「生誕140年記念特別展 木島櫻谷」のPart II がはじまります

2月末から泉屋博古館分館で開催されていた、「生誕140年記念特別展 木島櫻谷 PartⅠ 近代動物画の冒険」。日本画家、木島櫻谷の動物画に着目し、作品を紹介していました。



「木島櫻谷 PartⅠ 近代動物画の冒険」 泉屋博古館分館(はろるど)

櫻谷の描く動物には、まるで表情があるようでもあり、どことない気品も感じられるかもしれません。それゆえか注目を集め、日曜美術館の再放送もあったからか、特に後半は多くの方で賑わいました。

【生誕140年記念特別展 木島櫻谷】泉屋博古館分館
「PartⅠ 近代動物画の冒険」:2月24日(土)~4月8日(日)
「PartⅡ 「四季連作屏風+近代花鳥図屏風尽し:4月14日(土)~5月6日(日)

その木島櫻谷展は、完全入れ替えの2部制です。Part Iは4月8日(日)で終了し、4月14日(土)より、「PartⅡ 四季連作屏風+近代花鳥図屏風尽し」がはじまります。



[生誕140年記念特別展 木島櫻谷 PartⅡ 四季連作屏風+近代花鳥図屏風尽し]
会場:泉屋博古館分館(港区六本木1-5-1)
会期:4月14日(土)〜5月6日(日)
https://www.sen-oku.or.jp/tokyo/program/index.html

PartⅡで特集されるのは、櫻谷の花鳥画で、特に連作の「四季連作図屏風」が出展されます。これは住友銀行を創設し、茶人として知られた15代住友吉左衞門(春翠)の造営した茶臼山本邸の大広間を飾った屏風絵で、櫻谷は四季折々の草花を、鮮やかな色彩にて描きました。また「燕子花図」からは、琳派の作風を思わせる面があるかもしれません。

ただしよく見ると、花の形態は類型化せず、写生が基本となっていることが分かります。また「菊花図」でも花弁の揺らぎを描くなど、単に装飾にとどまらない表現を志向しました。「雪中梅花」においては、桃山や江戸初期の狩野派の作風に近いとする指摘もあるそうです。


「柳桜図」(左隻) 大正6年 泉屋博古館分館

さらに同時代の花鳥画の屏風絵もあわせて展示され、館内はまさに「花鳥画屏風尽し」として、「飾り」の屏風絵で彩られます。

[ギャラリー・トーク]
日時:4月14日・21日(各土曜日)15:00~16:00
ナビゲーター:野地耕一郎(泉屋博古館 分館長) 

会期中には、初日の14日と21日の土曜日に、泉屋博古館の野地耕一郎分館長のギャラリートークも行われます。櫻谷に対する新たな知見も得られるかもしれません。



木島櫻谷は2014年にも泉屋博古館分館で回顧展があり、以来、京都でも展示が行われ、かなり知られるようになって来ました。



泉屋博古館分館の木島櫻谷展、「PartⅡ 四季連作屏風+近代花鳥図屏風尽し」は、4月14日より開催されます。

「生誕140年記念特別展 木島櫻谷 PartⅡ 「四季連作屏風+近代花鳥図屏風尽し」 泉屋博古館分館 
会期:4月14日(土)〜5月6日(日)
休館:月曜日。但し4/30は開館、5/1は休館。 
時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)
料金:一般800(640)円、学生600(480)円、中学生以下無料。
 *( )内は20名以上の団体。
住所:港区六本木1-5-1
交通:東京メトロ南北線六本木一丁目駅北改札1-2出口より直通エスカレーターにて徒歩5分。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

2018年春のお花見あれこれ

今年の桜は開花も早く、あっという間に満開を迎えました。風も強く、暖かい日が多かったからか、心なしか見頃も短かったかもしれません。

拙い写真で恐縮ですが、今年の春、私が見た桜を順にあげていきたいと思います。



まずは地元の千葉県の市川市にある真間山弘法寺の「伏姫桜」です。推定樹齢400年を数える枝垂桜で、桜の花は地面につくほど垂れていました。



同じく真間山にはソメイヨシノも多く植えられていますが、やはり枝垂れの方が早いため、同時に楽しむことは出来ませんでした。



続くのが、成田空港にほど近い成田市さくらの山公園で、滑走路に離着陸する飛行機とともに、桜を見られるスポットとして知られています。一帯にはソメイヨシノやヤマザクラ、ヒガンザクラが約300本植えられていました。



一応、開花宣言も出された後の休日のため、駐車場もほぼ満車で、多くの人で賑わっていましたが、実際のところソメイヨシノは殆ど咲いていませんでした。(3月25日段階。)ほぼ一週間早かったようです。



東京で開花も進んだ3月最終週には、芝の増上寺でお花見をしてきました。境内には200本の桜があり、ソメイヨシノは満開で、枝垂れは早くも散り始めていました。



場所柄か、外国のお客さまの姿を多く見かけました。やはり春は日本観光のベストシーズンなのかもしれません。



3月末の週末には、再び地元の市川市の中山法華経寺へ出かけてきました。この日は快晴で、やや散り始めていたものの、桜も青空により映えて見えました。



鎌倉時代の創建の法華経寺の境内は広く、祖師堂や五重塔、それに法華堂などは重要文化財に指定されています。



また境内奥の聖教殿は、伊東忠太の建築で、日蓮聖人による国宝の立正安国論などが納められています。その聖教殿前の桜も花開いていました。



法華経寺のあとは、市内の桜の名所である真間川を歩きました。桜並木は川の両側のおおよそ2キロに渡って連なっています。



川はほぼ住宅地の中を流れるため、大きな観光スポットもなく、人出も多くはありません。市外でも特に知られていないため、毎年、静かにお花見をすることが出来ます。



今年、初めて「真間川堤桜まつり」も開催され、川床が設置されました。川面近くから見上げる桜もまた一興ではないでしょうか。



ラストは新宿御苑へ繰り出しました。言わずと知れた、都内有数の桜の名所で、園内には65種類、約1000本もの桜が植えられています。



桜の種類が豊富なため、3月からヤマザクラ、ソメイヨシノ、そして八重桜と、長くお花見が出来るのも特徴です。4月第1週の段階では、ちょうどが八重桜が見頃を迎えていました。



さすがに人気の花見スポットだけにギャラリーも多く、スマホを片手にしながら、思い思いに写真を撮っている方が見られました。



僅かに雨も混じる曇天ながら、量感のある八重桜も見応えがありました。またつつじも一部で花開いていました。


皆さんの今年のお花見は如何でしたでしょうか。また来年も楽しみたいと思います。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

「東京⇆沖縄 池袋モンパルナスとニシムイ美術村」 板橋区立美術館

板橋区立美術館
「東京⇆沖縄 池袋モンパルナスとニシムイ美術村」 
2/24~4/15



板橋区立美術館で開催中の「東京⇆沖縄 池袋モンパルナスとニシムイ美術村」を見てきました。

戦前、戦後にかけて、東京の池袋と落合、そして沖縄の首里のニシムイには、主に若い芸術家の集った「アトリエ村」ともいうべき集合体が存在しました。

はじまりは落合でした。そもそも東京の美術の中心は上野にありましたが、1920年前後、落合は郊外としての宅地開発が進み、満谷国四郎、金山平三、佐伯祐三らといったヨーロッパ帰りの画家が集いました。また佐伯祐三や、沖縄から上京した名渡山愛順らも加わりました。


佐伯祐三「下落合風景(テニス)」 1926(大正15)年頃 新宿区(落合第一小学校)

大正末期の下落合を描いたのが、佐伯祐三の「下落合風景」で、古い日本家屋を背に、手前に広がる空き地でテニスを楽しむ人の姿を表していました。家屋の並びには黒松と思しき高木がそびえ、瓦屋根の上には白い雲と水色の空が広がっていました。空き地の土は赤茶けていて、人は白いテニスウエアを身につけていました。おそらくは簡易的なコートなのか、コート上には雑草も生えていました。いかにも郊外といった様相で、どことなくのんびりと流れる時間が伝わってくるかもしれません。


松本竣介「郊外」 1937(昭和12)年 宮城県美術館

松本竣介の「郊外」が異彩を放っていました。下落合の崖線を俯瞰的に描いた一枚で、木々の緑に包まれた野山の手前には、白い学校のような建物が連なっていて、校庭で遊んでいると思しき子どもたちの姿も見えました。ともかく目を引くのが、全体を覆う緑色の色彩で、空も青というよりも、深緑に染まり、何やら幻想的な光景にも思えなくはありません。


続くのが池袋で、1930年頃には、全国各地の画家が集まっては、アトリエ村が形成されました。それは、モンマルトルに見立てられた上野の丘に対し、詩人の小熊秀雄の作品に因んで、池袋モンパルナスと呼ばれました。やがて家賃の安いアトリエ住宅が増え、一時は100軒以上も連なり、画家だけでなく、詩人や演劇人らも、ともに交流しました。


長谷川利行「新宿風景」 1937(昭和12)年頃 東京国立近代美術館

この池袋モンパルナスに出入りしていたのが、京都出身の長谷川利行で、「新宿風景」では、駅付近と思われる新宿の雑踏を、白や黄色を基調とした色彩にて捉えていました。筆は素早く、黒い人影は点々としていて、何やら陽炎のようにも見えるかもしれません。この頃の長谷川は木賃宿に住んでは、新宿界隈の画廊や喫茶店で個展を開いていました。

北海道出身の難波田龍起も、1935年には千川に移り住み、絵画を制作しました。「ヴィナスと少年」では、古代ギリシャ風の彫像と少年の姿を、白くざらりとした砂地のような空間に描きました。それはややシュールでもあり、のちに進む抽象の作風とは似てもにつきません。


靉光「鳥」 1942(昭和17)年頃 宮城県美術館

広島生まれの靉光も、長崎町のアパートに暮らしては、絵画を描きました。うち目立つのが「グラジオラス」で、緑色のグラジオラスを縦の構図で表していますが、よく見ると巨大なカマキリが顔を覗かしていて、実に不気味な雰囲気が漂っていました。

また北九州出身で、同じく長崎町に転居した寺田政明の「芽」も、異様な様相を見せた作品で、植物や昆虫のようなモチーフが混在し、一体、何を捉えているのかよく分かりません。寺田は庭の鳥や虫を好み、生き物に対して深い共感を抱いていたそうです。ひょっとすると庭で見た生き物を表しているのかもしれません。

秋田に生まれ、板橋の志村の小学校で教壇に立ちながら、画家として活動した浜松小源太の「世紀の系図」も、強い存在感を放っていました。布やリボンで出来た鳥か怪物を思わせるモチーフの中、宙に吊られたのは赤ん坊の姿で、何やらカーキー色の服に包まれていました。赤ん坊の上には日の丸と思しき旗が揺らめくものの、ボロボロに破れていて、その向こうのナチスの旗も同じように朽ち果てていました。1938年の制作で、この年にヒトラーが統帥権を掌握し、国家総動員法が公布されました。戦争に突き進んだ当時の世相、ないし不穏な未来を暗示しているのかもしれません。なお画家も戦中、ビルマにて亡くなりました。

戦後の池袋モンパルナスでは、労働争議や基地闘争など、社会的、政治的なメッセージを持ち得た作品が、多く制作されるようになりました。また戦中では否定されたシュルレアリスムについて、再び試みる画家も現れました。一方で、米兵向けのお土産の肖像画、いわゆる「きぬこすり」が描かれたりするなど、多様な展開も見せていました。また沖縄出身で、疎開先から東京へと戻った南風原朝光は、詩人の山之口獏とともに、池袋の泡盛酒場で琉球舞踊の夕べを開催するなどして、沖縄の文化を紹介しました。


藤田嗣治「孫」 1938(昭和13)年 沖縄県立博物館・美術館

東京と沖縄は戦前から行き来があり、1937年に沖縄航路の所要時間が短縮すると、沖縄へ渡る画家も増えました。野見山暁治の「首里城の高台から望む赤田町」や、鳥海青児の「沖縄風景」も、同地で描かれた作品で、1938年に藤田嗣治一行が沖縄に渡った際は、先の南風原朝光が案内役を務めました。その藤田による「孫」も目を引きました。

丸木位里・俊の「沖縄の図」8連作のうちの1枚、「自然壕(ガマ)」も、画家が沖縄戦に取材した作品で、壕の中で不安そうにひしめく女性や子供の姿を描いていました。空の茶碗を差し出す女性の表情は、それこそ窮状を訴えかけるようでもありました。


南風原朝光「窓」 1954(昭和29)年 沖縄県立博物館・美術館

ラストが沖縄のニシムイ美術村での展開でした。戦後、米軍占領下の1948年、首里のニシムイに沖縄の美術家が集まり、アトリエを構え、美術村が形成されました。メンバーの多くは学生期を東京で過ごした画家で、名渡山愛順、安次嶺金正、安谷屋正義、それに玉那覇正吉らがいました。

名渡山愛順の「沖縄の女」に魅せられました。皿や瓶の並ぶ中、布団の上で横たわる女性を描いた作品で、右手を頭の後ろに回し、目を開いては上を向いていました。目鼻立ちはくっきりしていて、どこか健康的で、力強さも感じられました。

玉那覇正吉の「老母像」も迫力がありました。青い椅子に座る老いた女性を真正面から捉えていて、顔や手は日焼けによるのか、オレンジから黒色に染まっているようにも見えました。手の皺は深く、骨ばった様子から、女性の生きた長い年月が感じられるかもしれません。

大嶺政寛の「1950年西原」にも目が留まりました。一面の平原の上には、戦車が打ち捨てられていて、かの戦争によるのか、樹木もまだ焦げていて、あたりは土がむき出しになっていました。地形すら変えてしまった、沖縄戦の甚大な被害を思わせるものがあります。

ニシムイ美術村の終焉は早く、必ずしも長続きはしなかったものの、やがて沖縄最大の公募展に成長する「沖展」に関連するなど、のちの沖縄の美術界に影響を与えました。

池袋モンパルナスとニシムイ美術村の活動は、必ずしも独立していたわけでなく、互いに関係し合いながら、緩やかに繋がっていました。出展数は90件で、沖縄県立博物館・美術館からも多く作品がやって来ていました。その運動の軌跡を作品から検証した、好企画と言えそうです。



なお公式サイトにも案内があるように、本展終了後、板橋区立美術館は改修工事のため、約1年間に渡って休館します。

「改修工事による休館のお知らせ」(板橋区立美術館)



改修に際しては、展示ケースや照明、空調設備、トイレをリニューアルするほか、エントランスホールの内装も一新し、コミュニティスペースやエレベーターが新設されます。また、国宝や重要文化財の公開も可能になるそうです。



リニューアルオープンは、2019年6月頃の予定しているそうです。確かに設備こそ老朽化していたものの、企画展示に関しては定評のある美術館でした。リニューアル後の展開にも期待したいと思います。



ひょっとすると「永遠の穴場」ののぼり旗も見納めとなるかもしれません。


長期休館前の最後の展覧会です。4月15日まで開催されています。おすすめします。

「20世紀検証シリーズ No.6 東京⇆沖縄 池袋モンパルナスとニシムイ美術村」 板橋区立美術館@itabashi_art_m
会期:2月24日(土)~4月15日(日)
休館:月曜日。
時間:9:30~17:00 *入館は閉館の30分前まで。
料金:一般650円、高校・大学生450円、小・中学生200円。
 *毎週土曜日は高校生以下無料。
住所:板橋区赤塚5-34-27
交通:都営地下鉄三田線西高島平駅下車徒歩13分。東武東上線・東京メトロ有楽町線成増駅北口2番のりばより増17系統「高島平操車場」行き、「区立美術館」下車。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

東京・ミュージアム「ぐるっとパス2018」が発売されました

今年も「ぐるっとパス」のシーズンがやって来ました。4月1日、東京都歴史文化財団より、東京・ミュージアム「ぐるっとパス2018」が発売されました。



[東京・ミュージアム ぐるっとパス2018](@gruttopass
https://www.rekibun.or.jp/grutto/

「ぐるっとパス」は、東京を中心とする92の美術館、博物館、動物園、水族園などの入場券、割引券が、1冊にまとまったチケットブックで、最初の利用日から2ヶ月間使うことが出来ます。

[ぐるっとパス2018概要]
価格:一冊2200円。
使用:各施設の入場券・割引券が綴られたチケットブック。
対象施設:東京を中心とする美術館や博物館など92施設。
有効期限:最初の利用日より2ヶ月。最終有効期間は2019年3月31日(日)



参加施設が昨年よりも12館増え、92の施設が対象になりました。(新規参加8館、再参加4館)。また200円値上げされ、1冊2200円となりました。

[ぐるっとパス2018からの新規参加対象施設]
・旧岩崎邸庭園(入場)
・浜離宮恩賜庭園(入場)
・新宿区立漱石山房記念館(入場)
・東洋文庫ミュージアム(入場)
・すみだ北斎美術館(常設展入場)
・そごう美術館(企画展入場)
・帆船日本丸/横浜みなと博物館(入場)
・神奈川県立歴史博物館(常設展入場・特別展割引)

新規参加施設は上記の通りです。都内では、旧岩崎邸庭園と浜離宮恩賜庭園の2つの庭園と、すみだ北斎美術館に東洋文庫ミュージアム、それに昨年9月に開館した新宿区立漱石山房記念館が新たに加わりました。また横浜からは、帆船日本丸/横浜みなと博物館と、この4月28日にリニューアルオープンを迎える神奈川県立歴史博物館が参加しました。



このほかにも、旧東京音楽学校奏楽堂、刀剣博物館、三鷹市山本有三記念館、八王子市夢美術館も「ぐるっとパス」に再び参加し、この4月に誕生した国立映画アーカイブも、かつての東京国立近代美術館フィルムセンターと同様に対象施設となりました。さらに昨年、初めて東京都外で加わった横浜美術館、千葉市美術館、埼玉県立近代美術館も、変わらずに対象となりました。

「ぐるっとパス2018」使える施設一覧(東京都歴史文化財団)

「ぐるっとパス」で注意すべきは、パスの提示で全ての展示、ないし施設が入場出来る場合と、そうでない場合があることです。また企画展や特別展の割引額も各施設によって異なります。詳しくは「ぐるっとパス2018使える一覧施設」のリンク先をご覧下さい。

4月からは多くの展覧会がはじまります。そこで今月中に「ぐるっとパス」で見られる主な企画展をリストアップしてみました。

[ぐるっとパス2018で4月中に観覧出来る主な企画展]

・「『光画』と新興写真 モダニズムの日本」 東京都写真美術館(3/6~5/6)
・「ヨーロピアン・モード」 文化学園服飾博物館(3/11〜5/11)
・「浮世絵ねこの世界展」 八王子夢美術館(4/6〜5/13)
・「アンティーク・レース展」 そごう美術館(4/13〜5/13)
・「モダンアート再訪 ダリ、ウォーホルから草間彌生まで 福岡市美術館コレクション展」 埼玉県立近代美術館(4/7~5/20)
・「ハワイと南の島々」 東洋文庫ミュージアム(1/18〜5/27)
・「チャペック兄弟と子どもの世界」 渋谷区立松濤美術館(4/7〜5/27)
・「藤田嗣治 本のしごと」 目黒区美術館(4/14〜6/10)
・「建物公開 旧朝香宮邸物語/鹿島茂コレクション フランス絵本の世界」 東京都庭園美術館(3/21〜6/12)
・「大名茶人・松平不昧」 三井記念美術館(4/21~6/17)
・「浮世絵モダーン 深水の美人! 巴水の風景! そして…」 町田市立国際版画美術館(4/21~6/17)
・「酒器の美に酔う」 静嘉堂文庫美術館(4/24〜6/17)
・「金襴手ー人々を虜にした伊万里焼」 戸栗美術館(4/4〜6/21)
・「五木田智央 PEEKABOO」 東京オペラシティアートギャラリー(4/14~6/24)
・「ジョルジュ・ブラック展 絵画から立体への変容ーメタモルフォーシス」 パナソニック汐留ミュージアム(4/28~6/24)

上記の15展示の一般観覧料を合わせると13600円で、全てが「ぐるっとパス」の1冊で観覧することが出来ます。これだけでも単純に11400円もお得です。



上野動物園や多摩動物公園、葛西臨海水族園、夢の島熱帯植物館、神代植物公園も、「ぐるっとパス」を提示すると、フリーで入場可能です。有効期間は2ヶ月間と、必ずしも長くはありませんが、組み合わせ次第で、美術館から動物園、水族園などと幅広く楽しむことが出来ます。


また今年度も東京メトロ、もしくは東京都交通局の一日乗車券のついた、「メトロ&ぐるっとパス」「都営deぐるっとパス」発売されました。

2018年度版「メトロ&ぐるっとパス」を発売します!(東京メトロ)
「都営deぐるっとパス」を発売します(東京都交通局)

それぞれ「ぐるっとパス」1冊に一日乗車券(メトロの場合は24時間券)が2枚ついて2870円です。各一日券の値段を鑑みると、東京メトロで530円、東京都交通局で730円ほどお得になります。なお東京都交通局は、都営地下鉄のみならず、都バス、東京さくらトラム、日暮里・舎人ライナーの全線に乗り降り可能です。


昨年よりパワーアップした「ぐるっとパス2018」を片手に、美術館や博物館を巡り歩いてはいかがでしょうか。

「東京のちいさな美術館めぐり/浦島茂世/ジービー」

[ぐるっとパス2018実券販売窓口]
「ぐるっとパス2018」全92対象施設のチケット販売窓口
東京観光情報センター(都庁第一本庁舎1階)
リブロ汐留シオサイト店、パルコブックセンター吉祥寺店、上野公園案内所、浅草文化観光センター、TIC TOKYO(東京駅日本橋口)、中央区観光情報センター(京橋エドグラン内)ほか。
「メトロ&ぐるっとパス」と「都営deぐるっとパス」は主要駅の定期券販売所などで発売。
コメント ( 1 ) | Trackback ( 0 )

2018年4月に見たい展覧会

厳しい冬が終わったと思いきや、突如、例年を大きく上回るほど暖かくなり、桜も一気に開花しては、早くも散っていきました。地元の桜祭りは今週末に予定されていますが、すっかり葉桜での祭りとなりそうです。

3月の展覧会では、府中市美術館の「春の江戸絵画まつり リアル 最大の奇抜」、国立西洋美術館の「プラド美術館展」、サントリー美術館の「寛永の雅」が印象に残りました。そのうち「春の江戸絵画まつり」については、間もなく大規模な展示替えも行われるため、改めて出かけたいと思います。

年度の切り替わりです。この時期にはじまる展覧会は少なくありません。4月に見たい展覧会をリストアップしてみました。

展覧会

・「『光画』と新興写真 モダニズムの日本」 東京都写真美術館(~5/6)
・「桜 さくら SAKURA 2018ー美術館でお花見!」 山種美術館(~5/6)
・「東西美人画の名作『序の舞』への系譜」 東京藝術大学大学美術館(~5/6)
・「杉浦非水の花鳥画ー百花譜とスケッチ」 多摩美術大学美術館(4/4~5/6)
・「木島櫻谷 PartⅡ 四季連作屏風+近代花鳥図屏風尽し」 泉屋博古館分館(4/14~5/6)
・「いわさきちひろ生誕100年『Life展』 まなざしのゆくえ 大巻伸嗣」 ちひろ美術館・東京(~5/12)
・「光琳と乾山 芸術家兄弟・響き合う美意識」 根津美術館(4/14~5/13)
・「百花繚乱列島ー江戸諸国絵師めぐり」 千葉市美術館(4/6~5/20)
・「モダンアート再訪 ダリ、ウォーホルから草間彌生まで 福岡市美術館コレクション展」 埼玉県立近代美術館(4/7~5/20)
・「名作誕生ーつながる日本美術」 東京国立博物館(4/13~5/27)
・「生誕150年 横山大観展」 東京国立近代美術館(4/13~5/27)
・「没後50年 藤田嗣治 本のしごと 文字を装う絵の世界」 目黒区美術館(4/14~6/10)
・「人間・高山辰雄展ー森羅万象への道」 世田谷美術館(4/14~6/17)
・「浮世絵モダーン 深水の美人! 巴水の風景! そして…」 町田市立国際版画美術館(4/21~6/17)
・「大名茶人・松平不昧」 三井記念美術館(4/21~6/17)
・「集え!英雄豪傑たち 浮世絵、近代日本画にみるヒーローたち」 横須賀美術館(4/28~6/17)
・「ヌード NUDE 英国テート・コレクションより」 横浜美術館(~6/24)
・「五木田智央 PEEKABOO」 東京オペラシティアートギャラリー(4/14~6/24)
・「ジョルジュ・ブラック展 絵画から立体への変容ーメタモルフォーシス」 パナソニック汐留ミュージアム(4/28~6/24)
・「生誕60周年記念 くまのパディントン展」 Bunkamura ザ・ミュージアム(4/28~6/25)
・「ターナー 風景の詩」 東郷青児記念損保ジャパン日本興亜美術館(4/24~7/1)
・「ガレも愛したー清朝皇帝のガラス」 サントリー美術館(4/25~7/1)
・「プーシキン美術館展ー旅するフランス風景画」 東京都美術館(4/14~7/8)
・「ゆらぎ ブリジット・ライリーの絵画」 DIC川村記念美術館(4/14~8/26)
・「建築の日本展:その遺伝子のもたらすもの」 森美術館(4/25~9/17)

ギャラリー

・「ボスコ・ソディ展」 SCAI THE BATHHOUSE(~4/21)
・「BRIDGEー大野美代子の人と人、街と町を繋ぐデザイン」 ギャラリーA4(~4/25)
・「赤松音呂展 Chozumaki / Chijikinkutsu」 ミヅマアートギャラリー(4/4〜4/28)
・「TDC 2018」 ギンザ・グラフィック・ギャラリー(4/4~4/28)
・「巡りゆく日々 サラ ムーン写真展」 CHANEL NEXUS HALL(4/4~5/4)
・「第20回亀倉雄策賞受賞記念 中村至男展2018」 クリエイションギャラリーG8(4/6~5/16)
・「田中智 ミニチュアワールド」 ポーラ・ミュージアム・アネックス(4/27〜5/27)
・「絵と、 vol.1 五月女哲平」 ギャラリーαM(4/7~6/2)
・「蓮沼執太:~ing」 資生堂ギャラリー(4/6~6/3)
・「ミルチャ・カントル展」 メゾンエルメス(4/25~7/22)

4月は日本美術に注目が集まるかもしれません。まずは春の上野です。東京国立博物館にて「名作誕生ーつながる日本美術」がはじまります。



「名作誕生ーつながる日本美術」@東京国立博物館(4/13~5/27)

「名作誕生」は、絵師やモチーフの繋がりに着目し、祈りや古典文学などの12のテーマから、日本美術史上の名品を紹介する展覧会で、国宝・重要文化財を含む、約130点の作品が一堂に展示されます。


既に「出品リスト」(PDF)も公開されました。会期は全部で6期あり、おおむね前半(1期〜3期。4/13〜5/6)と後半(4期〜6期。5/8〜5/27)で多くの作品が入れ替わります。昨年、84年ぶりに真筆として確認された雪舟の「倣夏珪山水図」は、後期に出展されます。

ごく一部を除き、前後期の2度出かけると、ほぼ全ての作品を見ることが可能です。日本中から名品が揃う話題の展覧会だけに、早々から混み合うかもしれません。

10年ぶりとなる大規模な回顧展です。日本画家、横山大観の展覧会が、東京国立近代美術館で開催されます。



「生誕150年 横山大観展」@東京国立近代美術館(4/13~5/27)

岡倉天心に学び、のちに日本美術院を設立して、日本画壇の重鎮としての地位を築いた大観は、今年、生誕150年と没後60年を迎えました。それを期しての一大回顧展で、オール大観とあるように、大観の作品ばかり、約90点が展観されます。また100年ぶりに発見された、「白衣観音」や「彗星」などの新出の作品も含まれます。


実のところ、10年前に国立新美術館で開催された回顧展も相当に充実していました。近年の調査や研究を踏まえ、新たな見地が伺えるかもしれません。

知られざる絵師との出会いが待っているのではないでしょうか。千葉市美術館にて「百花繚乱列島ー江戸諸国絵師めぐり」が開催されます。



「百花繚乱列島ー江戸諸国絵師めぐり」@千葉市美術館(4/6~5/20)

江戸時代の後期には、全国各地に、当地の出身や藩の御用をつとめた、いわば「ご当地絵師」と呼ばれる人々がいました。そうした絵師の活動を俯瞰するのが「百花繚乱列島」で、北海道から長崎までの絵師の作品、約190点が展示されます。


会期中に大幅な展示替えが行われるため、半券を提示すると、2度目の観覧料が半額になるそうです。なにせ江戸絵画では定評のある千葉市美術館のことだけあり、かなりマニアックな展覧会となるのではないでしょうか。展示替えを追いかけるつもりです。

巴水ファンにとっても見逃せない展覧会になりそうです。町田市立国際版画美術館にて「浮世絵モダーン 深水の美人! 巴水の風景! そして…」がはじまります。



「浮世絵モダーン 深水の美人! 巴水の風景! そして…」@町田市立国際版画美術館(4/21~6/17)


「浮世絵モダーン」は、新版画を当時の現代美術とも捉え、社会状況や芸術の動向を踏まえながら、何を表現しようとしたのかを明らかにする内容で、巴水、深水、吉田博のほか、橋口五葉に小早川清らの作品が、計300点ほど公開されます。2005年に同館で行われた「浮世絵モダーン」の第二弾の展覧会でもあるそうです。

ほかにも、Part1の動物画が話題を集めた木島櫻谷の「四季連作屏風+近代花鳥図屏風尽し」(泉屋博古館分館)、お庭のカキツバタともに楽しみたい「光琳と乾山 芸術家兄弟・響き合う美意識」(根津美術館)、代表作を網羅し、過去最大級の回顧展ともなる「人間・高山辰雄展ー森羅万象への道」(世田谷美術館)、また没後200年を期して不昧の世界を紹介する「大名茶人・松平不昧」(三井記念美術館)、さらには神話や歴史上の英雄らを描いた浮世絵や近代日本画を取り上げる「集え!英雄豪傑たち 浮世絵、近代日本画にみるヒーローたち」(横須賀美術館)なども、興味深い展覧会ではないでしょうか。まさに日本美術展の目白押しと言えるかもしれません。


全てを今月中に見るのは難しいかもしれませんが、マイペースで追っていきたいと思います。

それではどうぞ宜しくお願いします。
コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
   次ページ »