜の木に囲まれており、もう間もなく桜が溢れんばかりに咲き誇ることでしょう。そうしたら外にテーブルを出して花見酒にする、と大将はおっしゃっていました。
味処なか野で僕は注文したことがありません。いつも大将がその時の旬のものと僕の好みを考えて料理を出してくれます。全てお任せです。この日のスタートは鯨ベーコンと脂身から。
このブログをご覧の方はご存知かもしれませんが、僕が当たっても食べたいのが牡蠣。見事な大ぶりの牡蠣が出てきました。実は3年前に牡蠣に当たり酷い目に合っており、この日も体調が良くなかったので少し気がかりではあったのですが、やはりぷりぷりの牡蠣を目の前にするとそうした一抹の不安など吹き飛んでしまいます。
あまりに大きいので、二杯は生で、残る一杯は焼いてもらいました。
一人なので、刺身の盛り合わせは控え目に。
栄螺も最近滅多に食べる機会がありませんが、大好物の一つ。菜の花とアスパラガスが春の近いことを感じさせてくれました。
そしてさらに大好物の薩摩鶏焼。シンプルに塩と胡椒でいただきますが、塩はもちろん大将の出身地である中通島(長崎県、五島列島)の塩です。
カサゴの素揚げ。先に肝だけ別にしていただき、ポン酢で食べました。
体調が万全でなかったため、この日はこれ位が限界でした。大将とお会いするのは3年ぶり、近況などさまざまなお話を伺いました。逆算してみれば、初めてお会いした時の大将は46歳だったことになります。それが今では僕が43歳、当時の大将の年齢に迫っているのだと思うと、短いようで20年という歳月の長さを感じます。
まだまだお元気で、また寄らせてください。
味処なか野 囲炉裏や
福岡県福岡市早良区西油山223
繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした