「柳原照弘展 Layerscape」 クリエイションギャラリーG8

クリエイションギャラリーG8
「柳原照弘展 Layerscape」
7/4~8/7



クリエイションギャラリーG8で開催中の「柳原照弘展 Layerscape」を見てきました。

1999年に大阪芸術大学を卒業した柳原照弘は、2002年にスタジオを設立し、家具やプロダクトのデザイン提供や、インテリアの設計など、デザイナーとして幅広く活動して来ました。

その柳原は、本展に際し、「平面と空間の境界線を探る旅」をしたいと語っています。それでは一体、どのような展示を行っていたのでしょうか。



まず目に飛び込んで来たのが、人を捉えた「Layerscape 2018」で、今回のために制作された10点の新作でした。朧げに浮かび上がる人物写真は、まるで背後に人が実在するかのようで、画面の一部には、チラシ表紙に記載された「TY」を分解したラインが刻まれていました。



いずれも1枚のポスターながらも、前後にラインと人の空間があるようで、確かに「平面と空間」は曖昧になっていました。



メッシュのカーテンの向こうにオブジェが置かれていました。それが「2016 / Edition Series」で、柳原がディレクターとして手がけた、佐賀県とオランダ共同の有田焼プロジェクトによって作られた陶の作品でした。



作品は全部で3種あり、青と白の壺が並んでいましたが、表面を覆う気泡のような質感が独特で、ともすると陶には見えないかもしれません。実際に、世界最小の構造体を持つ焼き物で、有田でしか製造することが出来ず、光をも透過させるそうです。



ガラスの球体の中で赤い花が咲いていました。「CONSTRICTED VOID」と題したオブジェで、一見するところ、花を閉じ込めているようにも思えましたが、実は水が入っていて、その屈折率により、見え方の変化する作品でした。



また同じく水を用いたのが、有田焼の「SAI」で、台の上に白いプレートが置かれていましたが、水が張られているため、赤い花びらが僅かに揺れている様子を見ることが出来ました。この「SAI」も、同じく有田焼のお皿でした。



会場最奥部で微かな光を放っていたのが、「FLAMES」と名付けられたキャンドルホルダーでした。カーテンせ仕切られた空間はほぼ暗室で、クリスタルの中に収められたキャンドルのみが輝いていました。



ホルダーには3色のフィルムが貼られていて、その反射の効果により、色が緑や赤へと変化していました。また少し角度を変えると、キャンドルの明かりが無限に連なっているようにも見えました。

「普段からクリエイティブの原点として意識している、平面と空間の曖昧な境界線を感じてもらいたいと思います。」柳原照弘 *公式サイトより



布のレイヤーも効果的で、会場を進むごとに、景色が変化していく様子がよく分かりました。作品自体はシンプルではありますが、立ち位置や距離により見え方が変化し、意外な発見も少なくありません。自由に歩きながら、しばし時間を忘れては楽しみました。


撮影も可能です。8月7日まで開催されています。

「柳原照弘展 Layerscape」 クリエイションギャラリーG8(@g8gallery
会期:7月4日(水)~8月7日(火)
休館:日・祝日。
時間:11:00~19:00。
料金:無料。
住所:中央区銀座8-4-17 リクルートGINZA8ビル1F
交通:JR線新橋駅銀座口、東京メトロ銀座線新橋駅5番出口より徒歩3分。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )