都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「LONG LIFE DESIGN 1〜47都道府県の健やかなデザイン展」 渋谷ヒカリエ
渋谷ヒカリエ 8F d47 MUSEUM
「LONG LIFE DESIGN 1 〜47都道府県の健やかなデザイン展」
2018/12/7〜2019/3/4

渋谷ヒカリエ 8F d47 MUSEUMで開催中の「LONG LIFE DESIGN 1 〜47都道府県の健やかなデザイン展」を見てきました。
ロングライフデザインをテーマに、全国47都道府県の「その土地らしさ」(公式サイトより)を意識した品々が、渋谷ヒカリエにやって来ました。
それが「47都道府県の健やかなデザイン展」で、家具、調度品、衣服、食品、はたまた建材などにまで及び、ジャンルを問いませんでした。

端正なボウルに目を引かれました。青森県の「BUNACO BOWL」で、同県が資源量日本一を誇るブナ材を用いた食器でした。ブナの木製テープを用いた、類例のない方法で製造されていて、軽さと強度の双方で、有用性を兼ね備えることに成功しました。なおBUNAのブナは材料、そしてCOのコは、コイルを意味していました。

一枚一枚、セーターをオーダーメイドで編み上げているのが、宮城県の「気仙沼ニッティング」で、地域文化の編み物の技術を、高品質の手編みセーター事業に引き上げるべく作られました。素材は羊毛で、ヒノキ材のボタンが使用されていました。

日本初の国産ビール麦を用いたのが、茨城県の「常陸ネストビール ニッポニア」で、かつてこの地で栽培が途絶えた原種を、地元の農家と協力して復活させました。アルコール度数が高いため、10度から12度くらいの温度で味わうのがおすすめだそうです。

私の地元である千葉県では、九十九里で工房を構える、菅原工芸硝子のタンブラーが出展されていました。同工房の製品は、全て手吹きを中心としたハンドメイドであるものの、いわゆる一点物ではなく、レストランなどでも使えるように、形や厚みをほぼ一定に仕上げられました。先の茨城のビールを注ぐとより映えるかもしれません。

スタイリッシュな卓上コンロにも目がとまりました。それが東京都の「アモルフォ・プレミアム」で、カセットコンロでお馴染みの岩谷産業の製品でした。直線と円が特徴的なデザインですが、細かな火力調整や、安定した出力など、実用性や安全面も問題なく作られているそうです。

大阪府の「測量野帳」は、測量現場のニーズを反映したノートで、コクヨが1949年に発売しました。既に60年以上も世に送り続けられているロングセラーで、今も価格は216円とリーズナブルに設定されていました。シンプルながらも堅牢性を有していて、測量だけでなく、例えばレシピの記録など、幅広い分野に使われています。以前、東京国立博物館の「縄文展」にコラボの野帳が発売されましたが、確かに美術館や博物館でのメモにも重宝するかもしれません。

鳥取県の「Mokumoku Tablestand」も魅惑的でした。楮、三椏、雁皮の3種の和紙そのものを球体に漉き上げる、立体漉き和紙の技術が用いられていて、「雲のかたちを作ってみたい」として開発されたそうです。白く淡い光が空間を優しく灯していました。

また大分県の「坂本創 小鹿田焼」や、岡山県の「倉敷ノッティング 椅子敷き」なども印象に残りました。うち小鹿田焼は、日田で約300年続く焼き物に、次世代の陶芸家の創意を加えたもので、荒々しくも、手の温もりを感じるかのような姿を見せていました。

そのほかにも、いわゆる物産品ではなく、山口県では「金子みすゞ」、佐賀県では「唐津くんち」に関した文物など、文学や祭りをはじめ、北海道でアイヌの血を引くミュージシャンの活動なども紹介されていました。新たな時代を拓くデザインは、端的なモノを通り越し、人や文化にまで深く関わっていたようです。
会場内のショップでは、一部の展示品の販売も行われています。価格は、数百円単位から十万円以上と、相当に差がありましたが、お気に入りの品を探して歩くのも楽しいかもしれません。

なお本展は、「d47 MUSEUM」をプロデュースし、ロングライフデザインを提唱するナガオカケンメイが、2年に1度、「日本を定点観測」(公式サイトより)すべく企画された展覧会で、今回が第1回目に相当します。出展品に関しては、約半年以上かけて選定されました。
入場は無料です。3月4日まで開催されています。
「LONG LIFE DESIGN 1 〜47都道府県の健やかなデザイン展」(@d_d_NETSHOP)渋谷ヒカリエ 8F d47 MUSEUM(@hikarie8)
会期:2018年12月7日(金)〜2019年3月4日(月)
休館:2019年1月1日(火)
時間:11:00~20:00
*最終入館は19:30まで。
料金:無料。
住所:渋谷区渋谷2-21-1 渋谷ヒカリエ8階
交通:東急田園都市線、東京メトロ副都心線渋谷駅15番出口直結。東急東横線、JR線、東京メトロ銀座線、京王井の頭線渋谷駅と2F連絡通路で直結。
「LONG LIFE DESIGN 1 〜47都道府県の健やかなデザイン展」
2018/12/7〜2019/3/4

渋谷ヒカリエ 8F d47 MUSEUMで開催中の「LONG LIFE DESIGN 1 〜47都道府県の健やかなデザイン展」を見てきました。
ロングライフデザインをテーマに、全国47都道府県の「その土地らしさ」(公式サイトより)を意識した品々が、渋谷ヒカリエにやって来ました。
それが「47都道府県の健やかなデザイン展」で、家具、調度品、衣服、食品、はたまた建材などにまで及び、ジャンルを問いませんでした。

端正なボウルに目を引かれました。青森県の「BUNACO BOWL」で、同県が資源量日本一を誇るブナ材を用いた食器でした。ブナの木製テープを用いた、類例のない方法で製造されていて、軽さと強度の双方で、有用性を兼ね備えることに成功しました。なおBUNAのブナは材料、そしてCOのコは、コイルを意味していました。

一枚一枚、セーターをオーダーメイドで編み上げているのが、宮城県の「気仙沼ニッティング」で、地域文化の編み物の技術を、高品質の手編みセーター事業に引き上げるべく作られました。素材は羊毛で、ヒノキ材のボタンが使用されていました。

日本初の国産ビール麦を用いたのが、茨城県の「常陸ネストビール ニッポニア」で、かつてこの地で栽培が途絶えた原種を、地元の農家と協力して復活させました。アルコール度数が高いため、10度から12度くらいの温度で味わうのがおすすめだそうです。

私の地元である千葉県では、九十九里で工房を構える、菅原工芸硝子のタンブラーが出展されていました。同工房の製品は、全て手吹きを中心としたハンドメイドであるものの、いわゆる一点物ではなく、レストランなどでも使えるように、形や厚みをほぼ一定に仕上げられました。先の茨城のビールを注ぐとより映えるかもしれません。

スタイリッシュな卓上コンロにも目がとまりました。それが東京都の「アモルフォ・プレミアム」で、カセットコンロでお馴染みの岩谷産業の製品でした。直線と円が特徴的なデザインですが、細かな火力調整や、安定した出力など、実用性や安全面も問題なく作られているそうです。

大阪府の「測量野帳」は、測量現場のニーズを反映したノートで、コクヨが1949年に発売しました。既に60年以上も世に送り続けられているロングセラーで、今も価格は216円とリーズナブルに設定されていました。シンプルながらも堅牢性を有していて、測量だけでなく、例えばレシピの記録など、幅広い分野に使われています。以前、東京国立博物館の「縄文展」にコラボの野帳が発売されましたが、確かに美術館や博物館でのメモにも重宝するかもしれません。

鳥取県の「Mokumoku Tablestand」も魅惑的でした。楮、三椏、雁皮の3種の和紙そのものを球体に漉き上げる、立体漉き和紙の技術が用いられていて、「雲のかたちを作ってみたい」として開発されたそうです。白く淡い光が空間を優しく灯していました。

また大分県の「坂本創 小鹿田焼」や、岡山県の「倉敷ノッティング 椅子敷き」なども印象に残りました。うち小鹿田焼は、日田で約300年続く焼き物に、次世代の陶芸家の創意を加えたもので、荒々しくも、手の温もりを感じるかのような姿を見せていました。

そのほかにも、いわゆる物産品ではなく、山口県では「金子みすゞ」、佐賀県では「唐津くんち」に関した文物など、文学や祭りをはじめ、北海道でアイヌの血を引くミュージシャンの活動なども紹介されていました。新たな時代を拓くデザインは、端的なモノを通り越し、人や文化にまで深く関わっていたようです。
会場内のショップでは、一部の展示品の販売も行われています。価格は、数百円単位から十万円以上と、相当に差がありましたが、お気に入りの品を探して歩くのも楽しいかもしれません。

なお本展は、「d47 MUSEUM」をプロデュースし、ロングライフデザインを提唱するナガオカケンメイが、2年に1度、「日本を定点観測」(公式サイトより)すべく企画された展覧会で、今回が第1回目に相当します。出展品に関しては、約半年以上かけて選定されました。
【開催中です|LONG LIFE DESIGN 1 47都道府県の健やかなデザイン展】https://t.co/ICre8QvdvC pic.twitter.com/jxPFnS1tX8
— D&DEPARTMENT (@d_d_NETSHOP) 2018年12月23日
入場は無料です。3月4日まで開催されています。
「LONG LIFE DESIGN 1 〜47都道府県の健やかなデザイン展」(@d_d_NETSHOP)渋谷ヒカリエ 8F d47 MUSEUM(@hikarie8)
会期:2018年12月7日(金)〜2019年3月4日(月)
休館:2019年1月1日(火)
時間:11:00~20:00
*最終入館は19:30まで。
料金:無料。
住所:渋谷区渋谷2-21-1 渋谷ヒカリエ8階
交通:東急田園都市線、東京メトロ副都心線渋谷駅15番出口直結。東急東横線、JR線、東京メトロ銀座線、京王井の頭線渋谷駅と2F連絡通路で直結。
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