「岩崎貴宏 Layer and Folding」 銀座 蔦屋書店

銀座 蔦屋書店
「岩崎貴宏 Layer and Folding」
2018/12/27〜2019/1/14



銀座蔦屋書店で開催中の「岩崎貴宏 Layer and Folding」を見てきました。



予想以上に巨大な作品が待ち構えていました。それが「アウト・オブ・ディスオーダー」で、布や糸、それにワイヤーなどの日用品により、鉄塔や鉄線の連なる野山の光景を表現したインスタレーションでした。



宙に浮いて5面に展開する作品は、いずれも黒一色に染まっていて、起伏のある大地の地層と、その上で複雑に行き交う鉄線や橋脚などが緻密に作り上げられていました。それぞれの一面は2メートル以上もあるため、合わせると10メートルにも長さに及んでいました。



布のほかに綿棒なども素材としていて、山や丘に広がる木々を象っていました。半ば荒々しいまでの地層と、細かに組み上げられた鉄線や塔が対比的な姿を見せていて、何とも言い難い迫力も感じられました。



その「アウト・オブ・ディスオーダー」を囲むのが、書籍を用いた「テクトニック・モデル」で、本を建設中のビルに見立て、栞をクレーンに仕立てたシリーズでした。



本の上のクレーンは、一見、別に付けられたように思えるかもしれませんが、目を凝らすと、確かに栞を解いて作られていて、先の「アウト・オブ・ディスオーダー」と同様に、岩崎の緻密な制作、言い換えれば手仕事を知ることが出来ました。



岩崎はこの2点の作品で、スクラップ&ビルドを続ける「浮世の都市」(解説より)東京を、天井から俯瞰する視点で表現しようと試みたそうです。東京と書店という2つの場所を踏まえた、興味深いインスタレーションではないでしょうか。



繰り返しになりますが、会場は「GINZA SIX」6階の銀座蔦屋書店の店内中央に位置した、「GINZA ATRIUM」にて行われています。作品のほかにグッズも販売されていました。



なお岩崎は、「日産アートアワード2015」に出展したほか、2017年の「第57回ヴェネツィア・ビエンナーレ国際美術展」の日本館代表に選出されるなど、近年、活動の場を多様に広げている作家で、同じく2017年には「Penクリエイター・アワード」でも表彰を受けました。


観覧に料金はかかりません。1月14日まで開催されています。

「岩崎貴宏 Layer and Folding」 銀座 蔦屋書店
会期:2018年12月27日(木)〜2019年1月14日(月)
休廊:1月1日。
時間:10:00~22:30
料金:無料
住所:中央区銀座6-10-1 GINZA SIX 6F
交通:東京メトロ銀座線銀座駅A3出口より徒歩2分。東京メトロ日比谷線・都営浅草線東銀座駅A1出口より徒歩3分。JR線有楽町駅より徒歩10分。
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