「Les Parfums Japonaisー香りの意匠、100年の歩み」 資生堂ギャラリー

資生堂ギャラリー
「Les Parfums Japonaisー香りの意匠、100年の歩み」 
11/2~12/25



資生堂ギャラリーで開催中の「Les Parfums Japonaisー香りの意匠、100年の歩み」を見てきました。

資生堂の初代社長の福原信三は、化粧品製造にあたり、「商品の芸術化」という理念を掲げていたそうです。

まさしく「香りの芸術」です。新旧に様々な香水瓶が会場を美しく彩っています。



最も古い香水瓶は1901年。パリの老舗化粧品メーカーのピヴェールの「アズレア」でした。さらにガレの「蝉」と続きます。福原は1913年、アメリカ留学の後、ヨーロッパに立ち寄りました。とりわけパリの芸術文化に感化されたそうです。全盛期を過ぎたとはいえ、アール・ヌーヴォーのスタイルは街の随所に見られたことでしょう。そうしたパリでの滞在経験が化粧品デザインのヒントになりました。



福原が銀座に化粧品店を開店したのは1916年のことです。翌年、資生堂初の香水である「花椿」を発売しました。形状やレーベルのデザインには同時代のパリの香水瓶の特徴を見ることが出来ます。ヨーロッパの本格的な香水の品質に近づくべく努力を重ねました。



もちろん単に西洋の模倣に留まっていたわけではありません。「藤」や「菊」、そして「銀座」といった日本的なモチーフも積極的に発信。資生堂ならではのオリジナルな香水を制作します。

戦後、資生堂は日本風の香水「禅」を海外向けに発表しました。瓶のデザインは日本の漆芸の蒔絵です。さらに「琴」や「舞」も販売。瓶には書をあしらっています。「商品の芸術化」の理念は時代を超えても変わらずに受け継がれました。



最新の香水は今年制作された「マツダ Soul of Motion」でした。自動車メーカーのマツダと協働。同社の次世代商品群のデザインコンセプトである「魂動」を香水瓶のデザインとして表現しています。



それにしても何ともスタイリッシュな展示ではないでしょうか。ひたすらに美しい。会場の演出はインタラクティブ・アートのグループ「plaplax(プラプラックス)」とコラボレーションです。什器は植物、ケースは雫を表しています。また香水のネーミングに着目したインタラクティブな仕掛けもありました。



12月25日まで開催されています。

「Les Parfums Japonaisー香りの意匠、100年の歩み」 資生堂ギャラリー@ShiseidoGallery
会期:11月2日(水)~12月25日(日)
休廊:毎週月曜日
料金:無料
時間:11:00~19:00(平日)、11:00~18:00(日・祝)
住所:中央区銀座8-8-3 東京銀座資生堂ビル地下1階
交通:東京メトロ銀座線・日比谷線・丸ノ内線銀座駅A2出口から徒歩4分。東京メトロ銀座線新橋駅3番出口から徒歩4分。
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