都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
2017年10月に見たい展覧会
多くの展覧会が始まった9月では、千葉市美術館の「ボストン美術館浮世絵名品展 鈴木春信」が、特に印象に残りました。ボストン美術館の春信コレクションは、想像以上に状態が良く、初めて見るような発色の美しい作品も少なくありませんでした。会期は今月23日までですが、まだの方は是非ともお勧めしたいと思います。
大型の展覧会では、東京国立博物館で、運慶展が始まりました。事前の期待も大きかったのか、早くも土日の午前中の一部時間帯に、入場のための待ち時間が発生しました。何せ知名度抜群の運慶です。会期中盤以降、後半にかけては、長蛇の列となるかもしれません。
10月に見たい展覧会をリストアップしてみました。
展覧会
・「上村松園ー美人画の精華」 山種美術館(~10/22)
・「素心伝心 クローン文化財 失われた刻の再生」 東京藝術大学大学美術館(~10/26)
・「安藤忠雄 21_21の現場 悪戦苦闘」 21_21 DESIGN SIGHT(10/7~10/28)
・「馬の美術150選ー山口晃『厩圖2016』完成披露」 馬の博物館(~10/29)
・「あざみ野コンテンポラリー vol.8 渡辺豪 ディスロケーション」 横浜市民ギャラリーあざみ野(10/7〜10/29)
・「マックス・クリンガー版画展」 神奈川県立近代美術館葉山館(~11/5)
・「天下を治めた絵師 狩野元信」 サントリー美術館(~11/5)
・「生誕120年 東郷青児展 抒情と美のひみつ」 東郷青児記念損保ジャパン日本興亜美術館(~11/12)
・「丸木スマ展ーおばあちゃん画家の夢」 丸木美術館(~11/18)
・「長沢芦雪展 京(みやこ)のエンターテイナー」 愛知県美術館(10/6~11/19)
・「フランス人間国宝展」 東京国立博物館(~11/26)
・「長谷川等伯障壁画展 南禅寺天授庵と細川幽斎」 永青文庫(~11/26)
・「長島有里枝 そしてひとつまみの皮肉と、愛を少々。」 東京都写真美術館(~11/26)
・「特別展覧会 国宝」 京都国立博物館(10/3~11/26)
・「三沢厚彦 アニマルハウス 謎の館」 渋谷区立松濤美術館(10/7~11/26)
・「フェリーチェ・ベアトの写真 人物・風景と日本の洋画」 DIC川村記念美術館(~12/3)
・「シャガール 三次元の世界」 東京ステーションギャラリー(~12/3)
・「表現への情熱 カンディンスキー、ルオーと色の冒険者たち」 パナソニック汐留ミュージアム(10/17~12/20)
・「知られざるスイスの画家 オットー・ネーベル展」 Bunkamuraザ・ミュージアム(10/7~12/17)
・「怖い絵展」 上野の森美術館(10/7~12/17)
・「安藤忠雄展ー挑戦」 国立新美術館(~12/18)
・「田原桂一『光合成』with 田中泯」 原美術館(~12/24)
・「単色のリズム 韓国の抽象」 東京オペラシティアートギャラリー(10/14~12/24)
・「パリ♥グラフィックーロートレックとアートになった版画・ポスター展」 三菱一号館美術館(10/18~2018/1/8)
・「野生展:飼いならされない感覚と思考」 21_21 DESIGN SIGHT(10/20~2018/2/4)
ギャラリー
・「鏡と穴ー彫刻と写真の界面 vol.4 小松浩子」 ギャラリーαM(~10/14)
・「高田唯展 遊泳グラフィック」 クリエイションギャラリーG8(~10/19)
・「青山悟展 News From Nowhere」 ミヅマアートギャラリー(~10/21)
・「中西夏之展」 SCAI THE BATHHOUSE(~10/28)
・「ミュージアム・オブ・トゥギャザー」 スパイラルガーデン(10/13〜10/31)
・「アレッサンドロ・ラホ Jessica」 TARONASU(10/13〜11/4)
・「アルベルト・ヨナタン TERRENE」 ポーラ・ミュージアム・アネックス(10/7〜11/5)
・「組版造形 白井敬尚」 ギンザ・グラフィック・ギャラリー(~11/7)
・「人・建築・都市を記憶するーレンズ付きフィルムによる写真展 100人の日本橋」 ギャラリーA4(10/13~11/9)
・「椛田ちひろー見知らぬ惑星」 アートフロントギャラリー(10/6〜11/12)
・「榎倉康二 Figure」 タカ・イシイギャラリー 東京(10/20〜11/18)
・「超絶記録!西山夘三のすまい採集帖」 リクシルギャラリー(~11/25)
兵庫県立美術館で話題を集めた「怖い絵」展が、いよいよ上野の森美術館へとやって来ます。

「怖い絵展」@上野の森美術館(10/7~12/17)
ドイツ文学者の中野京子氏の著作、「怖い絵」シリーズが、初めて展覧会の形として実現しました。近代ヨーロッパの絵画、版画より、悪魔、地獄、怪物、また神話や聖書、さらに幻視などをモチーフとした作品が、約80点ほど展示されます。ロンドンのナショアンル・ギャラリーの、「レディ・ジェーン・グレイの処刑」(ポール・ドラローシュ作)も初来日しました。
人気のシリーズだけあるのか、兵庫会場では計27万名もの入場者を記録しました。何せ手狭な上野の森のスペースのことです。早々からかなり混雑するかもしれません。
続いて日本美術です。江戸の奇想の絵師、長沢芦雪の回顧展が、愛知県美術館で行われます。

「長沢芦雪展 京(みやこ)のエンターテイナー」@愛知県美術館(10/6~11/19)
芦雪の大規模な回顧展といえば、2011年、滋賀のMIHO MUSEUMにおいて、「長沢芦雪 奇は新なり」と題した展覧会が開催されました。
今回の最大の見どころは、有名な「虎図襖」を含む、無量寺方丈の空間再現展示です。さらに同間を挟む2部屋の襖絵も再現展示し、芦雪の代表作を空間全体で味わえるように工夫されます。また4点の初公開作品も加わるそうです。
実は私も芦雪は大好きな絵師の一人ですが、MIHOの展覧会を行きそびれてしまいました。今度こそは見逃さないようにしたいと思います。
この秋の最大の目玉かもしれません。国宝誕生120周年を記念し、京都国立博物館で「特別展覧会 国宝」が開催されます。

「特別展覧会 国宝」@京都国立博物館(10/3~11/26)
現在、国宝の美術工芸品の855件のうち、4分の1の200件が集結し、計4回の会期に分けて公開される展覧会です。また雪舟の国宝指定品6点の同時展示や、光琳の「燕子花図屏風」の100年ぶりの里帰りなどの話題にも事欠きません。会期直前には、通常、非公開の、京都・龍光院の「曜変天目」の出展も発表されました。
どの会期に出掛けるのか悩ましいところですが、公式サイトの「日程別作品検索」が思いの外に良く出来ています。色々と参考になりそうです。
また上のリストにはあげませんでしたが、今月は、あべのハルカス美術館で、「大英博物館 国際共同プロジェクト 北斎」展もはじまります。

「大英博物館 国際共同プロジェクト 北斎ー富士を超えて」@あべのハルカス美術館(10/6〜11/19)
さらに月末には、奈良国立博物館で、恒例の「正倉院展」もスタートします。この秋は、名古屋、そして関西の日本美術展に大いに注目が集まりそうです。
それでは今月も宜しくお願いします。
大型の展覧会では、東京国立博物館で、運慶展が始まりました。事前の期待も大きかったのか、早くも土日の午前中の一部時間帯に、入場のための待ち時間が発生しました。何せ知名度抜群の運慶です。会期中盤以降、後半にかけては、長蛇の列となるかもしれません。
10月に見たい展覧会をリストアップしてみました。
展覧会
・「上村松園ー美人画の精華」 山種美術館(~10/22)
・「素心伝心 クローン文化財 失われた刻の再生」 東京藝術大学大学美術館(~10/26)
・「安藤忠雄 21_21の現場 悪戦苦闘」 21_21 DESIGN SIGHT(10/7~10/28)
・「馬の美術150選ー山口晃『厩圖2016』完成披露」 馬の博物館(~10/29)
・「あざみ野コンテンポラリー vol.8 渡辺豪 ディスロケーション」 横浜市民ギャラリーあざみ野(10/7〜10/29)
・「マックス・クリンガー版画展」 神奈川県立近代美術館葉山館(~11/5)
・「天下を治めた絵師 狩野元信」 サントリー美術館(~11/5)
・「生誕120年 東郷青児展 抒情と美のひみつ」 東郷青児記念損保ジャパン日本興亜美術館(~11/12)
・「丸木スマ展ーおばあちゃん画家の夢」 丸木美術館(~11/18)
・「長沢芦雪展 京(みやこ)のエンターテイナー」 愛知県美術館(10/6~11/19)
・「フランス人間国宝展」 東京国立博物館(~11/26)
・「長谷川等伯障壁画展 南禅寺天授庵と細川幽斎」 永青文庫(~11/26)
・「長島有里枝 そしてひとつまみの皮肉と、愛を少々。」 東京都写真美術館(~11/26)
・「特別展覧会 国宝」 京都国立博物館(10/3~11/26)
・「三沢厚彦 アニマルハウス 謎の館」 渋谷区立松濤美術館(10/7~11/26)
・「フェリーチェ・ベアトの写真 人物・風景と日本の洋画」 DIC川村記念美術館(~12/3)
・「シャガール 三次元の世界」 東京ステーションギャラリー(~12/3)
・「表現への情熱 カンディンスキー、ルオーと色の冒険者たち」 パナソニック汐留ミュージアム(10/17~12/20)
・「知られざるスイスの画家 オットー・ネーベル展」 Bunkamuraザ・ミュージアム(10/7~12/17)
・「怖い絵展」 上野の森美術館(10/7~12/17)
・「安藤忠雄展ー挑戦」 国立新美術館(~12/18)
・「田原桂一『光合成』with 田中泯」 原美術館(~12/24)
・「単色のリズム 韓国の抽象」 東京オペラシティアートギャラリー(10/14~12/24)
・「パリ♥グラフィックーロートレックとアートになった版画・ポスター展」 三菱一号館美術館(10/18~2018/1/8)
・「野生展:飼いならされない感覚と思考」 21_21 DESIGN SIGHT(10/20~2018/2/4)
ギャラリー
・「鏡と穴ー彫刻と写真の界面 vol.4 小松浩子」 ギャラリーαM(~10/14)
・「高田唯展 遊泳グラフィック」 クリエイションギャラリーG8(~10/19)
・「青山悟展 News From Nowhere」 ミヅマアートギャラリー(~10/21)
・「中西夏之展」 SCAI THE BATHHOUSE(~10/28)
・「ミュージアム・オブ・トゥギャザー」 スパイラルガーデン(10/13〜10/31)
・「アレッサンドロ・ラホ Jessica」 TARONASU(10/13〜11/4)
・「アルベルト・ヨナタン TERRENE」 ポーラ・ミュージアム・アネックス(10/7〜11/5)
・「組版造形 白井敬尚」 ギンザ・グラフィック・ギャラリー(~11/7)
・「人・建築・都市を記憶するーレンズ付きフィルムによる写真展 100人の日本橋」 ギャラリーA4(10/13~11/9)
・「椛田ちひろー見知らぬ惑星」 アートフロントギャラリー(10/6〜11/12)
・「榎倉康二 Figure」 タカ・イシイギャラリー 東京(10/20〜11/18)
・「超絶記録!西山夘三のすまい採集帖」 リクシルギャラリー(~11/25)
兵庫県立美術館で話題を集めた「怖い絵」展が、いよいよ上野の森美術館へとやって来ます。

「怖い絵展」@上野の森美術館(10/7~12/17)
ドイツ文学者の中野京子氏の著作、「怖い絵」シリーズが、初めて展覧会の形として実現しました。近代ヨーロッパの絵画、版画より、悪魔、地獄、怪物、また神話や聖書、さらに幻視などをモチーフとした作品が、約80点ほど展示されます。ロンドンのナショアンル・ギャラリーの、「レディ・ジェーン・グレイの処刑」(ポール・ドラローシュ作)も初来日しました。
「怖い絵」展が10月7日から上野の森美術館で開幕!前売券は10月6日までの販売です。兵庫展はお陰様で多くのお客様にご来場いただき、当日券購入まで1時間お待たせする日もありました。可能でしたら前売券をご購入の上、会期早めの平日来場がおすすめです。後半になるほどに混雑が予想されます…
— 「怖い絵」展 (@kowaie_ten) 2017年10月1日
人気のシリーズだけあるのか、兵庫会場では計27万名もの入場者を記録しました。何せ手狭な上野の森のスペースのことです。早々からかなり混雑するかもしれません。
続いて日本美術です。江戸の奇想の絵師、長沢芦雪の回顧展が、愛知県美術館で行われます。

「長沢芦雪展 京(みやこ)のエンターテイナー」@愛知県美術館(10/6~11/19)
芦雪の大規模な回顧展といえば、2011年、滋賀のMIHO MUSEUMにおいて、「長沢芦雪 奇は新なり」と題した展覧会が開催されました。
本日、中日新聞朝刊に長沢芦雪展の見開き特集が掲載されました!一部だけ、ちらっと紹介。企画協力の明治学院大学・山下裕二教授に原稿を寄せてもらっております♪ 担当者ながら、早く展覧会を見たい!と思ってしまいました(笑) #芦雪 pic.twitter.com/carlsjgJYs
— 長沢芦雪展公式 (@rosetsu2017) 2017年9月15日
今回の最大の見どころは、有名な「虎図襖」を含む、無量寺方丈の空間再現展示です。さらに同間を挟む2部屋の襖絵も再現展示し、芦雪の代表作を空間全体で味わえるように工夫されます。また4点の初公開作品も加わるそうです。
実は私も芦雪は大好きな絵師の一人ですが、MIHOの展覧会を行きそびれてしまいました。今度こそは見逃さないようにしたいと思います。
この秋の最大の目玉かもしれません。国宝誕生120周年を記念し、京都国立博物館で「特別展覧会 国宝」が開催されます。

「特別展覧会 国宝」@京都国立博物館(10/3~11/26)
明日からいよいよ、開館120周年記念 特別展覧会「国宝」がはじまるよ!ボクもとっても楽しみだリン♪#トラりん #京都国立博物館 #国宝 pic.twitter.com/nGtiVNVSCr
— 京都国立博物館 トラりん (@TORARINOFFICIAL) 2017年10月2日
現在、国宝の美術工芸品の855件のうち、4分の1の200件が集結し、計4回の会期に分けて公開される展覧会です。また雪舟の国宝指定品6点の同時展示や、光琳の「燕子花図屏風」の100年ぶりの里帰りなどの話題にも事欠きません。会期直前には、通常、非公開の、京都・龍光院の「曜変天目」の出展も発表されました。
どの会期に出掛けるのか悩ましいところですが、公式サイトの「日程別作品検索」が思いの外に良く出来ています。色々と参考になりそうです。
また上のリストにはあげませんでしたが、今月は、あべのハルカス美術館で、「大英博物館 国際共同プロジェクト 北斎」展もはじまります。

「大英博物館 国際共同プロジェクト 北斎ー富士を超えて」@あべのハルカス美術館(10/6〜11/19)
さらに月末には、奈良国立博物館で、恒例の「正倉院展」もスタートします。この秋は、名古屋、そして関西の日本美術展に大いに注目が集まりそうです。
それでは今月も宜しくお願いします。
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