◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

変な日本語、その1、文法無視。

2007-01-16 10:37:27 | ちゃんとしゃべれ!変な日本語
                かかってこい!
 日本語は、文末まで聞かないとはっきりした意図が分からないという特徴を持っているのですが、文法にのっとり、副詞や助詞を正しく使って話していれば、後に続く言葉をある程度予測することはできます。例えば、「決して」と言えば「~ない」と続くに決まっていて、「決してそんなこと・・・」と尻すぼみになって最後の言葉が聞こえなくても、「そんなことはありません」と言ったのだろうと推測できます。
 文法を無視せず、理路整然と正しい日本語で話す人であれば、次はこう言うだろうという予測どおりの言葉が出てきますが、そんな人は実にまれです。ほとんどの人は言葉のルールを逸脱しているため、予測した言葉が続いて出てくるとはかぎりません。思いも寄らない言葉が出てくるので余計に聞き取りにくくなっているのです。
 「あまり多くない」と言うと思ったら「あまり少ない」、これが意外に多いので困ってしまいます。「ここに速いテンポの曲がある」と言うかと思ったら「ここに速いテンポの曲しかない」、どうも調子が狂ってしまいます。速いテンポの曲しかないのだったら、「ここには速いテンポの曲しかない」というのが自然な言い方です。どうですか、自然な言い方、できていますか?
 写真のハムスターは、真っ白ですが、ジャンガリアンのノーマルグレーです。腹毛が、普通は薄いグレーなのですが、この子は真っ白で、とても毛がふさふさして美しい、ちょっと特別な子です。
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仕事そのものが闘い。

2007-01-15 12:18:05 | ストレスと闘いながら
                 呼んだ?
 ものすごくいい天気です。なんたってここは石川県、冬の間、重く垂れこめた灰色の雲の下、日差しなど見ることのない日が続く、というのが普通なのに、なんとも明るい、北陸らしからぬお天気。車のボンネットの上で2匹の猫がゆったりしているのが見えます。のらの猫ちゃんにとっては何より幸福なことですね。猫ちゃんと目が合って、「そこにいていいよ」と言ったら、「あ、そ、どうも」と返事したような気がしました。
 テレビでニュースを見ていると、本当に世の中にはいろいろなことで闘っている人々がいるのだなと思います。相手は、悪質な業者や誠意のない事件・事故の加害者、あるいは、難病だったり、経済的困窮だったり、周囲の人の理不尽な仕打ちだったり、もっと身近なところで、家族の問題だったり。外国では、地雷や飢えなど、日本では考えられないようなことまで、実にさまざまです。
 私は、仕事そのものが闘いでした。パソコンのモニターから出る電磁波がよくないということを聞き、実際、ストレスが体にたまっていくのをリアルに感じたので、モニターから70センチほど離れるように配置を工夫しました。そして、今度は指を痛め、鍼灸治療を受けながら何とか作業を続けました。そうやって毎日雑音の中から何とか言葉を拾い、つなぎ、文章化するのですが、なぜみんなこんなにも分かりにくい話し方なのかと腹が立ってきました。
 変化に追いつかず、ちっとも役に立たないカタカナ語辞典を壁に投げつけ、たくさんあるのにどこを見たらいいかさっぱり分からない資料を、投げつけたかったけれど、コピーでない場合はそれもできず、我慢、我慢、頭を抱えて深いため息をつくしかありませんでした。そんな中で変な日本語アレルギーになり、アレルゲンである変な日本語をメモしていったのは自然なことでした。それが少しストレス発散になり、同時に闘病日誌のようになったのです。
 人は、具体的な相手と闘うのと同時にストレスと闘っているわけですが、これをうまく処理できないと病気になってしまいます。変な日本語アレルギーの私は、仕事から離れているときでもアレルゲンはそこらじゅうに満ちあふれていますから、本を書くこと自体がストレスと闘う手段の一つになったと言えるかもしれません。やはりだれかにこの苦しみを分かってほしいと願ったのです。「これがアレルゲンなんだ!」と、私は世界の片隅で小さく叫んでいるのです。
 その叫びがなかなか人の耳に届かないのでちょっとめげそうですが、アレルゲンをメモすることが習慣になっているので、相変わらず毎日いろいろメモしています。そのうち「ちゃんとしゃべれ!」の続編が出せるかも。もちろん、私の場合、ハムスターたちが大いに癒やしてくれているわけで、まさにハムセラピーですね、本当に感謝しています。綿の中で眠っているハムを呼ぶと、鼻だけ見せてくれます。あはは。
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マナーって何だろう? そして・・・年忘れ!?

2007-01-14 16:40:50 | 言葉についてあれこれ
 昨日はほんの少し雪がちらつきましたが、ここ北陸らしからぬ暖かい冬です。でも、喜んでばかりはいられない、雪不足は夏の水不足につながるので心配です。
 さて、マナーを覚えようというとき、そうする理由を理解すれば簡単なので、そういうふうに書いてあるものを探して読むといいですよね。かくいう私も、以前はただ覚えようとしていたのでなかなか覚えられず、「なんでこんな細かい決まりごとがあるんだ?」と疑問に思っていました。
 マナーの「理由」や「心」ということに気づくきっかけになったのは香典袋です。後ろに折った紙が、下側を先に折って上側を重ねる決まりになっている、慶事ならこの逆、と印刷してあるのを読み、その理由を調べたのです。不幸はさらっと流れ落ちるように、幸福なこと、めでたいことは受けるように、なるほど、そんなふうに見えます。水引も、弔事は結び切り、慶事は何度あってもいいから蝶結び、ただし、結婚は1回でいいから結び切り、なるほど、うんうん。
 ところで、石川県(加賀)の鏡餅は、上の小さいお餅が赤色(ピンク)で、紅白なのですが、それが当たり前だと思っていたら、なんと、それは加賀と北海道の一部地域のみだそうで、能登は白に白、全国的に鏡餅は白に白を重ねるものだということで、びっくりしました。加賀藩・前田家の鏡餅が紅白で幾重にも積み上げた形であったことからそうなったのではないかというわけです。これは地域限定マナーなりー。
 そういえば、寒い地方の人は口をあまり開けないでしゃべるのでとても聞き取りにくいのですが、ものすごく寒いのだからしょうがないですね。お医者さんも、あまり口を開けないでしゃべる人が多いように感じますが、それはなぜなのか分かりません。暖かい場所で大勢の人に話を聞かせるなら、特に意識して口を開け、はっきり発音してもらえると助かります。
 昨日放送の「ポチたま」を、見る時間がなかったので録画し、今、見ています。「2006年、年忘れ! 紅白ポチたま合戦」って、まぁいいけど。地方都市では、秋の紅葉どうのこうのという旅番組を春に見たりして、かなり遅れているんだなぁと思うことがよくありますが、インターネットはリアルタイムですからね、そこがいいところです。といっても、この記事、すでに数週間出遅れた感じもしますが。それにしても、踊る猫や犬、しゃべる豚、かわいいー、さわりたいー。あ、ハムが出てきた・・・あー気持ちよかった、ハムの手が鼻の穴に入った。
 今日のお気に入りワード、「サンデージャポン」という番組で爆笑問題の太田さんが橋下(はしもと)さんと八代(やしろ)さんを指して「青空 有罪・無罪」、笑えました。これって、生放送ということは、全国一律リアルタイムということですよね。放送禁止用語というのがあることは皆さんご存知だと思いますが、生放送では口に出した言葉はそのまま放送されますから、出演者は、そういった注意事項について事前に教えられているのでしょうか。でも、そういうことだけではなく、テレビに出るのなら、正しい日本語ということにもう少し関心を持ってくれたらといつも思います。
 不適切な言葉というのも時代に合わせて変わり、日々新しい言葉が生まれ、言葉は変わるもの、ですが、変えてはいけないもの、変えたら日本語が日本語でなくなってしまうような基本的なルールがあって、それはちゃんと分かって守っていただきたいのです。いつまでも聞き手に甘えっぱなしではいけません。それに、話の半分も分かってもらえていませんよ。テープ起こしでは話を分かるまで繰り返し聞きますが、講演会やプレゼンの参加者は1回しかチャンスがないのですから、もっと分かりやすい日本語で話してあげてください。
 あ、「ポチたま」のテロップ、「全米中の学校や病院を訪問」と書いてあります。出た、「ちゃんとしゃべれ!」にも書きましたが、全米中、「全米」と「アメリカ中」のミックスです。「全米中」をおかしいと思いませんか? 全米、米国、日本国、「全日本中」とは言わないでしょう?
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話すときのマナー、そして、「煎れたてのコーヒー」って?

2007-01-13 11:26:51 | 気になる言葉、具体例
 もうお正月気分はなくなってきましたが、年始のごあいさつ、同窓会、パーティーなど、ふだんとは違った集まりがあったりしてマナーが気になった人も多かったのではないでしょうか。マナーって何だろう、単なる形? 覚えるのが大変? いいえ、そうではないと思います。いろいろな人への気遣い、自然な動作、合理性、よかれと思う心、慰めや感謝、そういうものが時間をかけて整えられていった、つまり、心が形になったものだと思うのです。だから、心が分かれば簡単なのです。
 人に話をするとき、聞き取りやすいように言葉をはっきり発音する、話の流れが分かりやすいように、助詞を正しく使う、これはいわば日本語のマナー、話をちゃんと理解してもらおうと思えば当然のことです。でも、これまでテープ起こしをしてきて、これができていない人が非常に多いことに気づかされ、がく然としています。皆さんはどうですか、できていますか? もしかして、「新鮮な野菜が売っている」なんて言っていませんか。
 ところで、今朝、テレビをつけてすぐ、おいしそうなコーヒーの映像と「煎れたてのコーヒー」という表記が目に飛び込んできて考え込んでしまいました。まず、「コーヒーをいれる」という場合は「淹れる」で、「煎」は間違いです。しかし、「淹」も常用漢字外なので、「いれる」と表記するしかありません。
 次に、「ロースト(roast)、焙煎」ということで考えてみましょう。「焙」はあぶる(焙る、常用漢字外)、「煎」は水分を除く、つまり、あぶって水分を取り除く、ほうじる(焙じる、常用漢字外)、熱を加えて水分を取り去るという意味です。その意味で「煎」を使うときは「いる(煎る、常用漢字外)」で、「いれる」だと、いって出来上がる、いることができる、という意味になり、飲み物としてのコーヒーができた状態を「煎れたて」とは言えません。しかも、「パンが焼けたよ」というときは「焼きたてのパン」であって「焼けたてのパン」ではないように、いってすぐという意味なら「いりたて」です。
 目の前で豆をいり、ひいて(挽いて、これも常用漢字外)、心を込めていれてくれたコーヒーはさぞおいしいことでしょう。私は、毎朝、少量のご飯を食べた後、500グラム300円ほどのコーヒーをいれ、チョコレートを食べながら飲んでいます。これはこれでおいしく、満足しています。あ、そういえば、一度、コーヒーカップにハムスターが落ちたことがあります。
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「hamster」は「キヌゲネズミ」ってどうなの~?

2007-01-12 13:22:35 | ハムスターあれこれ
 ジャンガリアンはヒメキヌゲネズミ、でも、ネズミというと、あれですな、ミミズのようなしっぽのある、あれ。子だくさんや物質運の象徴でもありますが、私はどうもあのしっぽが・・・。ハムスターというと「ネズミでしょ!」と言われることがありますが、私は「ネズミとは違う」と答えます。
 ハムスターのしっぽは短くて筆の先みたいだから、ネズミだけどネズミではない、手や足の裏にまでびっしり毛が生えていてとってもキュートです。手に乗せて背中をなでて、ひっくり返しておなかに鼻をくっつけ、柔らかい感触と香ばしい匂いを楽しみます。これで脳みそにたまったストレスがすーっと消えるのですから、まさにハムセラピー(ハムテラピー、Hamtherapy)、癒やしなのです。
 過去にハムスターを飼ったことのある友人は、「ハムスターは人間のことを好きではないから物足りない」と言いますが、私にしてみれば、そこにいるだけでいいのです。食べて、寝て、走って、あくびして、かじって、毛づくろいして・・・、でも、おいしいものが欲しいときはじっとこちらを見詰め、待っていて、呼ぶと寄ってくるのですよ。かぁーいー!
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1文字をおろそかにする者は1文字に泣く。

2007-01-11 14:05:06 | 気になる言葉、具体例
 「ちゃんとしゃべれ!」の中で医師のカタカナ語ということに少し触れているのですが、医師に限らず、医学や化学などの関係のカタカナ語は、大ざっぱにいってドイツ語読みと英語読みとに分かれます。私の印象でいうと、若い人は英語読み、年配の人はドイツ語読みが多いという感じがします。
 このごろ、「カロチン」が「カロテン」になったことにお気づきのかたも多いと思いますが、政府の「食品標準成分表」の表記が「カロテン」になったことを受けて放送業界も「カロテン」としているようです。カロチン(karotin)はドイツ語、カロテン(Carotene)は英語です。
 カロテンはカロテノイド(Carotenoid)の一種ですが、この「カロテノイド」によく似た言葉で「カルチノイド(Carcinoid)」というのがあります。しかし、意味は似ても似つかぬもの、消化管に多い腫瘍、ポリープの一種のこと、ということで、中間の「カロチノイド」という表記もちらほら見ますが、これは誤解を招きます。
 1文字の扱い方がとても大切で、本当に重要なことなのです。「ケージ」と「ゲージ」は違います。「バック」と「バッグ」は違います。決して1文字をおろそかにしてはいけないのです。多くの人はあまりこういうことを意識しませんが、1文字違えば意味が違うということにぜひ気づいてほしいと思います。
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治納由気(はるなゆき)です。

2007-01-09 17:56:09 | 自己紹介
 初めまして、治納由気です。ディクテーション(テープ起こし)を7年間やってきて‘ 変な日本語アレルギー ’になってしまい、どんどん重症化するのでこれはまずいと思い、書きためたアレルゲンに関するメモを電子書籍にしました。
 
 タイトルは「『ちゃんとしゃべれ!』-スーパースプレッダーに気をつけて-」です。
 
 皆さんは、ふだん自分が話している日本語について、どの程度きちんとしゃべれているかというのを考えてみたことがありますか。ざっと5000~6000人の話し方をテープ起こしでじっくりチェックしてきましたが、本当にひどいものです。でも、間違っている人は妙な自信を持っていて、自分が間違っているという考えはみじんもないので、変だなぁと思うこともありません。
 正しい日本語で話せる人は、変な日本語を聞くと、何か違うなーと感じます。でも、どこがどう違うのか分からないし、いちいち人には聞けないし、調べる暇もない、そういうかたがほとんどだと思いますので、代わりに私が調べてまとめたこの本を読んで確認してください。

 とりあえず、間違っているということに気づいてほしいのです。このブログでもいろいろ実例を挙げて解説していきます。

 毎日ハムの写真も載せますので、楽しんでください。癒やされますよ。

でじたる書房は http://www.digbook.jp 「でじたる書房」で検索すると上位に出てきます。
 「でじブックリーダー」をダウンロードすると、リアルな本のページをめくるような感覚で、パソコン上で読書できます。私も初めて見たときは笑ってしまいました、「面白ーい、何これー!」と。適当なところをぱっとめくったり、線を引いたり、しおりを挟んだりもできるのですよ。
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