「クラーナハ展」 国立西洋美術館

国立西洋美術館
「クラーナハ展ー500年後の誘惑」 
2016/10/15~2017/1/15



国立西洋美術館で開催中の「クラーナハ展ー500年後の誘惑」のプレスプレビューに参加してきました。

ドイツ・ルネサンスを代表する画家のルカス・クラーナハ(1472〜1553)。これまでに国内でも単発的に作品が紹介されてきましたが、画業を俯瞰する回顧展が開かれたことは一度もありませんでした。

日本初のクラーナハ展です。絵画は40点。さらに版画が加わります。またクラーナハに刺激された近現代の美術家の作品も参照しています。


ルカス・クラーナハ(父)「ホロフェルネスの首を持つユディト」 1525/30年頃 ウィーン美術史美術館

タイトルにもある「誘惑」。チラシ表紙を飾る「ホロフェルネスの首を持つユディト」からして明らかでした。言うまでもなく剣を持つのがユディトです。剣は白い。正義を表します。両手で首を抱えています。彼がホロフェルネスです。既に息絶えて土色の顔をしています。口は半開きで目に光もありません。首の断片は生々しい。それこそ斬り立てなのでしょうか。赤い肉と白い骨が覗いています。

一方でユディトの顔色はやや赤い。僅かに興奮しているのかもしれません。目を細めて口をすぼめています。不敵な笑みに見えなくもありません。ブロンドの巻き毛は金の鉄線のように輝いていました。衣服の一部はサテンでしょうか。光沢感があります。まさに見る者を惑わすかのような妖しい魅力に満ちています。ホロフェルネスがやられたのも無理はありません。

なお「ホロフェルネスの首を持つユディト」は約3年間の修復を経ての初公開です。板の裂目の修復のほか、加筆や補彩の除去作業が行われました。


ルカス・クラーナハ(父)「ルクレティア」 1532年 ウィーン造形芸術アカデミー

「ルクレティア」はどうでしょうか。漆黒の闇を背景に浮かび上がる白い裸体。右手で短剣を持ち、胸を突いています。微かに血が滴り落ちていました。表情は明らかに苦しみ悶えています。身体を薄いヴェールで覆っていますが、殆ど透明で、本来の用途をなしていません。それゆえに裸体がより際立って見えます。官能的なまでの美しさをたたえていました。


ルカス・クラーナハ(父)「ヴィーナス」 1532年 シュテーデル美術館、フランクフルト

「ルクレティア」と対の「ヴィーナス」も妖し気です。やはり薄いヴェールが一枚。透明です。アクセサリーを身につけています。裸体は真珠のように白い。右手の指先がやや屈曲しています。笑みはどことなく挑戦的です。ヴィーナスと名付けられなければ、単に匿名の女性の裸を描いた作品にしか見えません。こうした裸体表現もクラーナハ画の魅力の一つと言えそうです。


ルカス・クラーナハ(父)「ザクセン選帝侯フリードリヒ賢明公」 1515年頃 コーブルク城美術コレクション

クラーナハが歴史の表舞台に現れたのは30歳。神聖ローマ帝国の中心であるウィーンでした。そこで人文主義者と交わり、画家として台頭します。1505年、ザクセン選帝侯フリードリヒ賢明公によって宮廷画家としてヴィンテンベルクに招かれました。


ルカス・クラーナハ(父)「聖カタリナの殉教」 1508/09年頃 ラーダイ改革派教会、ブダペスト

その頃の作品が「聖カタリナの殉教」です。もちろん主人公は聖カタリナ。しかし目を引くのは彼女を取り巻く情景描写です。空は裂け、隕石か雷が落ち、車輪は折れて曲がっています。もはや天変地異です。終末を迎えた世界のようにも見えなくありません。逃げ惑う人々は驚き慄き、混乱しています。凄まじい群像表現です。クラーナハはそれまでのドイツ絵画になかった鮮烈な絵画世界を作り上げました。


ルカス・クラーナハ(父)「夫婦の肖像(シュライニッツの夫婦?)」 1526年 ヴァイマール古典期財団

クラーナハが数多く制作し、最も得意としたのが肖像画でした。例えば「夫婦の肖像(シュライニッツの夫婦?)」です。モデルの記録こそありませんが、向き合う夫婦の姿は写実的と言えるのではないでしょうか。特に夫の顔面です。窪んだ目に高い鼻、そしてやや分厚い下唇をはじめ、こけた頬に細かな髭などが実に細かく描かれています。陰影は深い。彫像のような立体感さえあります。

習作ながらも真に迫るのが「フィリップ・フォン・ゾルムス=リッヒ伯の肖像習作」でした。モデルは一人の中年の男です。眉間には皺が重なり、口を強く閉じています。上目遣いで睨んでいます。怒っているのでしょうか。もはや解剖学的にまでにリアルです。対象を極めて克明に写し取っています。


レイラ・パズーキ「ルカス・クラーナハ(父)『正義の寓意』1537年による絵画コンペティション」 2011年 作家蔵

さて一方でクラーナハに絡む現代美術です。興味深いのレイラ・パズーキによる「ルカス・クラーナハ『正義の寓意』1537年による絵画コンペティション」でした。ご覧の通り、壁一面に並ぶのは「正義の寓意」。むろん複製画です。全部で95点。出来不出来に随分と差があります。作家が一人で描いたとは到底思えません。


ルカス・クラーナハ(父)「正義の寓意(ユスティティア)」 1537年 個人蔵

答えはワークショップでした。舞台は中国の深圳です。世界の複製画の約半数を生産する芸術村で行われました。100名の画家が参加。あえて個々の差異を強調するために7時間という制限時間が設けられました。そもそも「正義の寓意」には約100点のバリエーションがあります。クラーナハ自身も工房を運営し、分業体制で絵画を制作していました。レイラ・パズーキは絵画の複製や価値について問いかけているわけです。

ちなみに現代美術ではピカソ、デュシャン、それに川田喜久治や森村泰昌などの作品が登場します。クラーナハと現代美術。ともすると難しい組み合わせかもしれませんが、テーマ設定が明快だったこともあり、あまり違和感を覚えませんでした。500年後の現代もクラーナハの芸術は多方面に影響を与えているようです。


ルカス・クラーナハ(父)「メランコリー」 1533年(?) 個人蔵

会場のラストにいささか不思議な印象を与える作品がありました。「メランコリー」です。たくさんの裸の赤ん坊が手足を振り上げては踊っています。笛を吹き、太鼓を叩いている子もいました。右手には女性が一人。デューラーの「メランコリア」の擬人像を借りています。とはいえ、単に市井の若い女性のようにも思えなくはありません。何かに憂いているのでしょうか。ナイフで木を削っています。後方には黒い雲が迫り、たくさんの魔物たちが近づいています。魑魅魍魎としていて恐ろしい。ルターの占星術的発想の影響を受けているそうです。デューラーが憂鬱を芸術家の気質として表現したのに対し、クラーナハはあくまでも打ち払うべき脅威として描きました。

国内初のクラーナハ展。今回ほどのスケールで見られる機会は今後なかなか望めそうもありません。その意味では一期一会の展覧会と言えそうです。

「芸術新潮2016年11月号/クラーナハ特集/新潮社」

改めて11月3日の祝日に見てきましたが、場内は思いの外に空いていました。スムーズです。クラーナハ画の細部の精緻な描写もじっくり味わうことが出来ました。



2017年1月15日まで開催されています。東京展終了後は大阪の国立国際美術館へと巡回(2017/1/28〜4/16)します。

「クラーナハ展ー500年後の誘惑」@tbs_vienna2016) 国立西洋美術館
会期:2016年10月15日(土)~2017年1月15日(日)
休館:月曜日。但し1月2日は開館。年末年始(12月28日~1月1日)。
時間:9:30~17:30 
 *毎週金曜日は20時まで開館。
 *入館は閉館の30分前まで。
料金:一般1600(1400)円、大学生1200(1000)円、高校生800(600)円。中学生以下無料。
 *( )内は20名以上の団体料金。
住所:台東区上野公園7-7
交通:JR線上野駅公園口より徒歩1分。京成線京成上野駅下車徒歩7分。東京メトロ銀座線・日比谷線上野駅より徒歩8分。

注)写真は報道内覧会時に主催者の許可を得て撮影したものです。
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「ピエール・アレシンスキー展」 Bunkamura ザ・ミュージアム

Bunkamura ザ・ミュージアム
「ピエール・アレシンスキー展」 
10/19~12/8



Bunkamura ザ・ミュージアムで開催中の「ピエール・アレシンスキー展」を見てきました。

90歳を過ぎても活動を続けるベルギーの現代美術家、ピエール・アレシンスキー(1927~)は、制作に際して日本の書道に大きなインスピレーションを受けたそうです。


ピエール・アレシンスキー「夜」 1952年 大原美術館

例えば「夜」です。画業初期、1952年の時の油彩画です。黒を背景に何やら線、あるいは文字らしき形がひしめきあっています。書と言われれば、確かにそうも受け取れるかもしれません。筆触は即興的なのか素早い。一方で視点を変えれば何やら古代の篆刻のようにも見えなくはありません。

アレシンスキーはこの年、パリの版画学校で日本の前衛書道誌を手に取って書と出会います。よほど強い印象を与えたのでしょう。雑誌を主宰していた書家の森田子龍と文通を始めました。

3年後の1955年には来日も果たします。多くの書家と交流を持った上、「日本の書」というドキュメンタリー映像も撮影しました。書の世界をより深く自らの世界に引きつけていきます。

少し時計を戻しましょう。アレシンスキーは元々、美術学校で本の装丁を学んでいました。1947年、20歳の時に画家のグループに参加。個展を開きます。翌年には「プリミティブで力強く、迫力のある作品を世に送り出した」(チラシより)という芸術家集団の「コブラ」に参画し、戦後ヨーロッパ美術界の中へ身を投じました。

冒頭は美学校時代の版画です。謎めいた有機物のようなモチーフが多数現れています。とはいえ、1950年の「太陽」は、一筆の線で太陽を象っているようにも思えなくはありません。オートマティスムにも感化されたのでしょうか。かなり早い段階からさも書のごとく自由に筆を動かすことを志向しています。

「コブラ」は数年で解散しますが、移り住んだパリで様々な芸術に触れることで、作風をさらに変化させていきます。「新聞雑報」はポロックとの関係を指摘される作品です。アレシンスキーは一時、キャンバスを床に置いて絵具を垂らして描いていましたが、ポロックのスタイルを踏襲したとも言われています。また「ある日トリノにて」にはアンソール風の髑髏が現れています。実際、アレシンスキーはアンソールのを踏まえることで、より表現主義的な傾向を強めていったそうです。

初渡米は1961年。作品に即興性を求めたのでしょう。この頃から乾きやすいアクリル絵具を使うようになります。彼にアクリルの使い方を教えたのは、ニューヨークに在住していた中国人画家、ウォレス・ティンでした。さらにアレシンスキーは仙厓の禅画にも大いに共感します。先の森田子龍の例を挙げるまでもなく、アレシンスキーの制作の根底には、東洋の芸術が深く関わっていたと言えるかもしれません。


ピエール・アレシンスキー「写真に対抗して」 1969年 ベルギーINGコレクション

コマ割りのようなフレームで囲った挿画が挿入されるのも面白いところです。「写真に対抗して」では下部にコマがあり、複数のモチーフが描かれています。上は血の如く赤い有機体のような何かが言わば爆発的に膨れ上がっていました。挿画部分は基本的に補足だそうです。具体的に明示されているわけではありませんが、作品に言わば重層性を与えています。


ピエール・アレシンスキー「至る所から」 1982年 ベルギー王立美術館

フレームといえば「至る所から」も同様でした。中央のフレームには目を伴った生き物がいます。周囲は色彩の渦。暴風雨の如く荒れています。フレーム内のモノクロームとは対比的です。それにしても色はもはや空間から溢れ出るように輝かしい。時にステンドグラスを見るかのような色彩もアレシンスキーの魅力と言えるかもしれません。


ピエール・アレシンスキー「ボキャブラリーI-VIII」 1986年 作家蔵

出品中最大なのが「ボキャブラリーI-VIII」。縦は3メートル近くはあるのではないでしょうか。もちろん横幅も広い。パネルが例のフレームで分割されています。ほぼ青と白一色です。色には統一感があります。火山、植物、あるいは生き物、またビルのような建物などのモチーフが描かれていました。世界の諸相を表しているのでしょうか。一時はグッゲンハイム美術館のエレベーターホールを飾っていたそうです。もはや壁画と言っても差し支えありません。

書ならぬ文字への関心は、支持体に文字の記された不要な紙類を採用するにまで至りました。コラージュです。「言葉でもあり、網目であり」は18世紀の手紙。その上にアレシンスキーが色をつけています。「氷の目」はグリーンランドの航空図です。航路を示す文字も記載されています。そこへ新たにモチーフを書き加えています。


ピエール・アレシンスキー「鉱物の横顔」 2015年 作家蔵

四角形のフレームが続くと思いきや、今度は一転、円が現れました。近作での取り組みです。キャンバス自体が円い。それこそ禅の円相の境地でしょうか。モチーフも循環していました。


ピエール・アレシンスキー「デルフトとその郊外」 2008年 作家蔵

出口にアレシンスキーの特集映像が放映されています。自身のインタビューをはじめ、半生、アトリエでの制作風景などが20分弱程度にまとめられています。鑑賞の参考となりました。



日本では初めての本格的な回顧展です。全てが親しみやすいとは言えません。しかしいわば洗練とは無縁の、原初的でかつ土着的で、激しくエネルギーの渦巻く奔放な作品は、確かに稀な個性があります。また一人、記憶に残る画家に出会えました。

12月8日まで開催されています。

「ピエール・アレシンスキー展」 Bunkamura ザ・ミュージアム@Bunkamura_info
会期:10月19日(水)~12月8日(木)
休館:10月24日(月)。
時間:10:00~19:00。
 *毎週金・土は21時まで開館。
 *入館は閉館の30分前まで。
料金:一般1400(1200)円、大学・高校生1000(800)円、中学・小学生700(500)円。
 *( )内は20名以上の団体料金。要事前予約。
住所:渋谷区道玄坂2-24-1
交通:JR線渋谷駅ハチ公口より徒歩7分。東急東横線・東京メトロ銀座線・京王井の頭線渋谷駅より徒歩7分。東急田園都市線・東京メトロ半蔵門線・東京メトロ副都心線渋谷駅3a出口より徒歩5分。
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「月ー夜を彩る清けき光」 渋谷区立松濤美術館

渋谷区立松濤美術館
「月ー夜を彩る清けき光」 
10/8~11/20



渋谷区立松濤美術館で開催中の「月ー夜を彩る清けき光」を見てきました。

振り返れば日本の絵画や工芸には数多くの「月」が登場します。

そうした月をモチーフとした美術品を集めた展覧会です。例えば冒頭、久隅守景の「瀟湘八景図」にも空に月が照っています。中央には奇岩がそびえ、人の姿も見ることが出来ます。筆は緻密です。細部の表現も抜かりがありません。


歌川広重「名所江戸百景 京橋竹がし」安政3〜6(1856〜59)年 和泉市久保惣記念美術館

広重の「名所江戸百景」からは2点、やはり月の描いた作品が出ていました。うち「京橋竹がし」はどうでしょうか。かつての京橋川に架かっていた橋の上には満月が明るい光を放っています。川面には竹細工を運搬する舟も浮かんでいます。橋上に多くの人が行き交います。しばし立ち止まって月見をする者もいたに違いありません。

かぐや姫でお馴染みの竹取物語も月を題材としています。物語の場面を描いたのが「竹取物語図屏風」です。元は絵巻、それを後に屏風に仕立てました。上下の金砂子も美しい。詞書の筆も優美です。左下に表されたのがかぐや姫が月へと帰っていくシーンでしょうか。雲の上に乗った車が天へと昇っています。


「武蔵野図屏風(右隻)」 江戸時代(18世紀) 東京富士美術館

秋の景色が広がります。「武蔵野図屏風」です。六曲一双の大パノラマ。左が富士山です。そして右隻の草の間には月が沈んでいます。直列に並ぶ秋草はリズミカルです。萩などの花を隠しています。構図は図像的ながらも洗練されています。空の金砂子が効果的でした。きらきらと瞬く様子はまるで星屑のようでもあります。

直接描いていないのにも関わらず、月を意識した作品がありました。司馬江漢の「月下柴門美人図」です。柴門とあるように松の下の門で一人佇む女性の姿を描いています。空を見ても月は出ていません。ではどのように月の存在を示しているのでしょうか。答えは女性の青い着衣でした。ちょうど前の部分、特に足のあたりがうっすらと白く灯っています。月明かりが当たっているのでしょう。江漢らしく西洋の銅版画のような陰影を伴っているのも興味深いところでした。

月と動物や植物を取り合わせた作品も少なくありません。動物ではもちろん兎が主役です。中林竹洞の「清光淡月兎図」や源長常の「月兎漕舟図」も可愛らしいのではないでしょうか。植物では竹、中でも呉春・玉潾の「月竹図」が見事でした。墨画の軸画です。竹の描写が殊更に美しい。墨の擦れや跳ねを生かしては笹を描いています。月は十日夜でしょうか。上弦の月よりもやや膨らんでいます。


「花宴蒔絵硯箱(源氏物語蒔絵箔箱附属品)」 江戸時代(17世紀) 徳川美術館

工芸品にも月は多数登場します。「染付吹墨月兎文皿」は兎と月を染付で表現した小皿です。上に三日月が浮かび、下で兎がどこか楽しげに跳ねています。ほか武具では「黒漆塗頭形兜 伝柴田家武将所用」が目立っていました。かの柴田勝家が賎ヶ岳の戦いで着用したとも伝わる兜です。前立てに月が漆で描かれています。なお兜の一部が凹んでいましたが、これは銃弾を受けた痕なのだそうです。合戦の記録が生々しく残されています。

興味深い鐔を見つけました。「田毎の月図鐔 銘 西垣永久七十歳作之鍔」です。鐔の模様は田んぼです。細かな区画に分かれています。それぞれの田には苗と細い三日月がほぼ一つずつ描かれていました。何故に月が田にあるのでしょうか。写り込みです。空の月が水田に写っているという趣向でした。面白いアイデアではないでしょうか。

工芸では尾形乾山の「定家詠十二ヵ月和歌花鳥図角皿」が全点揃い。これは見入ります。また頴川美術館や和泉市久保惣記念美術館、それに京都国立博物館などの関西のコレクションが多いのも印象に残りました。


岳翁蔵丘「山水図」 室町時代(15〜16世紀) 佐野美術館

出品総数は81件です。ただし武具、工芸以外の大半は前後期で入れ替わります。各会期で50件超の展示です。点数は多くはありません。

「月ー夜を彩る清けき光」出品リスト(PDF)
前期:10月8日(土)~10月30日(日)
後期:11月1日(火)~11月20日(日) 

11月20日まで開催されています。

「月ー夜を彩る清けき光」 渋谷区立松濤美術館
会期:10月8日(土)~11月20日(日)
休館:10月11日(火)、17日(月)、24日(月)、31日(月)、11月4日(金)、7日(月)、14日(月)。
時間:10:00~18:00 
 *毎週金曜日は19時まで開館。
 *入館は閉館の30分前まで。
料金:一般1000(800)円、大学生800(640)円、高校生・65歳以上500(400)円、小中学生100(80)円。
 *( )内は10名以上の団体、及び渋谷区民の入館料。
 *渋谷区民は毎週金曜日が無料。(要各種証明書)
 *土・日曜日、休日は小中学生が無料。
場所:渋谷区松濤2-14-14
交通:京王井の頭線神泉駅から徒歩5分。JR線・東急東横線・東京メトロ銀座線、半蔵門線渋谷駅より徒歩15~20分。
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11月の展覧会・ギャラリー

11月に見たい展覧会を挙げてみました。

展覧会

・「特別展 禅ー心をかたちに」 東京国立博物館(~11/27)
・「藤田嗣治展 東と西を結ぶ絵画」 府中市美術館(~12/11)
・「漆芸名品展~うるしで伝える美の世界」 静嘉堂文庫美術館(~12/11)
・「BODY/PLAY/POLITICS」 横浜美術館(~12/14)
・「円山応挙 『写生』を超えて」 根津美術館(11/3~12/18)
・「文人として生きるー浦上玉堂と春琴・秋琴 父子の芸術」 千葉市美術館(11/10~12/18)
・「時代を映す仮名のかたちー国宝手鑑『見努世友』と古筆の名品」 出光美術館(11/19~12/18)
・「拝啓 ルノワール先生ー梅原龍三郎に息づく師の教え」 三菱一号館美術館(~2017/1/9)
・「世界に挑んだ7年 小田野直武と秋田蘭画」 サントリー美術館(11/16~2017/1/9)
・「レオナール・フジタとモデルたち」 DIC川村記念美術館(~2017/1/15)
・「デトロイト美術館展~大西洋を渡ったヨーロッパの名画たち」 上野の森美術館(~2017/1/21)
・「デザインの解剖展:身近なものから世界を見る方法」 21_21 DESIGN SIGHT(~2017/1/22)
・「国立劇場開場50周年記念 日本の伝統芸能展」 三井記念美術館(11/26~2017/1/28)
・「東京・TOKYO 日本の新進作家 vol.13」 東京都写真美術館(11/22~2017/1/29)
・「日本におけるキュビスムーピカソ・インパクト」 埼玉県立近代美術館(11/23~2017/1/29)
・「戦国時代展ーA Century of Dreams」 江戸東京博物館(11/23~2017/1/29)
・「粟津則雄コレクション展 思考する眼の向こうに」 練馬区立美術館(11/19~2017/2/12)
・「世界遺産 ラスコー展~クロマニョン人が残した洞窟壁画」 国立科学博物館(11/1~2017/2/19)
・「マリー・アントワネット展 美術品が語るフランス王妃の真実」 森アーツセンターギャラリー(~2017/2/26)

ギャラリー

・「樫木知子展」 オオタファインアーツ(~11/19)
・「SENSE OF MOTION」 スパイラルガーデン(11/9~11/20)
・「荒木愛展 I SPY II」 画廊くにまつ青山(11/17~11/27)
・「ホセ・パルラ Small Golden Suns」 ユカ・ツルノ・ギャラリー(~12/3)
・「トランス/リアルー非実体的美術の可能性 vol.5 伊東篤宏・角田俊也」 ギャラリーαM(~12/3)
・「西尾康之 「REM (Rapid Eye Movement)」 山本現代(~12/3)
・「何翔宇 Save the Date」 SCAI THE BATHHOUSE(~12/3)
・「山口晃 室町バイブレーション」 ミヅマアートギャラリー(11/2~12/17)
・「伊藤隆介 天王洲洋画劇場」 児玉画廊|天王洲(~12/24)
・「榎本了壱コーカイ記」 ギンザ・グラフィック・ギャラリー(11/11~12/24)
・「ホンマタカシ」 TARO NASU(11/18~12/24)
・「鈴木理策 Mirror Portrait」 タカ・イシイギャラリー東京(11/26~12/24)
・「Les Parfums Japonaisー香りの意匠、100年の歩み」 資生堂ギャラリー(11/2~12/25)

まず11月の展覧会で最も楽しみなのが根津美術館です。「円山応挙 『写生』を超えて」が始まります。



「円山応挙 『写生』を超えて」@根津美術館(11/3~12/18)

同館所蔵の「藤花図屏風」をはじめ、「雪松図屏風」(三井記念美術館)や「七難七福図巻」(相国寺)などの代表作を交えての応挙展です。会期は2期制。11月末に展示替えもあります。出来れば前後期を追いかけたいところです。

歴史資料により戦国時代100年を振り返ります。江戸東京博物館で「戦国時代展ーA Century of Dreams」が開催されます。



「戦国時代展ーA Century of Dreams」@江戸東京博物館(11/23~2017/1/29)

太刀や甲冑はもとより、合戦などを描いた屏風などの美術品も出品。狩野永徳の「洛中洛外図屏風」や土佐光信の「北野天神縁起」などの有名作も少なくありません。これまでにも関ヶ原展など、戦国の一場面に着目した展覧会はありましたが、通史を網羅的に見る企画は意外と少なかったのではないでしょうか。

「羯鼓催花・紅葉賀図密陀絵屏風」が、11月8日(火)~11月20日(日)のみ両隻揃って展示されます。



「漆芸名品展~うるしで伝える美の世界」@静嘉堂文庫美術館(~12/11)

「羯鼓催花・紅葉賀図密陀絵屏風」は漆芸の技法によって作られた屏風絵です。作者不明ながらも重要文化財に指定。このほど修復を経て、約10年ぶりに公開されました。既に「羯鼓催花図」のみ展示中ですが、上記期間に限り、「紅葉賀図」もあわせて出展されます。つまり屏風の全体を一度に見られるのはおおよそ10日間のみです。その会期を狙って出かけるつもりです。

東京国立博物館の「禅」が11月8日から後期展示に入ります。また同じく上野では国立科学博物館で「ラスコー展」も始まりました。こちらは知名度も抜群。ひょっとすると後半は混むやもしれません。早めに見ておきたいところです。

それでは今月もどうぞ宜しくお願い致します。
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