「MINIATURE LIFE展 田中達也 見立ての世界」 横浜高島屋ギャラリー

横浜高島屋ギャラリー
「MINIATURE LIFE展 田中達也 見立ての世界」 
4/25~5/7



横浜高島屋ギャラリーで開催中の「MINIATURE LIFE展 田中達也 見立ての世界」を見てきました。

ミニチュア写真家の田中達也は、日用品や食品などを用い、何らかの場面を見立てたジオラマを作り上げては、写真作品として発表してきました。


「食器ングな事故」

青いスポンジを使った作品に魅せられました。何ら変わったところもない、食器洗い用のスポンジが2つ並んでいますが、その上の僅か2センチにも満たないミニチュアの人形が重要で、スポンジを波に見立て、おそらくはボートが転覆したのか、波間で溺れては、助けを求める人の光景を築き上げていました。


「リアルなメモ=メモリアル」

また「リアルなメモ=メモリアル」では、一冊のメモ帳の見開きをプールに見立て、ヤシの木のミニチュアと人形を添えることで、リゾート地でくつろぐ人々の光景を作り出しました。


「リアルなメモ=メモリアル」

その写真作品の元になるジオラマも、一部に展示されていました。それにしても一般的なノートにビーチを見出すことなど、全くをもって想像も付きません。アイデアにも魅力があるのではないでしょうか。


「吸水性の良い土地」

先の「食器ングな事故」と同様、家庭用のスポンジを利用した作品がありました。それが「吸水性の良い土地」で、今度はラクダのミニチュアを添え、黄色いスポンジを広大な砂漠に見立てていました。


「計算された浴室設計」

「計算された浴室設計」も面白い作品で、何と電卓の表示板を浴槽に見立て、お湯に浸かる人々の情景を作り出していました。なお田中は、こうした人形を、約5000体以上も所有していて、特にモチーフのサイズ感に合わせて変え、ポーズや服の色などをアレンジして用いているそうです。人形の動きや着衣も、田中のミニチュア写真作品にとって、重要な要素であるのかもしれません。


「スキーに行っトイレ」

「スキーに行っトイレ」では、トイレットペーパーをゲレンデに見立てていました。またセロハンテープをカウンターに見立て、食事を取り分けようとする様子を表した「カウンターテーブル」も楽しい作品ではないでしょうか。お気に入りの一点を探すには、さほど時間もかかりませんでした。


「収納下手な食器棚」

「収納下手な食器棚」では、小さな円い皿を重ねては、ピサの斜塔に見立て、たくさんの人々が、記念撮影を楽しむ様子を表現していました。


「芯シティ」

さらにホッチキスを並べた「芯シティ」では、自由の女神のフィギュアを添えることで、ニューヨークの摩天楼の光景を浮かび上がらせていました。何ら凝った仕掛けこそないものの、見事なまでに都市風景を表していて、まさにアイデアの勝利と言えるかもしれません。


「ネタで寝たふり」

にぎり寿司をベットに見立てた「ネタで寝たふり」は、「このあとおいしくいただきました」とキャプションに記されていたことから、実際の寿司を素材にした作品でした。ほかにもブロッコリーやオムライスなどの食品サンプルを使った作品も目を引きました。


なお作家の田中達也は、2011年からほぼ休むことなく、ツイッターやインスタグラムのアカウントでも、写真作品を発表しているそうです。そちらも要チェックではないでしょうか。


「新パン線」

2017年のNHK連続テレビ小説、「ひよっこ」のオープニングのミニチュアも、田中が手がけた作品でした。そのジオラマも一際、人気を集めていました。


「死んでもプラス思考」

場内は盛況でした。撮影も可能です。5月7日まで開催されています。

「MINIATURE LIFE展 田中達也 見立ての世界」 横浜高島屋ギャラリー
会期:4月25日(水)~5月7日(月)
休廊:会期中無休。
料金:一般800円、大学・高校生600円、中学生以下無料。
時間:11:00~20:00。
 *但し最終日は18時まで。
 *入場は閉場の30分前まで。:
住所:横浜市西区南幸1-6-31 横浜高島屋8階
交通:JR線、東急線、京急線、相鉄線、横浜市営地下鉄線、みなとみらい線横浜駅西口よりすぐ。
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