都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「こいのぼりなう!」 国立新美術館
国立新美術館
「こいのぼりなう! 須藤玲子×アドリアン・ガルデール×齋藤精一によるインスタレーション」
4/11~5/28
国立新美術館で開催中の「こいのぼりなう! 須藤玲子×アドリアン・ガルデール×齋藤精一によるインスタレーション」を見てきました。
テキスタイルデザイナーの須藤玲子と、須藤の主宰する株式会社「布」のメンバーがデザインしたこいのぼりが、国立新美術館の広大な展示室を鮮やかに彩りました。
その数は全319点で、ご覧のように空中で群れをなすように連なっていました。手前から白、緑、黄色、そして奥へ向かって赤へとグラデーションを描いていて、近づくと抽象、具象を問わず、様々な模様で象られていることが分かりました。
そもそも須藤は、こいのぼりの着想を得たインスタレーションを、フランスの展示デザイナーのアドリアン・ガルデールと協同し、2008年にはワシントンD.C. のジョン・F・ケネディ舞台芸術センター、また2014年にはパリのギメ東洋美術館にて発表しました。素材やモチーフこそ日本から採りながらも、海外からの帰国展と呼べるかもしれません。
展示室は2階のEで、天井高は8メートル、面積も2000平方メートルもあり、同館で最も広いスペースとして知られています。
私としてシンパシーを感じるのは、赤のこいのぼりでした。いずれも宙に吊られていますが、高さはまちまちで、下の方のこいのぼりは目と鼻の先で見ることも出来ました。
天井付近には薄い白い布が張られていて、全体の照明はやや暗く、こいのぼりへ向けてスポットライトが当てられていました。ちょうど展示室の中央付近で、円を描くように群れるこいのぼりを見上げると、何やら水の中に潜っては、鯉が泳ぐ姿を眺めているような気持ちにさせられるかもしれません。
床面にはクッションもいくつも置かれていて、思い思いに座ったり、半分寝そべりながら、こいのぼりを観覧することも出来ました。
会場に足を踏み入れるまで気がつきませんでしたが、各所にスピーカが設置されていて、サウンドインスタレーションも展開されていました。音響、映像ユニットのsoftpadが提供していて、「六本木アートナイト2018」の開催される5月26日(土)には、スペシャル・プログラムも開催されます。(詳細は美術館サイトにて告知。)
ライゾマティクスの齋藤精一も光などの演出を担っていました。須藤との日本では初めてのコラボレーションでもあるそうです。
布地は、北は山形県、南は鹿児島県の奄美大島の職人らと作られていて、一つとして同じものはありません。サイズと形が同一ながらも、時に違うように見えるのは、テキスタイルの意匠のなせる業なのかもしれません。
須藤は1980年代にこいのぼりに出会い、自らのデザインしたプリントで作品を制作してきました。いわば40年越しに実現した、こいのぼりの一大インスタレーションと言えるのではないでしょうか。
企画展示室の奥の部屋にも注目です。一見、一つの空間での展開に思えるかもしれませんが、実は白い壁の向こうにもう一室あり、ワークシートの形式でこいのぼりが制作出来る体験コーナーが設けられています。
こいのぼりに使用された布地に触れられるコーナーもありました。私も実際に触れてみましたが、1枚1枚で、かなり質感が異なっていました。さらにモニターでは、須藤玲子と齋藤精一による布づくりの様子も公開されている上、美術館でのこいのぼりの設営風景もダイジェスト版にまとめられていました。おおよそ完成にまで10日間かかったようです。
モニター以外は撮影も可能です。SNSへ自由にアップ出来ます。
会場内はなかなか盛況でした。もう間もなくこいのぼりの季節を迎えます。GWあたりは多くの人で賑わうかもしれません。
入場は無料です。5月28日まで開催されています。
「こいのぼりなう! 須藤玲子×アドリアン・ガルデール×齋藤精一によるインスタレーション」 国立新美術館(@NACT_PR)
会期:4月11日(水)~5月28日(月)
休館:火曜日。但し5月1日(火)は開館。
時間:10:00~18:00
*毎週金・土曜日は20時まで開館。
*4月28日(土)~5月6日(日)は20時まで開館。
*5月26日(土)は「六本木アートナイト2018」の開催により22時まで開館。
*入館は閉館の30分前まで。
料金:無料。
住所:港区六本木7-22-2
交通:東京メトロ千代田線乃木坂駅出口6より直結。都営大江戸線六本木駅7出口から徒歩4分。東京メトロ日比谷線六本木駅4a出口から徒歩5分。
「こいのぼりなう! 須藤玲子×アドリアン・ガルデール×齋藤精一によるインスタレーション」
4/11~5/28
国立新美術館で開催中の「こいのぼりなう! 須藤玲子×アドリアン・ガルデール×齋藤精一によるインスタレーション」を見てきました。
テキスタイルデザイナーの須藤玲子と、須藤の主宰する株式会社「布」のメンバーがデザインしたこいのぼりが、国立新美術館の広大な展示室を鮮やかに彩りました。
その数は全319点で、ご覧のように空中で群れをなすように連なっていました。手前から白、緑、黄色、そして奥へ向かって赤へとグラデーションを描いていて、近づくと抽象、具象を問わず、様々な模様で象られていることが分かりました。
そもそも須藤は、こいのぼりの着想を得たインスタレーションを、フランスの展示デザイナーのアドリアン・ガルデールと協同し、2008年にはワシントンD.C. のジョン・F・ケネディ舞台芸術センター、また2014年にはパリのギメ東洋美術館にて発表しました。素材やモチーフこそ日本から採りながらも、海外からの帰国展と呼べるかもしれません。
展示室は2階のEで、天井高は8メートル、面積も2000平方メートルもあり、同館で最も広いスペースとして知られています。
私としてシンパシーを感じるのは、赤のこいのぼりでした。いずれも宙に吊られていますが、高さはまちまちで、下の方のこいのぼりは目と鼻の先で見ることも出来ました。
天井付近には薄い白い布が張られていて、全体の照明はやや暗く、こいのぼりへ向けてスポットライトが当てられていました。ちょうど展示室の中央付近で、円を描くように群れるこいのぼりを見上げると、何やら水の中に潜っては、鯉が泳ぐ姿を眺めているような気持ちにさせられるかもしれません。
床面にはクッションもいくつも置かれていて、思い思いに座ったり、半分寝そべりながら、こいのぼりを観覧することも出来ました。
会場に足を踏み入れるまで気がつきませんでしたが、各所にスピーカが設置されていて、サウンドインスタレーションも展開されていました。音響、映像ユニットのsoftpadが提供していて、「六本木アートナイト2018」の開催される5月26日(土)には、スペシャル・プログラムも開催されます。(詳細は美術館サイトにて告知。)
ライゾマティクスの齋藤精一も光などの演出を担っていました。須藤との日本では初めてのコラボレーションでもあるそうです。
布地は、北は山形県、南は鹿児島県の奄美大島の職人らと作られていて、一つとして同じものはありません。サイズと形が同一ながらも、時に違うように見えるのは、テキスタイルの意匠のなせる業なのかもしれません。
須藤は1980年代にこいのぼりに出会い、自らのデザインしたプリントで作品を制作してきました。いわば40年越しに実現した、こいのぼりの一大インスタレーションと言えるのではないでしょうか。
企画展示室の奥の部屋にも注目です。一見、一つの空間での展開に思えるかもしれませんが、実は白い壁の向こうにもう一室あり、ワークシートの形式でこいのぼりが制作出来る体験コーナーが設けられています。
こいのぼりに使用された布地に触れられるコーナーもありました。私も実際に触れてみましたが、1枚1枚で、かなり質感が異なっていました。さらにモニターでは、須藤玲子と齋藤精一による布づくりの様子も公開されている上、美術館でのこいのぼりの設営風景もダイジェスト版にまとめられていました。おおよそ完成にまで10日間かかったようです。
モニター以外は撮影も可能です。SNSへ自由にアップ出来ます。
【こいのぼりなう!】会場の奥にある「マイ・こいのぼりなう!」コーナーでは、台紙にいろいろな柄の紙をはり合わせて作る、オリジナルこいのぼり制作を体験いただけます! #こいのぼりなう #koinoborinow pic.twitter.com/bxIQhraPKU
— 国立新美術館 NACT (@NACT_PR) 2018年4月13日
会場内はなかなか盛況でした。もう間もなくこいのぼりの季節を迎えます。GWあたりは多くの人で賑わうかもしれません。
入場は無料です。5月28日まで開催されています。
「こいのぼりなう! 須藤玲子×アドリアン・ガルデール×齋藤精一によるインスタレーション」 国立新美術館(@NACT_PR)
会期:4月11日(水)~5月28日(月)
休館:火曜日。但し5月1日(火)は開館。
時間:10:00~18:00
*毎週金・土曜日は20時まで開館。
*4月28日(土)~5月6日(日)は20時まで開館。
*5月26日(土)は「六本木アートナイト2018」の開催により22時まで開館。
*入館は閉館の30分前まで。
料金:無料。
住所:港区六本木7-22-2
交通:東京メトロ千代田線乃木坂駅出口6より直結。都営大江戸線六本木駅7出口から徒歩4分。東京メトロ日比谷線六本木駅4a出口から徒歩5分。
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