情熱と煌めきのモーツァルト。 アルゲリッチのコンチェルトを聴く。

グルダ・メモリアル・コンサート NHK教育芸術劇場(2/20 22:00~)

曲 モーツァルト/ピアノ協奏曲第20番二短調K.466
  ベートーヴェン/ピアノ、ヴァイオリン、チェロのための三重協奏曲ハ長調第3楽章

指揮     クリスティアン・アルミンク
ピアノ    マルタ・アルゲリッチ
ヴァイオリン ルノー・カプソン
チェロ    ゴーティエ・カプソン
演奏     新日本フィルハーモニー交響楽団

こんにちは。

先ほどまでTVの前にて鑑賞していましたが、あまりにも強烈な演奏だったので、誉め言葉も見つかりません…。我が家の貧弱なTVスピーカーから、驚くほど生気に満ちたモーツァルトが流れてきました。(この番組に気がつくのが遅かったので、視聴したのはモーツァルトとアンコール曲のベートーヴェンです。)

vagabondさんが実際にこのコンサートをお聴きになられていて、詳細なレビューを残されておられますが、本当に素晴らしいコンサートだったのだろうと思います。TVを通してでも、ニ短調協奏曲が、信じられないまでに表情豊かな音楽となって演奏されているのが分かりました。この曲をあんなに情熱的に演奏するとは…。今まで何を聴いていたのだろうと自問したぐらいです。

アルゲリッチの手は、鍵盤の上を踊るように跳ねていました。もちろん、ただエネルギッシュに演奏していただけではありません。最も素晴らしいのは、音楽が崩壊してしまわないかと心配してしまう位、曲の流れを自在に操っていることです。まるで大波に揺られる小舟のよう…。アルミンクもインテンポでオケを統制し、筋肉質なモーツァルト像を描いていましたが、彼女はそれすらも一気に突き破るように進みます。力と力の激しいぶつかり合い。音楽が俄然面白くなっていました。

第2楽章では弱音の美しさを最大限に利用して、とても静謐な音楽を作り上げていました。あちこちに自然な「ゆらぎ」があり、一瞬たりとも同じ表情を見せることがありません。時間が瞬く間に過ぎていきます。第一と第三楽章のカデンツァも、情熱がほとばしります。TVの前でここまで心を揺さぶられたのは久しぶりでした。

これを生で聴いたら腰を抜かしたかもしれません…。技術的なミスなど、あまりにも些細なことに感じられます。芸術の凄まじさを実感させられたモーツァルトでした。
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