都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「水墨最前線2012 朝倉隆文/及川聡子/大塚怜美」 日本橋高島屋 美術画廊X
日本橋高島屋 美術画廊X
「水墨最前線2012 朝倉隆文/及川聡子/大塚怜美」
8/1-8/13
日本橋高島屋美術画廊Xで開催中の「水墨最前線2012 朝倉隆文/及川聡子/大塚怜美」へ行ってきました。
老舗百貨店ながらも、まさにフレッシュな若手作家を次々と取り上げる日本橋高島屋美術画廊。
毎度の展示が見逃せないとしても過言ではありませんが、今回、また興味深い新たなシリーズが始まりました。
それが比較的若い世代の水墨表現を紹介していく「水墨最前線」です。
初回は3名。朝倉隆文、及川聡子、大塚怜美の各作品が展示されました。
さて水墨という一定の表現ながらも、まさに三者三様、その作品は全く異なった趣を見せています。
まず感心したのは、この春、東北芸術工科大学大学院を卒業したばかりの大塚怜美です。
大塚怜美「変身他自図」2011年 絹・墨
モチーフは今時の女性、分かりやすくいえば「ギャル」ですが、ともかくは透明感がありながらも、どこか肉感的な人物表現に目を奪われはしないでしょうか。
また半ば皮肉めいたタイトルも面白いところかもしれません。
化粧や髪をすいて身支度をする女性は「変身他自図」、もしくは「粉飾直し」などと名付けられます。ようは似たような化粧をする人達は実は没個性、つまり自分をどう見せるのではなく、単に他人と同じになりたいだけではないかと指摘しているわけでした。
さて湯気を胡粉の美しい質感を用いて表すのは及川聡子です。
及川聡子「水焔7」2012年 麻紙・墨・胡粉・岩絵具
まさにゆらゆらと靡く湯気そのものを、あたかも陽炎の如く描きだしていますが、しばらく見ていると人体の器官を思わせるような生々しさを感じるのも重要なポイントかもしれません。
ラストは緻密な線描が空間を埋め尽くし、あたかも龍や獣が渾然一体と駆けるような様子を描く朝倉隆文です。
朝倉隆文「九龍図」(部分)2011年 麻紙・墨
線は群れて増殖します。近づくと大変な迫力がありました。
それこそ目利きの高島屋ならではの意欲的なシリーズ展、また次回にも期待したいと思います。
8月13日までの開催です。
「水墨最前線2012 朝倉隆文/及川聡子/大塚怜美」 日本橋高島屋 美術画廊X(アッと@ART)
会期:8月1日(水)~8月13日(月)
休廊:会期中無休。
時間:10:00~20:00
住所:中央区日本橋2-4-1 日本橋高島屋6階
交通:東京メトロ銀座線・東西線日本橋駅B1出口直結。都営浅草線日本橋駅から徒歩5分。JR東京駅八重洲北口から徒歩5分。
「水墨最前線2012 朝倉隆文/及川聡子/大塚怜美」
8/1-8/13
日本橋高島屋美術画廊Xで開催中の「水墨最前線2012 朝倉隆文/及川聡子/大塚怜美」へ行ってきました。
老舗百貨店ながらも、まさにフレッシュな若手作家を次々と取り上げる日本橋高島屋美術画廊。
毎度の展示が見逃せないとしても過言ではありませんが、今回、また興味深い新たなシリーズが始まりました。
それが比較的若い世代の水墨表現を紹介していく「水墨最前線」です。
初回は3名。朝倉隆文、及川聡子、大塚怜美の各作品が展示されました。
さて水墨という一定の表現ながらも、まさに三者三様、その作品は全く異なった趣を見せています。
まず感心したのは、この春、東北芸術工科大学大学院を卒業したばかりの大塚怜美です。
大塚怜美「変身他自図」2011年 絹・墨
モチーフは今時の女性、分かりやすくいえば「ギャル」ですが、ともかくは透明感がありながらも、どこか肉感的な人物表現に目を奪われはしないでしょうか。
また半ば皮肉めいたタイトルも面白いところかもしれません。
化粧や髪をすいて身支度をする女性は「変身他自図」、もしくは「粉飾直し」などと名付けられます。ようは似たような化粧をする人達は実は没個性、つまり自分をどう見せるのではなく、単に他人と同じになりたいだけではないかと指摘しているわけでした。
さて湯気を胡粉の美しい質感を用いて表すのは及川聡子です。
及川聡子「水焔7」2012年 麻紙・墨・胡粉・岩絵具
まさにゆらゆらと靡く湯気そのものを、あたかも陽炎の如く描きだしていますが、しばらく見ていると人体の器官を思わせるような生々しさを感じるのも重要なポイントかもしれません。
ラストは緻密な線描が空間を埋め尽くし、あたかも龍や獣が渾然一体と駆けるような様子を描く朝倉隆文です。
朝倉隆文「九龍図」(部分)2011年 麻紙・墨
線は群れて増殖します。近づくと大変な迫力がありました。
それこそ目利きの高島屋ならではの意欲的なシリーズ展、また次回にも期待したいと思います。
8月13日までの開催です。
「水墨最前線2012 朝倉隆文/及川聡子/大塚怜美」 日本橋高島屋 美術画廊X(アッと@ART)
会期:8月1日(水)~8月13日(月)
休廊:会期中無休。
時間:10:00~20:00
住所:中央区日本橋2-4-1 日本橋高島屋6階
交通:東京メトロ銀座線・東西線日本橋駅B1出口直結。都営浅草線日本橋駅から徒歩5分。JR東京駅八重洲北口から徒歩5分。
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