「アルベルト・ヨナタン TERRENE」 ポーラミュージアムアネックス

ポーラミュージアムアネックス
「アルベルト・ヨナタン TERRENE」
10/7〜11/5



ポーラミュージアムアネックスで開催中の「アルベルト・ヨナタン TERRENE」を見てきました。

1983年にインドネシアに生まれたアルベルト・ヨナタンは、バンドンの工科大学陶芸学部を卒業後、京都に拠点を移して活動中です。2013年の第55回ヴェネツィア・ビエンナーレでは、インドネシア代表アーティストの1人として、最年少で選出されました。

タイトルの「Terrene」とは、「土からきたもの又は土のようなものを定義」(解説より)しています。主に陶磁器を用いたインスタレーションを展示していました。



否応なしに視線が下へと誘われます。床面での展開です。小さな屋根のような形をしたオブジェが、円を描くように広がっていました。その下にはさらに粉が積まれています。ランプのようでもあり、はたまた小さな仏塔のようにも見えました。何を意図しているのでしょうか。



さらに同じく床では菱形の彫刻がたくさん連なっています。一見すると、木のようにも思えるかもしれません。



より精巧なのが、鳥をモチーフとした作品でした。近づくとご覧のように、くちばしや羽の模様なども細かに再現されていることが分かります。やはり木彫りのようにも見えましたが、改めて素材を確認したところ、紛れもなく陶、テラコッタでした。見事な造形ではないでしょうか。



ほかにドローイングや映像なども加わります。ヨナタンは展示の目的を、「物質と無形、世俗的と精神的など、正反対同士の間を探ること」(解説より)にあると語っています。

ところで、アルベルト・ヨナタンの作品ですが、現在、ポーラ・アネックス以外の場所でも見ることが出来ます。

というのも、作家は、森美術館で開催中の「サンシャワー・東南アジアの現代美術展」にも参加しているからです。


アルベルト・ヨナタン「ヘリオス」 2017年 *「サンシャワー展」(森美術館会場)での展示風景。

それがギリシャの太陽神を意味する「ヘリオス」でした。キリスト教における天使セラフィムと、花を象徴した象った陶磁器による作品で、小型の陶を壁に計2000個も並べていました。記憶に新しい方も多いのではないでしょうか。

ヨナタンは作品の全てのパーツを、雛形を使用せずに制作しているそうです。つまり一つ一つが手作りです。俄かには分かりませんでしたが、ひょっとすると個々に歪みがあったり、微妙に大きさも異なっているかもしれません。



粘土を通して土に向き合うアルベルト・ヨナタン。その作品には神秘的な趣きも感じられました。


会期中は無休です。11月5日まで開催されています。

「アルベルト・ヨナタン TERRENE」 ポーラミュージアムアネックス@POLA_ANNEX
会期:10月7日(土)〜11月5日(日)
休館:会期中無休
料金:無料
時間:11:00~20:00 *入場は閉館の30分前まで
住所:中央区銀座1-7-7 ポーラ銀座ビル3階
交通:東京メトロ有楽町線銀座1丁目駅7番出口よりすぐ。JR有楽町駅京橋口より徒歩5分。
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