都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「オットー・クンツリ展」 東京都庭園美術館
東京都庭園美術館
「オットー・クンツリ展」
10/10-12/27
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5b/a8/2ac246df22611002feb854f8389dc3ee.jpg)
東京都庭園美術館で開催中の「オットー・クンツリ展」を見て来ました。
「コンテンポラリー・ジュエリーの分野を代表する」(展覧会サイトより)というスイス人アーティスト、オットー・クンツリ(1948~)。彼の制作の全体像を紹介する国際巡回展です。
2013年にミュンヘン、そして昨年はローザンヌの美術館で行われた回顧展の東京バージョン。日本では東京都庭園美術館のみでの開催です。
作品は約200件。ジュエリーのみならずインスタレーションや映像も含みます。また東京展のための新作も出品。お馴染みのアール・デコの館内を効果的に活かしています。
本館の一部と新館展示室の撮影が出来ました。
まず象徴的なのはチラシの表紙です。ハートのブローチ。モデルは舞踏家の石井かほるさんです。黒いドレスに付けられたのは燃え上がるように赤いハート。血の赤でもあります。まさに情熱的なまでの愛がこめられているのでしょうか。一目で脳裏に焼き付くかのような鮮烈なビジュアルです。シンプルながらも訴えかけるものの少なくないクンツリのジュエリー。その例の一つと言えるかもれません。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2c/e7/418b8c37b1c430332a0bb41991272659.jpg)
「2人のためのリング」(図版) 1980年
「2人のためのリング」には驚きました。2つのリングが一本の棒によって固く結びつけられています。このリングを身に付けようものならカップルはもう離れることを許されません。愛は時に強い束縛を伴うものでもある。そうリングが訴えているように見えました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/15/7b/67ba21181d3e1b35642c1eae9d8c734d.jpg)
「ビッグ・ファミリー」 2015年 インスタレーション マルチメディア
参加型のインスタレーションがありました。「ビッグ・ファミリー」です。小さな窪みのある白いテーブル。その上に来場者の持ち込んだ円い玉が置かれています。形さえ玉であれば何でも良いそうです。それを繋げては一つのネックレスを完成させていきます。大きさも形も素材も様々、中にはビーズやボタンもありました。一体どのようなネックレスが出来上がるのでしょうか。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/65/b6/3bd75587aab8c79dc3d6d1230bdf5384.jpg)
「チェンジ」 2003年~ ペンダント 銀、金
本館では作品と空間の関係にも要注目です。例えば姫宮客間です。タイトルは「チェンジ」。写真では分かりにくいかもしれませんが、床面には何枚もの円いペンダントが散っています。素材は金貨や銀貨です。しかし表面には何らの刻印もありません。これはクンツリ自らが削ったもの。世界各地のコインだったそうです。削られて匿名と化したコイン。本来の意味や用途から大きく変容しています。「果たしてコインは誰のものだろうか?」(解説シートより)。その言葉も心に残りました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/49/eb/ab9c4dd5a7122e7c542edcb2b97dbe6a.jpg)
「月と日」 2015年 インスタレーション ガラス、辰砂、胡粉白雪、木、漆
小食堂も面白いのではないでしょうか。同食堂は、朝香宮邸で唯一、和風のしつらえの残る部屋です。そこでクンツリはガラスに日本で見出したという色、すなわち赤と白を取り入れた「月と日」というオブジェを展示しています。なお素材は同じく日本に伝統的な胡粉や漆、そして辰砂を用いているそうです。
そもそもクンツリ自身、制作のインスピレーションを日本から多く受けたと語っています。また印章を取り入れたジュエリーや漆芸作家とのコラボ作品も興味深い。備長炭まで素材に引用していたのには驚きました。クンツリと日本の文化との関係に着目して見るのも面白いかもしれません。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1e/fa/5fb45a01b8b5d02142d599653a766251.jpg)
「オットー・クンツリ展(新館)」展示室風景
一方、新館では旧作から新作までを一室で紹介しています。広いホワイトキューブです。本館とはがらりと雰囲気が変わります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6b/73/d3197f1fcf415cf9e3d00fe81e8b0fd7.jpg)
「チェーン」 1985~86年 48個の使われた結婚指輪、金 レンバッハハウス美術館(ミュンヘン)
使い古しの結婚指輪を使っているそうです。名は「チェーン」。全部で48個です。クンツリは指輪を集めるために新聞に広告を出し、さらに提供者にインタビューを行いました。指輪の一つ一つには提供した人物のドラマがあります。中には死別したカップルもいるかもしれません。光り輝く金のネックレス。その煌めきの裏には別れや死が見え隠れしています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/68/42/4cc9abc32720747a04afd00b47e8d3d0.jpg)
「ミラー・ブローチ」 1990-91年 黒化した銀、鏡 ギャラリー・ウィテンブリンク(ミュンヘン)
「ミラー・リング」や「ミラー・ブローチ」も目を引きます。ほかにもエッジの効いた作品ばかり。一般的なジュエリーのイメージは簡単に吹き飛んでしまいます。そもそも如何にして身につけるのでしょうか。その意味では「ジュエリーとは何か」という問題も提起しているのかもしれません。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/57/03/5e7ac2fe2557421c16db026da6ccb40f.jpg)
「くさび」 2003年 ペンダント ステンレス
クンツリの豊かなアイデアと稀なセンス。ジュエリーから人間の身体を通して社会への鋭い眼差しも見ることが出来ます。美しいものはかくも先鋭的でかつ刺激的なのでしょうか。実のところ私にとって未知のアーティストでしたが、思わず時間を忘れて見入ってしまいました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/57/72/c245ad52c59c97252829f6fb1724010f.jpg)
「輝き」 1989年 眼鏡 金、銀
12月27日まで開催されています。これはおすすめします。
「オットー・クンツリ展」 東京都庭園美術館(@teienartmuseum)
会期:10月10日(土)~12月27日(日)
休館:毎月第2・第4水曜日(10/14、10/28、11/11、11/15、12/9、12/24)。但し12/23(水・祝)は開館。
時間:10:00~18:00。
*入館は閉館の30分前まで。
料金:一般1000(800)円 、大学生800(640)円、中・高校生・65歳以上500(400)円。
*( )内は20名以上の団体料金。
*小学生以下および都内在住在学の中学生は無料。
*第3水曜日のシルバーデーは65歳以上無料。
住所:港区白金台5-21-9
交通:都営三田線・東京メトロ南北線白金台駅1番出口より徒歩6分。JR線・東急目黒線目黒駅東口、正面口より徒歩7分。
「オットー・クンツリ展」
10/10-12/27
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5b/a8/2ac246df22611002feb854f8389dc3ee.jpg)
東京都庭園美術館で開催中の「オットー・クンツリ展」を見て来ました。
「コンテンポラリー・ジュエリーの分野を代表する」(展覧会サイトより)というスイス人アーティスト、オットー・クンツリ(1948~)。彼の制作の全体像を紹介する国際巡回展です。
2013年にミュンヘン、そして昨年はローザンヌの美術館で行われた回顧展の東京バージョン。日本では東京都庭園美術館のみでの開催です。
作品は約200件。ジュエリーのみならずインスタレーションや映像も含みます。また東京展のための新作も出品。お馴染みのアール・デコの館内を効果的に活かしています。
本館の一部と新館展示室の撮影が出来ました。
まず象徴的なのはチラシの表紙です。ハートのブローチ。モデルは舞踏家の石井かほるさんです。黒いドレスに付けられたのは燃え上がるように赤いハート。血の赤でもあります。まさに情熱的なまでの愛がこめられているのでしょうか。一目で脳裏に焼き付くかのような鮮烈なビジュアルです。シンプルながらも訴えかけるものの少なくないクンツリのジュエリー。その例の一つと言えるかもれません。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2c/e7/418b8c37b1c430332a0bb41991272659.jpg)
「2人のためのリング」(図版) 1980年
「2人のためのリング」には驚きました。2つのリングが一本の棒によって固く結びつけられています。このリングを身に付けようものならカップルはもう離れることを許されません。愛は時に強い束縛を伴うものでもある。そうリングが訴えているように見えました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/15/7b/67ba21181d3e1b35642c1eae9d8c734d.jpg)
「ビッグ・ファミリー」 2015年 インスタレーション マルチメディア
参加型のインスタレーションがありました。「ビッグ・ファミリー」です。小さな窪みのある白いテーブル。その上に来場者の持ち込んだ円い玉が置かれています。形さえ玉であれば何でも良いそうです。それを繋げては一つのネックレスを完成させていきます。大きさも形も素材も様々、中にはビーズやボタンもありました。一体どのようなネックレスが出来上がるのでしょうか。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/65/b6/3bd75587aab8c79dc3d6d1230bdf5384.jpg)
「チェンジ」 2003年~ ペンダント 銀、金
本館では作品と空間の関係にも要注目です。例えば姫宮客間です。タイトルは「チェンジ」。写真では分かりにくいかもしれませんが、床面には何枚もの円いペンダントが散っています。素材は金貨や銀貨です。しかし表面には何らの刻印もありません。これはクンツリ自らが削ったもの。世界各地のコインだったそうです。削られて匿名と化したコイン。本来の意味や用途から大きく変容しています。「果たしてコインは誰のものだろうか?」(解説シートより)。その言葉も心に残りました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/49/eb/ab9c4dd5a7122e7c542edcb2b97dbe6a.jpg)
「月と日」 2015年 インスタレーション ガラス、辰砂、胡粉白雪、木、漆
小食堂も面白いのではないでしょうか。同食堂は、朝香宮邸で唯一、和風のしつらえの残る部屋です。そこでクンツリはガラスに日本で見出したという色、すなわち赤と白を取り入れた「月と日」というオブジェを展示しています。なお素材は同じく日本に伝統的な胡粉や漆、そして辰砂を用いているそうです。
そもそもクンツリ自身、制作のインスピレーションを日本から多く受けたと語っています。また印章を取り入れたジュエリーや漆芸作家とのコラボ作品も興味深い。備長炭まで素材に引用していたのには驚きました。クンツリと日本の文化との関係に着目して見るのも面白いかもしれません。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1e/fa/5fb45a01b8b5d02142d599653a766251.jpg)
「オットー・クンツリ展(新館)」展示室風景
一方、新館では旧作から新作までを一室で紹介しています。広いホワイトキューブです。本館とはがらりと雰囲気が変わります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6b/73/d3197f1fcf415cf9e3d00fe81e8b0fd7.jpg)
「チェーン」 1985~86年 48個の使われた結婚指輪、金 レンバッハハウス美術館(ミュンヘン)
使い古しの結婚指輪を使っているそうです。名は「チェーン」。全部で48個です。クンツリは指輪を集めるために新聞に広告を出し、さらに提供者にインタビューを行いました。指輪の一つ一つには提供した人物のドラマがあります。中には死別したカップルもいるかもしれません。光り輝く金のネックレス。その煌めきの裏には別れや死が見え隠れしています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/68/42/4cc9abc32720747a04afd00b47e8d3d0.jpg)
「ミラー・ブローチ」 1990-91年 黒化した銀、鏡 ギャラリー・ウィテンブリンク(ミュンヘン)
「ミラー・リング」や「ミラー・ブローチ」も目を引きます。ほかにもエッジの効いた作品ばかり。一般的なジュエリーのイメージは簡単に吹き飛んでしまいます。そもそも如何にして身につけるのでしょうか。その意味では「ジュエリーとは何か」という問題も提起しているのかもしれません。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/57/03/5e7ac2fe2557421c16db026da6ccb40f.jpg)
「くさび」 2003年 ペンダント ステンレス
クンツリの豊かなアイデアと稀なセンス。ジュエリーから人間の身体を通して社会への鋭い眼差しも見ることが出来ます。美しいものはかくも先鋭的でかつ刺激的なのでしょうか。実のところ私にとって未知のアーティストでしたが、思わず時間を忘れて見入ってしまいました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/57/72/c245ad52c59c97252829f6fb1724010f.jpg)
「輝き」 1989年 眼鏡 金、銀
12月27日まで開催されています。これはおすすめします。
「オットー・クンツリ展」 東京都庭園美術館(@teienartmuseum)
会期:10月10日(土)~12月27日(日)
休館:毎月第2・第4水曜日(10/14、10/28、11/11、11/15、12/9、12/24)。但し12/23(水・祝)は開館。
時間:10:00~18:00。
*入館は閉館の30分前まで。
料金:一般1000(800)円 、大学生800(640)円、中・高校生・65歳以上500(400)円。
*( )内は20名以上の団体料金。
*小学生以下および都内在住在学の中学生は無料。
*第3水曜日のシルバーデーは65歳以上無料。
住所:港区白金台5-21-9
交通:都営三田線・東京メトロ南北線白金台駅1番出口より徒歩6分。JR線・東急目黒線目黒駅東口、正面口より徒歩7分。
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「金銀の系譜~宗達・光琳・抱一をめぐる美の世界」 静嘉堂文庫美術館
静嘉堂文庫美術館
「金銀の系譜~宗達・光琳・抱一をめぐる美の世界」
10/31-12/23
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/33/85/cabac0f0d4b493d1b062fb77cfa8fcfd.jpg)
静嘉堂文庫美術館で開催中の「金銀の系譜~宗達・光琳・抱一をめぐる美の世界」のプレスプレビューに参加してきました。
2014年より設備改修工事のため休館していた静嘉堂文庫美術館。約1年半ぶりのリニューアルオープンです。それを記念して館蔵の琳派コレクションのほか、同時代の絵画や工芸、さらには「曜変天目」などを紹介した展覧会が行われています。
さてタイトルにもある金と銀。うちやはり注目したいのは宗達と抱一です。もちろん金は宗達で銀は抱一。「源氏物語関屋・澪標図屏風」と「波図屏風」の同時展示です。なかでも宗達の「源氏物語関屋・澪標図屏風」は約10年ぶりの出展。かの東京国立博物館の大琳派展にも出ていませんでした。理由は状態です。元々、かなり痛んでいたため、平成22年より約3年間ほど修復作業がなされました。それを終えての公開というわけです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/16/42/a5b69a877174ffd61970f7f3fec4a643.jpg)
国宝 俵屋宗達「源氏物語関屋・澪標図屏風」 江戸・17世紀
宗達の国宝指定品の3点のうちの1点。右が関屋図で左が澪標図です。いずれも源氏がかつて縁を結んだ女性との再会を表したもの。たくさんの人物がいますが、実に興味深いのは源氏本人はおろか、対象となる女性、つまり明石の君も空蝉の姿も描かれていないことです。
澪標図で源氏が乗るのは水辺の牛車です。一方で明石の君は海上の舟の中にいます。姿は確認出来ません。ただし従者たちが慌てたかのように舟の方向を向いています。中には指をさしている者もいました。近づきながらも会うことのない二人の物語。それを半ば暗示的に描いています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/03/b7/47a32446dc586b8b875071808a54628e.jpg)
国宝 俵屋宗達「源氏物語関屋・澪標図屏風」(左隻より) 江戸・17世紀
関屋図でも源氏と空蝉は互いに牛車に乗っています。やはり姿を見ることは叶いません。また面白いのは対比的な表現をとっていることです。端的に明らかなのは海と山。そして白砂の白に山の緑も異なります。また松林の垂直線や白砂の曲線に対し、山の際の水平線も意識的に表したと考えられているそうです。
修復のプロセスについてはパネルで案内がありました。実は私も修復前の様子を見たことがなく、前後を比較出来ませんが、案内によれば亀裂を塞いでは補強、絵具の剥離部分も丹念に接着させたそうです。また描き直しの跡を分析しては最初の描線や彩色を確認。さらに紙の周囲の裂の下に絵が描かれていたことも分かりました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/21/52/fa672d331c91828b5cf7c960528cd51c.jpg)
酒井抱一「波図屏風」 江戸・文化12(1815)年頃
抱一の「波図屏風」はどうでしょうか。六曲一双の銀地に波打つ大海原。波は荒れ狂うかのように左右へ広がっています。波濤はまるで何らかの生き物の触手のようです。波間にはうっすらと藍が刷かれています。もちろん背景の銀は月明かりでしょう。手前の力強い波と奥の穏やかな波の対比も特徴的です。波濤には胡粉が塗られています。一部には緑も重っていました。際立つ水しぶき。ちなみにリニューアルに際し、照明が全てLEDに交換されています。それゆえでしょうか。より胡粉の白さが引き立っても見えました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7f/c1/a4c8be62872b6dfd174323bdaf61b55e.jpg)
酒井抱一「軽挙館句藻」 江戸・寛政2(1790)年~文政11(1828)年
本作は抱一自身が書簡で「自慢作」と記した会心作です。その書簡もあわせて展示されています。また抱一の自筆句稿である「軽挙館句藻」をはじめ、「尾形流略印譜」や「光琳百図」などの資料も出品。光琳顕彰にも言及があります。その辺も見どころと言えそうです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6b/b0/591e965ce19123d9cc826bdc02176bc4.jpg)
国宝 「曜変天目(稲葉天目)」 南宋・12~13世紀
さてもう一つの目玉、それは言うまでもなく「曜変天目」でしょう。現存する三碗(ないしは四碗)のうちの一つ、最も光彩が際立つとされるものです。まさしく器に宇宙の星を見るかのような煌めき。星紋は大きい。何やら熟れて爛れているようにも見えます。展示方法に驚きました。というのもガラス越しに太陽の光も降り注ぐラウンジに展示されているのです。
ちょうど今年の夏に藤田美術館所蔵の「曜変天目」をサントリー美術館で見ましたが、その際は暗室の中、やや強い照明で天目茶碗を照らし出していました。自然光は皆無でした。
もちろん作品は異なるとはいえ、暗室と外光の入る空間での印象は大きく異なります。なお館の方によれば晴れた日の夕方以降、西美が差し込む時間帯が特に美しいそうです。その時間を狙って行くのも良いかもしれません。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/68/f4/daa6ab0cd2027bcfacbfdb0f535a7e0d.jpg)
本阿弥光悦「草木摺絵新古今和歌巻」 江戸・17世紀(寛永10年紀) *巻替えあり
ほかには光悦の「草木摺絵新古今和歌巻」に伊年印の「四季草花図屏風」、さらに其一の「雪月花三美人図」などと優品がずらり。点数こそ40点ほどに過ぎませんが、さすがに粒揃いです。見応えがありました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4d/97/5f2f8304c3722cd05dcbfaa697a8c158.jpg)
「金銀の系譜」展示風景
館内のリニューアルは、空調や防火、及び電気系統などの設備面がメインです。見た目に関しては殆ど変わっていません。ただし先にも触れたように照明は一新。カーペットも新装されました。またショップもレイアウトが変更になったそうです。書籍の取り扱いもありました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/11/4b/e4d368a1ae4b132ecf1532e845c5261d.jpg)
伝尾形光琳「鶴鹿図屏風」 江戸・18世紀
一部の作品に展示替えがあります。修復作業を経て公開されるもう1点、尾形光琳の「住之江蒔絵硯箱」は後期からの展示です。ご注意下さい。
「金銀の系譜~宗達・光琳・抱一をめぐる美の世界」出品リスト(PDF)
前期:10月31日~11月23日
後期:11月25日~12月23日
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/42/da/b5333f00ea9ed7a8352fea3d5dd58630.jpg)
静嘉堂文庫
12月23日まで開催されています。
「金銀の系譜~宗達・光琳・抱一をめぐる美の世界」 静嘉堂文庫美術館
会期:10月31日(土)~12月23日(祝・水)
休館:月曜日。但し11/23は開館、翌24日は休館。
時間:10:00~16:30 *入館は閉館の30分前まで。
料金:一般1000円、大学・高校生700円、中学生以下無料。
*一般・大高生は20名以上の団体割引あり。
場所:世田谷区岡本2-23-1
交通:二子玉川駅4番のりばより東急コーチバス「玉31・32系統」で「静嘉堂文庫」下車、徒歩5分。成城学園前駅南口バスのりばより二子玉川駅行きバスにて「吉沢」下車。大蔵通りを北東方向に徒歩約10分。
注)写真は報道内覧会時に主催者の許可を得て撮影したものです。
「金銀の系譜~宗達・光琳・抱一をめぐる美の世界」
10/31-12/23
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/33/85/cabac0f0d4b493d1b062fb77cfa8fcfd.jpg)
静嘉堂文庫美術館で開催中の「金銀の系譜~宗達・光琳・抱一をめぐる美の世界」のプレスプレビューに参加してきました。
2014年より設備改修工事のため休館していた静嘉堂文庫美術館。約1年半ぶりのリニューアルオープンです。それを記念して館蔵の琳派コレクションのほか、同時代の絵画や工芸、さらには「曜変天目」などを紹介した展覧会が行われています。
さてタイトルにもある金と銀。うちやはり注目したいのは宗達と抱一です。もちろん金は宗達で銀は抱一。「源氏物語関屋・澪標図屏風」と「波図屏風」の同時展示です。なかでも宗達の「源氏物語関屋・澪標図屏風」は約10年ぶりの出展。かの東京国立博物館の大琳派展にも出ていませんでした。理由は状態です。元々、かなり痛んでいたため、平成22年より約3年間ほど修復作業がなされました。それを終えての公開というわけです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/16/42/a5b69a877174ffd61970f7f3fec4a643.jpg)
国宝 俵屋宗達「源氏物語関屋・澪標図屏風」 江戸・17世紀
宗達の国宝指定品の3点のうちの1点。右が関屋図で左が澪標図です。いずれも源氏がかつて縁を結んだ女性との再会を表したもの。たくさんの人物がいますが、実に興味深いのは源氏本人はおろか、対象となる女性、つまり明石の君も空蝉の姿も描かれていないことです。
澪標図で源氏が乗るのは水辺の牛車です。一方で明石の君は海上の舟の中にいます。姿は確認出来ません。ただし従者たちが慌てたかのように舟の方向を向いています。中には指をさしている者もいました。近づきながらも会うことのない二人の物語。それを半ば暗示的に描いています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/03/b7/47a32446dc586b8b875071808a54628e.jpg)
国宝 俵屋宗達「源氏物語関屋・澪標図屏風」(左隻より) 江戸・17世紀
関屋図でも源氏と空蝉は互いに牛車に乗っています。やはり姿を見ることは叶いません。また面白いのは対比的な表現をとっていることです。端的に明らかなのは海と山。そして白砂の白に山の緑も異なります。また松林の垂直線や白砂の曲線に対し、山の際の水平線も意識的に表したと考えられているそうです。
修復のプロセスについてはパネルで案内がありました。実は私も修復前の様子を見たことがなく、前後を比較出来ませんが、案内によれば亀裂を塞いでは補強、絵具の剥離部分も丹念に接着させたそうです。また描き直しの跡を分析しては最初の描線や彩色を確認。さらに紙の周囲の裂の下に絵が描かれていたことも分かりました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/21/52/fa672d331c91828b5cf7c960528cd51c.jpg)
酒井抱一「波図屏風」 江戸・文化12(1815)年頃
抱一の「波図屏風」はどうでしょうか。六曲一双の銀地に波打つ大海原。波は荒れ狂うかのように左右へ広がっています。波濤はまるで何らかの生き物の触手のようです。波間にはうっすらと藍が刷かれています。もちろん背景の銀は月明かりでしょう。手前の力強い波と奥の穏やかな波の対比も特徴的です。波濤には胡粉が塗られています。一部には緑も重っていました。際立つ水しぶき。ちなみにリニューアルに際し、照明が全てLEDに交換されています。それゆえでしょうか。より胡粉の白さが引き立っても見えました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7f/c1/a4c8be62872b6dfd174323bdaf61b55e.jpg)
酒井抱一「軽挙館句藻」 江戸・寛政2(1790)年~文政11(1828)年
本作は抱一自身が書簡で「自慢作」と記した会心作です。その書簡もあわせて展示されています。また抱一の自筆句稿である「軽挙館句藻」をはじめ、「尾形流略印譜」や「光琳百図」などの資料も出品。光琳顕彰にも言及があります。その辺も見どころと言えそうです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6b/b0/591e965ce19123d9cc826bdc02176bc4.jpg)
国宝 「曜変天目(稲葉天目)」 南宋・12~13世紀
さてもう一つの目玉、それは言うまでもなく「曜変天目」でしょう。現存する三碗(ないしは四碗)のうちの一つ、最も光彩が際立つとされるものです。まさしく器に宇宙の星を見るかのような煌めき。星紋は大きい。何やら熟れて爛れているようにも見えます。展示方法に驚きました。というのもガラス越しに太陽の光も降り注ぐラウンジに展示されているのです。
ちょうど今年の夏に藤田美術館所蔵の「曜変天目」をサントリー美術館で見ましたが、その際は暗室の中、やや強い照明で天目茶碗を照らし出していました。自然光は皆無でした。
もちろん作品は異なるとはいえ、暗室と外光の入る空間での印象は大きく異なります。なお館の方によれば晴れた日の夕方以降、西美が差し込む時間帯が特に美しいそうです。その時間を狙って行くのも良いかもしれません。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/68/f4/daa6ab0cd2027bcfacbfdb0f535a7e0d.jpg)
本阿弥光悦「草木摺絵新古今和歌巻」 江戸・17世紀(寛永10年紀) *巻替えあり
ほかには光悦の「草木摺絵新古今和歌巻」に伊年印の「四季草花図屏風」、さらに其一の「雪月花三美人図」などと優品がずらり。点数こそ40点ほどに過ぎませんが、さすがに粒揃いです。見応えがありました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4d/97/5f2f8304c3722cd05dcbfaa697a8c158.jpg)
「金銀の系譜」展示風景
館内のリニューアルは、空調や防火、及び電気系統などの設備面がメインです。見た目に関しては殆ど変わっていません。ただし先にも触れたように照明は一新。カーペットも新装されました。またショップもレイアウトが変更になったそうです。書籍の取り扱いもありました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/11/4b/e4d368a1ae4b132ecf1532e845c5261d.jpg)
伝尾形光琳「鶴鹿図屏風」 江戸・18世紀
一部の作品に展示替えがあります。修復作業を経て公開されるもう1点、尾形光琳の「住之江蒔絵硯箱」は後期からの展示です。ご注意下さい。
「金銀の系譜~宗達・光琳・抱一をめぐる美の世界」出品リスト(PDF)
前期:10月31日~11月23日
後期:11月25日~12月23日
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/42/da/b5333f00ea9ed7a8352fea3d5dd58630.jpg)
静嘉堂文庫
12月23日まで開催されています。
「金銀の系譜~宗達・光琳・抱一をめぐる美の世界」 静嘉堂文庫美術館
会期:10月31日(土)~12月23日(祝・水)
休館:月曜日。但し11/23は開館、翌24日は休館。
時間:10:00~16:30 *入館は閉館の30分前まで。
料金:一般1000円、大学・高校生700円、中学生以下無料。
*一般・大高生は20名以上の団体割引あり。
場所:世田谷区岡本2-23-1
交通:二子玉川駅4番のりばより東急コーチバス「玉31・32系統」で「静嘉堂文庫」下車、徒歩5分。成城学園前駅南口バスのりばより二子玉川駅行きバスにて「吉沢」下車。大蔵通りを北東方向に徒歩約10分。
注)写真は報道内覧会時に主催者の許可を得て撮影したものです。
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「ヴォルフガング・ライプ展」 ケンジタキギャラリー東京
ケンジタキギャラリー東京
「ヴォルフガング・ライプ展」
10/24-12/12
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/21/bd/a69344119c734d6366c771a865ef8640.jpg)
ケンジタキギャラリー東京で開催中の「ヴォルフガング・ライプ展」を見て来ました。
花粉や米、蜜蝋などを素材にインスタレーションを展開するドイツ人アーティスト、ヴォルフガング・ライプ。ドイツ国外でも多数個展を開催。日本でも2003年に東京国立近代美術館ほか、豊田市美術館などで回顧展を行いました。
そのライプの新作を用いたインスタレーション個展です。床面に広がるのは米の山、「米のインスタレーション」。ほぼ等間隔、一部を除いてサークルを描くように米が積まれています。と言っても高さは僅かです。ふっと息を吹きかけようものなら崩れてしまうかのように脆い。見方によっては水紋のようにも映ります。
その米に沿って置かれたのが黒いオブジェです。まさしく真っ黒。横長で台形状です。はじめは流木、あるいは炭化した木片を連想しました。しかしながらキャプションを見ると違うことが分かります。御影石です。タイトルは「ライス・ハウス」。米粒はさも石の周りへさざ波のように寄っています。美しい。先の米を水紋とすれば床面は海、そして御影石は島と言ったところでしょうか。枯山水のイメージとも重なり合いました。
さらに奥に目を向けると円錐形、ないしは尖塔を伴う建物のような形をした彫刻が立っています。蜜蝋です。うっすらと黄色を帯びています。ライプ自身が蝋を集めては型枠に入れて整形したもの。何やら原初的な儀式に用いる祭器を思い浮かべました。瞑想的という言葉が相応しいかもしれません。作品は素材を介して自然へも通じていました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/09/58/eef9369e8c0ba15eff66c5b8a7a46fd8.jpg)
「ライプの作品は自然との深い関わりと、彼が東洋哲学の中に見出した純粋さと単純素朴さへの傾倒によって特徴づけられる」 *「ヴォルフガング・ライプ展」(東京国立近代美術館)カタログより。
ヴォルフガング・ライプは本年の高松宮殿下記念世界文化賞を受賞しました。
「2015年 第27回 彫刻部門 ヴォルフガング・ライプ」(世界文化賞)
「彫刻部門 ヴォルフガング・ライプさん 無常観に通じる命の作品」(産経ニュース)
振り返れば東京国立近代美術館での個展も10年以上も前。牛乳を用いたミルクストーンの美しさは未だ忘れることが出来ません。また大規模な展示を観る機会があればと思いました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5a/fb/9212650b6213456d381a3fc21efd34d3.jpg)
12月12日まで開催されています。
「ヴォルフガング・ライプ展」 ケンジタキギャラリー東京
会期:10月24日(土)~12月12日(土)
休廊:日曜・月曜・祝日
時間:12:00~19:00
料金:無料
住所:新宿区西新宿3-18-2-102
交通:京王新線初台駅より徒歩5分。
「ヴォルフガング・ライプ展」
10/24-12/12
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/21/bd/a69344119c734d6366c771a865ef8640.jpg)
ケンジタキギャラリー東京で開催中の「ヴォルフガング・ライプ展」を見て来ました。
花粉や米、蜜蝋などを素材にインスタレーションを展開するドイツ人アーティスト、ヴォルフガング・ライプ。ドイツ国外でも多数個展を開催。日本でも2003年に東京国立近代美術館ほか、豊田市美術館などで回顧展を行いました。
そのライプの新作を用いたインスタレーション個展です。床面に広がるのは米の山、「米のインスタレーション」。ほぼ等間隔、一部を除いてサークルを描くように米が積まれています。と言っても高さは僅かです。ふっと息を吹きかけようものなら崩れてしまうかのように脆い。見方によっては水紋のようにも映ります。
その米に沿って置かれたのが黒いオブジェです。まさしく真っ黒。横長で台形状です。はじめは流木、あるいは炭化した木片を連想しました。しかしながらキャプションを見ると違うことが分かります。御影石です。タイトルは「ライス・ハウス」。米粒はさも石の周りへさざ波のように寄っています。美しい。先の米を水紋とすれば床面は海、そして御影石は島と言ったところでしょうか。枯山水のイメージとも重なり合いました。
さらに奥に目を向けると円錐形、ないしは尖塔を伴う建物のような形をした彫刻が立っています。蜜蝋です。うっすらと黄色を帯びています。ライプ自身が蝋を集めては型枠に入れて整形したもの。何やら原初的な儀式に用いる祭器を思い浮かべました。瞑想的という言葉が相応しいかもしれません。作品は素材を介して自然へも通じていました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/09/58/eef9369e8c0ba15eff66c5b8a7a46fd8.jpg)
「ライプの作品は自然との深い関わりと、彼が東洋哲学の中に見出した純粋さと単純素朴さへの傾倒によって特徴づけられる」 *「ヴォルフガング・ライプ展」(東京国立近代美術館)カタログより。
ヴォルフガング・ライプは本年の高松宮殿下記念世界文化賞を受賞しました。
「2015年 第27回 彫刻部門 ヴォルフガング・ライプ」(世界文化賞)
「彫刻部門 ヴォルフガング・ライプさん 無常観に通じる命の作品」(産経ニュース)
振り返れば東京国立近代美術館での個展も10年以上も前。牛乳を用いたミルクストーンの美しさは未だ忘れることが出来ません。また大規模な展示を観る機会があればと思いました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5a/fb/9212650b6213456d381a3fc21efd34d3.jpg)
12月12日まで開催されています。
「ヴォルフガング・ライプ展」 ケンジタキギャラリー東京
会期:10月24日(土)~12月12日(土)
休廊:日曜・月曜・祝日
時間:12:00~19:00
料金:無料
住所:新宿区西新宿3-18-2-102
交通:京王新線初台駅より徒歩5分。
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「あざみ野コンテンポラリーvol.6 もう一つの選択」 横浜市民ギャラリーあざみ野
横浜市民ギャラリーあざみ野
「あざみ野コンテンポラリーvol.6 もう一つの選択 Alternative Choice」
10/17-11/8
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5e/e0/44e67dd8faf0885b00b834c04dc93915.jpg)
2011年よりあざみ野を舞台に続いている現代美術のシリーズ展、「あざみ野コンテンポラリー」。今回で6回目です。テーマは「もう一つの選択」。日本と中国のアーティスト、計6名が作品を発表しています。
[出品作家]
青山悟・斎藤玲児・友政麻理子・凌宗権・和田昌宏・王坪
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/57/c9/600bc9f374fc999120c8d19ab858cdce.jpg)
斎藤玲児「#19」 2015年 videoより抜粋
さて今回のあざみ野コンテンポラリー、青山悟を除いてはほぼ全てが映像でした。冒頭は斎藤玲児です。2面のスクリーン。タイトルは「#17」と「#19」。内容は明らかではありません。素材は日常です。車の中や街角、そして電車の中で足元を写した映像、ないし写真などが断片的に繋がっていきます。静止画と動画はない交ぜ。もちろん全ては現実の一コマです。ただ何故でしょうか。まるで白昼夢を追っているようにも見えました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/22/6c/9b63172c43d4a62a791efadc408095da.jpg)
王坪「毎次見面都像是告別」 2015年 video
中国の王坪は初めて海を見た両親の様子を映像に記録しました。常々、死んだら遺灰を海にまいて欲しいと言う母。しかしながら実際に海を見たことがなかったそうです。そこで王は両親を海岸へ連れて行きます。ドキュメンタリーです。二人は海に向き合いました。親子の旅は親としても嬉しいものでしょう。ただどこか戸惑ったような表情もしていたのも印象的でした。王は撮影後、未編集の映像を両親に見せたそうです。そこでは二人で笑い、涙をこぼしたと言います。こみ上げるものも多かったのかもしれません。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5c/96/9f7eba245bf8a5a7c1b55a56bc4ca4a0.jpg)
青山悟「Map of The World」 2014年 ポリエステルにポリエステル糸と蓄光糸で刺繍
青山悟のインスタレーションが充実していました。展示は2室です。初めは絵画を引用した刺繍作品です。近現代の名作ばかり。例えばセザンヌにホッパー、モランディ、またリキテンシュタインやオピーもありました。そこに青山本人によるコメントでしょうか。テキストが付属しています。これが鋭い。後半は世界地図、「Map of The World」のシリーズです。全部で3点、各壁面に1つずつ展示されています。ピンク色に白抜きの世界地図。中央には大きなユーラシア大陸。見慣れたメルカトル図法によるものでした。
ただ白抜きの地図、一見するだけでは何も描かれていないように思えるかもしれません。時間がポイントです。しばらく眺めていると突如、室内の照明が落ちます。すると国境線や国名の表記が白く光って浮かび上がってきました。つまりは蓄光糸で刺繍を施していたのです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/43/f2/955f01b98ca512649cfbb8f2d747cc8e.jpg)
和田昌宏「KOBU」 2015年 video installation 展示風景
実際のマッサージを映像にリンクさせています。和田昌宏です。タイトルは「KOBU」。白衣を纏った整体師が現れます。軽やかなステップを刻みます。リズミカルです。とは言え、映像にはストーリーがあるようにも見えません。整体師の踊り。半ばシュールに展開していきます。
振り返ると映像と同じマッサージ用の施術台が置かれていました。そして整体師もお一人。映像から身体への転換。まさしく整体パフォーマンスです。つまり整体を実際に体験することが出来ます。また自動のマッサージチェアも置かれていました。そちらも利用可能です。ただし整体師の方が常駐するのは月木以外の曜日。つまり月木は体験出来ません。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3f/26/0c11f36248ca7f13b9ecfd59bb31bb4a.jpg)
友政麻理子「お父さんと食事」 2014年 performance and video recording
コミュニケーションの問題を突く友政麻理子の映像も興味深いのではないでしょうか。「お父さんと食事」と題された2つの映像。舞台は台北と西アフリカです。何やら親し気に食事をする男女。確かに年齢からすれば親子のようにも見えます。しかしながら言葉がなかなか通じません。というのも実際の親子ではなく、「初対面のお父さんと親子のふりをして、親子になるために努力をするという約束をして、一緒にご飯を食べる」(解説リーフレットより)というコンセプトの作品だからです。身振り手振りを交えては、次第にコミュニケーションを深めていく様子が映しています。
批評的な作品も少なくない「あざみ野コンテンポラリー Vol.6 もう一つの選択」。映像は全てを足すと全270分。長大です。実のところ私は移動中の合間での観覧だったため、駆け足になってしまいましたが、ある程度時間に余裕をもって出かけることをおすすめします。
会場外、ロビーでは青山悟の参加型イベント、「みんなで青山悟と世界地図をかく!」が行われていました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0a/ea/8c9d10ae7940fb28c437d504a395625f.jpg)
青山悟「アーティストたちの世界地図」 2014年 紙に鉛筆
いくつかの約束事項を守ればあとは自由に世界地図を描くことが出来ます。地図の輪郭は刺繍の下絵として展覧会へも出されるそうです。
今年4月のミヅマアートギャラリーの個展の際にも一度見ましたが、さすがに半年経ったからか、かなり進行していました。そろそろ完成も間近なのかもしれません。
入場は無料です。11月8日まで開催されています。
「あざみ野コンテンポラリーvol.6 もう一つの選択 Alternative Choice」 横浜市民ギャラリーあざみ野(@artazamino)
会期:10月17日(土)~11月8日(日)
休館:10月26日(月)
時間:10:00~18:00 *11月1日(木)は20:30まで開館
料金:無料。
住所:横浜市青葉区あざみ野南1-17-3 アートフォーラムあざみ野内
交通:東急田園都市線あざみ野駅東口徒歩5分、横浜市営地下鉄ブルーラインあざみ野駅1番出口徒歩5分。
「あざみ野コンテンポラリーvol.6 もう一つの選択 Alternative Choice」
10/17-11/8
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5e/e0/44e67dd8faf0885b00b834c04dc93915.jpg)
2011年よりあざみ野を舞台に続いている現代美術のシリーズ展、「あざみ野コンテンポラリー」。今回で6回目です。テーマは「もう一つの選択」。日本と中国のアーティスト、計6名が作品を発表しています。
[出品作家]
青山悟・斎藤玲児・友政麻理子・凌宗権・和田昌宏・王坪
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/57/c9/600bc9f374fc999120c8d19ab858cdce.jpg)
斎藤玲児「#19」 2015年 videoより抜粋
さて今回のあざみ野コンテンポラリー、青山悟を除いてはほぼ全てが映像でした。冒頭は斎藤玲児です。2面のスクリーン。タイトルは「#17」と「#19」。内容は明らかではありません。素材は日常です。車の中や街角、そして電車の中で足元を写した映像、ないし写真などが断片的に繋がっていきます。静止画と動画はない交ぜ。もちろん全ては現実の一コマです。ただ何故でしょうか。まるで白昼夢を追っているようにも見えました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/22/6c/9b63172c43d4a62a791efadc408095da.jpg)
王坪「毎次見面都像是告別」 2015年 video
中国の王坪は初めて海を見た両親の様子を映像に記録しました。常々、死んだら遺灰を海にまいて欲しいと言う母。しかしながら実際に海を見たことがなかったそうです。そこで王は両親を海岸へ連れて行きます。ドキュメンタリーです。二人は海に向き合いました。親子の旅は親としても嬉しいものでしょう。ただどこか戸惑ったような表情もしていたのも印象的でした。王は撮影後、未編集の映像を両親に見せたそうです。そこでは二人で笑い、涙をこぼしたと言います。こみ上げるものも多かったのかもしれません。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5c/96/9f7eba245bf8a5a7c1b55a56bc4ca4a0.jpg)
青山悟「Map of The World」 2014年 ポリエステルにポリエステル糸と蓄光糸で刺繍
青山悟のインスタレーションが充実していました。展示は2室です。初めは絵画を引用した刺繍作品です。近現代の名作ばかり。例えばセザンヌにホッパー、モランディ、またリキテンシュタインやオピーもありました。そこに青山本人によるコメントでしょうか。テキストが付属しています。これが鋭い。後半は世界地図、「Map of The World」のシリーズです。全部で3点、各壁面に1つずつ展示されています。ピンク色に白抜きの世界地図。中央には大きなユーラシア大陸。見慣れたメルカトル図法によるものでした。
ただ白抜きの地図、一見するだけでは何も描かれていないように思えるかもしれません。時間がポイントです。しばらく眺めていると突如、室内の照明が落ちます。すると国境線や国名の表記が白く光って浮かび上がってきました。つまりは蓄光糸で刺繍を施していたのです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/43/f2/955f01b98ca512649cfbb8f2d747cc8e.jpg)
和田昌宏「KOBU」 2015年 video installation 展示風景
実際のマッサージを映像にリンクさせています。和田昌宏です。タイトルは「KOBU」。白衣を纏った整体師が現れます。軽やかなステップを刻みます。リズミカルです。とは言え、映像にはストーリーがあるようにも見えません。整体師の踊り。半ばシュールに展開していきます。
振り返ると映像と同じマッサージ用の施術台が置かれていました。そして整体師もお一人。映像から身体への転換。まさしく整体パフォーマンスです。つまり整体を実際に体験することが出来ます。また自動のマッサージチェアも置かれていました。そちらも利用可能です。ただし整体師の方が常駐するのは月木以外の曜日。つまり月木は体験出来ません。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3f/26/0c11f36248ca7f13b9ecfd59bb31bb4a.jpg)
友政麻理子「お父さんと食事」 2014年 performance and video recording
コミュニケーションの問題を突く友政麻理子の映像も興味深いのではないでしょうか。「お父さんと食事」と題された2つの映像。舞台は台北と西アフリカです。何やら親し気に食事をする男女。確かに年齢からすれば親子のようにも見えます。しかしながら言葉がなかなか通じません。というのも実際の親子ではなく、「初対面のお父さんと親子のふりをして、親子になるために努力をするという約束をして、一緒にご飯を食べる」(解説リーフレットより)というコンセプトの作品だからです。身振り手振りを交えては、次第にコミュニケーションを深めていく様子が映しています。
批評的な作品も少なくない「あざみ野コンテンポラリー Vol.6 もう一つの選択」。映像は全てを足すと全270分。長大です。実のところ私は移動中の合間での観覧だったため、駆け足になってしまいましたが、ある程度時間に余裕をもって出かけることをおすすめします。
会場外、ロビーでは青山悟の参加型イベント、「みんなで青山悟と世界地図をかく!」が行われていました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0a/ea/8c9d10ae7940fb28c437d504a395625f.jpg)
青山悟「アーティストたちの世界地図」 2014年 紙に鉛筆
いくつかの約束事項を守ればあとは自由に世界地図を描くことが出来ます。地図の輪郭は刺繍の下絵として展覧会へも出されるそうです。
今年4月のミヅマアートギャラリーの個展の際にも一度見ましたが、さすがに半年経ったからか、かなり進行していました。そろそろ完成も間近なのかもしれません。
入場は無料です。11月8日まで開催されています。
「あざみ野コンテンポラリーvol.6 もう一つの選択 Alternative Choice」 横浜市民ギャラリーあざみ野(@artazamino)
会期:10月17日(土)~11月8日(日)
休館:10月26日(月)
時間:10:00~18:00 *11月1日(木)は20:30まで開館
料金:無料。
住所:横浜市青葉区あざみ野南1-17-3 アートフォーラムあざみ野内
交通:東急田園都市線あざみ野駅東口徒歩5分、横浜市営地下鉄ブルーラインあざみ野駅1番出口徒歩5分。
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「第4回 図録放出会」 BoConcept南青山店
アート好きが自宅で不要になった図録を持ち寄っては販売。売上を東北で被災した文化財の修復資金に活用するチャリティーイベント、「第4回 アート好きによるアート好きのための図録放出会」。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0c/0c/ccfad361eca9a264a1739a307c01feaf.png)
[アート好きによるアート好きのための図録放出会 vol.4 概要]
日時:11月3日(火・祝) 12:00~18:00
*図録提供の受付 12:00~14:00
会場:BoConcept南青山店
住所:港区南青山2-31-8
交通:東京メトロ銀座線外苑前駅出口1aより徒歩4分。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/61/00/d860a9a6cdd91dfa48b654528297945a.jpg)
@artcircle_info(図録放出会専用アカウント)
https://twitter.com/artcircle_info
去る11月3日の文化の日、外苑前駅近くのBoConcept南青山店にて開催され、盛況のうちに終了しました。ご来場くださったみなさま、どうもありがとうございました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7a/c0/4a8f4c7694b5ea57213fedf695906083.jpg)
当日のスタートは12時。その前に有志数名が会場に入っては事前に送っていただいた図録を整理し、店内の書棚やテーブルなどに並べました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/24/7c/5fec7d7e02e491c5b06020e49c16fefd.jpg)
個人はもとより、一部の美術館やギャラリーの協力を得て集まった図録は全部で1000冊。全て無償での提供です。ジャンルも様々。西洋美術に日本美術、さらには現代美術から海外のカタログ、また年代も今開催中の展覧会から10年以上も前のものと幅広い。手にとっては思わずこのような展覧会があったのかと驚くことも少なくありません。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/70/2b/7f3951129881bf3101350934d5293d8d.jpg)
BoConcept南青山店は北欧の輸入家具を扱うショップです。スタイリッシュな空間に図録はインテリアとしても映えます。価格はそれぞれ1000円、500円、200円に設定。また今回は美術手帖や芸術新潮のバックナンバーなどの古書も出品されました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/31/bf/769123f1c3324d7d076311425b2e88ab.jpg)
お昼前には続々と人がやって来ては放出会がスタートします。まさしく品定めです。みなさんおもむろに図録を手にしては中をパラパラとめくっていきます。初めの冊数の制限は5冊。基本的に先に並べた図録を売り切る形です。いわゆる「掘り出し物」もすぐさま売れてしまいました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6b/e4/3160988fab801f844fd821b0b397a44a.jpg)
当日も14時までは会場にて放出用の図録を受付けました。ゆえに重たい図録をわざわざ持ってきて下さる方も少なくありません。有難い限りです。本当に頭が下がります。
13時からは展覧会図録のみならず、商業デザインなどを幅広く手がけるアドアーツの仲将晴氏を迎え、「図録ができるまで」と題したトークイベントが行われました。聞き手は放出会の主催者の1人でもあるブログ「青い日記帳」の@taktwiさんです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/27/fa/f93ab49f2cbf2b1152892ddefc8711b3.jpg)
「図録放出会 Vol.4トークイベント1 図録ができるまで]
登壇:仲将晴氏(株式会社アドアーツ)×@taktwi(青い日記帳)
時間:13:00~14:00
内容:数多くの図録デザインを手がける仲氏とともに展覧会図録ができるまでや、興味深いエピソードについてお話しします。実物を手にとりながら、図録ならではの魅力を紹介します。
裏話を交えてのあっと言う間の1時間。@taktwiさんの巧みな話術にも支えられてか、熱のこもった仲さんのお話は尽きることがありません。普段見ることの叶わないサンプルなどを手にとっては、図録制作に関する様々なエピソードを紹介していただきました。
さらに15時からはフジテレビの「ホウドウキョク」にてアート系の番組、「土曜のちよ箱」を放送されている阿部知代さんと鈴木芳雄さんのトークもスタート。お二方のお気に入りの図録から、中古図録の価格に関するお話へと展開。会場を盛り上げては和気藹々とお話下さいました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/29/a8/f4d078fb83d97b42d75a06618dc93b86.jpg)
[図録放出会 Vol.4トークイベント2 Guest 阿部知代]
登壇:阿部知代氏(フジテレビ報道局シニアコメンテーター @abechiyo_Ho)×鈴木芳雄(@fukuhen)
時間:15:00~16:00
紹介:フジテレビアナウンサーとしてパリ、NYに赴任する一方で美術番組を20年以上担当し、国内外のアーティストへのインタビュー多数。現在はマルチデバイスニュースチャンネル「ホウドウキョク」で毎週土曜日アート系情報番組「土曜のちよ箱」を放送中。
その後はイラストレーターの植田工さんをゲストにしたオークションが進行。対象は植田さんに似顔絵を描いていただく権利です。大きなかけ声とともに無事落札され、文化財の修復資金として寄付されることになりました。
[図録放出会 Vol.4 オークションイベント]
ゲスト:植田工氏(画家、イラストレーター @onototo)
時間:16:00~
内容:画家でイラストレーターの植田工さんが付箋アートで「あなた」を描いてくれる権オークションを開催します。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2f/d2/ddb89327114c3272ddf2acfe3d07f783.jpg)
イベントも終わり図録も相当数販売。気がつけば16時を回っていました。ここからは残りの図録を半値で売るタイムセールもスタート。最後の30分は全て200円という破格の値段で図録が売られました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6d/a6/eeca7ea4efc612a1f2839b376df6f6c1.jpg)
終了したのは18時です。売れ残った図録は古書店に引き取っていただきました。結果、図録の売上とチャリティーの収益は343056円。運営に関しては全てボランティアです。翌日、全額を「文化財保護・芸術研究助成財団」へ寄付させていただきました。
第4回となった今回の図録放出会。2011年の1回目よりおおよそ500日間隔、その都度会場を変えては、約1年半おきに開催されています。私も毎度裏方としてお手伝いしています。
「図録放出会vol.4」@弐代目・青い日記帳
「【ご報告】 アート好きによるアート好きのための図録放出会 Vol.4」@What's up, Luke ?
「『アート好きによるアート好きのための図録放出会 Vol.4』の日記」@日毎に敵と懶惰に戦う
「第4回・図録放出会を終えて」@雨がくる 虹が立つ
たんに図録を持ち寄るだけではなく、場を通して人それぞれが思い思いに繋がり、新たな交流が生まれていくイベントでもあります。また次回もきっと開催されると思います。今回参加が叶わなかった方、次の機会にもご期待下さい。
改めてまして図録を出していただいた方、買って下さった全てのみなさまに感謝申し上げます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/24/04/a4fcc09504b7985cde260c6994ce60b6.jpg)
「第4回 アート好きによるアート好きのための図録放出会」は11月3日に終了しました。
[アート好きによるアート好きのための図録放出会 vol.4](@artcircle_info)
日時:11月3日(火・祝) 12:00~18:00
会場:BoConcept南青山店
入場:無料
住所:港区南青山2-31-8
交通:東京メトロ銀座線外苑前駅出口1aより徒歩4分。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0c/0c/ccfad361eca9a264a1739a307c01feaf.png)
[アート好きによるアート好きのための図録放出会 vol.4 概要]
日時:11月3日(火・祝) 12:00~18:00
*図録提供の受付 12:00~14:00
会場:BoConcept南青山店
住所:港区南青山2-31-8
交通:東京メトロ銀座線外苑前駅出口1aより徒歩4分。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/61/00/d860a9a6cdd91dfa48b654528297945a.jpg)
@artcircle_info(図録放出会専用アカウント)
https://twitter.com/artcircle_info
去る11月3日の文化の日、外苑前駅近くのBoConcept南青山店にて開催され、盛況のうちに終了しました。ご来場くださったみなさま、どうもありがとうございました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7a/c0/4a8f4c7694b5ea57213fedf695906083.jpg)
当日のスタートは12時。その前に有志数名が会場に入っては事前に送っていただいた図録を整理し、店内の書棚やテーブルなどに並べました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/24/7c/5fec7d7e02e491c5b06020e49c16fefd.jpg)
個人はもとより、一部の美術館やギャラリーの協力を得て集まった図録は全部で1000冊。全て無償での提供です。ジャンルも様々。西洋美術に日本美術、さらには現代美術から海外のカタログ、また年代も今開催中の展覧会から10年以上も前のものと幅広い。手にとっては思わずこのような展覧会があったのかと驚くことも少なくありません。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/70/2b/7f3951129881bf3101350934d5293d8d.jpg)
BoConcept南青山店は北欧の輸入家具を扱うショップです。スタイリッシュな空間に図録はインテリアとしても映えます。価格はそれぞれ1000円、500円、200円に設定。また今回は美術手帖や芸術新潮のバックナンバーなどの古書も出品されました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/31/bf/769123f1c3324d7d076311425b2e88ab.jpg)
お昼前には続々と人がやって来ては放出会がスタートします。まさしく品定めです。みなさんおもむろに図録を手にしては中をパラパラとめくっていきます。初めの冊数の制限は5冊。基本的に先に並べた図録を売り切る形です。いわゆる「掘り出し物」もすぐさま売れてしまいました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6b/e4/3160988fab801f844fd821b0b397a44a.jpg)
当日も14時までは会場にて放出用の図録を受付けました。ゆえに重たい図録をわざわざ持ってきて下さる方も少なくありません。有難い限りです。本当に頭が下がります。
13時からは展覧会図録のみならず、商業デザインなどを幅広く手がけるアドアーツの仲将晴氏を迎え、「図録ができるまで」と題したトークイベントが行われました。聞き手は放出会の主催者の1人でもあるブログ「青い日記帳」の@taktwiさんです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/27/fa/f93ab49f2cbf2b1152892ddefc8711b3.jpg)
「図録放出会 Vol.4トークイベント1 図録ができるまで]
登壇:仲将晴氏(株式会社アドアーツ)×@taktwi(青い日記帳)
時間:13:00~14:00
内容:数多くの図録デザインを手がける仲氏とともに展覧会図録ができるまでや、興味深いエピソードについてお話しします。実物を手にとりながら、図録ならではの魅力を紹介します。
裏話を交えてのあっと言う間の1時間。@taktwiさんの巧みな話術にも支えられてか、熱のこもった仲さんのお話は尽きることがありません。普段見ることの叶わないサンプルなどを手にとっては、図録制作に関する様々なエピソードを紹介していただきました。
さらに15時からはフジテレビの「ホウドウキョク」にてアート系の番組、「土曜のちよ箱」を放送されている阿部知代さんと鈴木芳雄さんのトークもスタート。お二方のお気に入りの図録から、中古図録の価格に関するお話へと展開。会場を盛り上げては和気藹々とお話下さいました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/29/a8/f4d078fb83d97b42d75a06618dc93b86.jpg)
[図録放出会 Vol.4トークイベント2 Guest 阿部知代]
登壇:阿部知代氏(フジテレビ報道局シニアコメンテーター @abechiyo_Ho)×鈴木芳雄(@fukuhen)
時間:15:00~16:00
紹介:フジテレビアナウンサーとしてパリ、NYに赴任する一方で美術番組を20年以上担当し、国内外のアーティストへのインタビュー多数。現在はマルチデバイスニュースチャンネル「ホウドウキョク」で毎週土曜日アート系情報番組「土曜のちよ箱」を放送中。
その後はイラストレーターの植田工さんをゲストにしたオークションが進行。対象は植田さんに似顔絵を描いていただく権利です。大きなかけ声とともに無事落札され、文化財の修復資金として寄付されることになりました。
[図録放出会 Vol.4 オークションイベント]
ゲスト:植田工氏(画家、イラストレーター @onototo)
時間:16:00~
内容:画家でイラストレーターの植田工さんが付箋アートで「あなた」を描いてくれる権オークションを開催します。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2f/d2/ddb89327114c3272ddf2acfe3d07f783.jpg)
イベントも終わり図録も相当数販売。気がつけば16時を回っていました。ここからは残りの図録を半値で売るタイムセールもスタート。最後の30分は全て200円という破格の値段で図録が売られました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6d/a6/eeca7ea4efc612a1f2839b376df6f6c1.jpg)
終了したのは18時です。売れ残った図録は古書店に引き取っていただきました。結果、図録の売上とチャリティーの収益は343056円。運営に関しては全てボランティアです。翌日、全額を「文化財保護・芸術研究助成財団」へ寄付させていただきました。
第4回となった今回の図録放出会。2011年の1回目よりおおよそ500日間隔、その都度会場を変えては、約1年半おきに開催されています。私も毎度裏方としてお手伝いしています。
「図録放出会vol.4」@弐代目・青い日記帳
「【ご報告】 アート好きによるアート好きのための図録放出会 Vol.4」@What's up, Luke ?
「『アート好きによるアート好きのための図録放出会 Vol.4』の日記」@日毎に敵と懶惰に戦う
「第4回・図録放出会を終えて」@雨がくる 虹が立つ
たんに図録を持ち寄るだけではなく、場を通して人それぞれが思い思いに繋がり、新たな交流が生まれていくイベントでもあります。また次回もきっと開催されると思います。今回参加が叶わなかった方、次の機会にもご期待下さい。
改めてまして図録を出していただいた方、買って下さった全てのみなさまに感謝申し上げます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/24/04/a4fcc09504b7985cde260c6994ce60b6.jpg)
「第4回 アート好きによるアート好きのための図録放出会」は11月3日に終了しました。
[アート好きによるアート好きのための図録放出会 vol.4](@artcircle_info)
日時:11月3日(火・祝) 12:00~18:00
会場:BoConcept南青山店
入場:無料
住所:港区南青山2-31-8
交通:東京メトロ銀座線外苑前駅出口1aより徒歩4分。
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11月の展覧会・ギャラリー
早いもので今年もあと残り2ヶ月を切りました。11月中に見たい展覧会をリストアップしてみました。
展覧会
・「鴻池朋子展 根源的暴力」 神奈川県民ホールギャラリー(~11/28)
・「舟越桂ー私の中のスフィンクス」 群馬県立館林美術館(~12/6)
・「きものモダニズム」 泉屋博古館分館(~12/6)
・「古田織部没後400年記念 桃山茶陶と織部好み」 畠山記念館(~12/13)
・「浮世絵と喫煙具 世界に誇るジャパンアート」 たばこと塩の博物館(11/3~12/13)
・「国宝 一遍聖絵」 神奈川県立歴史博物館(11/21~12/13)
・「マリー・ローランサン」 府中市美術館(~12/20)
・「ゴーギャンとポン=タヴァンの画家たち」 パナソニック汐留ミュージアム(~12/20)
・「村上華岳ー京都画壇の画家たち」 山種美術館(~12/23)
・「ペインティングの現在ー4人の平面作品から」 川越市立美術館(~12/23)
・「杉本博司展 趣味と芸術ー味占郷/今昔三部作」 千葉市美術館(~12/23)
・「日産アートアワード2015」 BankART Studio NYK(11/14~12/27)
・「黄金伝説展 古代地中海世界の秘宝」 国立西洋美術館(~2016/1/11)
・「中島清之ー日本画の迷宮」 横浜美術館(11/3~2016/1/11)
・「香取神宮ー奉げた美」 千葉県立美術館(11/7~2016/1/17)
・「シカゴ ウェストンコレクション 肉筆浮世絵ー美の競艶」 上野の森美術館(11/20~2016/1/17)
・「縫い その造形の魅力」 うらわ美術館(11/14~2016/1/17)
・「三井家伝世の至宝」 三井記念美術館(11/14~2016/1/23)
・「鎌倉からはじまった。1951-2016 PART 3」 神奈川県立近代美術館鎌倉館(~2016/1/31)
・「旅と芸術ー発見・驚異・夢想」 埼玉県立近代美術館(11/14~2016/1/31)
・「3.11以後の建築」 水戸芸術館(11/7~2016/1/31)
・「建築家 フランク・ゲーリー展 I Have an Idea」 21_21 DESIGN SIGHT(~2016/2/7)
・「浜田浄の軌跡ー重ねる、削る 絵画」 練馬区立美術館(11/21~2016/2/7)
・「TOKYOー見えない都市を見せる」 東京都現代美術館(11/7~2016/2/14)
・「オノ・ヨーコ|私の窓から」 東京都現代美術館(11/8~2016/2/14)
・「始皇帝と大兵馬俑」 東京国立博物館(~2016/2/21)
・「村上隆の五百羅漢図展」 森美術館(~2016/3/6)
・「ワイン展ーぶどうから生まれた奇跡」 国立科学博物館(~2016/2/21)
ギャラリー
・「equal Kart Invitation Program Vol.6 今井俊介」 河合塾美術研究所Gallery Kart(~11/15)
・「大日本タイポ組合」 ギンザ・グラフィック・ギャラリー(11/4~11/28)
・「栗林隆 個展」 アートフロントギャラリー(~11/29)
・「資本空間ースリー・ディメンショナル・ロジカル・ピクチャーの彼岸 vol.5 藤堂」 ギャラリーαM(~12/5)
・「李禹煥 色のハレーション/空間のハレーション」 SCAI(11/5~12/5)
・「佐藤允 MAN」 ギャラリー小柳(11/6~12/5)
・「ヴォルフガング・ライプ展」 ケンジタキギャラリー(~12/12)
・「小林孝亘 新作展」 西村画廊(11/11~12/12)
・「松井えり菜 マンガ脳夜曲(マンガノウセレナーデ)~絵画の続き」 山本現代(11/14~12/12)
・「ゲルハルトリヒター Painting」 ワコウ・ワークス・オブ・アート(11/10~12/19)
・「梅津庸一 ラムからマトン」 アラタニウラノ(11/14~12/26)
・「小沢剛展 帰って来たペインターF」 資生堂ギャラリー(~12/27)
・「ローラン・グラッソ Soleil Noir」 メゾンエルメス(11/11~2016/1/31)
11月スタートの展覧会も盛りだくさん。まず注目したいのは水戸芸術館です。「3.11以後の建築」が始まります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4b/1d/6e502e68e463f2a5eab5c292bf8723dd.jpg)
「3.11以後の建築」@水戸芸術館(11/7~2016/1/31)
かの甚大な被害をもたらした東日本大震災。それを踏まえた建築家の新たな取り組みを紹介する展覧会です。ゲストキュレーターは五十嵐太郎氏。以前、埼玉県立近代美術館などで行われた「戦後日本住宅伝説展」の監修もつとめました。なお本展は金沢21世紀美術館よりの巡回展です。水戸ではさらに被災地の茨城にも着目しては展示を組み立てているそうです。興味深い内容になるのではないでしょうか。
2013年に続いて2度目の開催です。横浜のBankARTで「日産アートアワード2015」が始まります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3e/35/0c3ae4a29a74967cfacde70cab0714e2.jpg)
「日産アートアワード2015」@BankART Studio NYK(11/14~12/27)
現代アーティストの活動をサポートしては顕彰するアートアワード。今年は石田尚志に岩崎貴宏、また毛利悠子や米田知子ら7名の作家がファイナリストとして登場。会期中には審査委員によってグランプリ受賞者も選定されます。
入場無料の展示です。ちょうど周辺では県民ホールギャラリーで鴻池朋子展が開催中のほか、横浜美術館で中島清之展もスタート。みなとみらい界隈を巡り歩いては見に行きたいと思います。
千葉市美術館で「杉本博司展 趣味と芸術」が始まりました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/10/4c/5900aeb0e479d6d1c267636bdd7df6ba.jpg)
「杉本博司展 趣味と芸術ー味占郷/今昔三部作」@千葉市美術館(10/27~12/23)
「香取神宮ー奉げた美」@千葉県立美術館(11/7~2016/1/17)
首都圏の美術館では久々となる杉本単独の個展。実は私も早速、会期2日目に見て来ましたが、造作しかり、練られた展示で感心しました。ちょうど千葉では同じく市内の県立美術館にて「特別展 香取神宮」も始まります。市美術館(葭川公園)と県美術館(千葉みなと)はモノレールを利用すれば一本。あわせて出かけても良さそうです。
最後になりますが、拙ブログでもご案内した「第4回 図録放出会」が明日、11月3日の文化の日に開催されます。(開催時間は12:00~18:00)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0c/0c/ccfad361eca9a264a1739a307c01feaf.png)
11月3日(火・祝) 「第4回 図録放出会」が開催されます(はろるど)
「図録との新たな出会い! 11月3日、青山で図録放出会開催」(bitecho)
会場は外苑前駅近くのインテリアショップ、「BoConcept南青山店」。トークあり、入場無料、入退場自由のイベントです。また当日に図録を持ち込んでいただくことも出来ます。(受付時間は12:00~14:00)
いくつかの美術館やギャラリーの協力も頂戴しています。意外な図録との出会い、また思わぬ掘り出し物もあるやもしれません。美術館巡りやお買い物などのついでにでも立ち寄って下さると嬉しいです。
それでは今月も宜しくお願いします。
展覧会
・「鴻池朋子展 根源的暴力」 神奈川県民ホールギャラリー(~11/28)
・「舟越桂ー私の中のスフィンクス」 群馬県立館林美術館(~12/6)
・「きものモダニズム」 泉屋博古館分館(~12/6)
・「古田織部没後400年記念 桃山茶陶と織部好み」 畠山記念館(~12/13)
・「浮世絵と喫煙具 世界に誇るジャパンアート」 たばこと塩の博物館(11/3~12/13)
・「国宝 一遍聖絵」 神奈川県立歴史博物館(11/21~12/13)
・「マリー・ローランサン」 府中市美術館(~12/20)
・「ゴーギャンとポン=タヴァンの画家たち」 パナソニック汐留ミュージアム(~12/20)
・「村上華岳ー京都画壇の画家たち」 山種美術館(~12/23)
・「ペインティングの現在ー4人の平面作品から」 川越市立美術館(~12/23)
・「杉本博司展 趣味と芸術ー味占郷/今昔三部作」 千葉市美術館(~12/23)
・「日産アートアワード2015」 BankART Studio NYK(11/14~12/27)
・「黄金伝説展 古代地中海世界の秘宝」 国立西洋美術館(~2016/1/11)
・「中島清之ー日本画の迷宮」 横浜美術館(11/3~2016/1/11)
・「香取神宮ー奉げた美」 千葉県立美術館(11/7~2016/1/17)
・「シカゴ ウェストンコレクション 肉筆浮世絵ー美の競艶」 上野の森美術館(11/20~2016/1/17)
・「縫い その造形の魅力」 うらわ美術館(11/14~2016/1/17)
・「三井家伝世の至宝」 三井記念美術館(11/14~2016/1/23)
・「鎌倉からはじまった。1951-2016 PART 3」 神奈川県立近代美術館鎌倉館(~2016/1/31)
・「旅と芸術ー発見・驚異・夢想」 埼玉県立近代美術館(11/14~2016/1/31)
・「3.11以後の建築」 水戸芸術館(11/7~2016/1/31)
・「建築家 フランク・ゲーリー展 I Have an Idea」 21_21 DESIGN SIGHT(~2016/2/7)
・「浜田浄の軌跡ー重ねる、削る 絵画」 練馬区立美術館(11/21~2016/2/7)
・「TOKYOー見えない都市を見せる」 東京都現代美術館(11/7~2016/2/14)
・「オノ・ヨーコ|私の窓から」 東京都現代美術館(11/8~2016/2/14)
・「始皇帝と大兵馬俑」 東京国立博物館(~2016/2/21)
・「村上隆の五百羅漢図展」 森美術館(~2016/3/6)
・「ワイン展ーぶどうから生まれた奇跡」 国立科学博物館(~2016/2/21)
ギャラリー
・「equal Kart Invitation Program Vol.6 今井俊介」 河合塾美術研究所Gallery Kart(~11/15)
・「大日本タイポ組合」 ギンザ・グラフィック・ギャラリー(11/4~11/28)
・「栗林隆 個展」 アートフロントギャラリー(~11/29)
・「資本空間ースリー・ディメンショナル・ロジカル・ピクチャーの彼岸 vol.5 藤堂」 ギャラリーαM(~12/5)
・「李禹煥 色のハレーション/空間のハレーション」 SCAI(11/5~12/5)
・「佐藤允 MAN」 ギャラリー小柳(11/6~12/5)
・「ヴォルフガング・ライプ展」 ケンジタキギャラリー(~12/12)
・「小林孝亘 新作展」 西村画廊(11/11~12/12)
・「松井えり菜 マンガ脳夜曲(マンガノウセレナーデ)~絵画の続き」 山本現代(11/14~12/12)
・「ゲルハルトリヒター Painting」 ワコウ・ワークス・オブ・アート(11/10~12/19)
・「梅津庸一 ラムからマトン」 アラタニウラノ(11/14~12/26)
・「小沢剛展 帰って来たペインターF」 資生堂ギャラリー(~12/27)
・「ローラン・グラッソ Soleil Noir」 メゾンエルメス(11/11~2016/1/31)
11月スタートの展覧会も盛りだくさん。まず注目したいのは水戸芸術館です。「3.11以後の建築」が始まります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4b/1d/6e502e68e463f2a5eab5c292bf8723dd.jpg)
「3.11以後の建築」@水戸芸術館(11/7~2016/1/31)
かの甚大な被害をもたらした東日本大震災。それを踏まえた建築家の新たな取り組みを紹介する展覧会です。ゲストキュレーターは五十嵐太郎氏。以前、埼玉県立近代美術館などで行われた「戦後日本住宅伝説展」の監修もつとめました。なお本展は金沢21世紀美術館よりの巡回展です。水戸ではさらに被災地の茨城にも着目しては展示を組み立てているそうです。興味深い内容になるのではないでしょうか。
2013年に続いて2度目の開催です。横浜のBankARTで「日産アートアワード2015」が始まります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3e/35/0c3ae4a29a74967cfacde70cab0714e2.jpg)
「日産アートアワード2015」@BankART Studio NYK(11/14~12/27)
現代アーティストの活動をサポートしては顕彰するアートアワード。今年は石田尚志に岩崎貴宏、また毛利悠子や米田知子ら7名の作家がファイナリストとして登場。会期中には審査委員によってグランプリ受賞者も選定されます。
入場無料の展示です。ちょうど周辺では県民ホールギャラリーで鴻池朋子展が開催中のほか、横浜美術館で中島清之展もスタート。みなとみらい界隈を巡り歩いては見に行きたいと思います。
千葉市美術館で「杉本博司展 趣味と芸術」が始まりました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/10/4c/5900aeb0e479d6d1c267636bdd7df6ba.jpg)
「杉本博司展 趣味と芸術ー味占郷/今昔三部作」@千葉市美術館(10/27~12/23)
「香取神宮ー奉げた美」@千葉県立美術館(11/7~2016/1/17)
首都圏の美術館では久々となる杉本単独の個展。実は私も早速、会期2日目に見て来ましたが、造作しかり、練られた展示で感心しました。ちょうど千葉では同じく市内の県立美術館にて「特別展 香取神宮」も始まります。市美術館(葭川公園)と県美術館(千葉みなと)はモノレールを利用すれば一本。あわせて出かけても良さそうです。
最後になりますが、拙ブログでもご案内した「第4回 図録放出会」が明日、11月3日の文化の日に開催されます。(開催時間は12:00~18:00)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0c/0c/ccfad361eca9a264a1739a307c01feaf.png)
11月3日(火・祝) 「第4回 図録放出会」が開催されます(はろるど)
「図録との新たな出会い! 11月3日、青山で図録放出会開催」(bitecho)
会場は外苑前駅近くのインテリアショップ、「BoConcept南青山店」。トークあり、入場無料、入退場自由のイベントです。また当日に図録を持ち込んでいただくことも出来ます。(受付時間は12:00~14:00)
いくつかの美術館やギャラリーの協力も頂戴しています。意外な図録との出会い、また思わぬ掘り出し物もあるやもしれません。美術館巡りやお買い物などのついでにでも立ち寄って下さると嬉しいです。
それでは今月も宜しくお願いします。
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