「捨象考」 アキバタマビ21

アキバタマビ21
「捨象考」 
10/24-11/29



アキバタマビ21で開催中の「捨象考」を見て来ました。

アーツ千代田内、多摩美術大学の運営するオルタナティブ・スペースことアキバタマビ21。今、同大学教授のほか、4名の専門家の推薦した作家によるグループ展が行われています。

さて今回、私が特に印象深かった作家がいます。それは田島大介です。1993年の奈良県生まれ。今年、愛知県立芸術大学美術学部美術科彫刻専攻を卒業したばかりの若いアーティストです。

ともかく目を引くのは緻密な線描によって表された都市の俯瞰図。横幅はゆうに3メートルを超えています。中にはまさに筍の如く生える高層ビル群。各フロアの窓から屋上の室外機、ほか様々な設備までが事細かに描かれています。


田島大介「五金超大国」 2015年

構図が驚異的です。パノラマ、いや空中から見下ろしたと言っても良いかもしれません。例えれば空から地面へ垂直に落下するカメラが捉えたような光景です。ビルは突き出てもいます。都市の上にヘリを飛ばし、そこから下へ向けてカメラを落としたらどのような映像が撮れるのでしょうか。そのような妄想も思わず膨らんでしまいます。



タイトルは「五金超大国」に「City Scape」。実景のようで実景ではありません。看板には漢字やハングルが多く見えました。都市における混沌。成長著しい東アジアの都市をモチーフとしているのかもしれません。

私が田島の作品を初めて見知ったのは、今夏の「アートアワードトーキョー」でのことでした。その際に神谷幸江賞を受賞。作品は同じく「五金超大国」でした。確か屏風絵のようにパネルを曲げて展示していたことを覚えています。


田島大介「天龍級6番艦 リュウグウノツカイ」 2015年

「捨象考」ではさらに立体も加わります。ご覧の通りの戦艦です。全長6メートル弱。名は「天龍級6番艦 リュウグウノツカイ」です。無数の砲台に黒々とした船体。勇ましい姿を見せていますが、素材は何と段ボール。ほか木材や針金などを組み合わせています。



なお「捨象考」は田島のほか、迎英里子、高山陽介、齋藤春佳の4名による展示です。時に宙を用い、色に鮮やかな絵画を展開した斎藤春佳の作品にも惹かれました。



入場は無料です。11月29日まで開催されています。

「捨象考」 アキバタマビ21
会期:10月24日(土)~11月29日(日)
休館:火曜日
時間:12:00~19:00 金・土は20時まで。
料金:無料
場所:千代田区外神田6-11-14 アーツ千代田3331 2階
交通:東京メトロ銀座線末広町駅4番出口より徒歩1分、東京メトロ千代田線湯島駅6番出口より徒歩3分、都営大江戸線上野御徒町駅A1番出口より徒歩6分、JR御徒町駅南口より徒歩7分。
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