「SENSE OF MOTION あたらしい動きの展覧会」 スパイラルガーデン

スパイラルガーデン
「SENSE OF MOTION あたらしい動きの展覧会」 
11/9~11/20



スパイラルガーデンで開催中の「SENSE OF MOTION あたらしい動きの展覧会」を見てきました。

様々な動きには「回転または往復運動する軸を支える機械部品」(goo辞書より)ことベアリングが欠かせません。


エマニュエル・ムホー「混色 色が回る。色が混ざる。心が動く。」

スパイラル一の大空間を飾るのはエマニュエル・ムホーです。タイトルは「混色」。モチーフは花です。6メートルの高さから釣り下がります。その数は全部で25270個というから驚かされます。混色とあるように色も様々です。右からオレンジ、赤、緑、青、紫とグラデーションを描いています。計100色でした。花のカーテン、ないし滝の姿はとても美しい。僅かに回転しています。まるで風に吹かれているようでした。


エマニュエル・ムホー「混色 色が回る。色が混ざる。心が動く。」

その花を回転させているのがベアリングです。主催するのは日本精工株式会社。国内のベアリング業界の最王手です。世界シェアでも3位。今年で創立100周年を迎えました。ベアリングは社会のありとあらゆるシーンで用いられています。そこへ今回、新たな動きの可能性を探るべく6組のクリエーターと協働。「SENSE OF MOTION」と題した展覧会を開きました。


ライゾマティクスリサーチ「Slide」

ライゾマティクスリサーチは人の動きをボールねじで表現する彫刻作品を展示。ちなみにボールねじとはねじ軸、ナット、ボールから構成される機械部品のことです。日本精工が世界一の生産量を誇ります。


Nadegata Instant Party(中崎透+山城大督+野田智子)「ルーフトップ・メリーゴーランド NSK ver.」

メリーゴーランドを制作したのは、中崎透、山城大督、野田智子の3名によるNadegata Instant Partyです。模型サイズです。横のバーを押すと回ります。回転の中心はもちろんベアリングです。そして面白いのは中にもたくさんの機械部品が入れられていることです。これを都市に見立てます。


Nadegata Instant Party(中崎透+山城大督+野田智子)「ルーフトップ・メリーゴーランド NSK ver.」

さらに内部にはカメラがあり、メリーゴーランドの動きと連動していました。映像は作品横のモニターに映し出されます。つまりメリーゴーランドを回すと機械都市の光景も動くというわけです。


石黒猛「Soft Metal Structure Ball」

数千個ものベアリングやスプリングを使用したのが石黒猛です。作ったのはボール。直径1.5メートルです。パーツは複雑に組み合わさっています。重量感がありました。しかしスプリングの効果なのでしょう。触れるとゴムボールのように緩やかに沈みます。独特の弾力感です。金属らしからぬ質感を味わうことが出来ました。


AR三兄弟「箱男」

安部公房の小説「箱男」に着想を得ています。開発ユニットのAR三兄弟です。「箱男」とは段ボールをかぶり、覗き窓から街を歩いたという男の物語です。それを具現化させようとしたのでしょうか。段ボールを用意。実際にかぶって覗き穴から外を見ることが出来ます。



仕掛けはAR、つまり拡張現実でした。とあるモチーフを装置にかざすと、対応した映像が箱の中に投影されます。現実と虚構を彷徨う試みです。モチーフは3種。私の時は機器の不良のため、1つしか見られませんでした。ただしそれでも段ボールをかぶって映像を見やるという体験はなかなか出来ません。


スズキユウリ+SLOW LABEL「Tutti in C」

スズキユウリとSLOW LABELは巨大なピンホールマシンを制作しました。球は金属です。打つ返すフリッパーも日本精工の製品でした。もちろん実際に球を打ち上げて遊ぶことも出来ます。フリッパーの動作装置は側面にもあります。参加人数は最大で6名まで可能だそうです。

とはいえ、何も単なるピンホールマシンというわけではありません。実は楽器でした。というのも白く円い部品に球を当てるとオルガンの音が出るのです。球を打ち合えば打ち合うほど色々な音が鳴ります。複数で体験した方が面白いかもしれません。



入場は無料です。11月20日まで開催されています。

「SENSE OF MOTION あたらしい動きの展覧会」 スパイラルガーデン(@SPIRAL_jp
会期:11月9日(水)~11月20日(日)
休館:会期中無休
時間:11:00~20:00
料金:無料
住所:港区南青山5-6-23
交通:東京メトロ銀座線・半蔵門線・千代田線表参道駅B1出口すぐ。
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