「村田朋泰 AMETSUCHI」 GALLERY MoMo 両国

GALLERY MoMo 両国
「村田朋泰 AMETSUCHI」 
2/20-3/19



GALLERY MoMo 両国で開催中の「村田朋泰 AMETSUCHI」を見てきました。

昨年春、同じギャラリーモモで個展を開いたアニメーション作家、村田朋泰。今回の「AMETSUCHI」は、その前回展を切っ掛けにスタートした、今後10年間に渡る全5作構想のうちの一つだそうです。



まず手前にスクリーン。映像作品です。砂嵐が巻き起こる荒野。山頂でしょうか。今にもマグマを噴き出さんとばかりに赤々と灯っています。すると裸木の森が映し出され、合間を水が流れ始めました。そして透明のカプセルの中にキラキラと入った物体が現れます。白い雪を冠った山のようにも見えました。それを二人の子どもが取り合います。さらにリンゴです。二人でかじる。まるで禁断の果実を前にしたアダムとイブのようです。命の誕生、人の営みの原初を物語として表現しているのかもしれません。いつもながらのこま撮りのアニメーションです。動きからして巧み。精巧であり、また可愛らしい。やはり見入ってしまいます。



奥へと目を転じてみましょう。ミニチュアセットによる能舞台です。中には白い山。青白く光ります。月明かりかもしれません。振り返れば先のアニメーションに出てきた山とほぼ同じ。雨が降っています。周囲はカルデラ。水が溜まっていました。周囲にはやはり葉を落とした木々が広がります。セットとアニメの舞台が繋がりました。舞台の上は茅葺きでしょうか。照明の効果か赤い光を放っているようにも見えます。それが同じく映像の中の山と重なりました。不思議な光景が広がっています。



舞台の中の山は富士山でした。村田は古来より多様に表現されてきた富士山をテーマに作品を展開。さらに古事記や万葉集から着想を得ては「日本とは?」(解説シートより)と問うてもいます。

全5作のうちの2作目。制作に当たってはかの震災の経験も踏まえているそうです。さらに舞台しかり猿楽も重要。メッセージは複層的でもあります。

奥の小部屋にももう一点の映像作品があります。そちらもお見逃しなきようご注意ください。

3月19日まで開催されています。

「村田朋泰 AMETSUCHI」 GALLERY MoMo 両国@GalleryMoMo
会期:2月20日(土)~3月19日(土)
休廊:日・月・祝。*GW期間中(5/3~5/6)は休廊。
時間:11:00~19:00
料金:無料
場所:墨田区亀沢1-7-15
交通:都営大江戸線両国駅A3出口より徒歩1分。JR両国駅東口より徒歩約5分。
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