都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「歌舞伎町アートサイト」 新宿シネシティ広場・大久保公園
新宿シネシティ広場・大久保公園
「歌舞伎町アートサイト」
11/19-12/3
新宿歌舞伎町にメディアアート・コンテナが出現しました。新宿シネシティ広場、大久保公園で開催中の「歌舞伎町アートサイト」へ行ってきました。
国内最大級の歓楽街として有名な新宿歌舞伎町ですが、その界隈にて現代アートのイベントが行われていることをご存知でしょうか。
それが「歌舞伎町アートサイト」です。会場は二つ、歌舞伎町のど真ん中、旧コマ劇場前のシネシティ広場(第一)と、その少し先の大久保公園(第二)に分かれています。そこで8組のアーティストと4つの大学研究室が、メディアアートに関する様々な展示を行っていました。
大久保公園会場
展示は各スペースに設置されたコンテナの中にあります。何やら新宿の街中に突如、出現するコンテナの姿からして異様かもしれませんが、それぞれシネシティに2つ、大久保公園に8つのコンテナが置かれています。なおその数からしても明らかですが、展示のメインは第二会場の大久保公園でした。
浅野耕平「スパングルス」
コンテナの暗室を巧みに利用しています。作品に息を吹きかけると中で漂う光の粒が変化し、後ろのモニターへと拡散、最後にそれが新宿の夜景として表れるのが、浅野耕平の「スパングルス」でした。
筧康明「on the verge」
また筧康明の「on the verge」は、新宿の町の風景を三層のスクリーンに分解して映し出します。半透明のスクリーンで点滅し、多様に変化する光の軌跡は、激しいノイズを生み出し、どこか乱れて定まらない新宿の景色を断片的に提示しました。その錯綜するイメージはまさに猥雑なまでに煌めく新宿のネオンサインなのかもしれません。
東京工芸大学インタラクティブメディア学科野口研究室「新宿の根っこ」
新宿の地理、都市構造を強く意識したのが、東京工芸大学インタラクティブメディア学科野口研究室の「新宿の根っこ」です。東西南北、まるで網の目のように広がる新宿の地下道をアクリルの立体で表現しています。闇に青白く浮かび上がる新宿の地下、つまり根っこは、思いもよらぬほどに有機的ではないでしょうか。LEDライトの効果も巧みでした。
東京工芸大学工学部建築学科鍛研究室「SMALL things BIG change」
また現在の新宿を、最小限の操作で新たな空間へと変えたのが、東京工芸大学工学部建築学科鍛研究室の「SMALL things BIG change」です。これは50箇所ほどピックアップした新宿の景観をコンピューター操作によって変化、写真に表したもので、たとえばビルの無機質な屋上に芝生広場を、また誰もいない公園に囲碁をする人々などを登場させています。
東京工芸大学工学部建築学科鍛研究室「SMALL things BIG change」
傑作は西口のロータリーです。二本の鉄柱が何と遊園地の回転台へと生まれ変わりました。まさに近未来の空想都市・新宿です。
慶応義塾大学SFC筧研究室、展示風景
その他、既製品を高速で回転、そこに光を照射させることによって奇想天外な影絵を作り上げたクワクボリョウや、ツイッターのつぶやきと作品を連動させた多摩美術大学情報デザイン学科情報芸術コース・メディアアート研究室の「PouringMouse」なども印象に残りました。インタラクティブな作品が多いのも展示の特徴かもしれません。
なお第一会場、シネシティの前林明次のコンテナは完全定員制です。約15分弱のインスタレーションとのことですが、入場希望者が多い場合は当日、事前に予約が必要となります。私が出向いた際は祝日だったせいか、約2時間後の時間しか指定出来ませんでした。ご注意下さい。
*「Sonic Interface」の実施日:11/19(土)・ 11/20(日)・11/26(土)・11/27(日)・12/3(土) 時間:12:00~18:30(18:30は最終受付)
展示のボリュームとしては決して大きいとは言えませんが、新宿歌舞伎町という場所性、また個人と公共空間との関わりを意識したものなど、単純に狭いアートの領域ではなく、もっと社会的でかつ汎用性を秘めた作品も多く見られました。色々と考えさせられます。
新宿シネシティ会場
時間の関係で前林の展示を見られなかったのだけが心残りでした。入場は無料です。12月3日まで開催されています。
「歌舞伎町アートサイト」 新宿シネシティ広場・大久保公園
会期:11月19日(土)~12月3日(土)
休館:会期中無休
時間:12:00~19:00
住所:シネシティ広場(旧コマ劇場前):新宿区歌舞伎町1-19、大久保公園:新宿区歌舞伎町2-43
交通:西武新宿線西武新宿駅から徒歩約5分。JR新宿駅東口から徒歩約10分。
「歌舞伎町アートサイト」
11/19-12/3
新宿歌舞伎町にメディアアート・コンテナが出現しました。新宿シネシティ広場、大久保公園で開催中の「歌舞伎町アートサイト」へ行ってきました。
国内最大級の歓楽街として有名な新宿歌舞伎町ですが、その界隈にて現代アートのイベントが行われていることをご存知でしょうか。
それが「歌舞伎町アートサイト」です。会場は二つ、歌舞伎町のど真ん中、旧コマ劇場前のシネシティ広場(第一)と、その少し先の大久保公園(第二)に分かれています。そこで8組のアーティストと4つの大学研究室が、メディアアートに関する様々な展示を行っていました。
大久保公園会場
展示は各スペースに設置されたコンテナの中にあります。何やら新宿の街中に突如、出現するコンテナの姿からして異様かもしれませんが、それぞれシネシティに2つ、大久保公園に8つのコンテナが置かれています。なおその数からしても明らかですが、展示のメインは第二会場の大久保公園でした。
浅野耕平「スパングルス」
コンテナの暗室を巧みに利用しています。作品に息を吹きかけると中で漂う光の粒が変化し、後ろのモニターへと拡散、最後にそれが新宿の夜景として表れるのが、浅野耕平の「スパングルス」でした。
筧康明「on the verge」
また筧康明の「on the verge」は、新宿の町の風景を三層のスクリーンに分解して映し出します。半透明のスクリーンで点滅し、多様に変化する光の軌跡は、激しいノイズを生み出し、どこか乱れて定まらない新宿の景色を断片的に提示しました。その錯綜するイメージはまさに猥雑なまでに煌めく新宿のネオンサインなのかもしれません。
東京工芸大学インタラクティブメディア学科野口研究室「新宿の根っこ」
新宿の地理、都市構造を強く意識したのが、東京工芸大学インタラクティブメディア学科野口研究室の「新宿の根っこ」です。東西南北、まるで網の目のように広がる新宿の地下道をアクリルの立体で表現しています。闇に青白く浮かび上がる新宿の地下、つまり根っこは、思いもよらぬほどに有機的ではないでしょうか。LEDライトの効果も巧みでした。
東京工芸大学工学部建築学科鍛研究室「SMALL things BIG change」
また現在の新宿を、最小限の操作で新たな空間へと変えたのが、東京工芸大学工学部建築学科鍛研究室の「SMALL things BIG change」です。これは50箇所ほどピックアップした新宿の景観をコンピューター操作によって変化、写真に表したもので、たとえばビルの無機質な屋上に芝生広場を、また誰もいない公園に囲碁をする人々などを登場させています。
東京工芸大学工学部建築学科鍛研究室「SMALL things BIG change」
傑作は西口のロータリーです。二本の鉄柱が何と遊園地の回転台へと生まれ変わりました。まさに近未来の空想都市・新宿です。
慶応義塾大学SFC筧研究室、展示風景
その他、既製品を高速で回転、そこに光を照射させることによって奇想天外な影絵を作り上げたクワクボリョウや、ツイッターのつぶやきと作品を連動させた多摩美術大学情報デザイン学科情報芸術コース・メディアアート研究室の「PouringMouse」なども印象に残りました。インタラクティブな作品が多いのも展示の特徴かもしれません。
なお第一会場、シネシティの前林明次のコンテナは完全定員制です。約15分弱のインスタレーションとのことですが、入場希望者が多い場合は当日、事前に予約が必要となります。私が出向いた際は祝日だったせいか、約2時間後の時間しか指定出来ませんでした。ご注意下さい。
*「Sonic Interface」の実施日:11/19(土)・ 11/20(日)・11/26(土)・11/27(日)・12/3(土) 時間:12:00~18:30(18:30は最終受付)
展示のボリュームとしては決して大きいとは言えませんが、新宿歌舞伎町という場所性、また個人と公共空間との関わりを意識したものなど、単純に狭いアートの領域ではなく、もっと社会的でかつ汎用性を秘めた作品も多く見られました。色々と考えさせられます。
新宿シネシティ会場
時間の関係で前林の展示を見られなかったのだけが心残りでした。入場は無料です。12月3日まで開催されています。
「歌舞伎町アートサイト」 新宿シネシティ広場・大久保公園
会期:11月19日(土)~12月3日(土)
休館:会期中無休
時間:12:00~19:00
住所:シネシティ広場(旧コマ劇場前):新宿区歌舞伎町1-19、大久保公園:新宿区歌舞伎町2-43
交通:西武新宿線西武新宿駅から徒歩約5分。JR新宿駅東口から徒歩約10分。
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