「絵画、それを愛と呼ぶことにしよう vol.6 衣川明子」 ギャラリーαM

ギャラリーαM
「絵画、それを愛と呼ぶことにしよう vol.6 衣川明子」
9/21-10/20



ギャラリーαMで開催中の「絵画、それを愛と呼ぶことにしよう vol.6 衣川明子」へ行ってきました。

キュレーターの保坂健二朗が「見るよりも対峙すべき。」と述べた衣川明子の人物画。確かに何れの作品を前にしても、有無を言わさぬ目力、その迫力に後ずさりしてしまいそうになります。



展示されているのは、中性的とも取れる女性。もしくは猫と人の狭間に立つような不思議な動物を捉えた絵画です。

おおよそグレーのトーンに沈み込む一連の作品はただひらすらに寡黙です。

それでいながら初めにも触れたように、こちらを突き刺すように見やる強い目線。どこか迷い、また悲しげなようでいながら、その奥には確固たる意思が潜んでいるように思えてなりません。

タッチは比較的軽やか、色は時にかすれ、またステイニングを連想させるような瑞々しさも持ち得ています。



作家は色を予め限定。支持体も通常は綿布、そして重ねて塗る時は麻を用いているのだそうです。

モチーフやテーマこそ異なるものの、人物のどこか虚ろで夢幻的な様子は、何やらシャガールに登場する女性を思わせる面も。

特定のモデルによらず、あくまでも自身の中にあるイメージの体現としての女性だそうですが、しばし前で「対峙」していると、何やら彼岸の世界にでも吸い込まれてしまうような気さえしました。

「顔には、意識や感情といったあやふやなものを見ることができる不安定なところがある。向かい合っているうちに、今思い浮かべている記憶や感覚が誰に対してのものだったのかわからなくなる。」衣川明子

「オープニングトーク 衣川明子x保坂健二朗」(10/27)

11月24日まで開催されています。

「絵画、それを愛と呼ぶことにしよう vol.6 衣川明子」 ギャラリーαM@gallery_alpham
会期:10月27日(土)~11月24日(土)
休廊:日・月・祝。
時間:11:00~19:00
住所:千代田区東神田1-2-11 アガタ竹澤ビルB1F
交通:都営新宿線馬喰横山駅A1出口より徒歩2分、JR総武快速線馬喰町駅西口2番出口より徒歩2分、日比谷線小伝馬町駅2、4番出口より徒歩6分。
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