◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

「ご(お)~いただく」は感謝の気持ち。

2011-04-24 09:11:56 | 気になる言葉、具体例
                          私を元気付けてくれるハムやん

 前回の「会長をお務めいただいて」もそうですが、「丁寧にご指導いただき」「遠路はるばるお越しいただきまして」「お招きいただきまして」「詳しくご説明いただいて」「本日お話しいただくテーマは」など、こうした「ご(お)~いただく」は感謝の気持ちを表しています。相手の動作、行為をありがたく受けるわけです。
 「○○に」は言っても言わなくてもいいし、○○に頼んだか頼んでいないか、それも関係ありません。「Aさんに会長をお務めいただいて」「Bさんにお越しいただきまして」「担当のかたに詳しくご説明いただいて」「講師に本日お話しいただくテーマは」というふうに、わざわざ「○○に」と言うと頼んだような感じになりますが、引き受けてくれたのならやはり感謝ですよね。
 さて、「お客様が安らいでいただいて、元気を与えられるように」は、いかにも広報マン(もしくは営業マン)という感じ、つまり、日常生活の中でそんなしゃべり方はしないだろうという感じ、です! 一体だれが主体なのか、言っている本人も分からなくなっているようです。
 ちゃんとした日本語で話せる人なら、そして、お客様に対して全力でサービスし、それで元気になってもらえたらそれが自分の喜びだと本気で思っている人なら、そういう誠実な思いをストレートに言葉にしたなら、「お客様に安らいでいただいて、元気付けて差し上げられるように」と言いますよ。
 でも、「元気をもらう」「元気を与える」がまん延している昨今ですから、「元気付けて差し上げられるように」に抵抗を感じる人は多いかもしれません。めったに聞かなくなりましたね、「元気付ける」「勇気付ける」って。一般の人も、「元気になりました」ではなく「元気をもらいました」と言い、「○○が元気になってもらえるように」と言っているのに「○○が元気もらえるように」と書いてあるテロップすら見たことがありますからね。もらうだけ? 本当に元気になる?
 どうしましょうかねぇ・・・、「お客様に安らいでいただいて、元気になっていただけるように」とでも言いますか。「いただいて」が続いてちょっとくどいし、「元気付けて差し上げられるように」よりちょっと落ちるような、消極的な感じになるような気はしますが(~_~;)。あるいは、いっそのこと「お客様が」にして、「お客様が安らげるように、そして元気になっていただけるように」というのがいいかもしれませんね。(⌒・⌒)
コメント
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