三菱一号館美術館で「フェリックス・ヴァロットン展」を開催!

先日発表された三菱一号館美術館の2013-2014年展覧会スケジュール。既に一部は同館WEBでも告知されていますが、その次にこれまた興味深い名の展覧会が。


フェリックス・ヴァロットン「自画像」1897年 油彩、カンヴァス

それがフェリックス・ヴァロットン。言うまでもなくスイス生まれで19世紀末のパリでいわゆるナビ派として活動した画家です。

[追記]ヴァロットン展のプレビューに参加してきました。
「ヴァロットン展」 三菱一号館美術館(はろるど)


「フェリックス・ヴァロットンー冷たい炎の画家」
会期:2014年6月14日(土)~2014年9月23日(火・祝)
会場:三菱一号館美術館
主催:オルセー美術館、RMN-グラン・パレ、ゴッホ美術館、三菱一号館美術館、日本経済新聞社



フェリックス・ヴァロットン「赤い絨毯の上に横たわる裸婦」1909年 油彩、カンヴァス
プティ・パレ美術館(ヴァロットン展出品予定)


スイスで生まれ、19世紀末のパリで活躍したナビ派の画家、フェリックス・ヴァロットンの日本初個展。油彩画とともに、白と黒の鮮烈なコントラストの木版画によって、20世紀以降の芸術に影響を及ぼしました。独特の視点と多様な表現を持つヴァロットン作品は、斬新で現代的であると同時に、まるで解けない謎のように重層的で、観る者に様々な感情を抱かせます。本展は、パリのオルセー美術館およびローザンヌのフェリックス・ヴァロットン財団の監修による国際展覧会として世界巡回を経たのち、2014年という日・スイス国交樹立150周年の記念すべき年に当館にて開催します。当館所蔵のヴァロットンのグラフィック・コレクションを含む約120点の油彩・版画により、冷淡な表現の裏に炎のような情熱を秘めた芸術家像を浮かび上がらせます。
*リリースより転載


フェリックス・ヴァロットン「5人の画家」1902~1903年 ザ・コレクション・ヴィンタートゥール

オルセー、もしくはスイスのヴァロットン財団監修による国際巡回展というのもポイントですが、国内ではあまり知られてないヴァロットンを100点超のスケールで見せるというだけでも期待が高まるもの。もちろん記載があるように日本初の大規模回顧展です。


「ヴィンタートゥール展」(世田谷美術館)での「ヴァロットンとスイスの具象絵画」展示室。
*撮影は内覧時に許可を得たものです。


さてヴァロットンと言えば2010年、国内を巡回した「ヴィンタートゥール」展で4~5点をまとめて展示。大作の「5人の画家」をはじめ、どこか神秘的でさえある夕景を表した「日没、オレンジ色の空」には強く惹かれた記憶が。またブロンズの彫刻「肌着を持つ女」が出ていたのも印象的でした。


フェリックス・ヴァロットン「ボール」1899年 オルセー美術館

またさらに同じく2010年に国立新美術館で行われた「オルセー美術館展」にもヴァロットンは出品。とりわけ人気は斜め上からの構図が面白い「ボール」。太陽の陽射しのコントラストともに、ボールを追いかける子どもの動きを一瞬間だけを閉じ込めたような静止した画面も心にとまりました。


フェリックス・ヴァロットン「夕食、ランプの光」1899年 オルセー美術館

ちなみにヴァロットンは日本の浮世絵に影響を受けて、木版画を制作していたとか。今度の回顧展でも版画の出品がアナウンスされているだけに、ヴァロットンと浮世絵表現の関連についても言及があるやもしれません。

「Flix Vallotton (Gallery of the Arts)/5Continents」

「冷淡な表現の裏に炎のような情熱を秘めた」というフェリックス・ヴァロットン。その全貌を明らかにするであろう展覧会。会期は来年6月からと先ではありますが、ここは大いに期待しましょう。


Albert Moore, Midsummer, 1887, Oil on Canvas,
the Russell-Cotes Art Gallery & Museum(ザ・ビューティフル展出品予定)


[これからの三菱一号館美術館の展覧会]

「浮世絵 Floating Worldー珠玉の斎藤コレクション」
会期:2013年6月22日(土)~9月8日(日)

「三菱一号館美術館名品選2013ー近代への眼差し 印象派と世紀末美術」
会期:2013年10月5日(土)~2014年1月5日(日)

「ザ・ビューティフルー英国の唯美主義1860~1900」
会期:2014年1月30日(木)~2014年5月6日(火・祝)

「フェリックス・ヴァロットンー冷たい炎の画家」
会期:2014年6月14日(土)~2014年9月23日(火・祝)


また累計入場者が15万名を突破したという人気のクラーク展もいよいよ5月26日までです。


「奇跡のクラーク・コレクション」@三菱一号館美術館(展覧会の感想です)

こちらもお見逃しなく!*また混雑を避けるために毎週水・木・金曜日の夜間開館(夜20時まで)をおすすめします。木曜と金曜に限っては18時から入場の「アフター6割引」(大人通常1500円のところ1000円。)も実施中です。


ピエール=オーギュスト・ルノワール「シャクヤク」1880年頃
クラーク美術館(クラーク展出品中)


なお展覧会スケジュール、及びリリース内容は2013年5月現在のものです。今後変更になることもあります。最新の情報は三菱一号館美術館のWEBサイトをご参照下さい。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )