都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「椛田ちひろ 世界は鏡を通過する」 アートフロントギャラリー
アートフロントギャラリー
「椛田ちひろ 世界は鏡を通過する」
10/26-11/11
アートフロントギャラリーで開催中の椛田ちひろ個展、「世界は鏡を通過する」へ行ってきました。
2011年のMOTアニュアル、そして昨年のあざみ野コンテンポラリーと、意欲的に作品を発表し続けている椛田ちひろ。
ここアートフロントギャラリーでも昨年、個展があったばかりですが、今回もまた空間をダイナミックに用いた展示を繰り広げています。
スペースは2つ。まずはメインのギャラリースペースへと進みましょう。
ここではいずれも新作、お馴染みのボールペンによる「事象の地平線」と、ガラスを用いた「鏡は横にひび割れぬ」などが。
手前:椛田ちひろ「すべてが漂っている放浪の海」2012年 インクジェット紙に油性ボールペン・ミラーフォルムマウント
置く:椛田ちひろ「事象の地平線」2012年 インクジェット紙に油性ボールペン アクリルマウント
それにしてもこの深遠な闇、そして凄まじいまでの密度。限りなく近づいて目を凝らさなければ、おおよそボールペンで引かれた無数の線の痕跡だとは思えません。
また椛田の一連のインスタレーションは立ち位置によっても印象が大きく変わってきますが、それは本展示でも同様です。
椛田ちひろ「世界は鏡を通過する」2012年 ガラス・シリコン
展覧会のタイトルにも掲げられた「世界は鏡を通過する」も、前から向き合うのと、壁にそって横から見るのでは、大いに表情が異なります。
椛田ちひろ「世界は鏡を通過する」(部分)2012年 ガラス・シリコン
塗り込められたボールペンの面はまさに鏡のようですが、その何かを撥ねつけるかのような力強さと、反面での吸い込まれそうな感覚も伴うという、言わば二面的な表情も持ち得ています。
椛田ちひろ「鏡は横にひび割れぬ」2012年 ガラス・樹脂・シリコン
また表面に揺らぎを伴うガラス作品も見どころではないでしょうか。
椛田ちひろ「鏡は横にひび割れぬ」(拡大)2012年 ガラス・樹脂・シリコン
反射と透過、その双方の狭間を行き交うような独自の地平、いつもながらに惹かれました。
さて道路に面したもう一つのギャラリースペースでは一転、素材にアルミテープを取り込んだ大胆なインスタレーションが展開されています。
椛田ちひろ 「untitled」(2012年) ミクスドメディア
先の作品を闇としたら、こちらはまさに光に満ちた世界。全身がテープに反射して輝く光の渦に包み込まれるではありませんか。
椛田ちひろ 「untitled」(2012年) ミクスドメディア
それにテープは時に捻れながらも、何層かの平面を作るかのように広がっているのもポイントです。
これまでのボールペンの作品が光を吸収するとしたら、こちらはそれを解き放ってスパークしているかのようなダイナミックさも。上下、また斜めに交錯する光の面、その鮮烈な煌めきは刺激的ですらありました。
椛田ちひろ 「untitled」(2012年) ミクスドメディア(外から)
ところで今回は展示を夜に拝見しましたが、全体として光と闇のコントラストがより際立っているような印象を受けました。昼間出かけた方には再度、日没後の観覧もおすすめします。
11月11日まで開催されています。
「椛田ちひろ 世界は鏡を通過する」 アートフロントギャラリー(@art_front)
会期:10月26日(金)~11月11日(日)
休廊:月曜日
時間:11:00~19:00
住所:渋谷区猿楽町29-18 ヒルサイドテラスA棟
交通:東急東横線代官山駅より徒歩5分
「椛田ちひろ 世界は鏡を通過する」
10/26-11/11
アートフロントギャラリーで開催中の椛田ちひろ個展、「世界は鏡を通過する」へ行ってきました。
2011年のMOTアニュアル、そして昨年のあざみ野コンテンポラリーと、意欲的に作品を発表し続けている椛田ちひろ。
ここアートフロントギャラリーでも昨年、個展があったばかりですが、今回もまた空間をダイナミックに用いた展示を繰り広げています。
スペースは2つ。まずはメインのギャラリースペースへと進みましょう。
ここではいずれも新作、お馴染みのボールペンによる「事象の地平線」と、ガラスを用いた「鏡は横にひび割れぬ」などが。
手前:椛田ちひろ「すべてが漂っている放浪の海」2012年 インクジェット紙に油性ボールペン・ミラーフォルムマウント
置く:椛田ちひろ「事象の地平線」2012年 インクジェット紙に油性ボールペン アクリルマウント
それにしてもこの深遠な闇、そして凄まじいまでの密度。限りなく近づいて目を凝らさなければ、おおよそボールペンで引かれた無数の線の痕跡だとは思えません。
また椛田の一連のインスタレーションは立ち位置によっても印象が大きく変わってきますが、それは本展示でも同様です。
椛田ちひろ「世界は鏡を通過する」2012年 ガラス・シリコン
展覧会のタイトルにも掲げられた「世界は鏡を通過する」も、前から向き合うのと、壁にそって横から見るのでは、大いに表情が異なります。
椛田ちひろ「世界は鏡を通過する」(部分)2012年 ガラス・シリコン
塗り込められたボールペンの面はまさに鏡のようですが、その何かを撥ねつけるかのような力強さと、反面での吸い込まれそうな感覚も伴うという、言わば二面的な表情も持ち得ています。
椛田ちひろ「鏡は横にひび割れぬ」2012年 ガラス・樹脂・シリコン
また表面に揺らぎを伴うガラス作品も見どころではないでしょうか。
椛田ちひろ「鏡は横にひび割れぬ」(拡大)2012年 ガラス・樹脂・シリコン
反射と透過、その双方の狭間を行き交うような独自の地平、いつもながらに惹かれました。
さて道路に面したもう一つのギャラリースペースでは一転、素材にアルミテープを取り込んだ大胆なインスタレーションが展開されています。
椛田ちひろ 「untitled」(2012年) ミクスドメディア
先の作品を闇としたら、こちらはまさに光に満ちた世界。全身がテープに反射して輝く光の渦に包み込まれるではありませんか。
椛田ちひろ 「untitled」(2012年) ミクスドメディア
それにテープは時に捻れながらも、何層かの平面を作るかのように広がっているのもポイントです。
これまでのボールペンの作品が光を吸収するとしたら、こちらはそれを解き放ってスパークしているかのようなダイナミックさも。上下、また斜めに交錯する光の面、その鮮烈な煌めきは刺激的ですらありました。
椛田ちひろ 「untitled」(2012年) ミクスドメディア(外から)
ところで今回は展示を夜に拝見しましたが、全体として光と闇のコントラストがより際立っているような印象を受けました。昼間出かけた方には再度、日没後の観覧もおすすめします。
11月11日まで開催されています。
「椛田ちひろ 世界は鏡を通過する」 アートフロントギャラリー(@art_front)
会期:10月26日(金)~11月11日(日)
休廊:月曜日
時間:11:00~19:00
住所:渋谷区猿楽町29-18 ヒルサイドテラスA棟
交通:東急東横線代官山駅より徒歩5分
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